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傳田真央 『One Last Kiss feat.AI』インタビュー
今まで数多くのアーティストを取材させていただきましたが、彼女ほど会うたびに楽しい会話をさせてくれるアーティストは他にいません。今回はニューマキシシングル「ONE LAST KISS」&80'S COVER ALBUM「Diamond Kisses」についてのインタビューだったんですが、これまた楽しそうに色々と話してくれました!デビュー以降、そのやんちゃで無邪気な性格と笑顔で次々と楽しい作品を残している傳田真央。心から歌うことを楽しんでいる女の子の姿がここにはあります!暗いニュースばかりが飛び交っている昨今、彼女のインタビュー記事を読んでハッピー気分に浸って下さい!
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--どうですか、最近調子の方は?
傳田真央:最近引きこもってるんですよ!
--何で?嫌なことでもあった?
傳田真央:引きこもって曲作ってます。
--ああ、なるほど。家にこもってるわけなじゃないんだ。
傳田真央:(笑)。家にこもって曲書いて。今日も歩いて来たの家から。音楽聴きながら。
--今日、久々に人間に会う訳じゃないよね?
傳田真央:そこまでじゃないですよ(笑)!一応お仕事してるんです(笑)。
--曲書いてるって、次のアルバムとかシングルとか?
傳田真央:何用とかじゃないんですけど、アルバムとか次のものに使えるように。
--結構ストックとかあったりするの?
傳田真央:結構ある。意外と無さそうであるんですよね、私。結構短い間で作っちゃう人。ただ、取りかかるまでに時間がかかる(笑)。
--今日会うの、「抱き寄せたDESTINY」リリース時以来、5ヶ月ぶりなんですが。
傳田真央:5ヶ月ぶりだ(笑)。そんなに経つんだぁ。この5ヶ月間何してたんだろう?(笑)あっ!夏ツアーに行ったりとか、その後は「One Last Kiss」に関わる曲作りとか。カバーアルバムの制作も進めていました。
--ツアーって何ヶ所くらい行ったんですか?
傳田真央:ツアーは6ヶ所くらい。
--どんなツアーだったの?
傳田真央:そうですねぇ~(笑)楽しかった!ダンサーのみんなと行ったんですけど、やっぱり、踊って歌うライブなので、結構大変で。なんかライブ終わって、「あっ、やっと終わった!」って感じで気が休まって、きゃぁ~って楽しくなりたいんだけど、そこであまり大騒ぎもできない。歌うたえなくなっちゃっても困るから。いつもみんなが楽しそうなのいいなぁ~って思って(笑)。
--ツアーの前とかは体力作りとかする?
傳田真央:しないといけないですよね。時間が無くてなかなか出来ないんですけど。でも、リハーサルでダンスの振り付けとかやったりするんで、結構それで体力作りになってるんじゃないかなぁと。
--ホームページのダイヤリーを見てたんだけど、ジョギングしてるんだね。
傳田真央:凄い!見てくれたんだ(笑)!最近のやつですよね。昨日かおととい書いたやつだ。そうそう、たまに(笑)。気が向いたときに。ジョギングすると、音楽聴けるんですよ。
--ああ、なるほど。
傳田真央:だから出来るって感じ。今日も歩いてきたのは、音楽聴きたかったから。
--聴きたくて歩いてきたの?
傳田真央:U2のね、U2のアルバム聴いてて、一人でね、ノリノリになりながら歩いてきたの。ある程度はそういうのしてないと、歌うたう時にパワーがなくなっちゃうので。
--すごい色々と聴き込んでるよね?
傳田真央:私、本当にCD聴かないなんて考えられないから、色んなタイプのミュージシャンがいると思うんですけど、真央は、その時その時のカッコイイものをやりたいなと思っているので、色んなミュージシャンの人が提示している新しいスタイルを取り入れたりとか、自然に色んな人の曲が気になっちゃって、聴きたくなっちゃうし・・・。
--何でもアリだよね。だって、リンキンパーク聴いてたんでしょ?(笑)
傳田真央:(笑)。はい、そうそうそう、リンキンとかもすごい好きだしね、アルバムの曲全部歌えるもん。
--あっ、本当に?
傳田真央:リンキンの曲は(笑)。アートワークに日本語が書いてあるんですよね、いっぱい。なおさら親近感湧く。
--そんな感じで色んな音楽を沢山聴きつつ、
傳田真央:聴きつつ(笑)。
--ニューマキシシングル「One Last Kiss」が21日に出て、聴く前にクレジット見てびっくりしたんですけど!
傳田真央:(笑)
--AIちゃんって、すごくファンキーな娘という印象があるんですけど、どういった経緯で一緒にやることになったの?
