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ジャミーラ・ウッズ 来日直前インタビュー
ここ数年盛り上がりをみせる米シカゴの音楽シーンの中でも一躍注目を集める、新世代R&Bシンガー・ソングライター、ジャミーラ・ウッズ。幼い頃から音楽と詩に傾倒し、作家、音楽家、詩人などを育成する地元のユース・グループ<Young Chicago Authors>の活動にも貢献するなどマルチな活動を展開している。そんな彼女が、2018年1月に行う待望の初来日公演に先駆け、生い立ちや<Jagjaguwar>から再リリースされたデビュー作『HEAVN(ヘヴン)』について話してくれた。
人にはそれぞれユニークな声があって、成功するために誰かの真似をする必要はない
――まず少し遡って、ジャミーラの幼少期について聞きたいのですが、いわゆる音楽一家に育ったのですか?
ジャミーラ・ウッズ:そう。私の母はギターを演奏するし、妹たちや弟も何かしらの楽器を演奏する。というのも、彼らは私より真面目に音楽レッスン通っていたから(笑)。みんな音楽が大好きで、いつも一緒に歌ったり、曲を作ったりしてた。妹たちは2人とも音楽プロジェクトをやっているし、弟はコンピューター系が得意で、シンセサイザーを作ってて、いずれはファミリー・バンドをやりたいね、って話してる。
――幼い頃から音楽やアートに触れて育ったので、あなたがその道に進むのは必然だったんですね。
ジャミーラ:ええ、母がギターを弾いていたと話したけど、母の両親は彼女が音楽の道へ進むことを許さなかったから、医大を卒業して医者になった。だから、私たちには自由を与え、アートの道へ進むことを奨励した。いわゆる“ちゃんとした”仕事につかないで。彼女はアートだって立派な仕事に成りうると考えたから。
――そんな中、詩に興味を持ち始めたのは?そして音楽とはどのようにリンクしていったのですか?
ジャミーラ:生まれ育った環境もあって音楽は自然な形で自分の一部になっていった。小さい頃は祖母の教会のクワイア、そして高校生の時シカゴ児童合唱団というプロの合唱団で歌っていた。そんな中、詩を書き始めたことは、歌うことも含め、あるゆる面で私に自信を与えてくれた。合唱団にいた時、ソロ・パートに選ばれることはなかったけど、みんなに上手く合わせて歌うことはできた。歌うのは大好きだったけど、その内「まぁ、自分はこの程度か」って思うようになって…。でも、詩を書き始め、それを人前で朗読するようになったら、人にはそれぞれユニークな声があって、成功するために誰かの真似をする必要はないんだと気づいた。その経験がフィードバックされ、今のシンガーとしての自分があると感じる。
▲ 「Holy」
――デビュー・アルバム『ヘブン』をフリーで発表してから1年近く経ちますが、リリース前と後で何か変化はありました?
ジャミーラ:一番大きな変化はツアーの部分かな。数日前にヨーロッパ・ツアーから戻ってきたばかりだけど、色々な国を訪れ、自分の音楽がその土地の人々にどのように影響を与えたかというのを肌身で感じることができるのはすごくクールね。みんなシングアロングしてくれたり。私自身のアルバムの収録曲との関係性も変遷を遂げている。と言うのも、作った音楽はとても気に入っているんだけれど、常に自分自身が新鮮に感じられるようにしたいと思っている。だから頻繁にアレンジを変えたり、曲を提示する新たなやり方をいつも模索している。ツアーをすることで、パフォーマーとしても鍛えられている気がするしね。
――ジャミーラの曲はパーソナルなものが多いので、初めは大勢の人の前でパフォーマンスすることに抵抗はありましたか?
ジャミーラ:それはないな。私には詩のバックグラウンドがあるから、やり始めた直後にやっと自分に合った表現方法が見つかったと感じた。それまでは、普通に母国語の英語で色々な人に話している時ですら、自分を完全に表現できていないと思っていた。でも詩を通じてだと、自分が言いたいこと、伝えたいことをちゃんとコントロールできて、思い通りに表現できた。歌っている時もこれと似た感覚。たとえパーソナルな内容でも、私がステージ上で作り上げた己の世界という感じがするので、居心地が良くて、安心できる場所だから人前で歌うのは大好きよ。
ただ、楽曲と相性のいいバンドを見つけるのには時間がかかった。シカゴにサイレント・パーティー・ミュージックという素晴らしい音楽コレクティヴがいて、そのドラマーで、私のバンドのドラマーでもあるラルフ・ジーンは、地元のアーティストのバンド・メンバーの選定を手伝っているんだけど、彼と一緒にソリッドなバンドを作り上げていった。そして自分自身のヴォーカルを磨き、より揺るぎないものにすることは大きなチャレンジだった。これは、いまだに取り組んでいること。まだヴォーカルが安定しないこともある―移動、ワインを飲んだり、ついついマックを食べちゃうことも影響してくるから(笑)。
――では、『ヘブン』とその制作プロセスを改めて振り返ってみると?
