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THE ALFEE meets The KanLeKeeZ『あなたに贈る愛の歌』インタビュー
いつまでも3人でステージに立ち続けること。これが今のTHE ALFEEの夢ですね。
メンバー3人揃い踏みで語る現在のTHE ALFEE。桜井賢、坂崎幸之助、高見沢俊彦のミュージシャン評と歴史、ムッシュかまやつが亡くなる前によく言ってくれていた言葉、誰にも真似できないコンサートの凄み、新シングル『あなたに贈る愛の歌』、The KanLeKeeZ結成エピソード、43年目の夢……これを読まずにTHE ALFEEも日本の音楽史も語れず! ぜひご覧下さい。
ムッシュ(ムッシュかまやつ)も亡くなる前によく言っていたんですよ
--43年目のTHE ALFEE。自分たちでは、今どんなバンドになっているなと思いますか?
THE ALFEE - 「あなたに贈る愛の歌」プロモーション映像
--「解散しているから、今活動していないからもう一度観たい」という理由じゃなく、あのランキングに入れるバンドは稀有だと思います。
高見沢俊彦:ありがとう! 80年代なんてもう30年前だからね。その前から僕らは活動している訳だから…… 坂崎幸之助:70年代のバンドだからね(笑)。 高見沢俊彦:そう考えると、この春も全国30ヶ所のツアーを廻っている中でも「まだ生きてるんだなぁ」って思いますね(笑)。 坂崎幸之助:長くやってるなと思います。あと、客観的に見ると、若い人たちからすると「いつの間にか知ってたバンド。ずっといるなぁ」だし、でも先輩方からすると意外と理解しづらいバンドかもしれない。 高見沢俊彦:なんでこれだけ長く続けられるのか分からない。 坂崎幸之助:「なんであんなにツアー出来るんだろう?」とか。ムッシュ(ムッシュかまやつ)も亡くなる前によく言っていたんですよ。「これだけ長いこと付き合っているけど、なかなか捉えどころがない」って。 高見沢俊彦:それはムッシュにも言えたけどね(笑)。 坂崎幸之助:ムッシュの教えだったかもしれない。わざと捉えどころのないように生きていく(笑)。でもそれは拓郎さん(吉田拓郎)も言っていて。続けてきていることだけは確かだから、そこの評価はできる。だけど「よく分かんねぇな、おまえらは」みたいな。だからそんなに個性的なバンドではないと思うんですよね。長いことやってるから認識はされているけれども「何をやっているのか分からない。どこが良いのか分からないなぁ」ってなる。 高見沢俊彦:それ、良いね。「どこが良いんだ? THE ALFEEは」っていう評価がいちばん嬉しいな。 坂崎幸之助:「だけど、毎年武道館やってるのすげぇな」みたいな。そんな感じが良いですね。バラエティ番組にも出て行く高見沢がいて、おっさん方とセッションばっかりしてる坂崎もいるし、そういうよく分かんない感じが良いんじゃないですか。してやったり。僕がよく言われるのは「なんでTHE ALFEEにいるの?」ですからね。--43年やってきて「なんでTHE ALFEEにいるの?」は凄いですね(笑)。
坂崎幸之助:「なんでTHE ALFEEにいるの? なぎらさん(なぎら健壱)と一緒にやったほうが面白いんじゃないの?」って言われたりします(笑)。--桜井さんは、THE ALFEEをどんなバンドだと思いますか?
