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Secret 『WELCOME to SECRET TIME』インタビュー
日本の情緒に近づける歌をうたいたい
韓国では2011年に飛躍的なビッグヒットを次々に生み出し、一気にトップシーンへ。日本でも昨年秋にデビューしたK-POPガールズグループ第二世代の筆頭 Secret(シークレット)が初登場だ。
デビューシングル『Madonna』から、いしわたり淳治(EX.SUPERCAR)が作詞した日本オリジナル曲「TWINKLE TWINKLE」まで。ほんのりレトロな香りを楽しめるダンスチューン満載な1枚について、メンバー4人に話を訊いた。“私たちも東京ドームでやりたい!?”
逃げようと出口のドアに手をかけたことがある?
--皆さんは結成直後から携帯電話を取り上げられ、共同生活を行うことになった(※1)んですよね?
ジウン:本当に厳しいトレーニングを受けました。合宿生活は辛いことも多かったんですけど、そういう時期を一緒にすごしたことによって短期間で家族のようになれましたし、同じ夢に向かってお互いの不足を補い合えるチームになれた。それは本当によかったですね。
--当時はどのような夢を持っていましたか?
ヒョソン:やっぱり最初はとにかく早く舞台に立ちたい、歌を聴いてもらいたいっていうのが夢でした。そして実際にデビューできてからは、コンサートでもっとたくさんの人に聴いてもらいたいとか、海外でデビューしたいとか、次の大きな夢ができてきた。だから最初はいち早く“Secret”という名前を知ってもらいたいというのが夢でしたね。
--今言われた“海外進出の夢”には、日本での活動も視野に入っていましたか?
ソナ:もちろん! 昔からBoAさんに憧れて育ったので日本に行きたいと思っていたし、ドラマやアニメなどで触れていましたから隣の国として日本はとても近い存在でした。だから海外デビューとして一番最初に思いついたのは日本でしたね。
--では、デビュー前のエピソードで特に辛かった思い出は?
ソナ:ダンスの振り付けでもひとつ間違えただけで“ダメ!”ってレッスンだったので、毎日“明日こそ逃げてやる!”って思ってました(笑)。でも、寝て朝起きる時間になると“仕方ない、レッスンに行こう……”って。今となっては笑えるエピソードですけどね!
--実際に逃げ出したことは?
ソナ:一時期、本当に辛くて辛くて、みんなで一緒に逃げようと出口のドアに手をかける所まで行ったことがあるんです。でも、ちょうどその瞬間に電話がかかってきて、“ジンガーの加入が決定したからスタジオに来て”って(笑)。その時に“私たちはそういう運命なんだな”って思いましたね。
--Secretの活動は4年ほどになりますが、特に記憶に残っているエピソードなどは?
ジウン:シングル『Shy Boy』で1位を獲れたことは本当に驚きでした。自分たちが1位を獲れるなんて思っていませんでしたし、期待もそこまではしてなかったんですよ、……ほんのちょっとだけしか(笑)。だから自分たちが1位だってテレビで紹介された時は頭が真っ白になったし、言葉がでなかったです。
ジンガー:春に東京と大阪と名古屋のZeppで行ったライブは海外で初めてのコンサートだったし、音楽で気持ちが通じ合うのはこういうことなんだと実感できたので、記憶に残っていますね。次のコンサートに対する欲も生まれましたし。
『うまい棒』をスライスできる機械にビックリ
--Secretには「Shy Boy」のようにキュートな楽曲から、「Madonna」のようにクールな楽曲まで。様々な表情を持った楽曲が揃っていますが、それぞれのキャラに一番合った曲はどれだと思いますか?
ジンガー:「愛はムーブ」ですね。楽しいしパワフルにできるので、一番合ってます!
