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デクラン・マッケンナ初来日&デビュー・アルバム発売記念インタビュー



デクラン・マッケンナインタビュー

 英国の新しき「世代の声」=デクラン・マッケンナ。2014年、自らソングライティングを行い15歳で発表した楽曲「ブラジル」が、FIFA(国際サッカー連盟)の汚職と同年のサッカー・ワールドカップについての内容で話題を集め、以降も世界の多岐にわたる問題を提起する楽曲を発表。英BBCのその年ブレイクが期待される新人リスト「Sound Of 2017」の候補者の1人になるなど、音楽シーンで注目を集める中、7月26日にはデビュー・アルバム『ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?』のリリース、そして8月には【サマーソニック2017】への出演が決定している。これに先駆けて、2017年6月7日にプロモーションの為に初来日しプレミアムイベントを開催したデクラン・マッケンナ本人にインタビューを敢行。デビュー・アルバムから英マンチェスターでのテロ事件、更には最近のお気に入りソングまで様々な質問をに答えてもらった。

ここ2、3年の間に経験してきた変化や進歩が核になっている

−−今回が初来日ということですが、6月7日に行われた日本での初イベントはどうでしたか?

デクラン・マッケンナ:とても楽しかったよ!あんなにたくさんの人が来てくれると思わなかったし、自分自身もすごく楽しめた。今回はバンド編成ではなかったけど、あのスタイルでも自分の音楽に興味を持ってくれている人がいると知れてよかったよ。

――日本のファンもきっと楽しい時間を過ごせたことと思います。それではまず、音楽を始めたきっかけについて教えてください。家族や周りの友達の影響もあったと聞きましたが?

デクラン:小さい頃から自分で曲を書いたりしていたね。やっぱり音楽が日々の生活の中にあったからかな。家族にしても兄弟にしてもみんな音楽が好きで、楽器が弾けたりしていたから、そういう環境で育った影響もあると思う。それから、人前に出てパフォーマンスをすることも好きだったんだ。音楽も人前でのパフォーマンスも好きで、そこからギターを習いだして、練習を重ねてスキルアップしていった感じかな。

−−ギターのスキルは自分で習得したのでしょうか?それともレッスンを受けましたか?

デクラン:レッスンは受けたけど、最初は家でなんとなく弾いていたね。学校の音楽の授業でクラシック・ギターを弾いたりして、中学校の時にはエレクトリック・ギターも習ったよ。15歳くらいまではそうやって学校で学んでいたかな。今は特に誰かに教えてもらったりはしてないけど、教えてもらえる機会があれば教えてもらいたいし、もっと色んなスキルを磨きたいと思ってる。



▲Declan McKenna - The Kids Don't Wanna Come Home (Live)


−−好きなギタリスト/ミュージシャンはセイント・ヴィンセントと聞きましたが、もし彼女とコラボレーションする機会があるとするなら、どんな曲を書きたいですか?

デクラン:どんな曲を書きたいかと言われると難しいね。彼女は作品によってスタイルが変わるし、サウンドも進化し続けているから。どうだろうな~。。クラシック・ギターが際立つような曲がいいかな。彼女はギターのメロディーをすごく得意としてるから、その部分がハイライトされるような曲ができればいいなと思うよ。でも彼女は素晴らしいソングライターでもあるから、どんな方向に曲作りが向かっていくのか、正直見当がつかないよ。ジャズなのか、エレクトロニックなのか。。もし本当に彼女とコラボレーションできる機会があるなら、絶対「ノー」とは言わないね。

−−近い将来、お二人がコラボレーションすることを楽しみにしていますね。

デクラン:僕もそう願っているよ!

CD
▲『ホワット・ドゥ・ユー・
シンク・アバウト・ザ・カー?』

−−それでは、リリース間近のデビュー・アルバム『ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?』について教えてください。何かコンセプトはありますか?この作品を通して伝えたいメッセージは?

