Billboard JAPAN


Special

アンジュルム和田彩花“2017年総括〜2018年飛躍宣言”単独インタビュー



和田彩花(アンジュルム)『アンジュルム コンサート 2017 Autumn 「Black & White」special ~風林火山~』インタビュー

 「次なる目標を立てました。(今年はハロプロリーダーになって言いにくいですし、悩んだ部分でもありますが。)言ってしまおう! アンジュルムはパフォーマンスでハロプロを超えていきたい!!!!!!!! 私達がいろいろな壁を壊してしまおう! 2017年で大人しくなったわけではないですよ。がんばるぞーーーー!」

 これは、和田彩花がアンジュルムとして【COUNTDOWN JAPAN 17/18】に出演した際、その夜に自身のブログで記したもの(http://amba.to/2BCXhmM)だが、この発言に至る直前にビルボードジャパンは彼女への単独インタビューを敢行した。

 伝統あるハロー!プロジェクトのリーダーに就任し、本来最も自由度の高いアンジュルムのリーダーも務め、その狭間から見てきた激動の1年(℃-ute解散~ももち引退~ハロプロ大改革~カントリー・ガールズへの想い~新メンバー・船木結と川村文乃の存在感~こぶしファクトリーへの想い~モーニング娘。工藤遥卒業~アンジュルムの前に立ちはだかった現実)と、その果てに見出だした未来(=前述のブログでの宣言)について語ってくれた。

 ハロー!プロジェクト、アンジュルム、そして和田彩花の今とこれからについて赤裸々に語られた最重要インタビュー、ぜひご覧頂きたい。

私がハロー!プロジェクトのリーダーになったのに……

--アンジュルムのリーダーとして活動してきた和田彩花さんですが、2017年はハロー!プロジェクトのリーダーに就任。どんな1年でしたか?

ハロプロ新リーダー発表!【ハロ!ステ#202】
ハロプロ新リーダー発表!【ハロ!ステ#202】

和田彩花:大変でした(笑)!

--激動でしたもんね。

和田彩花:ハロー!プロジェクト内にいろいろ起きる度に発言したり発信しなきゃいけない。そういう機会がハロー!プロジェクトのリーダーになったことで増えたので、そこで「うーん?」と思うのは、アンジュルムのことだったら、自分はオリジナルメンバーで全部知ってるから「ここまで言っても大丈夫だな」と分かるし「これも言おう」と思えるんですけど、それがハロー!プロジェクト全体のことになった場合は「どこまで言っていいんだろうか?」「これは言うべきじゃないかな?」ってなる。そうなると定型文しか出てこないんですよ。でも定型文を発信したって……私、自分が思っていないことは言いたくないから、そうなったときにすごく苦痛だったんです。私がハロー!プロジェクトのリーダーになったのに……誰でも言えるようなことを言っても意味ないなとすごく思っていたから。でも現実は「きちんとこういうことも言わなきゃいけない」となる。それはツラかったですね。でもその悩みは上手く解消しました!

--お! どう解決策を見出したんですか?

和田彩花:解決策は、もう単純ですけど、いろいろ自分が思うことはあっても、とりあえず1回受け入れようと。そういった状況だとか「こういうことを言わなきゃいけない」ということをとりあえず受け入れる。その中で上手く自分がその受け入れたモノに染まらずに言葉にしよう、ということを身に付けました! それはこの1年で大きかったです。

--ちゃんと自分の想いも乗せるということですよね。では、その1年間のトピックをひとつずつ振り返りたいんですが、まず上半期に℃-uteの解散(http://bit.ly/2shz83Z)と“ももち”こと嗣永桃子の引退(http://bit.ly/2hPAbBN)がありました。先輩がみんなハロプロから去っていった訳ですが、あの時期はどんな心境でしたか?

