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ジョニー・ヘイツ・ジャズ来日記念「JHJに影響を与えた楽曲」プレイリスト
頭脳派ロック・バンド10ccとジョニー・ヘイツ・ジャズの足跡を、当時のUKミュージック・シーンと共に振り返る来日記念特集も公開中。
クラーク・ダッチェラーが選ぶ“ジョニー・ヘイツ・ジャズに影響を与えた楽曲”
01. Ryuichi Sakamoto & David Sylvian - Forbidden Colours
この曲は80年代の作品の中で僕が一番大好きな曲で、今日にいたるまで、僕はずっと坂本龍一の大ファンだ。哀切なメロディーと、オーケストラとエレクトロニカによる両サウンドの融合が、その時代を代表する最も奥深くて感動的な一曲へと変貌している。
02. The Beatles - Nowhere Man
80年代にバンドを始めたミュージシャンは、みな1960~70年代は子供だったわけで、僕もその時代にイギリスで育った子供の一人。あの時代はビートルズが神様だったんだ。僕みたいな若いシンガーやソングライターに一体どんな可能性があるのか、そんな僕のイマジネーションの扉を開けてくれたのが、ビートルズだったんだよ。この曲を選んだ理由は、自分が居場所のない“ひとりぼっちのあいつ”になってしまうことを恐れていたから。それは僕がミュージシャンを目指した理由のひとつでもあるよ。
03. The Isley Brothers - Harvest For The World
まだ僕が若かったころ、アイズレー・ブラザーズを聴いて、ポップなメロディーとグルーヴで、グローバルな社会問題を真剣に唱える方法を学んだよ。この曲はいつ聴いても最高だ!
04. Talk Talk - Life’s What You Make It
この曲は過小評価されたバンドによって作られた、80年代を代表する楽曲のひとつだ。あの時代は、批評家たちによる、くだらないやり方によって定義付けられることが多々あるが、この曲は彼が間違っていることを証明してくれる。真夜中に森の中で野生動物に囲まれながらバンドが演奏するミュージックビデオも最高だ。
05. David Bowie & Pat Metheny - This Is Not America
アルバム『Turn Back The Clock』の収録曲を書いていたときに、この曲のいくつかの要素から直接的な影響を受けたんだ。例えば、「Forbidden Colours」は悲しみがにじみ出ているけど、これは僕にとって最も深いインスピレーション源の一つなんだ。それもあって、ジョニー・ヘイツ・ジャズのために初めて書いた曲は「Shattered Dreams」(打ち砕かれた夢)という曲名なんだよ…。
06. Earth, Wind & Fire - That’s The Way Of The World
故モーリス・ホワイトは天才であり、音楽革命に多くの貢献をした人物だった。アース・ウィンド・アンド・ファイアーは完璧な作品を作り、他と引けを取らないほど音が卓越していた。彼らの曲を聴くとすごく元気をもらえるし、人々のスピリット(心)に訴えかける曲ばかりだね。
07. Stevie Wonder - Higher Ground
スティーヴィーは僕のヒーローで、この曲のグルーヴは史上最高にカッコいい。誰しもが経験する社会的および精神的次元を表現するクリエイターだ。
08. Tears For Fears - Shout
僕個人の意見として、ティアーズ・フォー・フィアーズは1980年代において最高なバンドの一組だったといえる。彼らの素晴らしい曲には深い意味が込められていて、「Shout」は確実に最も胸に突き刺さる曲なんだ。その当時のUKサウンドがとてもにじみ出ていて、今もまだ世界中の人々の心に響いていると思うよ。
09. Daryl Hall & John Oates - I Can't Go for That (No Can Do)
これは当時のもっとも革命的な作品の一つで、今日までその影響が続いていると感じられる。僕はダリル・ホール&ジョン・オーツの初期の作品が大好きなんだけど、この作品はエッジの効いたポップ・ミュージックという位置を築いた。ドラム機材とうっとりさせるベース・ラインの音の結合で始まっていき、ダリル・ホールの雄大な歌声による無類の力で更に違う上のレベルに上がっていくんだ。
10. Kate Bush - Running Up That Hill
ケイト・ブッシュは稀にみる才能の持ち主で、この曲は彼女の楽曲の中でベスト作品に入る。2004年にロンドンで彼女のライブを観たことがあるんだが、この曲のイントロが始まった途端、僕を含む観客が全員、一気に大興奮したね。この曲は1980年代の多様性を象徴するいい例だ。
11. Peter Gabriel - Solsbury Hill
現代音楽の父の一人。僕は1990年代を通してピーターのスタジオ<Real World>でレコーディングをしていて、彼がワールド・ミュージックの楽器法を現代のソングライティングに絡み合わせる方法から大きな影響を受けたんだ。ただ、最も僕にインスピレーションを与えた彼の作品は1970年代の作品。事実、バース(イギリスの都市)の家に住んでいたことがあって、そこから本物のソルズバリー・ヒルを見渡すことが出来たんだ。だからこの選曲は特にパーソナルなものだね!
12. Crowded House - Don’t Dream It’s Over
近年のポップ・ミュージックはクラシックなメロディー基準のソングライティングとの繋がりが無くなってしまったと感じている。だからこのニール・フィンによって作られた素晴らしい傑作が現代では同等の評価を受けないんだ。彼のように、幸運にも僕は60年代や70年代の伝説的なアーティストや作曲家たち(ピンク・フロイドからマーヴィン・ゲイまで)の影響を受けて育つことができた。彼らの音楽は世代を超えて残り続けている。なぜなら彼らの音楽は一時の満足感のためでなく、未来の世代とコミュニケーションをとるために作られているから。この理由もあって、「Don’t Dream It’s Over」やこのプレイリストに入っている全ての曲は、この先何年も人々の心に響いていくと信じているよ。
ジョニー・ヘイツ・ジャズからビデオ・メッセージが到着!
公演情報
ジョニー・ヘイツ・ジャズ
ビルボードライブ東京:2019年1月22日(火)、1月23日(水)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2019年1月25日(金)
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INFO: www.billboard-live.com
BAND MEMBERS
クラーク・ダッチェラー / Clark Datchler (Vocals, Keyboards)
マイク・ノシート / Mike Nocito (Bass)
ロサ・ウルマン / Rosa Ullmann (Keyboards)
マーカス・ボンファティ / Marcus Bonfati (Guitar)
アレックス・リーヴス / Alex Reeves (Drums)