デクラン:これといったコンセプトはないかな。僕自身が持っていたアイデアが散りばめられた作品になっていると思う。アイデアが思い付くたびに、曲を書いていった感じ。最終的に、この作った曲をどうしたらいいかなと考えたときに、まとめてアルバムにしようと思ったんだ。だからそれぞれの曲が独立したものになっている。でもアルバムとしてみてみると、僕自身がここ2、3年の間に経験してきた変化や進歩が核になっている作品になったと思うよ。自分なりに色々と試してみたり、変えてみたり、吸収したことが曲に反映されているんだ。歌詞に関しても、それぞれの曲でテーマは違うけど、10代半ばに経験したことから感じた疑問や戸惑いが映し出されているよ。

−−アルバムの収録曲で世界的に話題となった楽曲「ブラジル」は、15歳の時に書かれたものですが、15歳という若さでこのメッセージ性の強い作品を生み出したことには驚きです。いつから政治や時事問題に興味を持ち始めたのでしょうか?

デクラン:12、13歳くらいのときかな。学校の友達からの影響だったと思う。その時に、仲が良かった友達とそういった世の中の問題について話しをするようになったんだ。もっと小さいときは、毎日が楽しければそれでいいと思っていたけど、少し大人に近づいたことで世の中の仕組みも少しずつわかってきて、「それはちょっと違うんじゃないの」とか「何でそれはそうなんだ」っていう疑問を友達同士で話すようになっていった。そこから自分のそういった考えや日々の疑問が音楽にも反映していくようになったと思うよ。



▲Declan McKenna - Brazil (Official Video)


−−なるほど。今年に入ってイギリスでは、テロ事件が何度か起こっています。マンチェスターのアリアナ・グランデのライブ会場で起きた事件など、アーティストとしてどう感じましたか?

デクラン:本当に悲惨な事件だよね。罪のない人々が巻き込まれる事ほど酷いことはないよ。でもなぜこんなことが起きたのかということを理解するのは難しい。そして、どうしたらこういった事件を無くせるのかということを考えることは更に難しいと思う。多くの尊い命が失われたこともすごく辛いことだけど、こういた世の中になってしまったことに対して僕たちは何ができるのかと考えたときに、人は「少しでも早く解決策を見つけなきゃ」とか、「対策を早く練らなきゃ」とか、短期的な答えを求めがちになると思う。でも、こういた攻撃をして満足している人たちがいるということ自体、そこに根本的な問題があるはずで、そこを理解しないといけないと思うんだ。だから、その根本的な問題をどうにかして無くさないといけないと思う。イギリスで生まれ育った人たちが、同じイギリスの人々を攻撃しようとすることは悲しいことだし、2度とこういったことが起きてほしくない。なぜこういった悲しい事件が起こったかということ一歩下がって冷静にみて、何が出来るのかということを考えることが必要だと思う。

−−本当にこのようなテロ事件は2度と起きてほしくないですね。音楽を作ることがこういった事件を止める方法になると思いますか?

デクラン:音楽やアートは政治的な変化をもたらす力になると思う。【One Love Manchester】のようなチャリティーコンサートも本当に素晴らしかったと思う。みんながコンサートに集まって、「どんな攻撃をされても僕たちは日々の生活を力強く生きていくんだ」ということを示せたんじゃないかな。こういった悲劇に対しての最終的な答えを見出して、より明るい未来が実現できることを祈っているよ。



▲One Love Manchester (Live)


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音楽へ向かう姿勢は変わっても自分のスタイルは譲らない

−−こういった世界で起こっている問題の他にインスピレーションを受けることはありますか?

デクラン:今回のような悲劇が自分の曲作りになんからの形で反映されることは当然ある。ただこういった事件が起きた直後は、自分の政治的な考えや見方を人に押し付けるよりも、人と人が結束することが重要で、特にこの間のコンサートでも見られるように音楽はそういった役割を果たしていると思う。自分の曲作りについては、全てのものからインスピレーションを受けているよ。さりげない毎日の中で、誰かが発言したことで頭のスイッチが入ることもあるし、自分が悲しいと思ったことや変えたいと思ったこととか、何でもインスピレーションを受けているよ。

−−日々の生活からもインスピレーションを受けて、デクランさんの音楽が形成されているんですね。そして、今日(インタビュー当日:2017年6月9日)「ヒュモンガス」がリリースされました。この曲について教えてもらえますか?