ジャミーラ:アルバムを制作していた頃の、今よりちょっと若かった“リトル・ジャミーラ”の姿を思い浮かべると、とても誇らしい。最初は自信がなくて、芸術性の面においてもやや迷いがあった。今作の制作プロセスは、居心地のいい場所から飛び出し、新しいプロデューサーやミュージシャンたちと組むことや新しいスタジオで作業することを促してくれた。oddCouple(オッドカップル)と出会うことができたのもそのおかげ。アーティストとして成長できる素晴らしい経験で、曲もすべて気に入ってる。だからさっきも話したように、新鮮さを保ち続けたいの。そしてより創造プロセスに自分から参加していかなきゃ、と思う。特にプロダクションの面においては、何もかもが初めての経験だったから、自分より知識と経験のある人に頼ったり、自分の決断を疑ってしまう傾向にあった。将来的にはプロダクションもソングライティングも、もっともっと勉強したいと思っている。次のプロジェクトに取り組む時はもっと自信が持てるように。
▲ 「Blk Girl Soldier (Live)」
――今作は2016年にフリー作品として発表されましたが、その後商業リリースされると思っていましたか?
ジャミーラ:思ってなかった。当時は、<Close Sessions>と契約していて、次のプロジェクトに繋げるための無料DL作品として発表したから。商業リリースに踏み切ったのは2つ理由があって、一つは人々が繋がりを感じてくれて、素晴らしい反響があったから。そしてもう一つは音楽業界について学ぶため。アルバムにはいくつかサンプルを使っているから、著作権の問題でストリーミング・プラットフォームで配信したり、フィジカル盤としてリリースすることができなかった。でも、誰にでも聴いてもらえる作品にしたかったから、承諾を得るためのステップを踏まなければと思った。その時に初めて<Jagjaguwar>と組んで、商業リリースしたいと思ったの。そうすることで、『ヘヴン』は第二の人生を得て、羽ばたくことが可能になると感じたから。
――数々あるレーベルの中から<Jagjaguwar>と組みたいと思った要因は?
ジャミーラ:レーベルのA&Rと会った時に、彼らがインディー・レーベルで、アメリカの中西部を拠点しているとこが気に入った。もちろん他の都市にもオフィスはあるけれど、私はあくまでもシカゴを活動の拠点にしたいから、所属レーベルと話すためにわざわざLAに行ったりするのは嫌だった。それにこういう決断を下す時は、大体自分の勘を信じるんだけど、働いている人々もみんないい人たちだし、私のアートに信頼をおいてくれたも重要なポイントね。それに<Close Sessions>ともパートナーシップがあったし。
公演情報
Jamila Woods
ビルボードライブ東京:2018/1/23(火)
1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
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どんな人であっても、その人の物語には意味があって、それを語る価値がある
――ソングライティングのプロセスについても教えてください。特に決まりはなく、“ムード・ボード”(イメージを視覚的に表現するボード)のように組み立てたり…。
ジャミーラ:その表現すごくいいね。曲作りをどうやってスタートするかにもよるけど、確かにムード・ボードを作るような感覚。例えば、インストのパートやビートがあったとしたら、それを聴いて瞬間的に特定の“空間”を思い浮かべる。それはムード・ボードみたいなもの。これはどんなヴァイブで、どのようなストーリーが語れるんだろうって考え、色々な要素を足したり、引いたりしていく。何か惹きつけられるフレーズが浮かんでいる時は、それがしっくりとくる“ホーム”を見つけようと試みる。自分で音楽をつけてみて、プロデューサーに聴いてもらって、形にしていく。私はとても“空間”を重視していて、他のソングライターの曲を聴く時も、「こういう風に空間を使っているんだ、興味深いな」とか、詞のフレーズの“空間”に着目している。それは自分の音楽に関しても同じで、言葉の簡潔さやその中で表現できること、 音節などにとてもこだわっているの。
――では詞の世界観を楽曲で表現するときに、最も重要にしていることは?
