Special
マライア・キャリー『クリスマスにほしいもの』発売記念特集 ~クリスマスの女王が贈る心温まるクリスマス・プレゼント
マライア・キャリーが、「恋人たちのクリスマス」をモチーフにした自身のベストセラー絵本をアニメーション映画化し、同曲や新曲も含むオリジナル・サウンドトラック『クリスマスにほしいもの』を新たなクリスマス・アルバムとしてリリースした。今作のリリースを記念し、改めてここで世界的なクリスマス定番曲「恋人たちのクリスマス」、そしてマライア・キャリーについて振り返っていきたい。
息を吹き返した「恋人たちのクリスマス」
クリスマスと言えば、マライア。オルゴール調のイントロが流れるだけで「ああ、今年もそんな季節か…」と実感するマライアの代表曲「恋人たちのクリスマス」は、1994年に放送された大ヒットドラマ『29歳のクリスマス』の主題歌に起用され、日本国内だけでミリオンセラーを記録。現在までにアメリカで300万枚、全世界(ワールドセールス)では1400万枚を売り上げるモンスターヒットとなっている。
▲Mariah Carey - All I Want For Christmas Is You
世界のポップ・スターたちによるカバーも絶えない。ジャズ・シンガーのマイケル・ブーブレは、2011年リリースのクリスマス・アルバム『クリスマス』で同曲をカバー。本作は全米で400万枚、ワールドセールスは1000万枚を超える大ヒットを記録し、毎年クリスマスシーズンになると上位に再ランクインしている。何かとお騒がせなジャスティン・ビーバーも、2011年に『アンダー・ザ・ミスルトウ』でマライア本人とこの曲をデュエット。1億4000万視聴を突破したミュージックビデオでは、2人が戯れるシーンが何とも微笑ましい。『アナと雪の女王』でエルサ役を務め、「レット・イット・ゴー」を大ヒットに導いた女優/シンガーのイディナ・メンゼルも、2014年発売のクリスマス・アルバム『ホリデイ・ウィッシズ』でカバーし、マライアに負けずとも劣らないすばらしい歌唱を披露した。昨年12月には、米テレビの人気企画=ジェームズ・コーデンの『カープール・カラオケ』で、アデルやレディー・ガガ、コールドプレイのクリス・マーティンなどがメドレー式に「恋人たちのクリスマス」をカバーし、マライア本人とジェームズがデュエットしたことも大きな話題となった。
▲'All I Want for Christmas' Carpool Karaoke
各世代のカバーや、ラジオ、CM、テレビ番組など、様々なメディアでプレイされ続けたこともあり、マライアに馴染みのない若い世代でも、どこの国の誰でも知っている、ホリデー・シーズンの定番中の定番となった「恋人たちのクリスマス」。しかし、今年はまた違う形で息を吹き返しているというのだ。それが、マライアが2015年に執筆し75万部を売り上げたベストセラー絵本を元に、本人が製作総指揮をとったアニメーション映画『マライア・キャリー クリスマスにほしいもの』。本作は、ペットショップで見つけた仔犬をプレゼントとしてもらうため、マライアという名前の女の子が、いたずら犬のジャックを手なずけ、面倒がみられるのかを両親に証明するという「恋人たちのクリスマス」の歌詞をモチーフにしたストーリー。しかし、そのジャックが様々な騒動を引き起こし、意外な展開が待ち受けているという…ほんわかする、クリスマスらしい内容になっている。ちなみに、いたずら犬のジャックとは、マライアがこよなく愛するジャック・ラッセル・テリアとのこと。監督は、アニメ作品を数多く手掛けるガイ・ヴァシロヴィッチが務め、ナレーションはマライア本人が担当。マライア役には、現在14歳の子役俳優=ブレアナ・イーディーが起用されている。
▲『マライア・キャリー クリスマスにほしいもの』
そのブレアナ・イーディーがカバーした「恋人たちのクリスマス」を含む映画のサウンドトラック盤『マライア・キャリー クリスマスにほしいもの』が、12月21日に発売される日本版DVDに先行してリリースされた。原曲のイメージを一切崩すことなく、丁寧に歌うブレアナの「恋人たちのクリスマス」は、まだ幼さの残る彼女のハスキー・ボイスが良い具合に曲とマッチしていて、マライア・バージョンとはまた違う味わいがある。ブレアナは、ニコロデオンで放映中のドラマ『スクール・オブ・ロック』でバンドのシンガーを演じていたり、オリジナル曲を披露するなど、音楽に精通したキャリアをもつ期待の新人だ。マライア本人も、これを聴いて太鼓判を押したのではないだろうか。彼女の他にも、アイザック・ライアン・ブラウンという12歳の子役が「ワイルド & クレイジー・クリスマス」を歌っている。アイザックも、オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』出身の歌を得意とする俳優で、同曲ではジャクソン5時代のマイケルを彷彿させる、変声期のあどけない声で愛らしさを含んだソウルフルな歌唱を披露している。クリスマスらしいカラフルでポップなサウンドもすばらしい。
