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ビッケブランカ、【NOW PLAYING JAPAN LIVE vol.3】出演インタビュー
2016年メジャーデビュー、抜群のポップセンスとバラエティに富んだ楽曲が注目を集めるシンガーソングライター・ビッケブランカ。昨年リリースしたデジタルシングル「まっしろ」は、ドラマ『獣になれない私たち』の挿入歌に起用され、ストリーミングチャートBillboard JAPAN Streaming Songsで17週連続チャートインを記録した。そんなビッケブランカが、5月28日に開催されるストリーミングと連動したライブイベント【NOW PLAYING JAPAN LIVE vol.3】に出演する。今回のインタビューでは、普段の音楽の聴き方や、楽曲を作る際に心がけていること、そして6月12日にリリースする新シングル『Ca Va?』について話を聞いた。
CDを持って嬉しいと思ったことが一度でもあるから、CDを持ちたいだけですね
――【NOW PLAYING JAPAN】は、ストリーミングからヒットを生み出すことを目的としたプロジェクトです。ビッケさんは普段、ストリーミングサービスはどのくらい使っていますか?
ビッケブランカ:めちゃくちゃ使ってます。今日も車で来たんですけど、ABBAとかバナナラマとか聞いてきました。
――ストリーミングで音楽を聴くときは、プレイリスト単位で聴いていますか? それともアルバム単位?
ビッケブランカ:両方ともですね。自動的に次のおすすめをシャッフルで流してくれる機能で聴くこともありますし。かなり全機能使いこなしてます。
――その中で、新しい音楽を見つけることはありますか?
ビッケブランカ:あります。僕は垂れ流しているうちに次の曲に転がっていく曲の中で見つけることが多いですね。アプリが趣向を分析して、好きそうな曲を流してくれるんです。大外れすることももちろんあるんですけど、その中で「おお、こんなのきた!」ってなる時もあります。
――最近、ストリーミングサービスで見つけたおすすめの曲はありますか?
ビッケブランカ:あるある。ザラ・ラーソンの「Don't Worry Bout Me」。元々こういう”ぶちあがらない打ち込み”みたいな曲を好んで聴いていたのを、アプリが勝手に分析して、この曲を流してきたんです。それで、めっちゃいい曲やんって。
▲ザラ・ラーソン「Don't Worry Bout Me」
――ストリーミングを使い始める以前は、どういう手段で音楽を聴いていましたか?
ビッケブランカ:一番初めは両親が持ってたCDを聴き漁るところからですね。父親がアリスやチューリップ、母親がザ・ナックとかカーペンターズ、ベイ・シティ・ローラーズ、ABBAとかを聴いていたので、そういうCDが家にありました。2人とも音楽が好きだったみたいで、結構良いコンポがあったんですよ。それに食い入って、スピーカーの目の前で遊んだりしてましたね。
――ビッケさんの楽曲にも、今おっしゃったアーティストの影響が見える気がします。
ビッケブランカ:影響の元々は完全に両親の音楽なんですけど、その両親があんまりアンダーグラウンドに掘ってないんですよ。良い音楽を好んでずっと聴いてる。流行りものだから聞く、の一個先にいる感じ。流行ってるものをちゃんと理解して、面白いじゃんと思って、ちょっと掘って聴く。一個のジャンルを根深く、っていう2人ではなかったから、良かったのかなと思いますね。
――CDはまだ聴くことはありますか?
ビッケブランカ:全然聴かないし、買ってないです。どうしてもサブスクになくて、でもめっちゃ聞きたい曲は買ったりします。ダウンロードもしますけど、ダウンロードにすらない曲もあるんですよね。この前買ったのは、シャンプーの『サラ』のCMソングを集めたコンピレーションアルバム。昔の『サラ』のCMって覚えてます?
――覚えてないです。
ビッケブランカ:当時の『サラ』のCMって何種類かあって、全曲めっちゃ攻めてるんですよ。めちゃくちゃニッチな曲をど頭から大音量で流してて、それ聞いて「なんだこのCM!?」って、ずっと気になっていたんです。当時はShazamもなければ歌詞検索もなければ、デバイスすら持ってないから曲名がわからなくて。大人になって、【サラ CM 誰々】って掘って掘って掘って見つけて。でも昔の曲でサブスクにもダウンロードにもないから、CD買いましたね。めっちゃかっこいいですよ、本当に。
――ビッケさんは今、CDもリリースされているわけじゃないですか。その中で、今後CDってどんな役割になっていくと思いますか? 所有する欲求を満たすものではあるのかなと思っていますが、これからどうやってリリースしていこうと思っていますか。
ビッケブランカ:実は僕、CDの存在意義について意見がないんですよ。「CDが今売れなくなって」とか「ダウンロードとかサブスクで聴けるから」みたいなことを、あんまり考えたことがなくて。
――「作るから後は好きにしてください」みたいな?
