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エース・フレーリー来日記念特集 ~KISSのオリジナルメンバーで伝説的ギタリストが25年ぶりに来日。そのライブの見どころは?
今年、結成45周年を迎えるKISSのオリジナル・メンバーであり70年代の黄金期を支えてきた伝説的ギタリスト、エース・フレーリーの来日公演が今秋ついに実現する。実に1993年以来となる今回の日本上陸は、古くからのリスナーのみならず、彼の雄姿を目の当たりにしたことのない世代にとってもまさに長年の念願。ソロ作品群からの代表的なナンバーの数々に加え、往年のKISSの楽曲、さらには彼自身の音楽的根源である原初的クラシック・ロックの名曲も堪能できる、画期的かつ貴重な機会になる。今回はそんなジャパン・ツアーを前に、音楽評論家の増田勇一氏に、近年のエースの道のりや来日公演への期待を解説してもらった。また、特集の後半では、編集部がセレクトした「ジャパン・ツアーに向けて改めてチェックしたい動画5選」を掲載。こちらもぜひ合わせてチェックして欲しい。
唯一無二のスペースマンの現在地
「正直な話、20代の頃は自分が30歳になるまで生きられるなんて思っていなかった。それくらい当時の俺はクレイジーだったのさ」
2014年の夏、エース・フレーリーは、KISSの一員として絶頂期にあった70年代を振り返りながらこんなふうに語っている。そして、この発言には以下のような続きがある。
「だけど30歳になった時、もしかしたら40歳まで生きられるかもしれない、と思った。ふと目が醒めて“死にたくない!”と思う時が来るものなんだよ。そこから生活を立て直そうとするわけさ。俺の場合、そうなるまでに随分と時間がかかってしまったけども(笑)」
1951年4月27日、ニューヨークはブロンクス生まれ。今年の春には67歳の誕生日を迎えているエースは、かつてはKISSの代表曲のひとつである「コールド・ジン」が物語っているようにアルコールとの深い縁を切れずにいたが、現在は完全にしらふの状態で音楽に取り組み続けている。それを裏付けるように、ここ10年ほどの精力的な活動ぶりには目を見張るべきものがある。1989年発表の『トラブル・ウォーキン』以来、実に20年ぶりとなるオリジナル・ソロ作品『アノマリー』(全米27位)を2009年にリリースすると、続く『スペース・インヴェイダー』(2014年)を自己最高となる全米9位に送り込み、さらに2016年には彼自身の起源を改めて提示するかのようなカヴァー&リメイク作品、『オリジンズ VOL.1』(全米23位)がヒット。KISSでの盟友、ポール・スタンレーの同作へのゲスト参加へも話題を集めることになった。そして2017年には彼にとっての新たな起点となった『アノマリー』に未発表曲などを加えたデラックス・エディションを発表。当然ながらそうした作品発表の狭間にはツアーも重ねられており、常に〈あのKISSの、伝説のオリジナル・ギタリスト〉などと形容されてきた彼は、今やかつて以上に現在進行形のアーティストとして前進し続けていると言っていい。
▲Kiss Madison Square Garden 1996 - Cold Gin
そんななか、ひとつだけ残念だったのは彼がずっとここ日本から遠ざかっていたことだが、なんとこの9月、実に1993年以来となるソロ名義での来日公演が実現することになった。これはオールドスクールなKISSファンのみならず、彼がプレイする雄姿を映像や写真でしか見たことのない世代にとっても、長年の念願だったに違いない。
2018年9月、果たしてエースは日本のファンの前でどのような演奏を繰り広げてくれるのか? ソロ転身後の代表曲の数々はもちろんのこと、KISS時代のレパートリーからも惜しみなくキラーチューンの数々を披露してくれるはずだし、『オリジンズ VOL.1』に詰め込まれていたようなクラシック・ロックの名曲たちも味わえることになるのではないだろうか。加えて、間もなく完成予定だと伝えられている新作アルバムからも何曲か披露されることを期待したいところでもある。ちなみにこの新作では、ジーン・シモンズが曲作りに関与しているとの情報も届いてきている。
この夏は全米各地を巡演し、その後さらにオーストラリアでの公演を経ながら久しぶりの日本上陸を果たすことになるエース。唯一無二のスペースマンの、過去いかなる時代とも異なる現在の姿に、まっすぐに向き合いたいものである。
文:増田勇一
編集部選:過去から現在まで!エースのジャパン・ツアーに向けて改めてチェックしたい動画5選
Ace Frehley of KISS: Guitar Moves
Ace Frehley - Fire And Water ft. Paul Stanley
Frehley´s Comet - Rock Soldiers Music Video HD
Ace Frehley Guitar Solo Tokyo Japan 1977
Ace Frehley - Rip It Out
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