デクラン:もちろん!これは、アルバムの中で一番最後に書いた曲なんだ。確か去年の10月か11月くらいだったかな。この曲のサビの部分がすごく気に入っている。アルバムの中でも情熱的に歌い上げている曲だよ。歌の内容も色んな意味にとれるけど、自分についての他人からの評価(他の人が書いたり言ったりすること)について、自分が畏縮してしまうことに関係しているかな。ここ数年の間に自分自身も変わったし、音楽や作品を世の中に出していくことで、自分の見られ方もすごく変わっていった。色んな人が色んなことを言えるこの時代、それで傷つくわけではないけど、そういった経験が反映されていたり、その他にもこの怒涛の2、3年の間にあった戸惑いも凝縮されている曲だよ。



▲Declan McKenna - Humongous (Official Video)


−−この2、3年の間にはたくさんの変化があったと思いますが、デクランさん自身にとっての特に大きな変化は何でしょうか?

デクラン:メジャー・レーベルと契約したことが一番の大きな変化かな。自分周りにもスタッフもつくようになったし、それによって音楽へ向かう姿勢もすごく変わったと思う。それまでは、自分の好きなものを好きなように書いて、それがどんな曲だろうと誰も気にしなかった。曲が出来たらネットにアップして、それを聞いてくれた世界のどこかにいる人が「これいいね」って少しリスポンスしてくれるくらいだったものが、メジャー・レーベルと契約したことで、周りからの期待もあるし、お金も関係してくるし。期待されているものをしっかりと届けなくてはいけないというような意識も自然と生まれてきた。その期待に対して自分がどう向き合っていくかということを、ここ2、3年の間ですごく学んだよ。でも、そういった環境の中でも音楽を作る姿勢やアプローチは変わらないように、自分のスタイルは譲らないようにしてきた。どうすればこの忙しい日々の中でしっかりと曲作りに集中していけるか、良い作品を作れるかというコツも掴めたかなと思う。今までだったら音楽を作るための環境や状況が必要だったりしたけど、今はしっかりとスイッチを切り替えられるようになったよ。

−−なるほど。これからはアルバムのリリースに加え、8月にはサマー・ソニックへの出演も決まっていますね。バンド編成になると聞きましたが、バンド・メンバーはレコーディングなど一緒にしているメンバーでしょうか?

デクラン:去年の1月頃から一緒にライブでをやってきたメンバーで、レコーディングはジェイムス・フォードと行ったよ。若干メンバーの入れ替わりもあるけど、基本的には同じメンバーだね。とても気の合ういい仲間たちなんだ。サマー・ソニックのステージを本当に楽しみにしているよ。

−−バンド編成でのステージは期待が高まります!

デクラン:そうだね、バンドだからもっとハイエナジーなパフォーマンスになると思うよ。日本のファンの前でどんな演奏になるのか僕自身も楽しみだね。でも、サマソニはすごく暑いと聞いているから、それがどういったように作用するか気になるところだね。エアコンがあるところだといいな(笑)

−−真夏の日本は暑いですからね(笑)楽しみにしています!
ところで、先ほどYouTubeを見ていたら、ビヨンセ「ホールド・アップ」やジェニファー・ロペス「ゲット・ライト」のカバーをしている映像を見つけました。デクランさんらしいカバーですごくよかったです。この他にも将来的にカバーしてみたいアーティストはいますか?

デクラン:実はちょうど、【グラストンベリー・フェスティバル】のステージで何かカバーをしようかなと思ってたところだったんだ。



▲Declan McKenna - Hold Up (Beyonce cover) | Box Fresh with got2b


−−そうだったんですね!ライブでは毎回カバー曲を入れているんですか?