℃-ute『To Tomorrow』(℃-ute[To Tomorrow])(Promotion Edit)
℃-ute『To Tomorrow』(℃-ute[To Tomorrow])(Promotion Edit)

和田彩花:今までずっと先輩がいる中で育ってきていたから、本当に“最後の先輩”という感覚だったんですよ。一緒にいるとちょっと自分が安らぐ場というか、特に矢島さん(矢島舞美)とかすごく仲良くしてくださっていたんで、ハロコン(※ハロー!プロジェクト各グループが一堂に会するコンサート)の度にいつも一緒にお弁当を食べたりとか、そういうところでいろんな話を聞いてくれたり、いろんな話をしてくれて、唯一“後輩に戻れる場所”だったというか……単純に「矢島さん!」って呼べることも嬉しかった。でもそれが無くなって、今度は自分が上になって、すべての後輩が自分のことを見ている訳じゃないですか。自分のやり方次第で後輩がどうにでも育っちゃう訳じゃないですか! 良くも悪くも。そう思うと凄いプレッシャーだったんですけれども……というのがあったので、先輩方が卒業されるのはすごく悲しかったし、不安でもありました。

--実際、℃-uteのラストライブでメッセージを贈る和田さんは完全に子供でしたよね。

和田彩花:本当に子供でした(笑)。

--そんな先輩たちの卒業と共にハロプロは大改革を決行。嗣永さんがプレイングマネージャーとして牽引してきたカントリー・ガールズ、そのメンバーのうち森戸知沙希、梁川奈々美、船木結は他のグループに移籍してメインの活動を行い、カントリー・ガールズでの活動と兼任することになりました。不安視する声もあったと思うんですが、その中で和田さんは「3人まとめてどうぞ。来てくれて大丈夫です!」と清々しく断言(http://bit.ly/2tSQfIv)。とても心強かったです。

嗣永桃子ラストライブ【ハロ!ステ#226】
嗣永桃子ラストライブ【ハロ!ステ#226】

和田彩花:スマイレージもアンジュルムに改名したりとか、メンバーが増えたり減ったりとか、そういうことを経験していたので。他のグループのことではあったんですけれども、自分たちのところにも入ってくるかもしれない状況だったので、そうなったらもうアレコレ言っても仕方ないじゃないですか(笑)。もし自分が「え?」と思うことがあったとしても、やっぱりどうにかしないといけないから、その場では自分の感情よりも……当の本人たちがいちばん不安だろうし、そこには意味の分からない感情もあるかもしれないし、そういう子たちを間近で見てて「あ、みんなのことをちゃんと見てあげないと」って思っていましたね。しかも嗣永さんが卒業されてただでさえ不安な時期だったし、みんなで力を合わせてやっていかなきゃいけない時期だったので……それは嗣永さんの卒業ライブを観ていて強く思いました。「残るメンバーのことはちゃんと見てあげないといけないな」ってそのライブですごく思いました。

--嗣永さんの「この子たちのこと、本当に頼みましたよ?」という想いが物凄く溢れていたライブでしたよね。それはハロプロのみんなに対してもファンに対しても。

和田彩花:嗣永さんって優しい部分もすごくあって、一緒に話してくれたりもしたけど、やっぱり厳しい印象が強かったんです。カントリー・ガールズで活動し始めた頃から後輩たちのことをすごく指導していて、それは「怖い」とかじゃなく、きちんと先輩としてやるべきことをやられていたんです。でもあの卒業ライブでは「指導しよう」とかそういうことじゃなくて“後輩たちへの愛”がすごく強くて! あの日、アンジュルムにふなちゃん(船木結)が入ってくることはもう決まっていたので、私は嗣永さんから「よろしく頼むね」と言われて、あと「アンジュルムでよかった」と言ってもらったんです。そういうこともあったので、ライブを観ていたときに後輩たちへの優しい気持ちや愛がすごく伝わってきて……だから私も新しく入ってくる子たちに対して「同じようにしてあげなきゃ」と思って。ずっとそういう愛をもらっていたのに、それがいきなり無くなっちゃったら余計に不安になっちゃうだろうし。そう思わせるぐらい、嗣永さんの卒業ライブは後輩たちへの想いがすごく伝わりましたね。

--その結果、嗣永さんからのタスキをちゃんと受け取ることになったと。

和田彩花:あと、自分にも後輩たちがいるので、自分とも重ね合わせちゃいましたね。そのときは卒業なんて考えていなかったけど、もし自分がこうなったらと思うと……やっぱり同じ気持ちになるというか。そういうことも含めて、きちんと嗣永さんの想いを受け取って、私もカントリー・ガールズの子たちに同じようにしてあげようと思いました。

--実際に船木さんがアンジュルムに入ってきて半年ほど経ちましたが、いかがですか?