ヒョソン:「Madonna」はリアルサウンドだし、凄く人間味のある曲だと思います。リスナーとしては特に気にしていなかったんですけど、自分が歌うとなるとやっぱり生声に近い歌声で聴いてもらえる曲の方が好きになってきましたね。だからいつかコンサートで、バンド演奏でのパフォーマンスをやってみたいって思ってるんですよ。
ソナ:私は性格が明るい方なので、「Shy Boy」とか「Starlight Moonlight」が合うと思うんですけど、Secretとしてはヒョソンと同じで「Madonna」だと思います。ダンスの振り付けでも一番Secretらしさを出せるのが「Madonna」なんです。
ジウン:私はむしろ逆で、「Madonna」とかはピシッと決めて“かっこいいSecret”を演出している気がします。でも「Shy Boy」は自分の気持ちをそのまま声に出すと歌になるような気がして、素直に表現できているんじゃないかなって。
--Secretは日本でデビューして約1年が経ちましたが、日本の印象の変化や文化の違いに驚くことは?
ジンガー:日本は街も綺麗だし、小さくてかわいくて不思議な物が多くて驚いています。メンバーはみんな、ドン・キホーテが大好きなんです(笑)。
ジウン:『うまい棒』をスライスできる機械もビックリしました!(笑)
--なるほど(笑)。では、コンサートなどを通して感じた違いなどは?
ソナ:韓国だとバラードを歌っていても少々歓声は聞こえるんですけど、日本では本当にシーンとした状態でじっと聴いてくれるんですよね。ただ、最初はそれを知らなかったから“アレ、歌いまいちだったかな?”って心配しちゃいました(笑)。
表現できることが増えていく成長を感じています
▲Secret 『【HD】Madonna (short ver.)』
--日本で発売したシングルやアルバムでは、既存曲も日本語詞で新録されています。日本語で歌う難しさというのもあると思うのですが?
ヒョソン:初期の頃はひとつひとつの発音が難しくて、レコーディングの時も気をつけながら歌っていました。これは今回のアルバムの時にも感じたことですが、テンポがゆっくりな楽曲であるほど感情表現が大事になってきますよね? そうした時の日本語の表現は悩みましたね。
--その1st アルバム『WELCOME to SECRET TIME』を8月22日にリリースしました。本作も日本での活動における大きな節目のひとつになったと思うのですが?
ジンガー:私はラップを担当していることもあって、1曲1曲増えていくたびに日本語のラップで表現できることが増えていく成長を感じています。しかも今回のアルバムでは、韓国での活動を含めても初めての作詞に挑戦した「Intro ~WELCOME to SECRET TIME~」を収録してもらえました。そういう意味でも自分にとって格別な1枚になりましたし、この1枚を通して大きく成長できたと思っています。
--他のメンバーもこの楽曲を聴くとテンションが上がる?
ソナ:英語で歌ってるから最初は何を言ってるのか分かりませんでした!(笑) 歌詞を読んでみたら私たちの名前が書いてあるからビックリしました!
ジウン:同じメンバーが作詞をするっていうだけでも嬉しいのに、私たちのことまで書かれている。それは自分のことを表現してもらっているということだと思うし、アルバムを買ってくれた人たちが聴いてくれるっていうのは凄いことですよね。
--自分でも作詞してみたい?
ソナ:ジンガーを見ていて、それがいかに難しいか分かりました(笑)。だからこそ、アルバムを通してジンガーが自分の能力を見せることができたことは、チームのメンバーとして誇りに思います。自分たちのアルバムなんだって気持ちがより強くなりましたね。
情緒の違いは感じました
--一方、日本語詞はいしわたり淳治さん(※2)が担当しています。2曲目の「愛はムーブ」は特に顕著でしたが、原曲のイントネーションに近い言葉を選びつつ、元々の歌詞の内容から外れない世界観を構築しているのが印象的です。
ヒョソン:確かに「愛はムーブ」はそうでしたね。最初はやっぱり上手く歌えるか不安な気持ちもありましたし、韓国語の曲の雰囲気が日本語でも活かせるのか心配でした。でも実際に歌詞がきて歌ってみたら発音の雰囲気がピッタリだし、意味的な所まで合わせてもらいました。こんなことができるんだってビックリしました!
