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<インタビュー>WONHO ファンに誓いを立てたソロ作品『Love Synonym #1: Right for Me』



WONHOインタビュー

 ソロ・アーティストとして活躍するWONHO(ウォノ)が、そのデビュー作品となるミニ・アルバム『Love Synonym #1: Right for Me』を今年9月に発表した。米ビルボードではワールド・アルバム・チャートで初登場9位と華々しいデビューを飾っている。そんな彼がアルバムからの先行配信曲「Losing You」や収録曲の制作過程を詳しく話してくれた。インタビュアーは音楽ジャーナリストの今泉圭姫子氏だ。

 2020年8月14日、「Losing You」で劇的なカムバックを遂げたWONHO。ソロ・シンガーとして、彼が目指した音楽スタイルの幕開けは、意外にもバラード・ナンバーであり、英語での歌唱だった。これまでにも、ソングライターとして、様々なスタイルの音楽を作り上げてきたWONHOは、英語の歌詞に乗せて、自分の思いを切々と歌い上げている。

 「文化も言葉も違うけれど、音楽は世界に通じる唯一共通のもの。僕の音楽でこれまで長い間待っていてくれたファンのみなさんに、感謝と恩返しをしたいという気持ちで作った曲です。ミュージックビデオのストーリーは、ソロ・シンガーWONHOとして新しい扉を開ける、というテーマで制作しました。モノクロ映像だと、僕の思いがうまく伝えられると思いました。」


 MVでは、いきなり宙吊りのWONHOの姿が映し出されるが、映像監督とミーティングを重ね、スタートを意味する映像にしたという。そして長い間待っていてくれた世界のファンに、まずは英語でメッセージし、韓国語、日本語、中国語でのリリック映像も次々と公開し、彼の思いは、日本のファンにも伝えられた。そして「Losing You」の余韻が覚めぬまま、9月4日にデビュー・ソロ・アルバム『Love Synonym #1: Right for Me』がリリースになった。

 「これは僕からファンのみなさんに、誓いを立てたアルバムなんです。僕にとってファンのみなさんは、感謝してもしきれない大切な存在です。みなさんがいてくれたから、僕はWONHOとして戻ってくることができました。愛の新しい定義をタイトルにしたんですが、これまで披露してきた音楽スタイルやパフォーマンスとは違う、本格的なソロ・アーティストとしての第一歩として、僕だけの新しいスタイル、パフォーマンス、カラーを見せることができるアルバムに仕上げたかったんです。ソングライターとしても成長できたと思うし、僕の成長過程の中には、ファンのみなさんの心強い応援があったので、僕の成長がみなさんに伝わっていたら嬉しいです。これからも一歩ずつ階段を上るようにがんばっていきます。」

 タイトル曲となった「Open Mind」は、「Losing You」とは一変し、幻想的なエレクトロニック・ポップをベースにしたダンス・ナンバー。MVでも、ダンス・パフォーマンスと、WONHOの代名詞でもある鍛えられたボディが惜しみなく披露された。「WONHOにとってオープンマインドになると言うことは?」と聞くと「WONHOのセクシーさ(笑)」と。デビューからずっと緊張感の中にいたと思うが、茶目っ気溢れる答えに、変わらぬ魅力を感じ安心した。

 「中毒性のあるメロディーの『Open Mind』は、ずっと記憶に残る曲になったらいいなと思っています。映像も、誰もがもう一度見たくなるようなパフォーマンスを取り入れました。心強いスタッフのみなさんと作業ができて、本当に楽しかったです」と。ちなみに、あの鍛えられたボディは、やはり努力の賜物だった。「食事も調整して、体力管理をしています。みなさんに良い姿をお見せしたかったので! いい感じですか? それならよかったです。褒めてもらえて嬉しいです。」


 アルバムに収録された8曲のうち5曲を作詞・作曲・編曲したWONHO。本人がお気に入りのバラード「I Just」は、「穏やかな中に寂しさが隠れた美しいメロディーの曲で、温かいヴォーカルに浸ってもらえると嬉しいです。」アップテンポの明るいサウンド「Lost In Paradise」は、「今、僕たちは一緒にいられないけれど、僕の歌で気持ちが少しでも癒されて、良い気分になってもらえたらと思って作りました。『Losing You』同様、ファンのみなさんに伝えたいメッセージが込められています。」曲間のInterludeとなる「Runway」は、ベースとドラムのリズムによるクラブ・ミュージック・サウンド。「僕のエネルギーが発散されたサウンドです。楽しい作業でした。」そして唯一ソングライティングに関わっていない「With You」は、WONHOが信頼している人物JooYoungの作品。「ジュヨンさんから、いつも良いアドバイスをもらっています。僕をいつも応援してくれる人です。僕のスタートの作品を手伝ってくれたことに感謝しています。この曲のヴォーカル・スタイルは、僕の新しい姿です。官能的なヴォーカルに挑戦しました。」

 アルバムには、「Losing You」と「Open Mind」の英語、韓国語ヴァージョンも収録されている。「日本語ヴァージョンは?」と聞くと「出来るだけ早く日本語による歌、MVをお見せできるようにします。待っていてください!」と約束を。今はまだ、海外に渡っての活動がままならないが、「次に日本に行ったら? やりたいことが多すぎて……買い物をしたいし、グルメ店にも行きたいし。ファンのみなさん、ぜひオススメ情報を送ってください(笑)。」

 韓国の各音楽番組でも、WONHOのカムバック・パフォーマンスは披露され、注目度の高さを感じることができた。デビュー・ショーケースで発表になったアンタクト(un+contactの略)によるSpecial Liveが9月27日に開催される。「アンタクト・ライブで初めて公開するパフォーマンスや、僕の新しい姿に出会えるカバー・ステージも準備しているので、ぜひ一緒に楽しみましょう。」と。最後に、日本のファンへのメッセージをもらった。「すごく会いたいでしょ? 僕も日本のファンのみなさんにすごく会いたいです。会える日を待ちながら、元気でいましょう。みなさんに良い音楽を届け、さまざまなコンテンツで会えるように頑張ります。」

 WONHOは、アメリカの大手マネージメント<マヴェリック社>と契約を交わし、今後グローバル展開をしていく。そしてアメリカのプロデューサー・チームとコラボレーションも予定されており、新しい作品作りを通して、世界へ向けたソロ・アーティストとして、積極的に活動していくとのことだ。『Love Synonym #1: Right for Me』は、その第一歩に過ぎないが、WONHOの世界観をしっかりと伝えることができた作品として、大きな評価を得ていくだろう。

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