傳田真央:あのね、「One Last Kiss」から、自分の中での改革というか、もっともっと自分らしく行くために、新しいこととか怖がらないでどんどん挑戦していきたいなっていうのを考え出してたんですよ。で、気持ちを新たにした第一段だったので、それにふさわしいような、みんながビックリするようなことをしたいなって思いながら曲作りとか始めたんですけど、プロデューサーのU-SKE君と「ラッパー欲しいよねっ」ていう話になったんです。でも、SPHEREとはもうやっちゃったしなぁとか思って。
--そこでAIちゃんの名前が浮かんできたんだ!
傳田真央:ファンクマスターフレックスが来日したときにイベントがあったんですけど、そこで真央もライブしてたんですけど、ちょうどその時、AIちゃんもライブに出てたんですよ。で、その時にライブ見て、「こんな人いたの?」ってくらいビックリしちゃって、ニュージェネレーションな感じがビビッときたんですよ。で、なんか真央がリハーサルしているときに、真央が適当に歌ってるのを聴いてAIちゃんも、マネージャーさんに「えっ?この子日本人?」って聞いてたらしんですよ、実は(笑)。
--それは嬉しいね。
傳田真央:(笑)。それで、その時は挨拶する程度だったんだけど、絶対何かあったら、AIちゃんとやりたいって思ってたので、来た!って思って(笑)。
--このタイミングだ。
傳田真央:チャンスが来た!って思って(笑)。そうそう、で、一応事務所の人達を通して、連絡をしてもらったんだけど、待ちきれなくて、友達の友達の友達とか、そういうツテとかも色々あるじゃないですか、自分で色んな友達に電話して、「AIちゃんと友達の人いない?」とか自分でも聞いちゃって、もう絶対やりたくて。で、やっと実現できたって感じですごい嬉しい。それからはもう仲良しですよ。この間も、遊んで。
--じゃ、最初に深く話したのは、これをやるって決めてから?
傳田真央:そうなんですよ。
--どんな印象を持ちました?
傳田真央:そうだな、印象というのは難しいけど。
--ファンキーで?
傳田真央:ファンキー!本当に。クレイジー、セクシー、クールで言うなら、クレイジーっていう感じで(笑)。すごくポジティブだし、なんか自分の意見をしっかり持ってるし、それもストレートに出せるし、でもすごくスイートだし。そういうのが、マインド的なところでもすごくカッコイイなと思って。年下なのに尊敬しちゃうし、頼もしいって感じだし。うん、これをレコーディングで録ったときにも、AIちゃんがチョチョッと来て、「じゃ、ちょっと、試しに歌ってみてよ」みたいな感じでブースに入って、AIちゃん一回歌って、「yeah!」って大盛り上がりだったの!みんなスタジオ中。「yeah!いいねぇ~」って。とりあえず、ブースから出てきAIちゃんが、「どぉ?」って。で、みんなが「最高!最高!お疲れさまでした」って感じだったんだけど、AIちゃんが「今の練習だったから、もう一回やらせてよ」って。
--(笑)。
傳田真央:「ああ、そうなんですか。」って。もう、やりたいなら満足するだけどうぞ、ウチらは言うことないです、どうぞっていう感じでやってて(笑)。もう、最高だった。
--じゃ、キャラクターもラップも問題なし?
傳田真央:問題なしで。この間、プロモーションビデオの撮影でPVにも出てもらったんだけど、それでも最高なキャラで。
--もう、イントロからキテるもんね。
傳田真央:そうそう。最初はラップの場所だけの予定だったんですけど、AIちゃんがあまりに良いから、「じゃ、全部やってよ」って感じでやってもらって。私の出番が少なくなりました(笑)。
Interviewer:平賀哲雄
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--最初のAIちゃんのラップが入って、その後、含み笑いあるじゃない、あれはどっちの含み笑い?
傳田真央:私の(笑)。
--気になって、何度も聞き直したんだ。どっち笑ってるんだ?みたいな(笑)。
傳田真央:笑い系は私でした(笑)。
--実際二人の声が入ってる作品が上がってきたときの心境は?
傳田真央:いやぁ、もうね、自画自賛っていう感じで、かっこいい!っていう。今までの傳田真央のイメージがすごい強い人とか、真央の中の優しい感じだったり、スイートだったり、そういうイメージが強い人達にとっては、けっこうビックリしちゃうような作品になっちゃうんじゃないかなって心配はあったんだけど、でも、これが今の真央だから、自分が今カッコイイと思う自信が持てることを思い切りやりたいなと思ってやっちゃったんで、自分はもう超満足、超お気に入りで。あと、女の子同士のコラボレーションってあまりないじゃないですか、ありそうでなかったと思うし。
--逆に、AIちゃんみたいなラッパーを探しても見つけられない。
傳田真央:そうなんですよね。本当に格好良くサラっと出来る人もいなかったと思うんですよ。だから、そんなパワーの二人が一緒にやって、
--タイミングバッチシで。
傳田真央:タイミングバッチシで。すごい良かったなと思います。
--とりあえず、イントロだけ聴いたら国内産の音楽とは思わない。
傳田真央:(笑)
--(笑)日本人の声とは思わない。
傳田真央:そうですよね。トラックも結構ブリブリだし、格好とかも最近人気の80'sな感じが超好きで、部屋とかもそんな感じになってるんですけど、
--ああ、そうなの?