ジウン:いしわたりさんとは「Shy Boy」からご一緒させて頂いていますが、本当に似た発音になるよう気を遣って下さってますし、歌いやすい歌詞を作って下さっている。それに原曲のイメージから大きく外れないのですが、日本語なりのストーリーメイキングを加えて下さっているのが面白いですよね。あと、ダンサブルな曲だとキレの良い日本語を選んで下さっていて、よりリズミカルになっていると思います。
--アルバムには「Madonna」や「Shy Boy」、「Starlight Moonlight」など代表曲が数多く収録されていますが、改めて聴き返してみて気付いたことは?
ジウン:基本的に全ての楽曲を新たに録音し直したので、“日本語でここまで歌えるようになったんだ”っていう成長は感じますね。
ヒョソン:発表してから時間が経っている曲だと、歌を把握して理解し切った状況でのレコーディングになるので、ニュアンスや感情を細かい所まで表現できるんですよ。特に日本デビューを飾った「Madonna」は、当時日本語の発音に苦労した曲なので、今回歌う時は気持ち的にも楽でした。
--さらに本作には、「TWINKLE TWINKLE」や「真夏のマーメイド」といった日本オリジナル曲も収録されています。
ソナ:原曲が日本ということで情緒の違いは感じました。聴いてみると本当にJ-POPらしい曲だと感じましたし、デモの歌い方を参考にしながら練習していきました。ただ、日本語の曲も歌ってきましたから、あまり違いを気にせず楽しみながら、自分たちがこれまで経験したことがなかった色合いの楽曲に挑戦しました。
--「真夏のマーメイド」は日本人からするとちょっと懐かしい感じもあるんですが、そういうノスタルジーは皆さんには分からない所もありますよね。
ソナ:……何か恋の記憶でも?(笑)
このアルバムは1年目のSecret
▲Secret 『【HD】これくらいのサヨナラ (short ver.)』
--では、皆さんにとってアルバム『WELCOME to SECRET TIME』はどのような1枚になりましたか?
ヒョソン:これまで日本で見せてきたSecretの全てを見せられる1枚です! 今まで見せてきたカラーや音楽は一度整理する、そんな1枚だと思います。
--これから先、見せていきたい姿などはありますか?
ジウン:このアルバムは1年目のSecretだと思っているんです。2年目になればまた違うSecretになると思うし、同じ曲を歌っていても変わってくると思うんです。だから今後の自分たちにも期待していますし、これからどんなSecretが見せていけるのかは私たちにも分かりません。活動しながら発見していきたいと思います。
--では、最後にこれからの展望や野望があれば教えて下さい。
ジウン:アイドルというと、どちらかと言えば音楽に合わせて踊るグループというイメージがあると思うんですけど、私たちはもう一段階グレードアップしたチームとして、歌の中に想いや感情を込めて伝えられるような歌手を目標に頑張りたいです。
--ちなみに、日本のアイドルって知ってます?
ジウン:もちろん! AKB48さんとか! ……私たちも東京ドームでやりたいです(笑)。
ソナ:日本の方々にK-POPを聴いてもらいたいっていう気持ちはもちろんあるんですけど、日本での活動ではBoAさんの様に、日本の方々が喜んでくれる情緒に近づけるような歌をうたっていきたいです。
ジンガー:日韓両国の人たちに影響を与えられるアーティストになりたいです。それは例えばファッションであったり、ヘアスタイルであったり、考えていることもそうですね。皆さんから“こんなお姉さんになりたい”って思ってもらえる目標になることは、女性としてもやりがいがあると思うんです。憧れの存在になれるよう、かっこよくなりたいです!
WELCOME to SECRET TIME
2012/08/22 RELEASE
AICL-2430/1 ¥ 5,762(税込)
Disc01
- 01.Intro ~WELCOME to SECRET TIME~
- 02.愛はムーブ
- 03.Madonna (Album ver.)
- 04.Shy Boy
- 05.Starlight Moonlight
- 06.真夏のマーメイド
- 07.I miss you
- 08.これくらいのサヨナラ
- 09.笑わないで (Nu Groove ver.)
- 10.TWINKLE TWINKLE
- 11.DRIVE TO YOU
- 12.Walking
- 13.SECRET DREAM
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