アンジュルム『マナーモード』(ANGERME[Silent Mode])(Promotion Edit ショートVer.)
アンジュルム『マナーモード』(ANGERME[Silent Mode])(Promotion Edit ショートVer.)

和田彩花:いやぁー! イズムが強くてですね。

--なるほど(笑)。

和田彩花:イズム(ももちイズム)がすごく強いんですよ! だから物凄くしっかりしているんです。どんなコメントもバシッと決めてくるし、例えば、竹内朱莉ちゃんと2人でMCしたときに「丸の定義について調べてきました! どれぐらい竹内さんが丸いか証明します!」って(笑)、それが本当に面白くて! それをアンジュルムの後輩たちが見てて、年代は同じぐらいじゃないですか。だからみんな「凄い!」となって、それからみんながすごく調べてくるようになったんですよ。いろんなことに対して。それはすっごい良い刺激だし、「ふなちゃんはやっぱり凄いな」と思って。でもそれと同時にしっかりし過ぎているから、同年代の笠原桃奈ちゃんとかと比べると「あれ、本当のふなちゃんってどんな子なのかな?」と心配になることもあるんですよ。もうちょっと素のところも見たいし、本当はどう思っているのかも知りたいんですよね。アンジュルムに出来ることとして、ふなちゃんの良い部分はもちろんなんですけど、もっともっと歳相応の部分を出してあげられたら一番良いなと思っていて。すごく人見知りなのでまだ壁はちょっとあるけど、入ってきてちょっと経ったときに笠原桃奈ちゃんとスタジオでめちゃくちゃ遊んでいたんですよ。それを見たときにすっごい嬉しくて!「え、ふなっきって遊ぶんだ?」と思って。やっぱり“中学3年生の結ちゃん”という面があるんですよね。それも今後は上手い具合にライブに反映してくれるといいなと思いますね。

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アンジュルム和田彩花“2017年総括~2018年飛躍宣言”単独インタビュー アンジュルム和田彩花“2017年総括~2018年飛躍宣言”単独インタビュー


このステージ(※GRASS STAGE/最大7万人)にアンジュルムも立ちたい!

--そんな船木さんと一緒に加入した川村文乃さん。ハロプロ研修生から入ってきたメンバーですが、彼女はいかがですか?

アンジュルム『君だけじゃないさ...friends』(ANGERME[It's not just you…friends])(Promotion Edit ショートVer.)
アンジュルム『君だけじゃないさ...friends』(ANGERME[It's not just you…friends])(Promotion Edit ショートVer.)

和田彩花:かわむーちゃんは、最初は「研修生から可愛い女の子が入ってきた」ぐらいにしか思わなかったんです。みんなもとにかく「かわいいね!」みたいな。そんな雰囲気だったのにどんどんおかしいところが出てきていて。それを見る度に「あ、この子はもうアンジュルムのメンバーなんだな」と思いますね。特技も特徴的だし、魚をさばけるっていう。あと、まだ馴れていない時期に、普通に室田瑞希ちゃんと大阪まで遊びに行ってたんですよ。そんな風にフットワーク軽く人と付き合えたり、カオナシ(※映画『千と千尋の神隠し』のキャラクター)みたいにTシャツを頭からかぶって歯を磨き出したり……「え、かわむーちゃん?」と思いましたけど(笑)。最近は竹内朱莉ちゃんと2人きりで映画を観に行ったりしていて、そういう姿を見ていると「アンジュルムに入ってくるべくして入ってきた子なんだな」と安心しますね。ただ、めちゃくちゃマジメなんですよ! で、ネガティブなんですよ! だからそこだけは唯一「今まで居なかったタイプだな」って……

--これだけメンバーがいて、今までネガティブな子がひとりもいなかったことのほうが異常ですけどね(笑)。

和田彩花:あ、そうですよね(笑)! でもそこは上手く、自分の心を緩く持てるようにアンジュルムで学んでほしいなと思います。それぐらいマジメ。でもそれが良い風におそらく機能していくとも思っていますし、かわむーちゃんは本当に面白いから。「今後、アンジュルムのリーダーになってもいいんじゃないか」と思うぐらい。

--アンジュルムの話はまた後ほど掘り下げたいと思いますが、形が変わったと言えば、こぶしファクトリーからメンバー3人が去るという事態が生じました。この件に関してはどんなことを思ったりしましたか?

