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ディズニー・コンピレーション最新作『キャント・ストップ・ラヴィング!~ディズニー・ミュージック・コレクション』特集



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 ディズニーの楽曲を収録したコンピレーション・アルバム・シリーズ『Disney Music Collection』より、“愛”をテーマにした新作『キャント・ストップ・ラヴィング!~ディズニー・ミュージック・コレクション』が2019年3月2日に発売された。“Can’t Stop Loving!”(愛さずにはいられない!)をテーマに、家族への“愛”や、恋する気持ち、夢を目標への“愛”など、様々な愛を歌った楽曲が収録されている。昨年11月14日に発売されたミッキーマウスのスクリーンデビュー90周年記念アルバム『Songs from Imagination ~Disney Music Collection Celebrating Mickey Mouse』に続く、この第2弾の発売を記念して、収録されている楽曲の数々をご紹介。思わずジャケ買いしてしまいそうなくらい可愛いミニーマウスをフィーチャーしたジャケットにも注目だ。

32ニー日はミニーマウスの日

 本作の発売日である3月2日は、ミニーマウスの日。オシャレで楽しいことが大好きなミニーの魅力を伝え、ミニーとデイジーダックのように仲良しの女ともだち同士が素敵な時間を過ごすことを応援することを目的に制定された。どんな時もキラキラ輝くミニーマウスは、ミッキーマウスと一緒に『蒸気船ウィリー』(1928)でスクリーンデビュー。ミッキーの永遠のガールフレンドとして、映画やテレビ作品に出演してきたミニーは、デビューから90周年の2018年1月にハリウッドの殿堂入りを果たしている。そのキュートさと変わらない親しみやすさは、いつの時代も愛さずにはいられない。

 本作には、そんなミニーをモチーフにした名曲も収録。本作のトップバッターを務める「トータリー・ミニー」は、1988年に放映された同名音楽番組のアルバムに収録される。歌うのは、米歌手のブレンダ・ラッセル。スティービー・ワンダーやアレサ・フランクリンといった大御所アーティストに楽曲提供するブレンダは、「トータリー・ミニー」を発表した1988年にリリースした「ピアノ・イン・ザ・ダーク」で【第31回グラミー賞】で<最優秀楽曲賞>にノミネート。「ピアノ・イン・ザ・ダーク」はフロー・ライダーの「想い出のアイ・クライ」にサンプリングされた楽曲と言えば、分かる方もいるだろう。そんなブレンダが歌う「トータリー・ミニー」はディスコチックなアップテンポで、“Who else could it be but Minnie Mouse?”という歌詞にもあるように、他に誰も務まらない唯一無二のミニーのキャラクターを表している。

 また、ディズニー・スタジオ・コーラス・バージョンとポップ・バージョンの2つが収録されている「ミニーのユー・フー!」は、1929年8月28日公開の『ミッキーのフォーリーズ』でミッキーが披露した曲で、ディズニーの短編映画で使用された曲の中で初めて明確な歌詞が付けられた。

ディズニープリンセスが歌うラブソング

 ディズニー作品には、何世代にも渡って歌い継がれる名曲がたくさん。その中でも、ディズニープリンセスたちが歌うラブソングは、特に人気が高い。1937年に公開された世界初の長編アニメーション映画『白雪姫』の最初の歌唱シーンで歌われるのが、本作に収録されている「私の願い/ワン・ソング」。望みをかなえる井戸に向かって白雪姫が「誰か愛してよ 来てよ いま」と口ずさむこのシーン。初代ディズニープリンセスと王子様の恋が芽生える瞬間を描いた重要な場面であると言える。この曲を書いたラリー・モリーとフランク・チャーチルは、『白雪姫』で他にも「ハイ・ホー」や「いつか王子様が」も手掛けている。

 『白雪姫』に続くプリンセス作品『シンデレラ』(1950)では、フェアリー・ゴッドマザーの魔法の呪文“ビビディ・バビディ・ブー”で誰もが振り向く華麗な女性に変身したシンデレラが王子様と舞踏会で踊るシーンで、「宮殿での舞踏会/これが恋かしら」が登場。意地悪な継母によって人目のつかない屋敷の屋上に追いやられながらも、希望と夢を持ち続けるシンデレラが王子と心を通わせるこのロマンティックなシーンは、王道のラブストーリーを語っており、こんな素敵な出会いに憧れる方も多いことだろう。本作には、その魔法の呪文“ビビディ・バビディ・ブー”の「魔法のつえはどこかしら/ビビディ・バビディ・ブー」も収録されている。



▲「ビビディ・バビディ・ブー」from『シンデレラ』

 1989年公開の映画『リトル・マーメイド』には、ハワード・アッシュマンとアラン・メンケンの黄金コンビが手掛けた名曲が勢ぞろい。そのうちの一つである「キス・ザ・ガール」は、アリエルに恋心を抱くも、少し怖気づいている王子エリックに、セバスチャンら海の生き物たちが背中を押すナンバーだ。2人の緊張感を和らげるようなカリビアン・サウンドで、コミカルでありながらロマンスたっぷりに表現されている。ハワードとアランに関しては、『美女と野獣』(1991)も外せない。『美女と野獣』より「愛の芽生え」は、醜い姿に変えられ心を閉ざしていた野獣がベルと一緒に過ごすうちに少しずつ心を開き始める心情と、野獣の優しさを知って恋心を抱くようになるベルのそれぞれの気持ちを心の声として表現。この曲を経て、名曲「美女と野獣」に合わせて踊る2人だけの舞踏会のシーンへと続く。