傳田真央:そう。音楽とかも、80'sの曲とか聴いたりとかして。
--結構派手派手な部屋とかになってるんですか?
傳田真央:そう、元々そうなんですけど(笑)、元々きらびやかな、キラキラするのが好きなんですけど、こんなピンク(この日の服装。とってもキュートでした!)とかになって。なおさらそうだし、あと、80's meets 2001か。なんか、そういう新しいこともやってみたくて。
--楽曲面でも、「抱き寄せたDESTINY」もそうでしたけど、なんかハッピーというか可愛い感じじゃない?
傳田真央:そうですね、トラックとかは80'sを意識したりとか、あの、ちょっとファンクっぽい感じだったりとか、結構濃い感じなんだけど、でもやっぱり、真央の元々のキャッキャッした感じとか、なんかちょっと切ない感じとか、ガールな感じも出せたらいいなと思って、歌ではそういうの出来たし、両方楽しんでもらえれば良いなと思います。
--どっちかっていうと、こういう感じの曲が歌いたい時期なのかな?
傳田真央:そうですね、最近、普通のジャストなR&Bなものに飽きちゃったんですかね。飽きちゃって、一通りそういうものも自分でも作ったし、やっぱり、新しいことをやりたいなっていう欲がどんどん出てきて、うん、結構綺麗な曲は一通りやれて、消化できたので、次はもっとこう遊びのあることもやってみたいなっていうか・・・。
--じゃあ、今、創作意欲満々みたいな?
傳田真央:そうなんですよ。やんちゃな気持ちで作ってて(笑)。
--やんちゃな気持ちで(笑)。あと、この曲は、コーラスがすごく気持ち良かったんだけど、結構練り込んだ?
傳田真央:コーラスはレコーディングとかでその場で考えてやっちゃうんですよ、ノリで。でも、結構コーラスの出方が効果アップなので。で、歌の録り方とかも洋楽と同じような録り方をしたりして、なんか日本の歌だと主旋っていうか、メインのメロディーがずっと最後まで行くって感じなんだけど、まぁ、それだけじゃなくて、真央が何人も出てくる感じになったりとか、お休みしてるときもあったりとか、おかげで、コーラスがガツンと出るような感じになったのかな。
--これだけ気合いが入った作品だと、次が辛いんじゃないかなと。
傳田真央:全然大丈夫ですよ。余裕ですよ(笑)。
--「ONE LAST KISS」 というタイトルには、どんな意味を込めてるの?
傳田真央:今回、タイトルとか歌詞でも80'sぽさが出せたらいいなと思って、すごいかわいいですよね、ダサくて。
--(笑)
傳田真央:ダサくてかわいくて、なんかそういうニュアンスが今やっても変じゃないくらいに出せればいいなと思って考えて、「Kiss」っていうのがかわいいなと思って。じゃ、今回は「Kiss」をテーマにやってみようかなって。うん、だから、歌詞の所でも、普段では使わないような言葉とか変な言葉使いがあってとか、♪どっかの誰かじゃ~とか(笑)。あったりするんですけど。80'sらしい、POPで楽しいキラキラしたイメージで書いてみました。
--なんかノリが、お昼休みとか、朝のホームルーム前の教室ぽいよね。
傳田真央:(笑)
--「言葉よりもっとかわいいやり方」っていうのを「Kiss」という感じで表現したと。
傳田真央:そうです。優しいとか。ちょっぴりかわいいセクシーとか、女の子のね、かわいいキャッキャッと話すような感じ。
--ですよね。男じゃないでしょうね(笑)。
傳田真央:(笑)
--そういった「ONE LAST KISS」のタイトルの意味とか、AIちゃんにリリック頼むときには話し込んだりとかしたの?