チャック・ベリーの「ラン・ルドルフ・ラン」をサンプリングした「リル・スノーマン」では、自身初のオールディーズに挑戦。過去2作のクリスマス・アルバムでもなかったタイプの楽曲だが、なんとも陽気なムードがクリスマスらしさを演出している。その過去2作のクリスマス・アルバムからは、3曲が同サントラ盤に提供された。まずは、2010年リリースの『メリー・クリスマスⅡユー』から、マライアとマーク・シャイマンで制作したオリジナル・ソング「クリスマス・タイム・イズ・イン・ジ・エア・アゲイン」。ファルセットで歌う穏やかなオープニングから徐々に盛り上がりをみせ、力強く歌うマライアの歌唱に引き込まれる後半では、映画のクライマックスシーンを見ているかのような気分にさせてくれる。共同制作者のマーク・シャイマンは、ミュージカル『ヘアスプレー』や海外ドラマの『SMASH/スマッシュ』などのサントラ盤を手掛けた大物プロデューサーだ。
そして、1994年の『メリー・クリスマス』からは、アルバムを手掛けたウォルター・アファナシェフとマライアの共作「ミス・ユー・モースト(アット・クリスマス・タイム)」と、「恋人たちのクリスマス」が厳選された。つまり、本作に収録されたナンバーは全てオリジナル・ソングということになる。「ミス・ユー・モースト」も「クリスマス・タイム・イズ・イン・ジ・エア・アゲイン」と同じく、後半になるにつれ熱を帯びるタイプの、ドラマチックなナンバー。どの曲を聴いてもマライアの歌はすばらしいが、この曲では特にその歌唱力を堪能することができる。映画のテーマ・ソング~ いたずら犬をイメージしたスリリングな「ジャックズ・スイート」、思わずステップを踏みたくなる、キュートなホリデー・ソング「マライア・アンド・ジャック・メドレー」と、インストゥルメンタル3曲の完成度も高い。
リリース情報
マライア・キャリー クリスマスにほしいもの
(オリジナル・サウンドトラック)
2017/11/22 RELEASE
<国内盤CD>
SICP-5650 2,200円(tax out.)
※歌詞・対訳・ライナーノーツ付
※豪華 8 ページの塗り絵 BOOK 入り
【Disc01】
01. 恋人たちのクリスマス
02. リル・スノーマン
03. クリスマス・タイム・イズ・イン・ジ・エア・アゲイン
04. ワイルド & クレイジー・クリスマス
05. ミス・ユー・モースト (アット・クリスマス・タイム)
06. 恋人たちのクリスマス
07. マライア・キャリー クリスマスにほしいもの テーマ・ソング <インストゥルメンタル>
08. ジャックズ・スイート <インストゥルメンタル>
09. マライア・アンド・ジャック・メドレー <インストゥルメンタル>
関連リンク
クリスマスの女王=マライア・キャリー
1990年5月にシングル「ヴィジョン・オブ・ラブ」でデビューしたマライア。通算4週の全米首位をマークした同曲をはじめ、計4曲のNo,1シングルが収録されたデビュー・アルバム『マライア』は、アメリカで900万枚、全世界で1500万枚を売り上げ、翌1991年の年間アルバム・チャートで1位に輝いた。この年には、2ndアルバム『エモーションズ』もリリースされ、7オクターブの声域が響き渡るタイトル曲が首位に輝き、デビュー曲から5曲連続の全米No,1獲得という快挙を成し遂げた。1993年リリースの3rdアルバム『ミュージック・ボックス』からは、「ドリームラヴァー」や「ヒーロー」などのNo,1ヒットが生まれ、アルバムは初のダイヤモンド・アルバム(1000万枚)jに認定されるメガヒットとなった。その翌年に発売されたのが、自身初のクリスマス・アルバム『メリー・クリスマス』だ。
1994年11月に発売された『メリー・クリスマス』は、日本だけで220万枚、ワールドセールスは2100万枚以上を売り上げ、クリスマス・アルバムとしては最大のヒットを記録している。リリースから23年経った今年(2017年)12月初週の全米ビルボード・アルバム・チャートでは、前週の113位から67位へ急上昇していて、クリスマス当日までにはさらに上位へ食い込むことが予想される。本作は、過去3作のアルバムを手掛けたウォルター・アファナシェフがプロデュースを担当していて、「恋人たちのクリスマス」以外にも、「きよしこの夜」や「オー・ホーリー・ナイト」、「ジョイ・トゥ・ザ・ワールド」など、マライアの広い音域と美声が存分に活かされた名曲のカバーが多数収録されている。23年経った今でもまったく色褪せることのない本作『メリー・クリスマス』は、ホリデー・シーズンに必ず聴きたくなる、1家に1枚のマスト・アイテムだ。
▲Mariah Carey - Joy to the World
