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レベル42来日記念特集 マーク・キングが選ぶ「ベースプレイ必聴」のプレイリスト&メッセージも公開
4月に来日公演を行う英国バンド、レベル42。1979年に結成され、テクニカルで熱い演奏が魅力のジャズ~ファンク系のバンドとしてデビュー、以降、時代の流れとも呼応しつつ、ポップ・シーンでも活躍する存在へ上り詰めた。これまでに数々の名盤・名曲を残してきた彼らだが、やはりその最大の魅力はライブ。今回は過去のライブ映像とともに、改めてその歩みを振り返ってみたい。
そして、来日を間近に控えるレベル42のボーカル/ベースを務めるマーク・キングに「鳥肌が立つほどベースプレイがカッコいい10曲」を聞き、それをプレイリストにしました。彼のコメントとともに、ビデオメッセージもどうぞ。
何よりも血汗たぎる熱い演奏が魅力のデビュー期
▲『レベル42』
リード文にもある通り、レベル42は1979年に結成。ベーシストでヴォーカルのマーク・キングと、キーボードで同じくヴォーカルのマイク・リンダップのいわば双頭バンド。初期はそこにフィル・グールド(ドラムス)、ブーン・グールド(ギター)が所属。また、後述するが、レベル42の“第5のメンバー”とも呼ばれたキーボード/シンセサイザー奏者のウォーリー・バダロウも初期からサポート参加している。
バンドは1981年の『レベル42』でメジャー・アルバム・デビューを果たす。シングルとして全英38位になった「Love Games」、そしてライブ初期の定番ナンバーである「Heathrow」など、初期の代表曲が多数収録された、渾身のデビュー作だ。
▲『The Early Tapes』
だが、実はその前年の1980年にバンドはもう一枚の“デビュー・アルバム”を完成させインディーズ・リリースしていた。それが、バンドのブレイク後の1982年に<ポリドール>から再リリースされた『The Early Tapes』。こちらにも「Sandstorm」などの初期の名曲が収録。『レベル42』と対になるシンプルなジャケットも粋で、2枚あわせてバンドの初期作品として楽しみたい。いま思えば、この時期の彼らの“ジャズ~ファンクの要素と歌ものの融合”というトライアルは、後のアシッド・ジャズのアーティストたちにも先駆けていた。
その後、バンドは、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのラリー・ダン/ヴァーダイン・ホワイトをプロデューサーに迎えた4thアルバム『Standing in the Light』(1983年)、ビートルズからマハヴィシュヌ・オーケストラまでを手掛けたケン・スコットをプロデューサーに迎えた5thアルバム『True Colours』(1984年)等をリリース。精力的に作品を重ね、前者では全英9位、後者では全英14位と着実に成果を挙げていく。
そんな初期の彼らのライブは、とにかくアグレッシブ。以下の【モントルー・ジャズ・フェスティバル】の映像は観客の雰囲気も含めて、当時の臨場感を伝えてくれる。少し長いが時間のある時にぜひ観て欲しい。
▲Level 42 - Live In Montreux(1983)
ウォーリー・バダロウとのタッグによる黄金期
▲『World Machine』
レベル42にとって大きな転換点となったのが1985年の6thアルバム『World Machine』。制作もウォーリー・バダロウとバンドのセルフ・プロデュース体制に変更。この頃になると、音楽性もぐっとポップス寄りに変化している。その結果、アルバムは全英3位、全米18位を記録。また「Something About You」というヒットにも恵まれ、それまでで最大級の成功を収めた。
以下のライブ映像は1986年のツアーで訪れたフランスでの模様。曲は1983年のアルバムに収録された「Micro-kid」だが、格段に重心の下がったグルーヴ鉄壁感とスリルに、ひたすらしびれる。
▲Level 42「Micro-Kid」(live/1986)
▲『Running in the Family』
快進撃は止まらない。続く1987年の7th『Running in the Family』は引き続きバンド&バダロウのプロデュース。「Something About You」と並ぶバンドのヒット曲である「Lessons in Love」を収めたアルバムは全英2位、全米23位とこちらも成功。商業的にはまさに黄金期を迎えていたと言ってよいだろう。
この時期のライブ映像は、チャリティー団体の「Prince's Trust」が主催したライブよりピックアップ。この晴れやかな場で「Running In The Family」のギターに入っているのは、なんとエリック・クラプトン。バックにホーン隊も入り、華やかな印象が一気に増す。
▲Level 42「Running In The Family」(live/1987)
初期メンバーの離脱と活動休止
▲『Guaranteed』
順調な流れも永遠には続かない。1987年、バンドに成功をもたらしたサウンドのポップ化に、フィルとブーンのグールド兄弟が反発、バンドを離脱する。以降の2作--8th『Staring at the Sun』(1988年)、9th『Guaranteed』(1991年)にも、当然ながら二人は不参加。これらの作品ではアラン・ホールズワースら著名プレーヤーもレコーディング・セッションに参加したが、商業的にも難しい時期に入り、セールスの苦戦が目立つようになり始める。
また、1990年にはリンダップが初のソロ・アルバムをリリースするなど、よりミュージシャン個々の動きを強めようという傾向があったのも、この時期。1992年にかけて行われた『Guaranteed』のツアーでは、リンダップのソロ曲「The Spirit Is Free」も同時にライブで披露された(以下、ライブ映像)。1994年の10thアルバム『Forever Now』では、フィル・グールドが一時的にバンドに復帰するが、その後のツアーには帯同せず。以降、バンドは活動休止に至ることとなる。