桜井賢:「THE ALFEEとは、どんなバンドか?」いちばん分かってないのは本人たちだったりもするし、なんで分からないかと言うといろんなことをやってるから。音楽だけ取ってもハードロックなのか? フォークなのか? ジャンルの壁を超えていろんなことをやっているし、活動に関してもソロで動いたり、ラジオに出たり、テレビに出たり、コンサートはコンサートであれだけ幅のある音楽が全部出てくるから、10個ぐらいのバンドを1回で観たような感じになる。なので、THE ALFEEのどこを好きになったかは人によってそれぞれ違うと思うんですよ。だから嫌いな部分もあると思うんだけど、観ているうちにだんだん……みたいな感じでTHE ALFEEのファンになってくれてるのかなって。だからこれだけ長く続けられたんだろうし、僕らはひとつひとつ積み重ねてきただけなんだけど、そこだけはマジメに取り組んできたと思うし、その結果としてこういうバンドになれたんだと思います。--昨年、横浜アリーナにて【30th Summer! Best Hit Alfee 2016 夏フェス!】(http://bit.ly/2qdRh3r)を拝見させて頂いたのですが、これだけキャリアのあるバンドであるにも関わらず、桜井さんがペンギンの着ぐるみ姿で出てきたときは衝撃を受けました。
桜井賢:自分がペンギンになってるけど、あれは必要かどうか分からない(笑)! 坂崎幸之助:必要だよ~。 高見沢俊彦:必要でしょ。 桜井賢:俺は必要だと思ってやってないんだけど! 高見沢俊彦:涼しさを生む為には必要だよ。 坂崎幸之助:寒さを呼ぶ(笑)。--40年以上活動しているバンドがライブで着ぐるみ。世界広しと言えども、THE ALFEEぐらいしかいないと思います。
桜井賢:別にしたくてやってる訳じゃないんだけどさ! 上手い具合にね、これは必要なんだとか言われてね、気付いたらやらされてるんだよね(笑)。--続いて、せっかく御三方お揃いですので、各メンバーそれそれどんなミュージシャンだと思うか。皆さんで語って頂きたいのですが、まず桜井さん。
坂崎幸之助:桜井のことをどう思うか…… 桜井賢:「ミュージシャンじゃねえ、ペンギン芸人だ」 坂崎幸之助:いやいや(笑)、桜井は元々はシンガーですよね。高校のときから。僕が最初に観たときは楽器弾いてなかったんですよ。ふたりギターがいて、桜井が真ん中にいて、それで「歌上手いなぁ、良い声だなぁ」と思いましたね。今よりもうちょいソフトな歌い方でしたけどね。まだハードな曲は歌っていなかったから。 桜井賢:だから音域も全然狭かったんですよ。 坂崎幸之助:でもすごく良い声で、その時点でプロに誘われていたぐらいなんで。 高見沢俊彦:他のメンバーはどうだったの? 坂崎幸之助:他のメンバーの声はクセが強かった。ハモってるのが不思議なぐらいだったもん。あ、アマチュア時代に居たメンバーの話なんですけど、そいつの声はフォーク系の泥臭い感じ。それに対して桜井は上のハーモニーが綺麗で…… 桜井賢:坂崎が入ってから綺麗にハモれるようになったんだよね。 坂崎幸之助:声が上手く合ってね。で、プロになってからベースを始めたんですよ。--あ、デビューすることになってからベースを持ったんですね。
坂崎幸之助:それまでは、みんなで持ち回りでベースやってたの。曲によって。で、貯金していた11万円で「桜井、ベース買えよ」って(笑)。そこから今の形になったんです。 高見沢俊彦:そう!デビューしてから今の形になった。 坂崎幸之助:だから大変だったと思いますよ。桜井はメインボーカル多いですけど、ベースでビート刻みながら全然違う譜割りで歌う訳ですから、これはなかなか難しい。 高見沢俊彦:だからベースでリードボーカルってなかなかいないのかもね。 坂崎幸之助:しかもプログレ的な曲も演奏する訳ですから。ロックンロールだけならね、エイトビートだからそこまで難しくないかもしれないけど、変拍子でベース弾きながら歌うっていうのは…… 高見沢俊彦:絶対やりたくねぇな! 坂崎幸之助:やりたくない!一同:(笑)
高見沢俊彦:ひとりでの練習もしたくない(笑)。 坂崎幸之助:でも桜井は楽屋で歌いながらひとりで練習してるんですよ。「あれはやりたくないな」って思う。 高見沢俊彦:絶対にイヤだね(笑)。--でも2人がベースを薦めたんですよね?
坂崎幸之助:俺たちはギター弾いてたから。 高見沢俊彦:ベースを買える財力が桜井にしかなかったから。 桜井賢:(笑)。でも自分自身もベースに興味があったんですよ。で、坂崎がベースを教えてくれたんです。だから坂崎は師匠なんです。今でも俺がハンドマイクで歌うときは、坂崎がベース弾いてますし。その師匠の教え方も良かったんで……細かいフレーズはたしかにね、あんな太い弦で弾くのは大変でしたけど。 坂崎幸之助:しかも当時は3人でライブしていて、生ギター2人にエレキベースだったから大変だったと思う。ドラムがいればまだ良かったんですけど、リズム楽器が他に居ないからね。そこは大変だったと思いますよ。 高見沢俊彦:ベーシストってさ、決まりきったイメージがあるんですよ。でも桜井のベースは歌うベースだから、ちょっと変わってる。歌っていけるベースだから、ベースだけじゃないイメージを出し続ける。そういう部分では、他にはいないベーシストなんじゃないかなと思います。ちょっと持ち上げて言ってますけど。 桜井賢:どの辺で落とされんのかな? 高見沢俊彦:でも今後も着ぐるみは着てほしいと思う(笑)。--ボーカリストとしてはどうですか?