1995年リリースの5thアルバム『デイドリーム』からは、歴代最長記録となる16週の全米首位をマークした、ボーイズⅡメンとのデュエット曲「ワン・スウィート・デイ」など計3曲がNo,1に輝き、『ミュージック・ボックス』に続く2作目のダイヤモンド・アルバムに認定された。1997年発売の6thアルバム『バタフライ』では、ワールド・フェイマス・スプリーム・チームの「Hey DJ」をサンプリングした「ハニー」(全米1位)など、よりヒップホップ色を強めた楽曲に挑戦し転身を図る。1998年末には初のベスト・アルバム『ザ・ワンズ』が発売され、日本国内だけで320万枚を売り上げる洋楽史上最大のヒット作となり、マライアの人気の高さを物語った。「ハートブレイカー」など計2曲の全米No,1ヒットを輩出した1999年の7thアルバム『レインボー』でソニーを離れ、ヴァージン・レコードに移籍。2001年には映画『グリッター』で女優デビューし、本作のサウンド・トラック盤を発売するが大ヒットには至らず、2002年には早くもアイランド・デフ・ジャム・ミュージック・グループに移籍し『チャームブレスレット』を発売。内容は悪くなかったもののセールスは振るわず、2000年代に入ってからの数年間は、いわゆる迷走期だったといえるだろう。
▲Mariah Carey, Boyz II Men - One Sweet Day
第二期マライア・バブルが訪れたのは2005年。10作目となるスタジオ・アルバム『MIMI』からは、全米14週の首位をマークした「ウィ・ビロング・トゥゲザー」や「ドント・フォゲット・アバウト・アス」などのNo,1ヒットが生まれ、アルバムは全世界で1000万枚を超える大ヒットとなった。3年後の2008年には、「タッチ・マイ・ボディ」が18曲目の全米No,1に輝き、エルヴィス・プレスリーの17曲を上回る歴代首位獲得総数2位に浮上する(1位はビートルズの20曲)。同曲収録の11thアルバム『E=MC2~MIMI 第二章』も全米1位を獲得し、2009年発売の12作目『メモワール』からも、エミネムをディスった内容の「オブセスト」(全米7位)や、対立関係(?)にあるニッキー・ミナージュとのデュエット曲「アップ・アウト・マイ・フェイス」など、話題曲が生まれた。
そして、翌2010年10月には、『メリー・クリスマス』の続編となるクリスマス・アルバム第二弾『メリー・クリスマスⅡユー』をリリース。旧友ジャーメイン・デュプリが手掛けた先行シングル「Oh サンタ!」や、本作『マライア・キャリー クリスマスにほしいもの』にも収録された「クリスマス・タイム・イズ・イン・ジ・エア・アゲイン」などのオリジナル・ソングから、母パトリシア・キャリーとデュエットした「ハレルヤ・コーラス」、クリスマスから新年に向けてのニュー・イヤーズ・アンセム「オールド・ラング・サイン」など、『メリー・クリスマス』以上にバラエティ豊かなクリスマス・アルバムとなっている。オーケストラ・アレンジでスケールアップした「恋人たちのクリスマス」のニュー・ヴァージョンは、本作でしか聴くことができない。
▲Mariah Carey - Oh Santa!
2014年には5年振りとなるオリジナル・アルバム『ミー。アイ・アム・マライア』を発表し、翌2015年にはソニーに再び移籍し、ベスト盤『#1 インフィニティ』の発売と、収録曲を披露するショー『Number 1 to Infinity』をラスベガスで行った。このあたりから、ライヴを中心に活動をするようになり、毎年12月にはクリスマスコンサートを開催。今年は、ニューヨークをはじめ北米やヨーロッパをツアーし、ラスベガスでの5公演でフィナーレを飾る、計42公演を予定している。
クリスマス公演や「恋人たちのクリスマス」の大ヒットもあり、「世界の歌姫」や「7オクターブの声域」で知られる…ではなく、「クリスマスの女王」という異名を持つほど、ホリデー・シーズンを代表するシンガーになったマライア。ここ最近は、オーストラリアの大富豪=ジェームズ・パッカー氏との破局や、イケメン・バックダンサーのブライアン・タナカとの交際、それから体系についての話題など、ゴシップ記事ばかりで世間を賑わせているが、本作『マライア・キャリー クリスマスにほしいもの』のリリースを機に、新作のリリースなどシンガーとして完全復帰してくれることだろう。また、映画DVDのリリースにあたり、「またツアーで会えることを楽しみにしているわ」とコメントしていることから、再び日本で「恋人たちのクリスマス」を熱唱してくれることにも期待したい。
リリース情報
マライア・キャリー クリスマスにほしいもの
(オリジナル・サウンドトラック)
2017/11/22 RELEASE
<国内盤CD>
SICP-5650 2,200円(tax out.)
※歌詞・対訳・ライナーノーツ付
※豪華 8 ページの塗り絵 BOOK 入り
【Disc01】
01. 恋人たちのクリスマス
02. リル・スノーマン
03. クリスマス・タイム・イズ・イン・ジ・エア・アゲイン
04. ワイルド & クレイジー・クリスマス
05. ミス・ユー・モースト (アット・クリスマス・タイム)
06. 恋人たちのクリスマス
07. マライア・キャリー クリスマスにほしいもの テーマ・ソング <インストゥルメンタル>
08. ジャックズ・スイート <インストゥルメンタル>
09. マライア・アンド・ジャック・メドレー <インストゥルメンタル>
関連リンク
関連商品