ビッケブランカ:自分の満足でしかない感じはありますね。この曲を作る意味は、みんなにこうなってほしいからだとか、こういう価値があるんだというよりも、僕一人がCDを持って嬉しいと思ったことが一度でもあるから、CDを持ちたいだけですね。それ以上のこと考えて、「ミュージシャンが稼げない時代だ」みたいなことに入っていくと、他人事に僕は感じる。自分のやるべきこととは違うところで頭を使わなければいけなくなるので、それを考えないようにしています。
――作ることが本業だと。
ビッケブランカ:そうですね。それをやる上で、いろんな人の知恵を借りてやっているので。CDがそこに存在したほうがいい場合、しなくてもいい場合というのはある。僕じゃない賢い人が考えた何かがあるはずですから。収録されるものだけ責任を取ろうって感じですね。
公演情報
NOW PLAYING JAPAN LIVE vol.3
ビルボードチャートを賑わせたアーティスト数組と、 本プロジェクトの事前展開で決定した新人アーティストによるオムニバスイベント。 新人アーティストは複数のアーティストの中から、 ストリーミング各社での期間中のストリーミング数により1組が選出。
2019年5月28日(火)
新木場STUDIO COAST
出演《NOW PLAYING ARTIST》androp、Official髭男dism、ビッケブランカ
出演《STARTERS ARTIST》まるりとりゅうが
MC:千葉 雄大
チケット:招待制(合計2,400名)
主催:NOW PLAYING JAPAN製作委員会
協 賛:ファミリーマート、株式会社ECC
特別協力:uP!!!ライブパス
協力:Sonos
ストリーミングサービス:Apple Music、Amazon Music、AWA、うたパス、Google Play Music、KKBOX、Spotify、SMART USEN、dヒッツ、LINE MUSIC、Rakuten Music、RecMusic
告知協力:J-WAVE、ニッポン放送
企画・制作: Billboard JAPAN、SPACE SHOWER TV
関連リンク
「全然わかってねえなみんな!」って大声で言えるようなものを作ろうと思って
――昨年リリースしたデジタルシングル「まっしろ」は、ストリーミングチャートに17週連続でチャートインしました。この曲が特にストリーミングでヒットした要因について、ご自身ではどう考えていますか?
ビッケブランカ:なんでしょうね。ストリーミングサービス自体が一般的になったからじゃないですか? もう「趣味・音楽鑑賞」って書かない人も入ってるくらい、今や誰もが使ってるし。その中で、タイトルも「まっしろ」って間違いのない表記で、ぽんと検索してぽんと聴ける。そういうことなのかなとは思います。
▲ビッケブランカ「まっしろ」
――今っていろんなチャンネルがあるじゃないですか。CDが売れている曲、ストリーミングで多く聴かれている曲、YouTubeでたくさん再生されている曲、みたいな。そういった中で、どういうことがヒットだと思いますか?
ビッケブランカ:うーん……。やっぱり音楽のジャンルを分けるとか、聴かれているシーン、流行ってるシーンを分ける、って枠を超えたところにいけたらいいんじゃないですかね。スタートはどこからでもよくて、ストリーミングで流行ってそこから国民的になってもいいし。どこか一つで流行ってるってことでは、一線は超えてない感じはしますよね。
――複数のチャンネルで共通して聞かれるようになることが、壁を超えたことになると。
ビッケブランカ:そうです。イメージとしては、どこか一つのチャンネルでどーんと流行って、それが何かしらのタイミングで全部のチャンネルに落ちていく感じ。みんなが歌える曲がヒットなんじゃないですかね。
――私たちは8種類のデータを合算した総合チャート<Billboard JAPAN HOT 100>を毎週、発表しています。ヒットチャートは、日頃ご覧になりますか?
ビッケブランカ:あんまり見ないですね。
――そもそもチャートは必要だと思いますか?