高見沢俊彦:桜井の声を初めて聴いたとき「艶と幅があるな」と僕は思ったんです。綺麗な声だけじゃなく野太い声も出るんじゃないかなって。それでハードロック色の強い曲を作ってみたらバッチリ合って! そういう意味では、坂崎と違って器用なタイプではないけれど、確実なミュージシャンだと思う。- アンバランスに見えるかもしれないけど、非常にバランスは取れている
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リリース情報
あなたに贈る愛の歌
- 2017/05/24
- 通常盤[TYCT-30064(CD)]
- 定価:1,080円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 初回限定盤Bの詳細・購入はこちらから>>
- 初回限定盤Cの詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
アンバランスに見えるかもしれないけど、非常にバランスは取れている
--続いて、坂崎さん。
Simon & Garfunkel - The Boxer (Audio)
--壊れちゃいますからね(笑)。
高見沢俊彦:ただ、この人はギター上手いんだけど……不思議な手癖があって(笑)。 坂崎幸之助:手が早いんですよ! 桜井賢:手癖が悪い(笑)。 高見沢俊彦:それは冗談として、すごく器用なんですよ。ギターに限らず、楽器という楽器はほぼ演奏できる。キーボードにしろ何にしろ覚えるのが早い。出来ちゃう。それってもう天性のもんなんじゃないの? 音の取り方、コピーも早いしさ、そういうところも天分じゃないですかね。俺も当時スリーフィンガーが出来なくて、坂崎に教えてもらったんです。その頃はまだアコギを持ってなくて、ずっと貸してもらいながら。そのアコギをどっかに忘れてきちゃったこともあったな。 桜井賢:仕事場に持ってこないんですよ(笑)。 坂崎幸之助:「どっから来たんだよ?」っていう。 高見沢俊彦:その頃は家に帰る習慣がなくて。そんなこともありましたけど、そう考えると音楽をよく知っていたよね。追求してた。アマチュアのときってみんないい加減だからそこまで追求しないんですよ。ある程度のところで止まっちゃうけど、坂崎はその先まで追及してたから。 桜井賢:しかも当時は粗末なオーディオ使ってたんですよ。「こんなもんでよく音取れるな」って思うような。 高見沢俊彦:コピーしたコーラスの取り方とか坂崎が全部やっていて。 坂崎幸之助:それまでコーラスやったことなかったからね、高見沢は。 高見沢俊彦:そう!だから自分の声が高い声っていうのも知らなかったんですよ。坂崎の家に行って、ビートルズの「ベイビーズ・イン・ブラック」を聴いて「これか! コーラスっていうのは!」みたいな(笑)。でも坂崎はコーラスの面白さを分かっていて、そういう部分でも音がいちばん見えている人間だったんじゃないかな。アマチュア時代から。だから教え方も上手いんだと思う。以前はKinKi Kidsにもギター教えていましたけど、分かりやすく教えることが出来るんじゃないかな。僕が最初ですけどね、アコギを教えてもらったのは。--まさかの一番弟子(笑)。
坂崎幸之助:スリーフィンガーはね。 高見沢俊彦:なかなか出来なかったなぁ、あれ。指太くて困った(笑)。 坂崎幸之助:でも今やサイモン&ガーファンクルを弾きますからね。--なんで学生時代からそこまで出来上がっていたんですかね?