こぶしファクトリー『シャララ!やれるはずさ』(Magnolia Factory[Sha la la! we can do this!])(Promotion Edit)
こぶしファクトリー『シャララ!やれるはずさ』(Magnolia Factory[Sha la la! we can do this!])(Promotion Edit)

和田彩花:うーん……ハロー!プロジェクトのリーダーとしては「もっときちんとしなきゃいけないよ」とは思います。でも、どういう形で脱退/卒業ということになったかは置いておいて、グループとして形が大きく変わる。しかもかなりの人数が一気に減るというのは、私自身もスマイレージになって1年ぐらいで経験したことだったから、すごく自分と重なる。だからすごく心配にはなります、これからも活動していくメンバーのことは。けど……多分大丈夫だなと思うのは、野村みな美ちゃんとかはすごくマジメで、何にも染まらずにひとりでずっと上を向いてるんです。「結構いろんなことに耐えているのかな?」と思ってマメに連絡を取っているんですけど、一切弱音を吐かないんですよ。自分の置かれている状況はきちんと理解してる。でも、ハロコンのリハーサルを一緒にやっていても、常にすごく前を向いているし、上を向いていて。そういった意味ではすごく安心したし、今後のこぶしファクトリーのことをきちんと見ていたい。「どうなるんだろう?」ってすごく楽しみにしています。

--アンジュルムもそうですけど、逆境を乗り越えてこそのハロー!プロジェクトですからね。あと、和田さんの想い人でもあった……

和田彩花:はい(笑)。

--モーニング娘。の工藤遥さんが卒業(http://bit.ly/2naFcHQ)されました。和田さんは卒業ライブにメッセージを贈りに来ていましたが、どんな気持ちになりました?

モーニング娘。'17『若いんだし!』(Morning Musume。'17[You’re Young Anyway!])(Promotion Edit)
モーニング娘。'17『若いんだし!』(Morning Musume。'17[You’re Young Anyway!])(Promotion Edit)

和田彩花:卒業に向かっていく姿が格好良いなと思いました。これはくどぅーに限ったことじゃないんですけど、卒業というものは自分が唯一経験していないことなので、もう未知の世界のことを……しかも年下の子たちがそこに向かって歩いていく姿を間近で見ていて、ただただ格好良いなと思うんですよ。卒業ライブもみんながキラキラしていて、それって本当に凄いなって。自分が卒業するとしたら、やっぱりどこか不安で戸惑っちゃうだろうし、すごく思い悩む自分が想像できるというか、絶対にそうなる。そう考えると、くどぅーがあんなにキラキラしていて……いきなりひとりで違う世界に飛び込む訳じゃないですか。その勇気が本当に格好良いと思いました。年下のメンバーが卒業していくのは、めいめいの卒業(http://bit.ly/1sKdhPx)あたりから徐々に増えていったんですけど、その子たちがキラキラしながら向かっていく姿は凄いなと思うし、本当に尊敬します。

--そんな激動の2017年、アンジュルムとしてはどんな1年だったと思いますか?

和田彩花:アンジュルムとしては、新メンバーが2人入ってきたのはすごく大きかったんですけど、加入や卒業は毎年毎年あるので、変化することにはもう馴れてしまったというか(笑)。スパンもすごく短いので、もうそこについては「いつものことだ」と。でも大きかったのは、フェスに出させて頂いたことですね。今までも自分たちのパフォーマンスには自信を持っていたけれども、実際にステージ上から見て、明らかにアイドルを観たことがない、アンジュルムを知らない人たちがいっぱいいたんですよ。その中で「どう見られるのか」本当に不安だったし、「私たちのパフォーマンスは知らない人が観たときにどう映るのか」という疑問もあったし。でもいざやってみたら、いろんな人たちが目の前でノってくれていたんですよ。最初は棒立ちで観ていた人たちが最後には一緒にジャンプしてくれたり、そうやってノリノリになっている姿を見て「よっしゃ!」と思いましたね。そういう風に受け入れてもらえたのが凄く嬉しかったし、ある意味自信にもなったし。逆にそれを経験して「アンジュルムを知らない人たちに対しては、こういう風にしなきゃいけないな」と学んだこともあったし、それとプラスして、他のアーティストさんたちのステージを観させて頂いて、いちばん大きいステージ(※GRASS STAGE/最大キャパ7万人)があるじゃないですか。「え! このステージにアンジュルムも立ちたい!」という気持ちになりました。「アンジュルムだったらこの大きなステージでも勢い出せるんじゃないか」とみんなで思って、むしろもうそういうところを目指していかなきゃいけないって、その当日にみんなと話しましたね。後輩たちもすごくその想いが強かったので、安心しました。