傳田真央:そうですね、私とAIちゃんが女の子同士で友達でっていう。真央の歌詞もあって、AIちゃんが登場して、言いたいこと好きに言ってみたいな。それでもう、バッチシ。わかるわかるっていう感じでやってもらって。なんか、真央みたいに、なんだろ、ちょっとこういろいろ、思春期な感じで。
--(笑)
傳田真央:女の子なんで、色々恋とかで悩んだり、ああかな、こうかなって考えてる女の子がいて、で、その子が歌ってるんだけど、途中で頼もしい女の子の友達が出てくるみたいな感じで。そのまんまっていう(笑)。
--(笑)いろいろ教えてもらうみたいな。
傳田真央:行くなら行きなさいよ!って(笑)。
--(笑)。そういうノリで。なるほど、今回は歌詞はメッセージ性がどうこうというより、楽しい言葉選びだったり。
傳田真央:そうですね。楽しんで聴いてもらえたり、曲全体の雰囲気を味わってもらえればいいなと思って。
--是非、この辺の学校のね、ホームルーム前のBGMかなんかにしていただいて。
傳田真央:(笑)。していただけるといいですね。
--このマキシシングル、3曲目にSBK Remix・・・
傳田真央:yeah!yeah!
--なんと、ここでスケボーキングの名前のクレジットが・・・
傳田真央:いいでしょ、いいでしょ、すごいね!
--これは、どういった経緯で。
傳田真央:もうね、本当にね、ずっと、念願だったの!是非リミックスして欲しかったんですけど、意外だなと思われる方も多いと思いますが、あの、スケキンとかDragon Ashとかもそうだし、RIZEとかね、ミクスチャーが大好きなの(笑)!なんかそういう人達と色々やっていければなっていうのがあって、今回、やっとかなって。「どういう感じのRemixがいいですか?」みたいな話とかもしたんだけど、「もう、好きにお願いします。遊んで下さい!」っていう感じで。なんかね、スケキンの人も真央のこと色々考えてくれたみたいで、ここまでやったらダメなのかなとか、考えてくれたらしいんですけど、いやいや思いっきり遊んじゃって下さいって言って、こんな楽しいRemixが。
--なるほど。上がってきたら、おぉ!って?
傳田真央:おぉ!きたよ!やっぱり素敵!って思って。
Interviewer:平賀哲雄
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--ホムペのダイヤリー見ただけでも、相当スケボーキングのライブ見に行ってますよね。「またスケキン行っちゃいました!」って。
傳田真央:(笑)。すごい、ちゃんと見てますね。ありがとうございます。嬉しいです。ちゃんと読んでもらえてて。本当にね、ほんとうに大好きなんですよスケキン。もう、ライブ素晴らしい!
--もう、ずっと前?デビューした頃から?
傳田真央:うん。もう、すごい、ライブ超いいんですよ。
--じゃ、今後、スケボーキング feat.Mao Dendaで。
傳田真央:したいでーす(笑)。
--(笑)
傳田真央:思い切りしたいでーす(笑)。
--あと、4曲目、「ハウスと言ったらこの人」と、この前も言ってましたが、DJ TAKEさん。
傳田真央:今回、全体的にPOPで楽しい感じの80'sっていうのがあって、AIちゃんもそうだし、スケボーキングもそうだし、自分もそうだし、あと、TAKEも。もう、好きに楽しく遊んで!っていう感じでお願いしたので、あっ、こんなのTAKE作るんだってビックリして、いきなり歌い出しも「今夜も~♪」をずっとサンプリングとかしてて、もう、おかしかったんですけど、どっから歌始まるんだろ?って。このまま歌始まらないで終わっちゃうんじゃないかと思って。
--(笑)ずっと。
傳田真央:TAKEもすごく面白くて、真央はね、ちょっとU2ぽい音だねって思ったりしたんですけど。TAKEの新しい面を見れたから良かったなと思って。
--「ONE LAST KISS」という作品をまとめると、どうなるでしょう?
傳田真央:まとめると、そうだな、うーん・・うん、やんちゃなことやってみましたみたいな(笑)。
--あっ、あとね、この作品で新しく気づいたことが。へそにピアスが。
傳田真央:あっ、バレました?(笑)20歳の記念に開けたんですよ。成人式の何日か前に一人でピアス屋さんに行って。
--これからも、いろんなピアスを付けていただいて。
傳田真央:(笑)そうですね。何かまた記念の時にでも開けたいなと思います。
--あと、続いて、12月19日にリリースされたカバーアルバム!ここにきてカバーアルバムを出そうと思ったのは?