▲「キス・ザ・ガール」from『リトル・マーメイド』

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様々な形の愛のうた

 本作には、男女間の恋愛を表現したラブソングのみならず、様々な愛を描いた楽曲も収録。母と子の親子愛を表現した曲でいうと、『ピーター・パン』(1953)より、永遠の少年ピーターや親をあまり知らないロストボーイたちにウェンディがお母さんの素晴らしさを教える「あなたと私のママ」や、『ムーラン』(1998)より、良家に嫁いで家族を安心させるという親の期待に何とか応えたい若く自由な心を持つ元気な少女ムーランと、ムーランのお見合いに力を入れる母親の「家に名誉を」など、親から子へ、そして子から親への愛をうたった作品がある。いつの時代も親は子を想い、子も親を慕うものだ。

 また、実写とアニメーションが融合した映画『ピートとドラゴン』(1977)では、「水辺のろうそく」という名曲も誕生。ドラゴンと共に暮らす孤児ピートの面倒を見るノラには、海へ出たまま行方不明になった婚約者ポールがいる。誰もがポールが亡くなっていると思う中、ノラだけはまだ生きていると強く信じている。彼女のその信念を決して消えない小さな灯に例えているこの曲は、悲しいラブソングではあるが、落ち込んだ時や孤独を感じた時に聴くと元気づけられる一曲。常に自分のことを想ってくれる人がいると思わせてくれる「水辺のろうそく」は【第50回アカデミー賞】の<歌曲賞>にノミネートされた。

現代版プリンセスが歌い上げる極上ナンバー

 2008年に日本でも公開され大ヒットを記録した映画『魔法にかけられて』には、一度聴いただけですぐに口ずさめてしまうような素敵なナンバーがたくさん。この映画の劇中音楽を担当したアラン・メンケンとスティーヴン・シュワルツは、『白雪姫』の「私の願い/ワン・ソング」や『シンデレラ』の「宮殿での舞踏会/これが恋かしら」で見られるような、初対面のプリンスとプリンセスが見事にデュエットをうたい、次の日には結婚、というような実世界ではあまりない(というか、ありえない)展開を滑稽に描いている。オープニングナンバーの「真実の愛のキス」は、真実のキスを夢見るジゼル(エイミー・アダムス)が、白馬に乗った通りすがりのエドワード王子(ジェームズ・マースデン)と目と目があったとたんに完璧にハモり、そのまま結婚へまっしぐらという、ディズニー作品の定番シーンを描いている。

 近年公開された実写映画も、オリジナルのアニメーション映画に引けを取らないストーリーとミュージカルナンバーが魅力のひとつだ。ケネス・ブラナー監督の『シンデレラ』(2015)より、アル・ホフマン、マック・デイヴィッド、ジェリー・リヴィングストンがオリジナルで手掛けた「夢はひそかに」で、イギリス出身の人気女優リリー・ジェームズが美声を披露している。そして、2017年の映画興行収入ランキングで1位に輝いたエマ・ワトソン主演の『美女と野獣』には、ティム・ライスとアラン・メンケンがこの実写版のために書いた新曲が誕生。そのうちの「時は永遠に」は、エマ・ワトソンが劇中で歌うバージョンと、アニメーション映画で「美女と野獣」を歌ったセリーヌ・ディオンが歌うバージョンの2曲がある。本作に収録されている「時は永遠に(モンマルトル・バージョン)」は、エマ演じるベルがずっと知りたがっていた母親の真実を知った瞬間に口ずさむナンバー。父と母に訪れた悲しい過去を知ったベルが両親を想って歌うこの曲は、アニメーション映画では描かれなかった新たなベルの一面を物語る重要なシーンの曲でもある。



▲「夢はひそかに」from『シンデレラ』(2015)



▲「時は永遠に」(モンマルトル・バージョン) from『美女と野獣』(2017)

 そして、本作のボーナストラックには、初CD化となるディズニー★JCBカード 10th Anniversaryテーマソング「True To You」を収録。変わらない気持ちを歌ったこの曲は、JUJUや西野カナ、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE、SHINeeなど幅広いアーティストの楽曲を手掛けるトラックメーカーのJeff Miyaharaが作詞と作曲を担当。この曲を歌う元タカラジェンヌの咲妃みゆは、このアルバムについて「“愛”にまつわる素晴らしい楽曲で溢れていて、聴き進める度に幸せな気持ちが増し、何度もリピートしたくなります! こんなにも素敵なコレクションに参加出来ることを心から幸せに思います。お一人でも多くの方にお聴き頂けたら嬉しいです!」とコメントを寄せている。ここで紹介した楽曲以外にも、『キャント・ストップ・ラヴィング!~ディズニー・ミュージック・コレクション』には様々な“愛”にフォーカスした楽曲が多数収録。なかなか気持ちを伝えられない相手や大切な人に贈るプレゼントとして、そして普段頑張っている自分のごほうびとして、ぜひ手に取ってみてはいかが?



▲咲妃みゆ -「True To You」ディズニー★JCBカード 10th Anniversaryテーマソング

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