高見沢俊彦:やっぱり天分というか、天性のものだと思うよ。 坂崎幸之助:いろんな人の評価を聞いてると、ポイントを掴むのが上手いのかもしれないです。その曲やそのギターのどこが格好良いか、どこがポイントなのか、多分聴いただけで分かっていたんでしょうね。コーラスの音もそうですね。小さい頃からジョンとポールの声を聴いて育ったので。ちゃんと音楽を習っていた訳ではないんですけど、音楽をやっている叔父さんたちが近くにいたので、家に楽器はいっぱいあったし、木琴鳴らしてみたり、オカリナ吹いてみたり、それが音感の鍛錬や訓練にはなっていたんだと思います。--続いて、高見沢さん。
坂崎幸之助:もう指が太くてね…… 高見沢俊彦:ボウリングの球が入らないんだよ(笑)。 坂崎幸之助:日本でも3本の指が入らないギタリスト。一同:(笑)
高見沢俊彦:バスケットやっていたんで、ほぼ全部突き指をしていて、指が太いんですよ。 坂崎幸之助:でも高見沢は逆に努力の人ですよ。スリーフィンガーを覚えるのに凄い時間を要したり…… 高見沢俊彦:あとフラットマンドリンを弾く曲があって、普通は坂崎がやるんだけど、その曲では坂崎がボーカルだったんで、俺がやるハメに。もう必死で覚えましたよ! 今でもその曲しか弾けないんだけど(笑)。 坂崎幸之助:ずーっと練習してましたよ、明治公園で。 桜井賢:全くやめないの。自分が納得するまで。もうこっちは早く帰りたいのに(笑)。 坂崎幸之助:とにかく反復。 高見沢俊彦:体育会系なんでね。 坂崎幸之助:練習すれば絶対に身に付くと錯覚してる。 高見沢俊彦:錯覚かぁ~。--ちゃんと習得してるじゃないですか?
高見沢俊彦:いや、一度寝たら忘れちゃってるから(笑)。 坂崎幸之助:あとは、見せ場ね。ステージパフォーマンス。俺と桜井はあんまり動けないし、高見沢はまだ生ギターでライブしていた当時から前に出ちゃう人だったんですよ。で、マイクと離れちゃってるから「おい、音出てねーぞ」みたいな(笑)。 桜井賢:マイクでギターの音を拾ってた時代。 高見沢俊彦:お客さんを煽らなきゃと思って。そのとき鳴っている音はベースと生ギター1本。まるでフォークデュオだね(笑)。 桜井賢:あと、高見沢は出逢ったときから「音楽が物凄く好きなんだな」と感じていて。レコードはたくさん持ってるし、GSひとつ取ってもいろんなバンドのレコードがあって「よくこんなに持ってたなぁ」と思うぐらい。あれはおそらく親からもらった参考書代をレコードに換えていたんだと思うんだけど(笑)、でも当時は自分の立場やビジュアル含めプロデュースすることが多分難しかったと思うんだよね。それについていろんな努力をしてきた。曲を作るなんてのはTHE ALFEEになってからですからね。でもそこから何百曲と作ってる訳ですから、そこにどれだけの努力があったかは本人にしか分からないんだけど、それプラス、自分をどうプロデュースするか、それによってTHE ALFEEをどうプロデュースするか、やっぱり努力してきていて。それで今のTHE ALFEEがあって、今のたかみーがいる訳で、だから坂崎も言っていた通り、努力の人ですよね。素材は良いものを持っているわけ。声も高いし。でも本人はそれを知らなかったって言うんだから(笑)。そこからよくここまで自分もバンドもプロデュースしてきたと思いますよ。 高見沢俊彦:昔からチームプレーが好きなんだよね。バスケットやっていたから、そこには守る奴がいて、シュート打つ奴がいて、ドリブルする奴がいて、指示する奴がいて、みんな役割が分かれてる。そのフォーメーションを考えていたんですよ。試合ごとに「ここはこうで、こっちはこうしよう」って。その通りにみんなが動いて、上手くいけば点が取れる。上手く行かなかったら点が取れない。そのフォーメーションというものを考えるのがすごく好きだったんです。バスケは5人しかいないんですけど、幾通りにもフォーメーションが考えられるから、毎日毎日考えていて、それはTHE ALFEEで言うとスイッチボーカルみたいなもんだよね。まず坂崎が歌って、僕と坂崎が歌って、最後は3人で合わせて点を取る。そういうことを考えることで……考えていたものと別のものが出来るときもあるけど(笑)、考えて何かを作っていくことが好きだったんだと思う。小さいときから。 