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H.E.R.【グラミー賞】5部門ノミネート&『H.E.R.』発売記念インタビュー ~最近聴いているおすすめ楽曲のプレイリストも到着
現地時間2019年2月10日に開催される【第61回グラミー賞】で主要2部門を含む計5部門にノミネートされている注目の新鋭女性シンガー=H.E.R.(ハー)。2017年10月にリリースしたデビュー・アルバム『H.E.R.』は、全米R&Bチャート最高8位、2018年12月にはアメリカでゴールド・ディスクにも認定、そして、グラミー賞では<年間最優秀アルバム賞><最優秀R&Bアルバム賞>にもノミネートされている。この話題のデビュー作の世界初CD化となる国内盤CDが2019年2月6日にリリースされた。世界からの注目が集まる“H.E.R.”とは何者なのか。【グラミー賞】初受賞の期待が高まる中、H.E.R.本人へのインタビューと彼女が最近聴いているおすすめ楽曲のプレイリストが到着した。
“私の中の私”が歌で表現しているような感じ
――グラミー賞5部門へのノミネート、本当におめでとうございます!いつ、どのようにしてノミネートのニュースを知ったのですか?
H.E.R.:どうもありがとう。ニュースが報じられた時はちょうどツアーの最中だったんだけど、朝、マネージャーから電話がかかってきて「これから、みんなで部屋に集まって欲しい。ツアーをキャンセルしないといけない事態になった。とにかく緊急だ」と言われて、「いったい、何なの?」って感じだったの。何が起こっているのか訳が分からなくて。しかも、みんなすごく疲れていたしね。そうしたら「グラミーにノミネートされた、5部門だ」と言われて。ニュースを聞いて泣いてる人もいたし、私も叫んじゃった。すごく素晴らしい瞬間だったわ。
――R&Bカテゴリーだけではなく、アルバム・オブ・ザ・イヤーというメジャー・カテゴリーにもノミネートされています。それについてはどうですか?
H.E.R.:なかなかクレイジーよね。私のアルバムは実質EPな訳だし、よく考えたらヤバいし、恵まれているなと思う。それに、とってもクールなことだと思うわ。
――また、本カテゴリーにはあなたの他に、カーディ・Bやジャネル・モネイ、ケイシー・マスグレイヴスといった、才能豊かな女性アーティストたちの作品も多くノミネートされています。音楽業界において、女性アーティストを取り巻く環境に変化の兆しがあると思いますか?
H.E.R.:そう思う。まるで、私たちが業界をコントロールして、自分たちの手中に収めているように感じているわ。
――あなたのバックグラウンドについても教えて下さい。お父さんがミュージシャンだったそうですが、どんな幼少期を過ごしていましたか?
H.E.R.:パパがカヴァー・バンドのメンバーで、よく家でリハーサルをしてたの。だから、私が産まれる前ーママのお腹にいた時から、常に音楽に囲まれているような環境だった。家にはドラムがあって、キーボードもあって、いつも家の中でカラオケしているような感じだったわ。逆に、家の中には音楽しかないって感じだったし、音楽を通じて家族の絆もできていた。だから、小さい頃から歌うのが本当に自然だったの。楽器も自然と弾けるようになったし。
――まるで父親がいいお手本のような環境だった?
H.E.R.:まさにそうね。特に音楽活動を強制されたわけでもないし、私も物心ついたときから人前で歌うことが好きだったの。彼のおかげで、ミュージシャンを志したの。
――最初のEPのシリーズ(H.E.R. Volume 1,2 and B Sides)を作った際に苦労した点はありますか?
H.E.R.:楽曲をリリースするということに対して、フラストレーションや不安な気持ちはあったわ。私は、とても正直な気持ちで楽曲を作っていたの。自分のやり方で、自分のストーリーを落とし込んでいた。だから、曲を通して表現する際に、自分探しというか、アーティストとしてのアイデンティティはどうなっちゃうのかな、って感じていたの。当時は18、19歳だったから「曲を通して、私は何を表現すべきで、そこにはどんな意味を込めるべきかしら?」ということに悩んでいた。でも、制作の過程でやっとその答えを見つけたって感じ。リスナーには、私のありのままを感じて受け入れてもらえればいいんだ、って。私の顔とか名前は別として。そう思ったら、制作に対してスッキリした気持ちで取り組むことができたし、どうやって(EPを)組み立てていくべきかも分かったの。こうすれば、きっとみんなにも気に入ってもらえる作品になるわ、って。今や、それ以上の手応えを感じているわ。EPを出してからの間、本当にいろんなことが起きたし。しかも、すべてオーガニック(有機的な)な形で起こったのよ。だから、あの時の自分の決断は間違ってなかったんだな、と証明できたと思うし、なるべくしてなった、正しい判断をしたんだわ、って思っているわ。
▲H.E.R. - Focus (Official Video)
――近々、コラボレートしてみたいアーティストはいますか?
