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GARNET CROW 『風とRAINBOW/この手を伸ばせば』 インタビュー
本文でボーカルの中村由利も語っているが、昨年リリースされたアルバム『THE TWILIGHT VALLEY』、それを引っ提げたライブツアーでデビューから一回りした感のあったGARNET CROW。今年に入っての展開に様々な想像をしていたファンも多いと思うが、今作『風とRAINBOW』と『この手を伸ばせば』を聴いたところ、彼らの創作意欲と音楽に対する愛情は更に増している様子。そんな新作について本人達に語ってもらった。
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--『今宵エデンの片隅で』『まぼろし』リリースタイミング以来のインタビューになるんですが、それらのシングルリリース後に発表されたアルバム『THE TWILIGHT VALLEY』に自身では、どんな印象や感想を持たれていますか?
中村由利:一曲一曲の世界観や個性の強さが際立ったアルバムだったな、と思います。タイトル通り、私たちの持っている深く、よりディープな世界というものを感じて頂けたのではないかと思います。
--アルバム『THE TWILIGHT VALLEY』は、実に抜けの良いアルバムというか、迷いのなさ、自信みたいなモノを感じさせてくれたのですが、自身ではどう思いますか?
中村由利:ベストアルバムから今作リリースまで約2年の間書き溜めた曲の中から、一番自分たちがピンとくる楽曲を選んでいったので、完成度の高い作品が作れたと思っています。
--やはり自分たちの中でも大きな手応えを感じさせてくれた作品ですか?
中村由利:はい。このアルバムをリリースできた事で、更なるステップを目指そうという欲や、精神的な区切りというか、一回りしたような気持ちになれました。
--また同作の収録曲『まぼろし』が「USEN問い合わせランキングで1位になる」といったニュースもあったりしました。この曲はアルバムの中核を担う曲でもあり、またGARNET CROWが表現したい世界が見事に音楽となった名曲だと、個人的には感じているんですが、それだけの力を持った曲にこういった結果が返ってきたのは、ものすごく嬉しい出来事だったんじゃないですか?
中村由利:自分たちの中でも『まぼろし』はとても気に入っていた作品だったので、それが皆さんにも伝わったというか通じて、このような結果を頂けたと思います。なので、とてもとてもうれしかったです。
--そんな力作『THE TWILIGHT VALLEY』を引っ提げて行われたライブツアー【GARNET CROW livescope 2006 ~THE TWILIGHT VALLEY】は、どんなツアーになりましたか?
中村由利:2公演だけでしたが“記録よりも記憶に残るライブを…”というスローガンが自分の中にありました。今までは“楽曲を聴いて頂く”“演奏するだけで精一杯”という感じでしたが、ライブは“観に行く”とも言うように、魅せるライブというものを今回は特に心がけました。照明や衣装、演出も今までとは違う、作り込んだものになったと思います。初めてストリングス・カルテットを入れたり、私もギンギラの衣装を着たり…歌やサウンドはもちろん、観ていても楽しんで頂けるライブを作りました。
--今回のツアーでは「感動した」「ボロボロ泣いた」「涙が止まらなかった」といった感想を実際に耳にしたり、ネット上のブログで目にしたりすることがとても多かったのですが、何がそこまでオーディエンスの心に響いたんだと思いますか?
中村由利:普段から妥協しない音作りを心がけていますが、ライブならではの迫力ある音に加えて、音源の中の繊細な部分の表現であるとか、自分たちの世界観を大切に、ライブの音作りをしています。そうしたこだわりみたいなものが、みなさんに伝わって欲しいと想いながら歌っていますので、それが届いていたならいいですよね。
--またそういった感想を多くもらえること自体には、どんな気持ちになったりしますか?
中村由利:最高にうれしいです。ライブやって良かったなって思えます。
--GARNET CROWにとってファンとは、どんな存在だったりしますか?
中村由利:一番大切な存在です。ファンの皆さんが私たちの音楽を聴き続けてくださって、私たちに期待し続けてくださる限り、音楽を作り続けていこうと思っています。
--そんなファンたちの心にも焼き付いたライブツアーの中でも注目されていた新曲『風とRAINBOW』と『この手を伸ばせば』が両A面シングルとしてこの度リリースされます。それぞれ自身では、どんな印象や感想を持たれていますか?