傳田真央:そうですね、昨年末に出したアルバム「Eternal Voice」の中で、色んな曲を作って詞を書いて歌うっていう、オリジナルを作る作業を「抱き寄せた~」までやってきて、次何やりたいかなって思ったときに、最近、どんどん自分らしいことをやって行かなきゃダメだなって思ったりして、最近世界でいろんなニュースがあったりするじゃないですか。そういうのを見てたりとかすると、明日死ぬかもしれないとか、なんかこう、命とかね、生きるとか、死とか、21歳ながら一生懸命考えたりして、そうしたら、やっぱりその時その時やりたいことを精一杯やることが自分らしいし、自分らしくいるってことが、やっぱり最終的に幸せだったって思えるのを信じて、やっていきたいなと思って。
--なるほど。
傳田真央:自分がどうして音楽やっているのかとか、何で歌を歌いたいんだろう?って考えたときに、やっぱり、真央っていうひとつの個性があるからそういうのを色々引きこもって考え(笑)、そういう時期だったんですよ。秋はね、引きこもるんですよ。ちょっと寒くなり始めると、ちょっとシュールになるじゃないですか、そうすると、なんか物思いにふけったりとかしてて、自分の中で自分を見つめ直すというか、
自分の中でそういうすごい革命の時期だったから、そこで、自分が音楽をやってる元って事を考えたんですよ。そしたら、やっぱり、声だな、歌だなっていうのにかえって、じゃまず、自分の一番大事なところをとりあえず、ちょっと極めたいなっていうか、やってみたいなっていうのが生まれたりしてきて。やっぱりね、オリジナルの自分の曲を作って詞を書いて歌うっていう、3つの作業になると気持ちが分散しちゃう所があって、どうしても今のままでは先に進めないと思ったんです。だから今回カバーってことで、すごい名曲を沢山選ばしてもらったので、築きあげられてきてるものじゃないですか、誰かが築いたんですけど、ちょっといいとこ取りなんだけど、その次を考えられるって言うか、なんか、うん、そういうことによって歌に集中できる。だから、もう一回歌っていうことに集中したいなって。それで、今回カバーアルバムやりたいんだっていう提案をしてみました。
--素晴らしい。またひとつ大人の階段を登られた気がします。
傳田真央:はい(笑)。
--でも、80年代の名曲を選ぶっていうことは、相当候補があったんじゃない?
傳田真央:すごい、いっぱい。
--どう絞り込んでいったの?
傳田真央:結局は自分が歌いたい曲を選ぼうって。カッコイイ曲は、それこそいっぱいあるから、歌として、いいなぁと自分が思える曲とか、メロディーが綺麗とか。あと、歌詞がすごく考えさせられるとか、あと、今、これを出して世の中に真央なりに提示がちょっとの人達へにでも出来ればいいなっていう曲をちょっと選んだりとかして。
--ああ、なるほど。
傳田真央:すごい幸せだった。すごい嬉しい悩みだった。曲を選ぶのが(笑)。いっぱいやりたい曲があって。それでまぁ、これは曲を選んでから気づいたんだけど、このね、真央80年生まれだから、まだちっちゃいから、全然リアルタイムで80年代の洋楽なんて聴いてないんですよ。でも、何で知ってるかっていったら、HIPHOPのネタとして、
--サンプリングに使われたり、
傳田真央:そう。
--ポリスとか、
傳田真央:そう、モロですよね。高校生の時だったんですけど。本当に、うん。だから、パフ・ダディーの「I will missing you」を普通に流行ってたから聴いてて、その後に雑誌とかで元ネタがポリスって知って、それを聴いてみて、それでスティングを知って、こういう時代の人でもこういうすごい綺麗な曲があったんだとか、知ってみたいな。デバージとかも、デバージの「Love Me In A Special Way」を今回やってるんですけど、それも、ノトーリアス B.I.G.の「One More Chance」の元ネタだった「Stay With Me」は、あのMUROさんのミックステープ、「Diggin' Ice」だっけ?Diggin'シリーズっていうのがあって、ミックステープの。高校の時流行ってて、B-BOYの友達から借りて、それ昔のクラシックの曲がつないであるテープで、わりと大人しいところ取りでつながってるから、その頃の真央でも聴けたみたいな。それにもデバージが入ってたりとかして、結構なんか、選んでみてから気づいたんだけど、新しい音楽との出会い方だなって思ったんですよ。ニュージェネレーションな音楽との出会い方!うん、そういうHIPHOPとかを通して、そういう昔の名曲とかに真央は出逢ったりしたから、今回真央がカバーアルバムを出すことによって、原曲のすばらしさとか、そこからなんか、若い人達とかが聴いて、色んな所に広がってくれたらそれで嬉しいし、うん。
--じゃ、あれだ、逆にそういった人達がサンプリングしてなかったら、この中に入ってなかった曲も結構あったと(笑)。
傳田真央:あったでしょうね。やっぱり。そういうものが多いし。やっぱり自分の中で、これからはR&BとかHIPHOPの枠を壊してどんどん広がっていきたいなと思ってるんだけど、でも、今回カバーとかで、曲を選ぶだけで、自分がHIPHOPとかから大きな影響を受けてるんだなって改めて感じたりとか、Soul Ⅱ Soulの「Keep On Movin'」とかも、クラブでオールドスクールがいっぱいかかってる日に行って、聴いたりとか、HIPHOPを通して聴いたりするのが多いから。シンディ・ローパーの「True Colors」は、逆にロックをやっていたときに影響を受けた曲です。いろんな他の影響で選曲してるのもあるんですけど、なんかね、バンドをやっていたときにアンコールで歌ってたんですよ。
--なるほど、じゃ、思い出深いというか、歌いなれてるというか。
傳田真央:そうそう、バンドがね、高校の時にオルタナとかやってて、ホールとかソニック・ユースとか、ブッシュとかレイジとかね、なんかすごい、
--レイジもやってたんですか(笑)。歌ってたんですか?