--その夢はぜひ叶えてほしいです。少し時系列的に前後しますが、2017年春には【アンジュルム コンサートツアー2017春 ~変わるもの 変わらないもの~】最終公演として、スマイレージ時代から数えて5度目となる日本武道館に挑戦(http://bit.ly/2sXrywa)。集客に苦戦しながらも“止めれるもんなら止めてみろ!”と凄まじいライブを見せてくれました。

アンジュルム『七転び八起き』(ANGERME [Ups and Downs]) (Promotion edit)
アンジュルム『七転び八起き』(ANGERME [Ups and Downs]) (Promotion edit)

和田彩花:アンジュルムになってからずっと良い調子で、武道館にも毎回立たせて頂いて、アンジュルム以降に入った子たちが苦労する期間は意外となかったんですけど、あそこで初めてみんながハッとして「まだまだ入らないんだ」という現実を見たし、それによって「もっとこうしたい」という感情がすごく出てきて、それはすごく大きいことだったなって。もちろん悔しいことではあるし、もうずっとずっと「チケットが売れない」と言われ続けていたので。でもそれをみんなで共有することが出来て、そういう現状に対してどうみんなで頑張っていくのか、みんなですごく話し合うことも出来た。本当だったらメンバーはそういうところに関わらなくてもいいのかもしれないんですけど、「こういう風にしたら売れるんじゃないか」とか「このイベントでチケットを売ろう」とか全てメンバー発信でやっていたのは、すごく意義があったと思いますね。そういうことをちょっとずつ経験して、下の子たちがずっと「悔しい」と言ってて。隣で、声を出して。それで「まぁまぁ、分かるけれども! でも今はこうだからね」と私が言っても、「本当に悔しい!」ってずっと言ってる(笑)。でもそれがちょっと嬉しかったりするんですよ。そういう風に現実を見て「こういうこともあるんだな。もっと頑張らなきゃいけないな」とみんなで確認できたので、またひとつ成長できたんじゃないかなと思います。

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アンジュルム和田彩花“2017年総括~2018年飛躍宣言”単独インタビュー アンジュルム和田彩花“2017年総括~2018年飛躍宣言”単独インタビュー


私はハロプロが面白くもあるけれども……「個性がないんじゃないかな」

--また、2017年のアンジュルムと言えば、蒼井優さんとの出逢いがありました。彼女がアンジュルムの熱狂的ファンであることを公言、それをきっかけにテレビ番組で共演することもありましたが、どんな気分でした?

アンジュルム『キソクタダシクウツクシク』(ANGERME[Regularly and Beautifully])(Promotion Edit ショートVer.)
アンジュルム『キソクタダシクウツクシク』(ANGERME[Regularly and Beautifully])(Promotion Edit ショートVer.)

和田彩花:私は最初知らなかったんですよ、蒼井優さんがアンジュルムを好きでいてくれているって。でもメンバーとのグループLINEの中で後輩たちが「蒼井優さんが! 蒼井優さんが!」って大騒ぎしていて、それで私も蒼井優さんが私たちについて語っている映像を観て「えーっ!!!?」と思って、めっちゃ嬉しかったです。でもちょっと不思議です。「なんで私たちなの?」と思うじゃないですか。だって、あの蒼井優さんですよ? あの蒼井優さんがこんな……ちょっとおバカなグループのことを(笑)好きでいてくれているということが不思議でたまらない。

--それこそいろんなものを観てきている人でしょうからね。そんな人がアンジュルムをいちばん好きと言ってくれているというのは……

和田彩花:本当に嬉しいです。

--和田さんの中には、今後のアンジュルムにおける戦略みたいなものはあるんですか? どういうグループにしていきたいと思っているんでしょう?