デクラン:いや、毎回ではないね。カバー曲をする時って、ちゃんと一捻りあって、しっかりとカバー出来たものじゃないと結構グダグダになっちゃったりするからさ。今考えてるのは、ヴァン・へレインの「ジャンプ」。こういうベタな曲をカバーでやるのは面白いと思うし、個人的にもこういう曲が好きなんだよね。王道ポップソングに自分たちなりの捻りを加えて面白くするのが好きだね。

−−ぜひ聞いてみたいですね!ちなみに最近のお気に入りソングは何ですか?18歳のデクランさんが聴いている曲、とても興味があります。

デクラン:うーん。なんだろう。最近の曲だと……。

−−携帯に入っている曲でもいいですよ。インタビューの前に聞いていた曲など、もしあれば。

デクラン:ああ、それが一番早いかもね(笑)えっと、、あ、そういえば日本人(?)のボーイズ・バンドの曲を検索していたところだったんだよね。

−−そうなんですね!誰の曲でしょう?

デクラン:SF9っていう名前だったかな?色んなところで看板を見てね。気になって調べてたんだよ。

−−SF9はK-POPグループですね!

デクラン:韓国のグループだったんだ!色んなところでSF9の曲が流れてて、曲調がスーパー・ポップで耳に残っちゃってね。なんていうか、ジェイソン・デルーロがワン・ダイレクションとコラボしたみたいな感じだよね!(笑)
それは置いといて、最近気に入っているのは、Superfoodっていうバンドの「I Can’t See」って曲かな。UKのバンドで、もうすぐセカンドアルバムがリリースされる予定だけど、その中の2曲は先行配信されててね。リードヴォーカルのDomは僕のサウンドエンジニアをやってくれてて、今はそのバンドに戻って活動しているんだ。この曲は、インディーでドリーミーでエレクトロで、レゲエのレコードをサンプリングしているのかな、凄くいい曲なんだよ。ライブで演奏しているところも見たことがあるんだけど、とてもよかった。リラックスできる感じの曲で、これが今のお気に入りかな!



▲Superfood - I Can't See (Radio 1's Big Weekend 2017)


−−後でチェックしてみますね!デビュー・アルバムから最近のお気に入りソングまで、たくさんの質問に答えて頂きありがとうございました。8月の来日も楽しみにしています!

デクラン・マッケンナのサイン入りポラロイド写真を抽選で2名様にプレゼント!

写真

応募〆切:2017年7月10日(月)正午までに、Billboard JAPANの公式twitterアカウント(@Billboard_JAPAN)と洋楽専用アカウント(@BillboardJP_INT)を両方フォロー&ハッシュタグ#DeclanMckenna_PolaJPでツイートした読者の中から抽選で2名様に取材時に撮影したサイン入りポラロイド写真をプレゼント!下記注意事項を必ず確認の上、ふるってご応募下さい!

・写真は選べません。予めご了承ください。
・応募締め切りは、2017年7月10日(月)正午となります。
・当選者の方には、@Billboard_JAPANよりDMを送ります。当選時に@Billboard_JAPAN@BillboardJP_INTをフォローされていない場合、当選は無効となります。
・当選は発送をもって代えさせて頂きます。

デクラン・マッケンナ「ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?」

ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?

2017/07/26 RELEASE
SICX-78 ¥ 2,420(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.ヒュモンガス
  2. 02.ブラジル
  3. 03.ザ・キッズ・ドント・ワナ・カム・ホーム
  4. 04.マインド
  5. 05.メイク・ミー・ユア・クイーン
  6. 06.イソンバード
  7. 07.アイ・アム・エヴリワン・エルス
  8. 08.ベツレヘム
  9. 09.ホワイ・ドゥ・ユー・フィール・ソー・ダウン?
  10. 10.パラセタモール
  11. 11.リッスン・トゥ・ユア・フレンズ
  12. 12.エキサイトメント (デモ) (日本盤ボーナス・トラック)
  13. 13.ブリュー (ライヴ・アット・ザ・ガレージ) (日本盤ボーナス・トラック)
  14. 14.ベーシック (ライヴ・アット・ザ・ガレージ) (日本盤ボーナス・トラック)

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