ジャミーラ:『ヘブン』やこれまでリリースしてきた音楽において、詞はとても重要で、とても真剣に取り組んでいる。言葉や詞はいくらでも沸いてくるから、自分をチャレンジするために、より少ない言葉で表現したり、最初から決めたストーリーを語るのではなく、あくまで音楽を聴いた時に自然と浮かぶ言葉を並べたり、色々な方法を模索している。たとえば、詩を学んでている時によく言われるのは、必ずしも玄関から入らなくてもいいということ。最初から順序よくストーリーを語る必要はなく、途中から始めても大丈夫。想定外なことを行うことで、自分ですら驚かせることも可能だから、それをソングライティングにも応用しようと試みているの。
――あなたの詞はパーソナルと政治的な部分がうまく共存していますが、これはごく自然とアウトプットされているのですか?
ジャミーラ:ごく自然ね。詩を学んだ方法や詩の先生が影響していると思う。グウェンドリン・ブルックスというシカゴ出身の詩人がいたんだけど、彼女はいつも「自分の知っていることについて書きない」と言っていた。自分の地域で起きていることや自分の周りの環境についての物語が一番有効だ、って。もう少し若い頃は、自伝や女性が主人公の歴史的背景に基づいたフィクションなどをよく読んだけど、自分の人生なんて退屈すぎて、こんな風に物語にすることなんて無理だ、と思ってた。でも詩の先生たちは、それは違うと教えてくれた。たとえ、どんな人であっても、その人の物語には意味があって、それを語る価値がある。そしてそれがリアルだと感じて思うためには自分の視点から書くことが重要。私は、現在の政治的情勢によって、自分自身が体験したことや自分が暮らす地域への影響について語っている。だからとても自然に聴こえるんだと思う。
――ジャミーラにとって詞と詩は、異なる表現方法だと感じますか?
ジャミーラ:違いはあると思う。詩はページに書かれたものが独り歩きし、大部分は読み手が解釈する。レコードをリリースするのも似ているけれど、その場合は私が詞を歌っている。それとソングライティングの場合は、いくら詞が気に入っていても、時にすべて収まらないこともある。曲が必要としているリズムや空間と異なるから。私は詩を書くことから始めたから、言葉を詰め込みがちなの。でも2つに相乗効果があるのは明らか。私が書く詩は元々音楽的だった。というのも、書いている時に、それを言葉として発してみた時にどんな風に聞こえるかすでに考えているから。それに詩人って、一匹狼的な印象があるじゃない?山奥に一人で行ってひたすら書くことに打ち込むみたいな(笑)。音楽はコラボから生まれるもの。内気な私ですら、一人で部屋に座ってるだけじゃ、アルバムはできないって悟って、様々な人々とコラボをしたわけだし。
▲ 「Thirst Behavior」
――チャンス・ザ・ラッパーの活躍や先日来日したNonameの公演も大きな反響があり、ここ日本でもシカゴの音楽シーンに注目が集まっています。同郷のアーティスト同士のコラボも盛んなようですが、そもそもチャンスとはどのようなきっかけで出会ったのですか?
ジャミーラ:チャンスと出会ったのは、私がアソシエイト・アート・ディレクターを務める非営利団体<Young Chicago Authors>の活動を通じて。詩のフェスティバルやオープンマイクなどを頻繁に開催しているんだけど、まだM&Oとして活動していた時にそういったパフォーマンスの一つのために、曲に参加して欲しいと頼んだ。元々ニコ(・シーガル)やピーター(・コットンテール)などソーシャル・エクスペリメントのメンバーたちのことは知っていて、彼らを通じて親交を深めていった感じね。お互い色々なプロジェクトに参加しているけれど、日常的に顔を合わせることが多いし、連絡は常に取りあっているわ。
チャンスは社会奉仕にも積極的で、彼のように、いわゆる活動家や団体のリーダーではない、 みんなが熱中する若手アーティストが、自分たちを影響する問題に取り組む姿は学生たちにとってパワフルなメッセージになっている。彼の支援やオープンマイクなどを通じて、芸術活動がやりやすい環境づくりをすることはとても大切。なぜなら、私たち自身そういう環境で育ってきたから。彼は自分を育ててくれたコミュニティに恩返しをしているのよ。
――そういった背景もあり、実際にいまのシカゴのシーンに勢いを感じていますか?
ジャミーラ:ええ、シカゴには他にもブラック・ユース・プロジェクト100やAssata's Daughtersなど素晴らしい団体が数多くあって、長年地域のために有益な活動をしているから。
▲ 「LSD ft. Chance The Rapper」
――シカゴは言わずと知れた音楽都市ですが、他のジャンルのアーティストやシーンとも交流はあるのですか?
