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<SONG&MOVIE REVIEW>大塚家具×ロン・モンロウ「Balloon me」~装飾が人生を豊かにする~
いまでこそ当たり前となっている多くのファッションが、一人の女性によって確立されたことは有名な話である。20世紀を代表するファッション・デザイナー、あのシャネルの創設者であるココ・シャネルは、当時では考えられなかった女性のパンツルックや黒一色のコーディネートを提唱、常識を覆すことによって、現在まで長く愛されることになるスタイルを作り上げた。そんな彼女にはこんな名言がある。
“An interior is a natural projection of the soul.” - Coco Chanel
「インテリアはあなたの心を写すもの」-ココ・シャネル
部屋は日々の生活の基盤となる場所。自分が気に入らないものを進んで置いたり、不快感を覚える色や柄をあえて選んだりする人はいない。また、「部屋の乱れは心の乱れ」という言葉もあるように、精神状態が反映することも多いという。つまり、逆もまたしかり、心の底から自分が素敵だと思えるものを傍に置いて、美しいと思える色や柄で満たし、少しの整理整頓を心がけるだけで、晴れやかに、健やかに、澄んだ心を保てるのではないだろうか。
そういったインテリアの持つ力や楽しさを実感出来るのが、大塚家具が公開したWEBムービーである。
今回の映像では、都会的で品のある白でまとめられた「Pure & White Style」、上質でデザイン性にも優れた北欧の本格的なインテリアを集めた「Scandinavian Authentic Style」、シックで落ち着いた色調をベースに家具の素材感を活かした「Scandinavian Vintage Style」というコーディネートを紹介。それぞれの部屋の住人役には、歌手・タレント・モデルとしてマルチに活躍している上海出身のロン・モンロウが起用された。テンポよく切り替わる3つのシチュエーションの中、タイプの違う女性を初々しく、生き生きと演じている。
また、自身の新曲「Balloon me」に乗せて、キャッチフレーズ「Layout me.」のポージング、TikTokでもおなじみのフィンガータットの要素を取り入れたダンスも披露しており、まるでミュージックビデオのような仕上がりとなった。打ち込みビートやシンセサイザーが絡み合うポップ・チューン。その心弾むサウンドに乗せて、甘酸っぱい恋心が伸び伸びと歌われている。
ほんとはきみとしゃべりたい
けどあえて黙ってるの
偶然装って
肌に触れて
想いを寄せる人に振り向いてもらいたいという、可愛らしい気持ち。ただ、頭に浮かんでくるのは、人に自分を受け入れてもらうのではなく、人を自分の方へ引き寄せようというような、芯の通った人物像だ。
こっちを見て(I don't wanna be just a girl)
わたしを見て(I don't wanna be just a toy)
わがままだなんて言わないで
だってこれがわたしだもの
ロン・モンロウが演じる3人の女性――白い衣装に身を包んだキャリア女性、好奇心旺盛な大人の女性、ちょっと背伸びしてみるお団子ヘアのキュートな女性――それぞれ異なる印象を与えるため、人によって好みは分かれるが、どの女性にも魅力を感じられるはず。実のところ、どんな個性を持っているかではなく、持っている個性を臆せずに打ち出すことこそが、人を魅力的にする最大のエッセンスなのかもしれない。
もちろん装飾がすべてではないが、人間が受け取る情報の8割以上は視覚から入ると言われている中、ファッションやインテリアは効果的なひとつの手段。なにより、自分が楽しむことで生まれる笑顔が、なににも代えがたい個性となって、誰かの笑顔に連鎖する。ココ・シャネルのように、常識には囚われず、思うままに自分を表現することで、人生はきっと豊かになるだろう。