ビッケブランカ:それは必要ですね。楽しいから。順位が出ることはいいですよね。勝負事で、はっきり勝敗が出されるほうが嬉しい。勝負に出る時に、いろんな打算があると、勝とうが負けようがどちらにせよスッキリしない感じがあるわけですよ。人として、ありのままで行って勝負したい。
――じゃあ、ご自身のリリースの後はチャート見る?
ビッケブランカ:それは見ます。何位か気になる。枚数までは気にならないですけど。
――自分が作ったものに順位が付くことに対して、違和感はないのでしょうか?
ビッケブランカ:めちゃくちゃ嬉しいことじゃないですか。そもそも闘争心とかハングリー精神とかが元々少ないので、そういうところで自分を鼓舞していかないといけないんですよね。
――自分が思っていたより順位が低かったらショックじゃないですか?
ビッケブランカ:えー!ってなるけど、「全然わかってねえなみんな!」って大声で言えるようなものを作ろうってことですね。「こんな間違いのないものがなんで2位なの!?」って。
――6月12日には、新シングル『Ca Va?』がリリースされます。「Ca Va」はフランス語で元気?という意味ですが、どういう経緯で制作したのか教えてください。
ビッケブランカ:この曲は時間が空いた時にちょっとずつ書き進めている曲だったんです。
――ちょっとずつというのは、どんな感じに?
ビッケブランカ:とりあえず「サバァ?」って言いたくて。これを作り始めた頃、一人でパリに旅行に行ったんですよ。そしたら、現地の人がみんな「サバァ?」って言うんです。日本ではサバは鯖だけど、フランスでは電話の初めに絶対「サバァ?」って言うんです。それが笑えるなと思って、曲中で「サバァ?」って言ったら面白いかなあ、って作り始めました。
――イントロからの急展開がとてもかっこよかったです。
ビッケブランカ:あれふざけてません?(笑) 僕こういう遊ぶ曲が大好きなんですよ。次は「まっしろ」で好きになってくれた人が自然に聴いてより好きになってもらえる曲になりがちな流れを感じてはいたんですけど、こんなのになっちゃって。
――良い意味で裏切られた感じはあります。
ビッケブランカ:本当ですか? 中途半端に裏切るなら、思いっきり裏切るほうがいいかなと思ってました。
公演情報
NOW PLAYING JAPAN LIVE vol.3
ビルボードチャートを賑わせたアーティスト数組と、 本プロジェクトの事前展開で決定した新人アーティストによるオムニバスイベント。 新人アーティストは複数のアーティストの中から、 ストリーミング各社での期間中のストリーミング数により1組が選出。
2019年5月28日(火)
新木場STUDIO COAST
出演《NOW PLAYING ARTIST》androp、Official髭男dism、ビッケブランカ
出演《STARTERS ARTIST》まるりとりゅうが
MC:千葉 雄大
チケット:招待制(合計2,400名)
主催:NOW PLAYING JAPAN製作委員会
協 賛:ファミリーマート、株式会社ECC
特別協力:uP!!!ライブパス
協力:Sonos
ストリーミングサービス:Apple Music、Amazon Music、AWA、うたパス、Google Play Music、KKBOX、Spotify、SMART USEN、dヒッツ、LINE MUSIC、Rakuten Music、RecMusic
告知協力:J-WAVE、ニッポン放送
企画・制作: Billboard JAPAN、SPACE SHOWER TV
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今までのタイアップの曲は、もはや自分のメッセージではないですね
――一方で、カップリングの「Lucky Ending」は、アニメ『フルーツバスケット』のために書き下ろした楽曲とのことですが、いつもタイアップのついた楽曲を作る時は、どのくらい意識して制作していますか?
ビッケブランカ:タイアップの時は、もう別人格くらいに、今まで僕が言ったことのすべて真逆をやっているような気持ちがあって。自分で作るものは、自分が責任を持つというところだけなんですけど、何かの作品にタイアップで書き下ろしてくれって場合は、いかに曲と作品のメッセージや世界観が親和するか、ってところにど振り切ってます。今までのタイアップの曲は、もはや自分のメッセージではないですね。もう作品が何を言いたいかってことを訊いて、そのメッセージに胸を打たれたら、彼らが言いたい、作品で伝えたいことを、もっと伝わるようにしよう、って言葉と曲を書く。作品のためでしかないですね。
――特にこの曲で意識されたことはありますか?