H.E.R.:もちろん!たくさんいるけど、J.コールがナンバー・ワンね。大好きなの。後はミゲル。
――今後の予定を教えて下さい。新作も準備している?
H.E.R.:オフィシャル・リリース作品として、アルバムは確実に出るわ。それにもっとツアーをしたいと思っているの。まだ行った事のない国にも行くかも。日本にもすごく行きたい!赤ちゃんの頃にフィリピンに行ったことがあるんだけど、アジアに行った経験自体、ほとんどなくて。
――シンガーソングライターとしてのゴールを教えて下さい。
H.E.R.:うーん、その質問はよく聞かれるんだけど、正直言って今もゴールを探しているところだわ。まだまだ自分の将来を模索している途中なの。次に自分が向かうべき目標を見定めているところね。2年前は、グラミー賞にノミネートされることがゴールだったの。でも、今はもう(ノミネートを)手に入れている。だから、自分の将来に関して、もっと大きい絵が描けるように思案しているところ。100パーセント確実ってわけではないけど、私はただ音楽が好きだから、もっとたくさん曲を作って、ライヴもして、今よりも多くの人に私の曲を聴いてもらえるようになることかな。そうすれば他の目標も見えてくるかも。
▲H.E.R. - Every Kind Of Way (Official Video)
――H.E.R.のペルソナについて教えてください。実際のあなた(Gabriella Wilson)とは違うパーソナリティを持つキャラクターでしょうか?
H.E.R.:そんなことはないの。もちろん、H.E.R.は私が作り出した匿名のキャラクターでもあるけど、中身は私そのものよ。私の別人格でもないし、シンガー活動のために改めて発明した人格ではないの。あなただって、18歳の時の自分と21歳の時の自分は異なるでしょ?H.E.R.は、私が楽曲制作に対してもっと正直になれるように、匿名性を強調して作り上げたアーティスト。特定の誰かではなくて、みんなが共通して陥ってしまうような困難な状況や、人間関係をどううまくやっていくか、逃げ出したいと気にどう対処すべきか…という状況を、“私の中の私”が歌で表現しているような感じなの。自分の中にはいろんなヴァージョンの“私”がいるけど、それは全部、一つの”私“。それを音楽で余すことなく表現したのがH.E.R.なの。
――特に若い女性リスナーが共感できるようなリリックが多いと思います。リリックを書く時はどんなことに気をつけていますか?
H.E.R.:特にはないけど、歌詞を書くときは「他の人にどう思われるかな」ってことはあまり考えていないの。最初は、「自分が書いた曲を誰かが気に入ってくれるといいな」と思って曲を書いていた。だから、リスナーに対して、自分の歌詞のどの部分がどう響いているかなんて考える余裕もなかったし、気づきもしなかった。だから、あえて他人の反応を意識しないで、自分の感情を自分の言葉で書くことが(いい歌詞を書く)秘訣なのかもしれない。
――最後に、日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
H.E.R.:日本に行くのが待ちきれないわ!日本にも、私をサポートしてくれるファンがいるってことはソーシャル・メディアを通じて知っているの。ARIGATO!
H.E.R.が選ぶ最近聴いているおすすめ楽曲のプレイリスト
“R&Bやヒップホップといったジャンルをあまり意識していないけど、ヒップホップでもトラックがスムーズなものを聴くのが多いかな。ジャンルにとらわれない音楽を聴くのが好きだけど、私はStevie WonderやAretha Franklinなどのオーセンティックな音楽に影響を受けているので新進的なアーティストでも、レジェンドたちから受け継がれた精神に敬意を払っていると感じられる音楽が好きね!” ―― H.E.R.
リリース情報
『H.E.R.』
- H.E.R.
- 2019/2/6 RELEASE
- 国内盤 | SICP-6020
- ※歌詞対訳付き
- [定価:¥ 2,400(tax out.)]
- 詳細・購入はこちらから>>
<収録曲>
01.ルージング
02.アベニュー
03.レット・ミー・イン
04.ライツ・オン
05.セイ・イット・アゲイン
06.ファクツ
07.フォーカス
08.ユー
09.エブリー・カインド・オブ・ウェイ
10.ベスト・パート feat.ダニエル・シーザー
11.チェンジズ
12.ジャングル
13.フリー
14.ラザー・ビー
15.2
16.ホープス・アップ
17.スティル・ダウン
18.ウェイト・フォー・イット
19.ピグメント
20.ゴーン・アウェイ
21.アイ・ウォント
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