ジャミーラ:実は最近NE-HIと曲を作ったばかり!ここ数年とても人気のあるホイットニーとジャンル的に近いかな。ロック・バンドとコラボするのは、今回が初めてだったけど、私自身オルタナティヴ・ロックを聴いて育ったし、他のジャンルのアーティストとコラボしたいと思ってたからラッキーだった。一緒に仕事をしたことのあるヒップヒップ系のプロデューサーを連れてきてって言われて、NE-HIのメンバーが作った曲をベースにみんなでコラボして、形にしていった。仕上がりにはとても満足しているし、クールな経験だった。
▲ 「The Times I'm Not There」NE-HI feat. Jamila Woods
――オルタナティヴ・ロックとはちょっと意外でした(笑)。
ジャミーラ:7~8年生の時、クラスに女子が2人しかいなくて、男子はみんなオルタナが大好きで、最初は聞かざるを得ないという感じだったけど、だんだんのめり込んでいった(笑)。私の音楽の基礎を形成した大切な要素でもあるから、今でも愛着があるわ。インキュバスは特に好きで、ジミー・イート・ワールド、ボックス・カー・レーサーから、レイジ・アゲンスト・ザ・マーシン、ニルヴァーナもよく聴いてた。だからインキュバスの「Stellar」をアルバムでサンプリングしているの。
――そういえば、ザ・キュアーの「Just Like Heaven」もサンプリングしていますよね。
ジャミーラ:そうそう。あれはライティング・ワークショップに学んだ手法を元にしていて、アイディアが沸かない時、好きな曲の冒頭の詞や言葉を使って詞を書くことがあるんだけど、それが見事に形になったいい例ね。
▲ 「Heavn (Live)」
――なるほど。そういった幅広い音楽の趣味は大学時代にさらに広がり、現在に至るのですか?
ジャミーラ:大学に入ってから聞いたのはその当時ラジオで流れていたようなヒップホップが多かったかな。その後、バンドを組むことになる仲間たちと出会ってからは、J.ディラとか、もう少しディープなものを聴き始めた。ヒップホップの授業で教授が(ピート・ロック&CLスムースの)「They Reminisce Over You (T.R.O.Y.)」を流して、このホーンのサンプルを見つけることができたら、エキストラ・クレジットをくれると言うから一日かけて探したのを憶えている。たしか「Today」という曲なんだけど、曲のプロデューサーがこのホーンの一部分だけサンプリングしてビートを作ったということに驚かされ、サンプリングに魅了されていった。高校生の時に大好きだったコモンの「The Light」も、このサンプルはなんだろう、この詞はなんのレファレンスだろう、と曲を深く掘っていくことで、ヒップホップの真髄を究めていった。これは、私の曲作りのプロセスを今なお形作っている。
公演情報
Jamila Woods
ビルボードライブ東京:2018/1/23(火)
1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
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様々な制圧に自分の詩や音楽で立ち向かっていきたい
――ジャミーラのクリエイティヴィーを掻き立てるものやアーティストとしてのミッションは?
ジャミーラ:詩や詞を書き始めた時から、私のミッションは自分にとっての“ホーム”を作ることだった。黒人女性としてのオルタナなライフスタイルのサウンドトラックを作り続けること。黒人であること、黒人女性であること、シカゴ出身であること、姉であること、内向的であること、私の持つアイデンティティには様々なレイヤーがある。それらをすべて包括するようなサウンドスケープが作り、どんどん自分の表現を広げていきたい。というのも、黒人女性として日々生活する上で、多くの制圧がある。自分のポテンシャルを制限されたり、こうしなければならないと指図されることに、自分の詩や音楽で立ち向かっていきたいと思っている。
――そう感じる理由には、いわゆるポップ・ミュージックに自分が共感できるものがないというのも多少ありますか?
ジャミーラ:それはないかな。ポップ・ミュージックは大好きで、いずれは他のアーティストのためにポップ・ミュージックを書きたいと思っている。それは過去に何度も心を動かされる曲と出会ってきたから。私はシーアが大好きで、彼女がポップ・ミュージックを書き始める前から注目していたし、今書いている曲にも惹かれる。深みがあるから。彼女が以前話していたんだけど、ポップ・ミュージックにおけるストーリーは大体最後はアップリフティングで、励みにになったり、気持ちを高めてくれるもの。私はポップ・ミュージックのそんな所が好きで、その力には価値があると思う。ただ、一般的に聴かれているポップ・ミュージックって特定のサウンドやトレンドに限られている。これはヒップホップに関しても言えること。世の中にはもっと色々なタイプのポップ・ミュージックが存在する。その選択肢を可能な限り広げてきたい。ポップ・ミュージックに共感できないとか、その世界に自分のような人たちが十分にいないと感じているわけではない。エリカ・バドゥは「常に進化しろ」と言うけれど、自分には沢山のレイヤーがあってそれは日々深くなる。それを表現したいの。
――なるほど。そういったことを踏まえて、次のアルバムの制作は進んでいますか?