和田彩花:……本当だったら、メンバーそれぞれが個人としても輝きながら、いつでも戻れる場所としてグループがある。そういう状態になればいいなと思うんですけど、現実はそうもいかない。なので、そうなった場合は……うーん、でもやっぱり個々という部分も重要視しながら、それでもアンジュルムとしての魅力はずっと発信していくこと。うーん、なんて答えたらいいのか難しいですね。質問なんでしたっけ?

--アンジュルムを今後どうしていきたいか、ですね。

和田彩花:…………ハロコンのリハーサルで集まったときとかに思うんですけど、たとえ「新しいことがやりたい」と言ってそれが出来なかったとしても、もう変化してきているのは絶対なんです。とある曲の振り付けを踊ったときにすごく思ったんですよ。今の自分たちがすごく掛け離れたところにいる感覚になって。そう気付いたときに、自分たちとしては新しいことをやっている感覚はないとしても、ちょっとずつ時代と共にやっぱり変わってきているので、それがこれからも続いて……いろんな表現が出来ていけたら良いんじゃないかなとひとつ思います。すごく抽象的な言い方になってごめんなさい。

--いえいえ。まぁでも、冒頭の話に戻りますけれども、伝統あるハロー!プロジェクトのリーダーとしてハロー全体を見なきゃいけない立場でありながら、その中で本来最も自由度の高いグループ・アンジュルムのリーダーもやっている。このアンバランスさみたいなモノを和田さんがどうコントロールしていくのか。というのが今後も課題になっていくでしょうし、それ次第で未来は変わりますよね。自身ではどう思われますか?

アンジュルム和田彩花“2017年総括~2018年飛躍宣言”単独インタビュー

和田彩花:うーん………………

--個人的には、めちゃくちゃ面白がってやっちゃってほしいなと思いますけどね!

和田彩花:私もやりたいです。

--和田さんは本来そういう人ですからね(笑)。

和田彩花:けど……さっき、聖ちゃん(譜久村聖/モーニング娘。'18リーダー)と一緒にインタビューを受けたんですけど、やっぱりグループによって考え方も違うし、活動の仕方も全然違うので、ハロー!プロジェクト全体がアンジュルムみたいになっちゃったらもうおかしなことになっちゃうと思うんですよ(笑)。

--ワチャワチャし過ぎちゃうかもしれませんね。

和田彩花:ワチャワチャし過ぎますね、多分。でも逆に私はハロー!プロジェクトが面白くもあるけれども……「個性がないんじゃないかな」と思う部分もあって。一昔前までは、見た目だけでもいろんな個性が集まっていて、メロン記念日さんなんて凄い髪の毛していて(笑)。間近で見てて、迫力あるから「おぉー!」と思っていたんですよ。青とか緑とかにしていたりしたので。

--大谷雅恵さんですね(笑)。

和田彩花:そうです! そういう姿を見ていたときにすごく楽しかったし、今のハロー!プロジェクトは見た目のことで言えばみんな黒髪だし、まぁ私自身もそうなんですけど、それに伴って個性も出しにくくなっているのかなって思うんですよね。発言ひとつ取っても……「もうちょっと個性を出していいんじゃないかな」と思う。アンジュルムがやっているからこそ思うんですけど、もうちょっと各々が思うことを言ったら良いのになって。もちろん言ってるメンバーもいると思うんですけど……単純に「みんなが楽しみながら活動できるようになったら良いな」と思うんです。だからこういう今のハロー!プロジェクトにおいて、みんながそこに上手く納まらずにやっていけたら、全員がそうなっちゃったらアレだけど、各グループにそういう人たちが出てきたらもっと面白くなるかもしれないなって。各グループの個性がもっと強くなるのかなって。一昔前のハロー!プロジェクトを見て育っていた身としては、みんながもっともっと自由にやれたら、見ている人ももっと楽しめるのかなと。そう思います。

アンジュルム和田彩花“2017年総括~2018年飛躍宣言”単独インタビュー

--以前「メンバーたちがやっていくことが“活動”になるはず」と仰っていましたけど、モーニング娘。で例えると当然決められたスケジュールはあって、その中で目標も決めつつ、伝統や歴史を守っていくみたいな絶対的な流れがありますよね。でもその中でまーちゃん(佐藤優樹)が勝手に「東京ドームを目指す」と言い出す。それは用意された道程ではないじゃないですか。実際にドームに立てるかは置いておいて、メンバーが勝手に道を作って舗装を始めた訳ですよね。その言動が“個性”だし、それが“活動”になったら面白いじゃないか。という話ですよね?