中村由利:『風とRAINBOW』は今年第一弾のシングルにふさわしく、ピンと張り詰めた空気感が心地良い、アゲアゲのロックナンバーになりました。自分たちの中では“ガーネット・ロック”と呼んでいます。気分を高めたいときに是非聴いて頂きたい曲です。『この手を伸ばせば』は、ストレートなバラードです。メロディ、歌詞、サウンド…どれもが混じり気のない“ピュアな前向きさ”を持っていると思います。シンプルだからこそ心に響く、心で何かを感じられる事ってあると思います。そういった想いを込めてみました。
Interviewer:平賀哲雄
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--まず『風とRAINBOW』、この曲のトラックを創りだしていく上で心掛けたことなどあったら聞かせてください。
中村由利:TVアニメの主題歌としても使って頂いていますが、TVバージョンは昨年から取り入れている“ラテン”を強く押し出したアレンジにしていました。しかし、ライブが決まり、この曲も是非ライブで演奏したい!と思った時に、ライブの持つ生音の迫力であるとかをフィーチャーしたアレンジにしてみようか、と思いつき、試してみたところ、とてもかっこよくなり、ライブで披露しました。ただ、最初のラテンバージョンもなかなか捨てがたかったので、今回『風とRAINBOW / この手を伸ばせば』バージョンのシングルに一緒に収録してみました。是非聴き比べてみてください。
--また『風とRAINBOW』、歌詞もトラック同様、実に独創的な内容になっていますが、実際にはどのようなシチュエーションをイメージしながら生み出したモノなんでしょうか?
Azuki 七:7色とGARNETの7周年をかけてRAINBOWにしてみました。なんちゃって…(笑)。
--(笑)。続いて『この手を伸ばせば』ですが、この曲、オーセンティックなバラードナンバーであると共にどこか日本の情緒みたいなモノを感じさせるトラックだなぁと感じさせられました。実際にはどんなイメージの中で生み出されたモノなんでしょうか?
中村由利:久々にストレートなバラードが歌いたくなって作りました。『夢みたあとで』に変わるような、そんな位置づけの楽曲が欲しかったというところもあります。特に、今の季節は多くの出会いや別れがあると思いますが、そういった時にぴったりな曲ではないかな、と思います。
--そして誰もが共感し得るこの別れの歌詞は、どのような心境時に綴られたモノなんでしょう?
Azuki 七:デモを聴いた瞬間にサビ頭の『この手を伸ばせば』というフレーズが決定して、そこから広げていった感じです
--実際に歌うと、それぞれどんな想いが込み上げる曲だったりしますか?
中村由利:『この手を伸ばせば』を歌うと、デビューから面倒を見てくれていたスタッフが、昨年末に会社から去ってしまったことが想われます。やはり寂しく、切ないのですが、その人にとっては別れというより新たな旅立ちであり、応援したい、という想いがあったり。この曲も“前を向いて歩いていこう”と歌っているので、そのスタッフ、そして自分自身に対しても応援歌のような気分で歌っています。“お前も頑張れよ”って、曲に励まされました。
--そして個人的には、この曲もリードトラックになって申し分ないんじゃないかと感じた3曲目『廻り道』なんですが、この曲には、自身ではどんな印象や感想を持たれていますか?
中村由利:よく言われます(笑)トリプルA面にすればよかったかな!?3曲の中で、一番ボーカルの艶感が出ている曲だと思うので、個人的にも気に入っています。デモを作った時は、最後までスローバラードだったのですが、倍転のリズムを取り入れる事でよりドラマチックな展開になり、大満足の出来になりました。
--「この曲を熱唱する中村由利の姿もライブで観たい」という声がファンの中で多く上がるんじゃないかと想像させる曲でもありますが、実際に歌うとどんな気持ちになる曲だったりしますか?
中村由利:実際にライブで歌ってみないと分からないですね。是非次回にでも!
--そんな全曲力作の印象を与える今作リリース後は、どんな展開を予定したり考えていたりするんでしょうか?
中村由利:今も良い感じの曲がたくさん出来てきているので、少しでも多く、皆さんに聴いて頂けるように頑張ります!
--また今年はGARNET CROWにとってどんな一年になっていきそうですか?
中村由利:今年はデビュー7年目、いろいろ考えている企画もあるので、ご期待下さい!
--それでは、最後になるんですが、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
中村由利:昨年5thアルバム『THE TWILIGHT VALLEY』をリリースして、これでデビューから一回りしたかな?という気持ちになり、気持ち的にとても充実しています。更に良い作品を作りたいという欲もたっぷりあります。これからも音楽で、共に泣いたり、笑ったりしていければいいな、と思っています。どうぞ、応援よろしくお願いいたします。
Interviewer:平賀哲雄
風とRAINBOW/この手を伸ばせば
2007/02/21 RELEASE
GZCA-4087 ¥ 1,320(税込)
Disc01
- 01.風とRAINBOW
- 02.この手を伸ばせば
- 03.廻り道
- 04.風とRAINBOW(TV Edit)
- 05.風とRAINBOW(Instrumental)
- 06.この手を伸ばせば(Instrumental)
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