傳田真央:歌ってました(笑)。シルバーチェアーとかもやってて、なんかごちゃ混ぜなんだけど、
--それも聴きたいですね(笑)。
傳田真央:(笑)。長野の小さいライブハウスでやってて、しかも、高校生で、その頃そんなの分かる人そんなにいなかったんですよ。で、みんなで、「はぁ~?」って不思議そうに見てて、で、何か格好とかも結構衣装とかみんなで考えてやったりとか、フライヤーも真央、絵書くんですけど、変なフライヤーとか配ってやったりして、みんな不思議そうに興味本位で見に来てて、で、下手なんですよ。みんな楽器とか初めてで、真央が無理矢理やらせたんですよ。
--(笑)
傳田真央:ぐちゃぐちゃなんだけど、でも、ちょっと、こじゃれたことやってるから、みんな終わったときにアンコールって言ってくれて、でもね、下手だからやる曲がないんですよ。いっぱいいっぱいで。
--(笑)
傳田真央:やる曲なんかなくて(笑)。で、いつも困って、真央がアカペラでアンコールを。その時にシンディ・ローパーの「True Colors」を歌って、そのアンコールが、後々そのライブハウスの人が気に入ってくれて、デビューにつながるきっかけになる、一番原点だったりするんですけど。
--なるほどね。「True Colors」なかったらデビューのキッカケを掴めなかったと。シルバーチェアーとかばかりだったら(笑)、
傳田真央:(笑)。それだったら、全然わかってもらってなかったと思う。
--別の方向行ってたと思う。
傳田真央:そうですね(笑)。
--では、思いきっきりルーツですね、このアルバムは。
傳田真央:だから、本当に嬉しい!このアルバムは。そういう、真央のやんちゃな部分もみんなに見て欲しいんで。Soul Ⅱ Soulの「Keep On Movin'」は超ロックな感じで壊してやっちゃったんですけど、でも、それが、結構すごいミクスチャーのいい曲が出来たなぁって。Soul Ⅱ Soul自体、ブラックなんだけど、アーバンなブラックって言うか、UKなブラックじゃないですか。その時点でも結構ミクスチャーだなっていう感じするし、それに更にプラス、ロックのアレンジにしちゃったみたいな感じで、気に入ってます。
--あと、今作の良い演出になっているのが、DJ MAOKOの活躍だと思うんですけど、
傳田真央:(笑)
--あれは、もう、思い切り80年代のFMぽい感じで。
傳田真央:そう!そうなんですよ。なんか、真央も全然イメージしか無いから、全然わかんなかったんだけど、それこそ、周りのスタッフの人とか、一緒にいろんな曲やったプロデューサーの人達とか盛り上がって話してたりとかしてて、真央とか全然わかんなくて、「ふーん、そうなの?そうなの?」って、みんなリアルタイムの人達が多いから、すごい盛り上がって話してたりとかして、すごい教えてもらいましたね。「ラジオぽいのとかいいなぁ~」って真央が言って、そうしたら、「じゃぁ、さぁ、80年代にこういうラジオがあって、テレビではBEST HITS USAがあってさぁ」とか言って、そうなんだぁ~とかいう感じで、いろいろ教えてもらって、真央が想像しながらしゃべった感じで。
--結構聴いてると面白いですよね。
--very cute guestとか(笑)。
傳田真央:very cute special guest mao denda!とか自分で言ってますからね(笑)。
--自分で言ってるよね(笑)。あれ、おもしろいね。あと、何気に「ONE LAST KISS」バックで流してたりとか(笑)。
Interviewer:平賀哲雄
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傳田真央:あれは、そう、あれはAIちゃんの声がちょうど入るところの「One Last Kiss」流してたり、珍しいですよね(笑)。
--自分のアルバムで宣伝しちゃってる。