和田彩花:そうですね。ただ、私がそういうことをいろいろ言うと、結構いろんなことをみんなに言われるんですよ(笑)。でもみんながいろんな意見を返してくれるということは、ものすごく楽しいです。「あ、こんなにひとつのグループや私についていろんな意見を持ってくれている人たちがいるんだ」と思うからすごく嬉しいです。

--いろんな意見を見聞きするから精神的に大変なところもあるけど、逆に言えば一番いろんな情報収集をしやすいポジションに和田さんはいる訳で、それは恵まれてるとも言えますよね。

和田彩花:なので、楽しいです! なんかこういう話を聞いているとすごく勇気をもらえるんですけど、いざひとりになると私は弱い人間だから……考え込んじゃうんですよ(笑)。実はそういう一面があるんです。でも今こういう会話をしている勢いで「もうちょっとやれそうだな!」と思いました。

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アンジュルム和田彩花“2017年総括~2018年飛躍宣言”単独インタビュー アンジュルム和田彩花“2017年総括~2018年飛躍宣言”単独インタビュー


また攻撃的になっていこう。それが今出来た目標です! 2018年の!

--インタビュー組めてよかったです(笑)。アップアップガールズ(仮)との対バンもそうですけど、和田さんは「これ、面白い!」と思ったら立場とか人気とか関係なくやっていっちゃうところも魅力じゃないですか。もちろん悩むことも多いんでしょうけど……

アンジュルム『大器晩成』 (ANGERME[A Late Bloomer]) (Promotion edit(New Ver.))
アンジュルム『大器晩成』 (ANGERME[A Late Bloomer]) (Promotion edit(New Ver.))

和田彩花:やっぱりハロー!のリーダーになっちゃったからですよね! ちょっと大人しくなっちゃったんですよ、私も!

--そりゃそうなりますよ(笑)。だからそこをどうするかがポイントですよね。

和田彩花:そうなんですよ! でもちょっとそこから解放されたんです。さっき話したように、上手い探り道を見つけて。けど、このままじゃ大して変わらないなとも思っている自分がいる……と、今の話をしていて思いました。

--良き指針として道重さゆみさんがいるじゃないですか。最初はリーダーであろうとし過ぎたゆえにどうしていいか分からなくて泣いたりしていたけれど、気付いたら自分のキャラクターも全開で出しながら、リーダーとしてもお見事な生き様を見せていましたよね。

和田彩花:凄かった。

--そういう先輩もいましたし、和田さんは個性潰しちゃったら面白くないですよ。これは断言しておきますけど。

和田彩花:そうですよね。ありがとうございます。

--では、2018年の目標を聞いていきたいんですが、まずアンジュルムにとってどんな1年にしたいと思いますか?

アンジュルム『臥薪嘗胆』(ANGERME [Extreme Hardships]) (Promotion edit)
アンジュルム『臥薪嘗胆』(ANGERME [Extreme Hardships]) (Promotion edit)

和田彩花:「大きいステージに立ちたい」というのは、多分みんなが思っていることですね。もちろん「海外に行きたい」とかもあるんですけど、みんな揃って言っているのは「大きいステージに立ちたい」ですね。それは「ただ自分たちの喜びの為に立つのか?」と思うときが私はあるんですけど、でもきっとみんなはその大きい会場に集まるぐらいのたくさんの人に「アンジュルムを認めてもらいたい」と思っているんですよ。「もっともっと出来る」ともメンバー一同思ってるし、逆に「それぐらい大きな会場でも通用するパフォーマンスを目指していきたい」という気持ちの表れでもあるから。具体的に言うと、横浜アリーナ。それはひとつ出来た私たちの夢です。

--それは叶えたいですね。

和田彩花:春(2017年)に武道館埋められていないのに、もうそういうことを言い出すメンバーを見ていて、結構勇気をもらいます。そういう人たちに囲まれると「本当に凄いな」と思います。