坂崎幸之助:だからプロデューサー的なことが出来るのは、THE ALFEEには高見沢しかいないんですよ。俺はどっちかと言うとディレクションのほう。「ここ、こっちの音のほうがいいんじゃない?」「半音上げたほうがいいよ」みたいなことはすごく好きなんです。だけど、何もないところから何かを作っていくことは高見沢しか出来ない。 高見沢俊彦:だから「ペンギンの着ぐるみが良いな」と思ったら、着てもらう為に納得してもらわなきゃならない。だから桜井をなだめてなだめて……(笑)。でもそういうことも含めて僕らが活きればいい訳ですから、そこは一番に考えてます。そうしないと長く続けられないかもしれないよね。 桜井賢:だから高見沢が3人いたら最強のようだけど、長く続かない。タイプの違う奴が集まっているから、ペンギンをやる奴がいるから長く出来る(笑)。 高見沢俊彦:そういう意味では、上手く出来てるよな。アンバランスに見えるかもしれないけど、非常にバランスは取れている。それって長年かけて培ってきたものだと思うよ。1年、2年じゃ多分出来ない。10年、20年経ってなんとなく地ならしが終わって、20年目からだんだんだんだん少しずつ芽が生えて、まだ刈り取りに時間はかかるかもしれないけど…… 桜井賢:まだ完成している訳じゃないからね。 坂崎幸之助:そこまでの我慢が出来ないうちに解散しちゃうバンドが多いんじゃない? 高見沢俊彦:そこはね、もったいないよね。 坂崎幸之助:それでまたみんなが音楽を楽しめるぐらいの歳になって、再結成したり。 高見沢俊彦:いろんな事情があるから仕方ないけどね、俺はこういう風にやったほうが自分たちらしいかなって思います。それぞれ分をわきまえてるというか、自分が出来ないことを2人が出来るんだから、この形が良いじゃないですか。自分ひとりじゃ無理だしね。だから自分が出来ないことを他のメンバーが出来る、これがバンドとしては最強なんじゃないですか? それがいちばん上手くいく秘訣でもあるんじゃないかな。全部が全部「俺が!俺が!」でやっていたらそれは続かないよね。リリース情報
あなたに贈る愛の歌
- 2017/05/24
- 通常盤[TYCT-30064(CD)]
- 定価:1,080円(tax in.)
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Interviewer:平賀哲雄
いつまでも3人でステージに立ち続けること。これが今のTHE ALFEEの夢ですね。
--あと、43年目のバンドとは到底思えないハイトーンかつソウルフルな歌声を三者三様に響かせている事実。コンサートで聴く度に衝撃を受けます。こんなバンドも世界広しと言えどもなかなかいないんじゃないですか。
高見沢俊彦:ありがとうございます。それぞれ今日まで声を潰してきてはいるんだけど、だから昔よりは大事にしていますよね。そこはケアしないと。30代の頃は毎晩呑んでさ、朝まで呑んだって次の日声出てたけど…… 坂崎幸之助:声は出てたけど、吐いてはいた(笑)。 高見沢俊彦:気持ち悪くてね。でも今それやったら声も出なくなっちゃうから、そういうことも踏まえて声を大事にしてますよね。年齢と共に。そうしないとやっぱり続けていけないから。意外とコンサートって疲れますからね。その日じゃなくて2,3日後に疲れが出てくるから。 坂崎幸之助:なので、みんな「どうすればベストな状態でコンサートに臨めるか」それぞれに考えてる。 高見沢俊彦:そうすると、仮に誰かが調子悪くても誰かがフォローできたりね。そこはやっぱりバンドの強みだし、そのバンドの強みを最大限に生かしているのがTHE ALFEEだと思いますよ。だから長く出来てる。--ゆえに攻めの姿勢を崩さずにいられるんでしょうね。43年目でもコンサートの時間的なボリュームも減らさないじゃないですか。常に特盛り。
高見沢俊彦:本当はね、もうちょい減らして、2時間ぐらいで収まるようにしたいんだけど、いろいろ考えているうちに「あれも入れよう、これも入れよう」となって結局3時間強ぐらいになってる。まぁでも1人1時間として考えれば。--3人で3時間(笑)。あと、THE ALFEEのコンサートと言えば、今や笑点のような抱腹絶倒のMC。あそこまで喋り続けて笑いを誘い続けるバンドも稀有だと思うんですが、あの要素もまたTHE ALFEEとしては大事にしているところなんですよね?