傳田真央:自分だらけで、真央が何人も出てくるんですけど、楽しかったですよ。なかなか。あと、今回のカバーではね、世界で最近色々起こってるじゃないですか、それについても真央なりには考えてみたりとかしてて、自分の中でそういう事件に対してのアピールも音楽の活動で気持ちを表せればいいなっていうのがあったんですよ。歌詞をみてみると意外と、平和を訴えてたりしている曲があったりとか、「Holiday」とか。私びっくりしたんですよ!それまで普通にサラっと聴いてて、昔の曲でダサくて可愛いぐらいに聴いてたんですけど、自分が歌うとしっかり歌詞と向き合うじゃないですか。あぁ、こんなに大きな事を歌ってる詞だったんだなって、すごいびっくりしちゃって、うん、だからそう言う意味も込めて「Holiday」とかも入ってるんですけど、一番最後のシメの曲も「Bohemian Rhapsody」で、80'sの曲じゃ実際はないんだけど、どうしてもそれは歌いたくて、それもやっぱり、人を殺しちゃった人の曲だったりして、今、真央が歌うにしてはちょっと重いような曲だったんですけど、まぁ、それを今の真央らしく、ちょっとこうHIPHOPなトラックで、どっぷりとは歌わずに、その方が若い人達も聴けるんじゃないかなと思ったし。そういう難しい色々なことを提示もしたいなっていうのも入ってるんです。アメリカは今、色んな事が起こってるけど、みんなですごくポジティブにとらえようとしてたり、みんなで集まってコンサートやったりとか、そういうのってアメリカらしくて、アメリカの人達の良いところなんじゃないかなと思って。そういうところに真央も元気づけられて、影響受けたっていうのもあるし、なおさら楽しい感じ。ただ楽しいっていう、ただPOPで楽しいっていうだけじゃなくて、もう一つあって、こういう形になったんだよっていうのが、誰かに分かってもらえればいいなって思います。
--昔からやりたいと言っていたあの曲(シャーデー「Love is stronger than pride」)とかどうだった?実際カバーして。
傳田真央:いやぁ~ねぇ~、あの曲とあったときに、何か初めてね、ちょっとね、こう、満足できたんですよね。なんか、一生懸命やんない満足が出来たっていうか、朝から、レコーディングが何時から始まるからっていうのに合わせてテンションを合わせてずっと来て、学校から何から、朝食べるものから何から、この時間はおなかがこのくらいの調子だと良いとか、全部完璧に考えて(笑)、それがバッチシうまくいったレコーディング、素晴らしいレコーディングだったんですよ。3テイク。3テイクで録っちゃって。そんなレコーディングだった。それはシャーデーの曲だったからかなと。なんかね、その曲について色々考えたこともあったし、こういう感じなのかなぁって。スっと入れたから、うん、コーラスワークですごい遊んだし(笑)。
--デバージの曲ではチェロを披露して。
傳田真央:(笑)出ました。はい。
--チェロはいつからやってたの?
傳田真央:4歳の時からやってたんです。
--あっ、そんな昔から。
傳田真央:はい。
--じゃ、もう、プロじゃん(笑)。
傳田真央:とんでもないんですけど。
--初めてだよね?こういう風にCDに出たの。
傳田真央:楽器録り自体が初めてで、なんか、そうですね・・・ドキドキしましたね(笑)。
--なるほど。
傳田真央:それでも、せっかくだったんで、頑張って挑戦しようと思って。全然クラシックの曲を弾くのと違って大変だった。クラシックって、楽譜を再現するものだから、こうね、若い人から見たら、こう、決められている音楽というか、そういうイメージがありそうなんだけど、実際やると、やっぱりすごい自由に弾けるというか、私は。そんな感じがしたから。でも、こういうR&Bとかは、ビートがあると、決まってる中に入んなきゃいけないから、全然違って、しかも、今回は本物チェロっていうのじゃなくて、エレキのチェロを使ったんですよ。それも違いましたね。でも、楽しかったですよ。
--(笑)
傳田真央:ピアノも弾いたんだよ、真央。
--「Bohemian Rhapsody」の。
傳田真央:そう(笑)。
--あの有名なフレーズを。
二人:(笑)傳田真央:レコーディングの時、ピアノあるとすごいリセットできるんですよ、気持ちを。だから、ピアノのあるところでやらせてもらってて、それで合間に弾いて遊んでたら、今井君が、「えっ?そんなに弾けんの?じゃ、やってよ」って。「えっ~?」とか言って、その場で考えて、
--突然?
傳田真央:突然。そのピアノが初楽器レコーディングで。おもしろかった。オルガンは今井君が弾いて、ピアノは真央が弾いて。
--今後も、結構楽器とかやりたい感じ?