--話を戻しますが、2017年の武道館は埋まらなかったですけど、前年までのアンジュルムの勢いは凄かった訳じゃないですか。あれって物凄くストーリー的だったからだと思うんですよね。アンジュルムに改名してからメンバーの卒業や加入はもちろん、楽曲もアンジュルムのストーリーを描いているようでもあって、ライブパフォーマンスの熱量もどんどん高まっていって、それに伴って人気や注目度も高まっていく流れがあったじゃないですか。そして和田さんはハロー!プロジェクトのリーダー就任。本当にお見事だったんですけど、そこで完結してしまった印象があったんじゃないかと。

和田彩花:そうやって外から見てもらうとよく分かりますね。

--あと、2017年のハロー!プロジェクトは、他に目玉がたくさんありましたからね。

和田彩花:まぁ他に大きいことがありましたからね。……と思うと、ここで一発何か言っておきたいなと思う(笑)。

--言っておきましょう(笑)。2016年のアンジュルムの盛り上がりは、アンジュルムが大胆不敵なグループだったからじゃないですか。

和田彩花:絶対そうです。

--あの盛り上がりは、そんなグループがハロー!プロジェクト20年の歴史で一度も現れなかった証拠じゃないですか。だから当然アレルギー反応を示す人もいただろうし、でも逆に「凄いじゃん、アンジュルム!」と喜んでいた人もたくさんいたはずなんですよね。外から観ている身からすると、あの勢いを再び取り戻すことがアンジュルムの大命題なのかなと。

和田彩花:そう思います! そういう状況に加えて、私がハローのリーダーになっちゃったから余計にやりづらくなっちゃったんです、多分。でもそのリーダーであることを上手く活用してやれることもあるなと思うんです。

--そうですよね。

和田彩花:まぁ迷惑はかけちゃうかもしれないんですけど(笑)!

--立場と言うのは使いようですからね。

アンジュルム『ドンデンガエシ』(ANGERME[A Complete Turnover])(Promotion Edit)
アンジュルム『ドンデンガエシ』(ANGERME[A Complete Turnover])(Promotion Edit)

和田彩花:「これ以上喋るな」って言われそう(笑)。でもすごく勇気をもらいました、今! だからみんなで一発考えますね。楽しみ!

--では、今の話を踏まえた上で、2018年の和田彩花。どんな1年にしたいと思いますか?

和田彩花:またもうちょっと攻撃的になっていこうかなと思います。それが今出来た目標です! 2018年の!

--分かりました。なんかインタビューというより会議みたいになっちゃいましたけど(笑)。せめて最後はインタビューらしく、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

和田彩花:ファンの方には、2018年はまたちょっとカクゴしておいてほしいなと思います(笑)。

Interviewer:平賀哲雄

アンジュルム『ナミダイロノケツイ』(ANGERME[Tear-Colored Decision])(Promotion Edit)
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アンジュルム和田彩花“2017年総括~2018年飛躍宣言”単独インタビュー アンジュルム和田彩花“2017年総括~2018年飛躍宣言”単独インタビュー

ANGEREME「アンジュルム コンサート 2017 Autumn Black & White special 風林火山」

アンジュルム コンサート 2017 Autumn Black & White special 風林火山

2018/02/21 RELEASE
HKXN-50062 ¥ 5,806(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.PROLOGUE
  2. 02.OPENING
  3. 03.愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間
  4. 04.I 無双 Strong!
  5. 05.乙女の逆襲
  6. 06.愛さえあればなんにもいらない
  7. 07.MC
  8. 08.マナーモード
  9. 09.寒いね。
  10. 10.ミステリーナイト!
  11. 11.君だけじゃないさ...friends
  12. 12.VTR~DANCE PERFORMANCE
  13. 13.次々続々
  14. 14.汗かいてカルナバル
  15. 15.恋ならとっくに始まってる
  16. 16.カクゴして!
  17. 17.私、ちょいとカワイイ裏番長
  18. 18.MC
  19. 19.ドンデンガエシ
  20. 20.地球は今日も愛を育む
  21. 21.出すぎた杭は打たれない
  22. 22.大器晩成
  23. 23.キソクタダシクウツクシク 【ENCORE】
  24. 24.MC 【ENCORE】
  25. 25.友よ 【ENCORE】
  26. 26.ENDING 【ENCORE】

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