高見沢俊彦:大事ですね。基本的に僕らはお笑いも大好きなんですよ、トリオ漫才とか。だから普通はあそこまでやらないんだろうけど、やってもいいじゃないかと思って。そっちのほうが初めて来た人もついていけるじゃない? 曲を知らないで来る人も多いから、そこでちょっと和ませて、心を開いてもらったところで曲を聴かせたほうが……70年代のフォークの人たちがやっていた手法ですよね。それを僕らは引き継いで、ロックの世界でやっている(笑)。 坂崎幸之助:ひとりではね、話術の素晴らしい先輩方もいらっしゃるんですけど、3人揃ってこれをやっているのは珍しいと思います。トリオ漫才やってるバンドはなかなかいないですよね。--あれはいつからやっているんですか?
高見沢俊彦:コントみたいなことは随分前からやってるんですよ。 坂崎幸之助:フォークグループだった時代からやってましたよ。高見沢が富澤一誠ならぬ富澤エッセイだったんです。 高見沢俊彦:「人生を語る富澤エッセイです」みたいな(笑)。そう考えると売れる前からやってたんだ? 坂崎幸之助:1978年とか79年ぐらいからじゃない? 40年近くやってる(笑)。--若手のバンドで、MCであれだけ笑わせられる人たちいませんよ。
坂崎幸之助:よく相談受けますよ。若いバンドから「MCがヘタなんですけど、どうすればいんですか?」って。別にヘタでいいと思うんだけど(笑)。 高見沢俊彦:僕らだってヘタだったよな。だから場数を踏むことですよ。最初は全くウケませんでしたからね。ライブハウスで給食当番のコントみたいなやつとか、モノマネもやってたな。ウケるウケないは二の次で。--その頃、桜井さんはどういうスタンスだったんですか?
桜井賢:いや、僕はね、ひとりだけ喋らない。というのをずっとやっていたんですよ。ラジオに出ても一言も喋らない。それで「墓石」って呼ばれて。そういうキャラクター作りをしていました。最初の頃のコンサートも墓石の絵を書いて、3人で割烹着着て、カスタネット持って、緞帳が上がったら「いぇーい!」って言って、緞帳が下がって終わり。……何の意味があったんだ!? 高見沢俊彦:何の意味もない。お客さんも呆然。--誰がトクしてるんですか、それ(笑)。
桜井賢:ただね、すべては「曲を聴いてもらう為」だったんですよ。当時の僕らはコンサート会場に立てることなんてなかなかなかったしね、レコード屋さんの前とかデパートの屋上で呼び込みしながら歌っていたんです。そこで僕らを知らない通りすがりの人に聴いてもらう為には、何かで引きつけなきゃいけない。すべてはそこからなんですよ! だからモノマネやったり。で、そのモノマネがウケてきたら、そのモノマネをもう少し上手く使おうということで高見沢が台本書いたりして。 高見沢俊彦:ホテルの5階かどこかで書いていたんですけど、外を見たら雪が降ってきて「俺たち、一体何やってるんだろう?」って。 坂崎幸之助:ミュージシャンの仕事じゃねぇし(笑)。 高見沢俊彦:「ミュージシャンなんだけどなぁ」って思いながら。でも「ウケればいっか」と思ってそんなことをやってました。アリスのモノマネやったりね、とにかくお客さんにウケてもらいたかったんだよね。何をするにしてもエンターテインメントに昇華したものが自分たちらしいだろうと思っていたし、誰もがやらないことをやったほうが新しいかなと思っていたので。もちろんザ・ローリング・ストーンズやザ・フーはコントやらないかもしれないけど、誰もやってないならやったほうが面白いんじゃないかなって。僕らがテレビに出始めた80年代。ベストテン。甲斐バンドとかオフコースとか僕らの先輩は出演を一切拒否してたんですよ。そのときも「だったら、俺らは出ちゃおうか?」なんて軽い気持ちで出て。そしたら「こっちの局に出たら、あっちの局にも出なきゃいけない」とかそういうルールみたいなものがあって「あ、だからみんな出なかったのか」って気付くんだけど、遅いよね(笑)。 坂崎幸之助:「全部出なきゃいけないのか!」って。--でもそこでTHE ALFEEは突き抜けましたよね。
坂崎幸之助:だからウチらの後からいっぱい出るようになったのかもね。チェッカーズとか安全地帯とか、あの時代ですよね。みんなベストテン番組に出るようになった。--そうしたTHE ALFEEのエンターテインメント性を凝縮したユニットがThe KanLeKeeZだと思うんですけど、そもそもこのユニットはどうして結成しようと思ったんでしょうか?