傳田真央:せっかくだから、色々やりたいですね。ライブとかでもそういうアプローチが出来たら面白いなと思うし、なんか、それも一つのミクスチャーかなと思って。まぁ、自分の中にあるいろんな要素を、楽器もそうだし、なんか一つ、例えば真央がピアノを弾くとかチェロを弾くって事によってクラシックの要素が入ってきたりとかジャズの要素が入ってきたりとか、そこで新しいものがミックスされるわけじゃないですか、それでビートはR&Bで、そこにDJのスクラッチが入って。で、真央が歌ったらなんかまた、ROCKだったり、POPだったり、R&Bだったり、SOULだったり、いろんなものが混ざったら、なんかすごく新しくて楽しいものができるんじゃないかなっていうのは、面白そうだなと思って。
--いろいろ今後も挑戦という感じで。
傳田真央:はい、ビックリして下さい(笑)。
--(笑)。今作、プロデュースがFUJIさんじゃなくて、楽曲それぞれに違うプロデューサー付けてって感じだったけど、どう?新しいチームで作っていく感じは。
傳田真央:そうですね、初対面の人達も多かったので、まず、言語を探すってところから始めて、今回、コンセプトが80'sってこともあって、リアルタイムの人達とイメージでしかない真央とは、また、全然伝わり方も違ったりして、すごく大変だったんですけど、でも、それぞれのプロデューサーの人達のおもしろい味っていうか、それぞれの曲で出してもらえたりとかもしたし、単純にいろんな人達と会って話をしたり、それがなおさら、音楽を通して話をしてるから、すごい楽しいし、自分にも影響したし、世界が広がった感じがして、楽しかったですね。大変な分、すごい楽しかった。
--それじゃあ、今年は後半に来て画期的な出会いが沢山あったみたいだね。
傳田真央:そうですね。
--じゃあ、このカバーアルバムですけど、真央ちゃんにとってどんなアルバム?
傳田真央:私の歌のルーツかな。
--なるほど、わかりました。あと、気になってるんだけど、オリジナルアルバムは?
傳田真央:そうですね、予定はありますよ。それを引きこもって作っているような状態なので。オリジナルをやったら、なおさら、やんちゃなものになっていくんじゃないかなと思ってるんで。みなさん覚悟して聴いて下さい(笑)。
--あと、ライブについても少し聞きたいんだけど、来月29日にS.E.Pのイベントに出るよね?今から来る人達に言っておきたいこととかある?
傳田真央:そうだなぁ~、あのー、真央が出てきたら、思うように体を動かして欲しいですね。恥ずかしがらずに。一番恥ずかしいのは真央なんだから(笑)。
--(笑)。みんなに見られて。みんなが恥ずかしがったら自分が一番恥ずかしいもんね。
傳田真央:(笑)
--それでは最後に、このインタビューを読んでくれている方々にメッセージを。
傳田真央:えーと、これからの傳田真央は、より傳田真央になっていくために、日々頑張っておりますので(笑)、びっくりしちゃうこともあると思いますが、やんちゃに頑張っていきます。応援して下さい。4649(笑)。
--いつまでもやんちゃでいて下さい!本日は、ありがとうございました!
傳田真央:ありがとうございました。
Interviewer:平賀哲雄
傳田真央 来年の自分について語る!
--昨年末のインタビューで、覚えてるかどうか分からないけど、こういうことを言ってたんですよ。「来年は、一人のシンガーというより、一人の女性として、一人の人間として、自分を磨きたい」と。
傳田真央:(笑)
--今年もうすぐで終わるけど、しっかりと磨けた?
傳田真央:(笑)。もう、すごいよ、料理とかしてね。真央ね、お料理が出来るようになったでしょ、あとね、編み物が出来るようになったでしょ(笑)。
--どんどん女らしくなって。
傳田真央:この前とかも編み物教室とか行っちゃって(笑)。一個最近作り終えたばかりなんだけど、料理の腕も、もう、クリスマスパーティーにはバッチシって感じで。最近アジア料理まで作れる!
--(笑)。いろいろ磨けたという感じで。それじゃあ、来年はどんな年にしたいとかある?
傳田真央:どうだろなぁ~?それは初めて聞かれたな~来年は、もっと、えー・・うーん・・・遊びをもって音楽をやる!(笑)
--自由に?
傳田真央:自由に。
--また、来年末に聞くからね。
傳田真央:すごい、よくそんなの覚えてますね。
--傳田マニアなんで。
傳田真央:(笑)
Interviewer:平賀哲雄
Diamond Kisses
2001/12/19 RELEASE
UMCK-4042 ¥ 3,146(税込)
Disc01
- 01.Diamond Kiss Show (Intro)
- 02.Holiday
- 03.True Colors
- 04.Human Nature
- 05.Love Is Stronger Than Pride
- 06.Don’t be surprised! (Interlude)
- 07.Keep On Movin’
- 08.Every Breath You Take
- 09.Slow it down a bit… (Interlude)
- 10.L.M.I.A.S.W.I.
- 11.Love Me In A Special Way
- 12.Bohemian Rhapsody ~Mao meets TinyVoice~
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