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この秋聴きたい80sソウルバラード特集~アトランティック・スター、ホイットニー・ヒューストン、ルーサー・ヴァンドロス
人恋しくなるこの季節。少しセンチメンタルな気分に浸るなら、ムーディーなソウル・バラードがぴったり。とくに、ディスコの時代が落ち着いた80年代のブラック・コンテンポラリー、いわゆるブラコンと呼ばれたミュージシャンたちは、こぞってスウィートなバラードを連発した。ここでは、まもなく来日するアトランティック・スターの「オールウェイズ」など、思わず胸がキュンとなる名唱を10曲集めてみた。
「オールウェイズ」 / アトランティック・スター
70年代半ばにニューヨークで結成されたアトランティック・スターは、1978年にデビュー。ポップなソウル・ミュージックを奏でる実力派として評価されていたが、なかなかブレイクすることがなかった。しかし、1987年に7枚目のアルバム『All In The Name Of Love』からのカットとして発表したシングル「Always」が米ビルボード・ソング・チャートで1位となる快挙。年間でも14位と、この年を代表するバラードとして人々の記憶に残っている。
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「チェリッシュ」 / クール&ザ・ギャング
1969年のデビュー以来、ソリッドなホーン・セクションをフィーチャーしたグルーヴィーなインスト・ファンク・バンドとして一世を風靡したクール&ザ・ギャングだが、70年代末からはポップ・ファンクやメロウなサウンドを得意とするブラコン・グループへと変貌。ジェームス・“JT”・テイラーの甘い声を活かしたバラード・ヒットが増える。この曲は「ジョアンナ」と並ぶ80年代の代表曲で、1984年の米ビルボードR&Bチャートで1位を獲得した。
「アイ・ミス・ユー」 / クライマックス
ブラック・ミュージックの女性グループというと、たいていはコーラス・グループだが、クライマックスは珍しいガールズ・バンドとして脚光を浴びた。1981年のデビュー当初は大きなヒットもなかったが、1985年に発表したアルバム『Meeting In The Ladies Room』が大ヒット。そこからカットされたこの曲も、米ビルボードのソング・チャートで5位まで上昇した。また、直後にディオンヌ・ワーウィックもカヴァーしたこともあり、80年代R&Bバラードの定番となった。
「愛のハーモニー」 / ディオンヌ・ワーウィック
ソウル界の大御所であるディオンヌ・ワーウィック。60年代からポップ寄りのヒットを多数放っているが、80年代以降はコンテンポラリー路線にシフトチェンジ。チャリティーの一環で1985年に制作したこの曲では、久々にヒットメイカーであるバート・バカラックと組み、スティーヴィー・ワンダー、エルトン・ジョン、グラディス・ナイトという贅沢な組み合わせが大きな話題になった。米ビルボードチャートのソング・チャートで4週連続1位を獲得したことも快挙だ。
「愛とは偉大なもの」 / ホイットニー・ヒューストン
ディオンヌ・ワーウィックと従姉妹関係のホイットニーは、言わずと知れた80年代最大のスターである。ダンサブルなナンバーからスロー・バラードまで、圧倒的な歌唱力と表現力で多数のヒットを放った。なかでも、初期のバラード・ナンバーは非常に人気が高い。1985年のデビュー・アルバム『Whitney Houston』は「すべてをあなたに」や「オール・アット・ワンス」など名曲だらけだが、壮大なスケール感のこの曲は、壮大なスケールに心を動かされる。
「ヒア・アンド・ナウ」 / ルーサー・ヴァンドロス
80年代のブラコンを代表する男性シンガーといえば、まずはルーサー・ヴァンドロスの名前が挙がるのではないだろうか。ソロからデュエットまで多数のバラードが存在するが、この曲は初のベスト・アルバムとなった1989年の『The Best Of Luther Vandross... The Best Of Love』からカットされたシングル。米ビルボードのHotブラック・シングルスで1位、ソング・チャートでも6位という大ヒットを記録。彼のハートフルな持ち味が出た名曲だ。
「ウーマン・ニーズ・ラブ 」 / レイ・パーカー・ジュニア&レイディオ
映画『ゴーストバスターズ』の主題歌が大ヒットしたことで知られ、ギタリストとしても評価の高いレイ・パーカー・ジュニアは、1977年にレイディオとしてデビュー。「Jack And Jill」をはじめ、いくつかのスマッシュ・ヒットを飛ばした後、1981年に発表したこの曲でブレイクする。米ビルボードHotブラック・シングルスでは1位、ソング・チャートでは4位となり、ミディアム・メロウの傑作としていまだに人気が高いナンバーだ。
「ユー・アー・マイ・レディ」 / フレディ・ジャクソン
もともとはハーレムのゴスペル・クワイアで腕を磨き、メルバ・ムーアなどのコーラスを担当してデビューのきっかけを掴む。そして、ファースト・シングルのミディアム・メロウ・チューン「Rock Me Tonight (For Old Times Sake)」が大ヒット。続くセカンド・シングルとなったのが、さらにメロウな味わいのあるこのバラードだ。米ビルボードのHotソウル・シングルズでは、2週連続で首位を獲得。80年代屈指のバラーディアとしての評価を得た。
「トゥー・オケイジョンズ」 / ザ・ディール
90年代には大きく開花したベイビーフェイスことケニー・エドモンズだが、80年代初頭に在籍していたのがザ・ディール。ディスコ時代末期ということもあり、ダンサブルなだけでなくコーラスの美しいナンバーも多い。この曲は、1987年のサード・アルバム『Eyes Of A Stranger』からのリード・シングル。メインを張るヴォーカルのダーネル・ブリストルが中心だが、ベイビーフェイスも伸びやかなファルセットを披露しているのが確認できる。
「クリスマス・イン・マイ・ハート」 / ザ・ジェッツ
ザ・ジェッツは、ミネソタで結成されたファミリー・グループ。南太平洋のトンガ王国の血を引くエキゾチックな風貌と、ティーンエイジャーならではの瑞々しさで人気を博した。米ビルボード・ソング・チャートで3位まで浮上した1985年のセカンド・シングル「Crush On You」がよく知られているが、このクリスマス・ソングは、彼らの数あるバラードの中でも隠れた名曲のひとつ。2作目のアルバム『Christmas With The Jets』からシングル・カットされた。
Text: 栗本斉
オール・イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ
2006/11/22 RELEASE
WPCR-75250 ¥ 1,885(税込)
Disc01
- 01.ワン・ラヴァー
- 02.ユー・ビロング・ウィズ・ミー
- 03.フィメイルズ
- 04.ドント・テイク・ミー・フォー・グランテッド
- 05.オールウェイズ
- 06.アームド・アンド・デンジャラス
- 07.レット・ザ・サン・イン
- 08.サンクフル
- 09.アイム・イン・ラヴ
- 10.オール・イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ
- 11.マイ・ミステイク
- 12.インタールード
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