▲Mike Lindup (From Level 42) - The Spirit Is Free (Live)
ソロ活動~再結成、リンダップの復帰、そして現在に至るまで
バンドの休止を受けて、1996年よりマーク・キングは本格的なソロ活動をスタート。1984年にもファースト・ソロ・アルバム『Influences』をリリースしていた彼。1999年には2ndソロ・アルバムとなる『One Man』をリリースする。この時期、マークのバンドのライブには、彼の弟でギタリストのネイザンや、サックス奏者のショーン・フリーマンが参加していた。
そして2002年からレベル42名義での活動が再開。2006年には、リンダップもラインナップに復帰し、12年ぶりとなる新作アルバム『Retroglide』もリリースした。ファンも待ち望んでいた“双頭体制”の完全復活の後、現在まで活動を続けている。
特集の最後は、2016年の最新ライブ映像を紹介。ジャズもファンクもポップも飲み込んだ演奏は、まさに円熟の極み。ホーン隊も含む編成は、かつての名曲の数々を生き生き、かつモダンに響かせている。来たる来日公演でも、マーク&マイクの演奏と歌唱をはじめ、力強いパフォーマンスに期待したい。
▲Level 42 - LIVE Full Concert 2016
公演情報
レベル42
ビルボードライブ大阪
2017年4月3日(月)
1stステージ開場17:30 開演18:30
2ndステージ開場20:30 開演21:30
⇒詳細はこちら
ビルボードライブ東京
2017年4月4日(火)・5日(水)
1stステージ開場17:30 開演19:00
2ndステージ開場20:45 開演21:30
⇒詳細はこちら
<メンバー>
マーク・キング / Mark King(Vocals, Bass)
マイク・リンダップ / Mike Lindup(Keyboards, Vocals)
ネイサン・キング / Nathan King(Guitar, Vocals)
ショーン・フリーマン / Sean Freeman(Saxophone, Vocals)
ピート・ビギン / Pete Biggin(Drums)
ダニエル・カーペンター / Daniel Carpenter(Trumpet)
ニコル・トムソン / Nichol Thomson(Trombone)
関連リンク
マーク・キングが選ぶ「鳥肌が立つほどベースプレイがカッコいい曲」
01. Teen Town - Weather Report
ジャコ・パストリアス…。彼の事を言わずにいられるかい?彼はこの曲でドラムも叩いているんだ!
02. Lopsy Lu - Stanley Clarke
スタンリーにはいつも刺激を受けているよ。ドラマーのトニー・ウィリアムスからもね。
03. Look Up (To See What’s Coming Down) - Santana
ダグ・ローチはいつもマイケル・シュリーヴ(ドラマー)と最高のプレイバトルを繰り広げていたね。
04. Hip Pockets (Live ver.) - The Billy Cobham - Geaorge Duke Band
アルフォンソ・ジョンソン…俺はこいつが大好きだ!
05. Good Times - Chic
バーナード・エドワーズのリフが主役と言っても過言ではない。
06. Stomp! - The Brothers Johnson
ルイス・ジョンソンのスラップが急に出てくるブレイク部分が最高!何とも言えないよ!
07. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) - Sly and the Family Stone
全ては、ラリー・グラハムから始まった。
08. Sunshine of Your Love - Cream
この曲はジャック・ブルースが手掛けた世界最高峰のロックリフの1つ。プレイするのも聴くのも全く飽きさせない最高な曲さ。
09. The Talking Fish - Ibibio Sound Machine
いいプレイしてる。ラリー・グラハムとスライに敬意を表しているね。
09. Country and Eastern Music - Jerry Goodman & Jan Hammer
ヤンのMOOGベースが非常によく際立っている。彼もこの曲でドラムを叩いているんだ。
公演に向けてマーク・キングのコメント公開!
公演情報
レベル42
ビルボードライブ大阪
2017年4月3日(月)
1stステージ開場17:30 開演18:30
2ndステージ開場20:30 開演21:30
⇒詳細はこちら
ビルボードライブ東京
2017年4月4日(火)・5日(水)
1stステージ開場17:30 開演19:00
2ndステージ開場20:45 開演21:30
⇒詳細はこちら
<メンバー>
マーク・キング / Mark King(Vocals, Bass)
マイク・リンダップ / Mike Lindup(Keyboards, Vocals)
ネイサン・キング / Nathan King(Guitar, Vocals)
ショーン・フリーマン / Sean Freeman(Saxophone, Vocals)
ピート・ビギン / Pete Biggin(Drums)
ダニエル・カーペンター / Daniel Carpenter(Trumpet)
ニコル・トムソン / Nichol Thomson(Trombone)
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