ジャミーラ:ええ。曲をたくさん書いている。それを後からじっくり吟味して、何かが生まれたかを考えるのが好きなの。そこからアルバムになる場合もある。最近書いている曲はフリーダ・カーロやジェイムズ・ボールドウィンなどアートや文学の分野で尊敬する人々にインスパイアされたもの。そういった人物を出発点にして書くことが多いわね。
▲ 「Live at Pitchfork Music Festival 2017」
――そして1月には日本での初公演を控えていますが、今の心境は?
ジャミーラ:とてもエキサイトしているわ!実は2007年ぐらいに高校のクワイアと一緒に日本に行ったことがあって、その時も最高だった。日本の同性代ぐらいのクワイアとコンサートをやったんだけど、お互いに曲を教え合って英語と日本語で歌ったの。いずれDJもやりたいと思っているんだけど、それが実現するまで自分のショーにDJのコンセプトを取り入れている。自分の曲を演奏して、その曲に関連するカヴァーに繋いだりする。そうすることで、私の音楽を聴いたことのない人にも親近感を持ってもらって、そこから繋がりを感じてもらえるから。それとショーには詩の朗読も織り交ぜている。バンドのことも大好きで、エネルギッシュなショーになる。人間のあらゆる感情に触れられるものになるわ。これは特に強調したいところ。悲しみや寂しさは喜びと同じぐらい有効な感情だから。
――冒頭でも少し触れましたが、バンドについても詳しく教えてもらえますか?
ジャミーラ:サイレント・パーティー・ミュージックといって、Smino、エリン・アラン・キングなどシカゴで活躍している沢山のアーティストたちのバック・バンドを務めている。ドラマーはさっき話したラルフ・ジーンで、ベースがエリック・ハンター、キーボードは自身のプロジェクトもやっているミュージックリローデッド(Musicreloaded)、そしてギターがジャスティン・キャナヴァンという4人編成なんだけど、みんな有能なプレーヤーたちよ。
――ライブ以外に楽しみにしていることはある?
ジャミーラ:みんな早起きして魚市場に寿司を食べに行くって聞いたから、私も食べに行きたいわ。前回来日した時も思ったけれど、日本の距離感が好き。あんなにたくさん人が住んでいるのに、お互い敬意を持って、対人距離にも配慮して接している。そして、ファンのみんなに会うのが待ちきれない。Twitterを見ていると、アルバムを気に入ってくれている人々が沢山いるみたいだし。ほぼ半数は日本からのツイートのようだから。
――では最後に日本のファンへメッセージををお願いします。
ジャミーラ:ハーイ!アルバムを聴いてくれてありがとう。自分の部屋で書いたものが、世界中の人々に届くとは思ってもみなかった。日本へ行って演奏するのを本当に楽しみしている。みんなに会えるのが待ちきれないわ。
公演情報
Jamila Woods
ビルボードライブ東京:2018/1/23(火)
1st Stage Open 17:30 Start 19:00 / 2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
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ヘヴン
2017/11/08 RELEASE
HSE-6528 ¥ 2,420(税込)
Disc01
- 01.BUBBLES
- 02.VRY BLK FT.NONAME
- 03.POPSICLE
- 04.LONELY FT.LORINE CHIA
- 05.HEAVN
- 06.EVE
- 07.IN MY NAME
- 08.ASSATA’S DAUGHTERS
- 09.BLK GIRL SOLDIER
- 10.LSD FT.CHANCE THE RAPPER
- 11.STILL
- 12.EMERALD STREET FT.SABA
- 13.LATELY
- 14.ALWAYS LOVING
- 15.BREADCRUMBS FT.NICO SEGAL
- 16.STELLAR
- 17.GOOD MORNING
- 18.HOLY
- 19.WAY UP
- 20.HOLY (REPRISE)
- 21.LSD (RP BOO REMIX) (JAPAN BONUS TRACKS)
- 22.VRY BLK (LIVE) (JAPAN BONUS TRACKS)
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