ビッケブランカ:「Lucky Ending」は、三拍子の淡々とした感じが世界観に合うかなと思って。元々『フルーツバスケット』僕大好きだったんですよ。妹が読んでたんですけど、もうバイブルですよ! 大名作!
――元々知っていらしたんですね。
ビッケブランカ:すっごい好き。何度読んで、何度涙したことか!
――それでタイアップが決まるのはすごいですね。じゃあ、この曲には自我はまったく入っていない?
ビッケブランカ:それが難しくて。「Lucky Ending」だけが例外なんですよね。「Lucky Ending」は、作品の世界観と僕の気持ちが一致する部分があって。最後の歌詞を変えたり足したり、自分の気持ちもその歌詞に最後乗せることができて、なおかつ作品の最終的なメッセージとも一致するっていう、なかなかな個人的ミラクルが起きた1曲なんです。だからとても大切で、重要な曲です。
――過去にこういったタイアップ曲を書いた時も、エゴとの闘いはなかったのでしょうか?
ビッケブランカ:エゴとは戦いません。初めから戦う気がない。だいたい、何かの作品って何もかも素晴らしいじゃないですか。誰かと一緒に作ったものは、絶対どこか素晴らしいところがあるので。それを感じて、それのために書く。その代わりに、自分スタートで書き始めるものは、自分の気持ちしか入れない。自分が責任を持たせてもらいますよ、って感じ。そのふたつですね。
――『Ca Va?』のリリースの他にも、今夏にはワンマンライブやイベント出演など控えていますが、今後の目標ってありますか?
ビッケブランカ:あんまり目標を定めずにやるところがあるんですけど、その時に自分が作ろうと思うものに責任を持ちたい。それが10年間やれたらいいな、くらいな感じです。その後のことは風任せなところもありますけど、個人的にはやったことがないことをやるのが好きなので、一回しか行ったことがない海外で仕事してみたいですね。台湾とか上海とか行きたい。
――台湾や上海は行かれたことはあるんですか?
ビッケブランカ:行ったことない。韓国とオーストラリアとパリしか行ったことないです。
――じゃあ、初めての場所がライブになるかもしれないですね。
ビッケブランカ:そうなんですよ。だからライブできたら一番いいんですよ。今国内じゃ満足できなくなってしまって。いろんなところ連れて行ってもらえるんですよね、会社のお金で(笑)でも、国内だとどこでも「うぉー!」ってならなくなっちゃって。だからもう海超えなきゃいけない。
――そういう意味でも、ストリーミングサービスは世界中の人に聴いてもらえるチャンスがありますよね。最後に、今回【NOW PLAYING JAPAN LIVE】に向けてプレイリストを作っていただきますが、内容はどういうものになる予定ですか?
ビッケブランカ:折角の機会なので、僕が自分の独断と偏見で"自分の名曲"を選びます!
――そういう選ぶ楽しみも、ストリーミングサービスの醍醐味ですよね。今までビッケさんの曲を聴いたことなかったり、「まっしろ」は聴いたことあるけど、って方にもこんな良い曲いっぱいあったんだって、多彩な曲を表現していただきたいと思います。
ビッケブランカ:はい。自分で自分の”隠れた名曲”というプレイリストを作っちゃうところを(笑)ぜひ楽しんでほしいです。
▲ビッケブランカ「Lucky Ending」
公演情報
NOW PLAYING JAPAN LIVE vol.3
ビルボードチャートを賑わせたアーティスト数組と、 本プロジェクトの事前展開で決定した新人アーティストによるオムニバスイベント。 新人アーティストは複数のアーティストの中から、 ストリーミング各社での期間中のストリーミング数により1組が選出。
2019年5月28日(火)
新木場STUDIO COAST
出演《NOW PLAYING ARTIST》androp、Official髭男dism、ビッケブランカ
出演《STARTERS ARTIST》まるりとりゅうが
MC:千葉 雄大
チケット:招待制(合計2,400名)
主催:NOW PLAYING JAPAN製作委員会
協 賛:ファミリーマート、株式会社ECC
特別協力:uP!!!ライブパス
協力:Sonos
ストリーミングサービス:Apple Music、Amazon Music、AWA、うたパス、Google Play Music、KKBOX、Spotify、SMART USEN、dヒッツ、LINE MUSIC、Rakuten Music、RecMusic
告知協力:J-WAVE、ニッポン放送
企画・制作: Billboard JAPAN、SPACE SHOWER TV
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