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レイチェル・プラッテン『ウェイヴズ』発売記念特集~様々な感情が交差するエモーショナルな最新作への想い

Rachel Platten

 米ボストン出身、メジャー・デビューに至るまでに 10 年以上を費やした“不屈”の女性シンガー・ソングライター、レイチェル・プラッテンの最新アルバム『ウェイヴズ』の国内盤が遂に本日(2017年11月8日)リリースされた。2015年の「ファイト・ソング」(全米シングル・チャート最高 6 位)が本国アメリカで大ヒットとなり、トリプル・プラチナの 400 万ダウンロードを突破。 2016年発表のデビュー・アルバム『ワイルドファイア』も初登場で全米アルバム・チャート 5 位を記録するとともにゴールドディスクを獲得し、 世界的にも一躍大ブレイクを果たした。「ファイト・ソング」は、ここ日本でも2016年に、Billboard JAPAN洋楽チャート“Hot Overseas”で4週連続の1位を獲得しており、同年にはプロモーションのため初来日も果たすと、そのメッセージ性に共感する人が続出。2017 年には、日本ゴールドディスク大賞洋楽ベスト3ニュー・アーティストにも選ばれた。(「自分に正直でいること、心の内をそのまま表現すること」―レイチェル・プラッテン初来日インタビュー

  そして今夏、最新アルバムの先行シングルとして「ファイト・ソング」に続く珠玉の自分応援ソング「ブロークン・グラス」をリリースした。今楽曲についてレイチェルは、今年1月に世界各地で起こった【ウーマンズ・マーチ】からインスピレーションを受けたと語り、女性の持つ力−− 結束力、強さ、激しさ、そして女性がどれほどすばらしい存在なのかを、讃えるものと表現した。「あのガラスの天井を打ち破ってみせる、そしてその壊れたガラスの破片の上でも踊ってみせるわ」という力強い歌詞からも、女性が社会に出てゆく中でその道を遮るような障害や、どんな苦境にあっても自分が目指すところを貫くという気持ちが込められていることがわかる。そんな「ブロークン・グラス」が収録された最新アルバムのテーマは、人生の“波”。自身にとって2作目のアルバム・リリースを、彼女はどんな気持ちで迎えたのだろうか。現地時間2017年9月2日、最新作の情報解禁前に米ビルボードで行われたインタビューの記事をここで紹介したい。

様々な感情が交差するエモーショナルな最新作

 レイチェル・プラッテンの音楽業界での成功は、Billboard Hot 100のトップ10入りも果たした2015年の応援ソング「ファイト・ソング」と、その後に続いた人々の心を勇気づけてくれる「スタンド・バイ・ユー」の2曲によるものだ。それから2年後、彼女は最新シングルであり、自分自身の応援ソングでもある「ブロークン・グラス」をリリースし、自身のキャリアをスタートさせたきっかけにもなった、心を揺さぶるメッセージをこれからも送り続けることを示唆した。



▲Rachel Platten - Fight Song (Japanese Subtitles)


 「私は、自分の役割でもある音楽を通じて希望のメッセージを伝え続けていくこと、そしてガール・パワー(女性の持つ力)を促進していきたいと思ったの。 男女が平等になるにはまだ長い道のりがある、でも私たちは進歩しているし、お互いに高めあっているときって最高だと思うわ。「ブロークン・グラス」にはそういったようなメッセージが込められているのよ。」と、プラッテンは米ビルボードのビデオシリーズ「On The Record」に立ち寄った際に語った。



▲Rachel Platten Interview on Billboard "On The Record"


 「ブロークン・グラス」は、リスナーにとって自信を増進させてくれる役目を果たしているハッピーな曲だということは確かだが、プラッテンにとって「ファイト・ソング」での大ブレイク前後の旅路は、まさか彼女から出てくるとは思えなかったであろう彼女の中にある脆弱性(ダークな面)を解き放つ手助けとなっていたのだ。



▲Rachel Platten - Broken Glass (Official Video Japanese Subtitles)


 「私は、みんなから「ファイト・ソング」の曲のイメージ通り、いつも人々に元気を与えいて、いつも良いムードで、いつもポジティブな人だと誤解されていたと思うの。それってすごく素敵なことよ、みんなが私の事をそう思ってくれるのは嬉しいんだけど、でもそれは本当の私ではなかったの。」と語る。なぜなら、実は「ファイト・ソング」の大ヒットの後でさえ、それ以前に抱えていた多くの不安や焦燥感が自分の中から完全に消えてなくなることはなく、その事実に直面したレイチェルは感情的にとても困惑し、再び辛い時期を迎えていたのだという。「でもだからこそこのアルバムでは、そんな自分自身のダークな部分を表現しようと決めたのよ。なぜなら私にとって自分のそういった部分もさらけ出すことが必要だったし、私が感じていたことを正直に表現する自由が必要だと感じたの」と続けた。

 このインタビューで彼女は、今作について“とてもエモ―ショナル”な作品になると認め、「すごく気分が明るいときだけでなく、すごく落ち込んでいるときのことも曲にして歌っている。」と語っており、新作のタイトル“ウェイヴズ”が、そんなあらゆる感情の波や、人生の波を表しているであろうことも覗うことができる。新作に収録されている他の曲が、「ファイト・ソング」や「ブロークン・グラス」のようなポジティブな雰囲気とは完全に真逆であったとしても、すべての感情を音楽で表現することにより、彼女自身も、そしてその曲を聴くファンも、また新しい一歩を踏み出す力が湧いてくるに違いない。そういった意味でも、プラッテンはファンを失望させることはないと、自分自身、そして彼女の新しい音楽に対し自信を持っている。

 「新作は、ポジティブな意味で複雑」と彼女は述べ、 「私の作った作品を世界中の人に早く聞いてもらいたいわ!」とメッセージを残した。



▲Rachel Platten - Collide (Audio)



▲Rachel Platten - Perfect For You (Audio)


Text by Taylor Weatherby / 2017年9月2日 Billboard.com掲載



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