The KanLeKeeZ 「G.S. I Love You -あの日の君へ-」プロモーション映像
--日本の音楽史を老若男女に追体験させたい想いもある?
高見沢俊彦:というよりは、自分たちが楽しみたい(笑)。「自分たちが好き」という気持ちがいちばんですね。僕らがコピーしていた時代と一緒ですよ。サイモン&ガーファンクルにしても、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングにしても、イーグルスにしても、大好きだったからコピーして、それを同じように歌って演奏することに生き甲斐を感じていた訳ですよ。The KanLeKeeZはオリジナルですけど、それと同じようなものかもしれないね。そんなThe KanLeKeeZの集大成として今回の「エレキな恋人」も聴いてもらえたなって。--集大成なんですね。
坂崎幸之助:還暦の次は古希、コッキーズが待ってますから(笑)。--そんな「エレキな恋人」も収録される、66作目のシングル『あなたに贈る愛の歌』。こちらの表題曲はどんな楽曲を目指して制作されたものなんでしょう?
高見沢俊彦:久々のバラードなんですけど、去年出した『今日のつづきが未来になる』の次のシングルということだったんで、それとイメージも含めて繋がる楽曲にしようとは思っていたんですよね。「THE ALFEEらしい」という評価を受けたので。それで「今のTHE ALFEEらしい」と言えば何かなと考えたときに、やっぱりメロディアスで分かりやすいもの。それでしばらくバラードを作っていなかったので、THE ALFEEと言えばハードなイメージ、ロック調の「星空のディスタンス」とかのイメージが強いと思うんですけど、「実はこういう楽曲もあるんだ」ということを証明したいなという気持ちもあって「あなたに贈る愛の歌」は作りました。あと、僕が2年連続でやった世界的指揮者の西本智実さんとのコラボコンサート【INNOVATION CLASSICS】、そのクラシックのイメージをフルに活かしてますね。これだけストリングスを前面に打ち出したシングルは今までないかもしれないな。歌とコーラスとそこがメインになっている楽曲。--最近の活動が反映されてるんですね。
高見沢俊彦:そうですね。今のTHE ALFEEを意識しました。--では、最後に。43年目のバンドにする機会もなかなかない質問になるんですが、今のTHE ALFEEにとっての夢を聞かせてください。
桜井賢:やっぱりライブを続けていくことじゃないですか。自分たちの健康面やメンタル面含めたコンディションも大事だし、当然ながらお客さんがいないと活動は続けられない訳だけど、その中で一生懸命やっていく姿勢というのは、ジェネレーションに関係なく俺たちが見せていくべきものだと思うので。そう考えるとやっぱり1本1本のコンサートをしっかりやって、1日でも多くコンサートが出来るようにしていけば……まだまだ、70歳まで出来るでしょ! 70歳まで毎年コンサートツアーがやれたらそれは大変なことだと思うんですけど、でもそれが出来るようにしたいなと思ってます。 坂崎幸之助:僕らにとっては、今やってることが夢だった訳ですよね。ということは、二十歳にデビューしてから40数年間、自分の人生の4/5ぐらい夢の中にいる。なので、その夢が覚めないように健康に気をつける。こうなってくるといちばん大事なのは健康なんですよ。誰かが何かの大病を患ったら、全部終わりですから。 高見沢俊彦:そこだよね。なんで「バンドやってんのか」と言ったら楽しいからやっている訳で、その楽しさは持続させたいじゃない? で、ツアーもやりたいし、武道館でコンサートもやりたいし、その為には健康じゃなきゃいけないし、曲を書き続けていかなきゃいけないし。だからライブの為に自分たちは何をするべきか、どういう自分たちでいるべきか。そこを第一に考えるようになる。そうなると、昔ほど夜遊びはしなくなったし、お酒の量も減ってくる。 坂崎幸之助:食べ物も気をつける。 高見沢俊彦:本当そうなんですよ! だんだんオーガニックなものを食べるようになる。かつてはそんなこと全く気にしてなかったからね! 坂崎幸之助:好きなもんばっかり食ってた(笑)。 高見沢俊彦:でも今はそういうところも気をつけて、いつまでも3人でステージに立ち続けること。これが今のTHE ALFEEの夢ですね。Interviewer:平賀哲雄
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