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上間綾乃『魂(まぶい)うた』インタビュー
沖縄で培った歌声と個性溢れる表現力で、聴く者の心を揺さぶる唯一無二のシンガー・上間綾乃が、7月20日に4枚目となる最新アルバム『魂(まぶい)うた』を発売。前作から約2年、彼女はどんな経験の中で、どんな想いの中で今作の制作へ至ったのか。上間綾乃の「ずっと歌っていく」という決意、ぜひ感じ取ってほしい。
「歌をうたって人と繋がっていたい」という想い
--こうしてインタビューさせて頂くのは、2014年にリリースした前アルバム『はじめての海』以来になりますが、この約2年は上間綾乃にとってどんな期間になりました?
上間綾乃:充電期間でもありましたし、次の作品に向けて「何がしたいのか」をじっくりと見つめなおす期間でもありました。ハワイに行って人と会ったり、ふるさとに帰ったりする中で、感じたことがいっぱいあって、それがあったから今回の作品『魂(まぶい)うた』に踏み出すことも出来たし、それが反映された歌詞や曲もあるし、なにより歌として形に出来たのが嬉しかったです。なかなか歌を書けない時期もあったんですけど、ようやく「書きたい」って心から思えたんですよね。--子供の頃に沖縄系移民の皆さんに歌を届けに行ったハワイへ再び訪問。これはどういった流れで実現に至ったんですか?
上間綾乃:去年、戦争で失った森と自然を取り戻そうとするプロジェクト・Green United 2に参加して、「さとうきび畑」をウチナーグチで歌ってCDリリースしたんですけど、それがきっかけでハワイに2回行ったんです。そこで日系の方とお話する中で「自分たちは日本人じゃない。日系人だ。ちゃんとふるさとはここに持っている。でも沖縄もふるさとだ」っていう強い想いを聞いて、自分の置かれた環境を受け入れて強く生きている姿をすごく逞しく感じて。それで背中を押されて「アマレイロ」という曲が生まれました。アマレイロはポルトガル語で「黄色」という意味。それを私は幸せの色という風に解釈して、人それぞれのアマレイロが見つけられたらなと思って書いたんです。--ハワイでは「さとうきび畑 ウチナーグチver.」を現地の高校生たちの前で歌ったそうですね。ハワイという地で歌い届けるというのはどんな感覚だったんですか?
上間綾乃:「言葉は伝わらなくても、やっぱり想いがあれば伝わる」と前から思ってはいたんですけど、「やっぱりそうだよね」って実感が持てました。現地の人の明るい笑顔とか、歌を聴いて涙してる姿とか見ながら「思い出してるんだろうなぁ」と感じたり、歌で繋がることができたって、「さとうきび畑」をうたうことで思えました。--13歳の頃にハワイでうたったときとは感じられるものが違った?
上間綾乃:全然違いました。感じるものが倍以上ですね。13歳のときは驚きばかりでした。こんなところがあるのか、私の歌を涙しながら聴く人がいるのかという驚き。その中で「これからもずっと歌い続ける」という決心が芽生えたんですけど、今回は改めて気付かされることが多かったです。自分たちの置かれた状況を全部受け入れて力強く生きている人たちの想いとか。今回のアルバムには「懐かしき故郷」という曲を収録しているんですけど、このタイミングで入れたのはハワイに行ったことが大きい。中に「行ちぶさや」という歌詞があって、故郷に「帰りたい」じゃなく「行きたい」と表現されてるんですよ。なんで「帰りたい」じゃないんだろうなとずっと不思議に思っていたんですけど、「自分たちは日本人じゃない」という話を聞いてようやく気付いたんです。沖縄は「帰りたい」故郷じゃなく「行ちぶさや」、つまり行きたい場所なんだって。自分の場所を見つけた人の表現なんだと気付いて。だから13歳のときにハワイで歌った「懐かしき故郷」と、それに気付いて歌った今回の「懐かしき故郷」は全然違う。同じ歌ではあるけど、新たにまた命が吹き込まれた感じがします。--今回収められた「懐かしき故郷」の音源には、僕の聴き間違いでなければ、中盤にヘリコプターのプロペラ音が遠くから聴こえてきます。これを入れようと思ったのは?
上間綾乃:よく気付きましたね! 凄い! 「平和なてぃ居むぬ 元ぬ如自由に 沖縄行く船に 乗してぃたぼり 行ちぶさや 生り島」 平和になっているのだから、元のように自由に沖縄に行く船に乗せてほしい。行きたい、私の生まれ島へ。という意味なんですけど、この歌詞のところに入ってるんですよ。偶然。--偶然?
上間綾乃:スタジオで録ってて、外でプロペラ機が飛んでて……--だから遠くから聞こえてくるんですね。結果としてあの音もメッセージになっていますよね。
上間綾乃:3番の歌詞のところで入ってくるところに意味を感じますよね。平和になっているのだから、元のように自由に……っていうところで入ってるから、それに対して「本当にいま、平和は訪れているのか」というメッセージのようにも感じ取れる。--よくそのタイミングで飛んできましたね。
上間綾乃:本当にそう思います。--今回のアルバム『魂(まぶい)うた』は、やはりハワイに行っていなければ生まれなかった作品なんじゃないですか?
上間綾乃:実際、ハワイに行ってからだと思います。このアルバムの話が進み出したのは。……外って出てみるもんですね。曲が書けない時期に一人旅もしたんですよ。--どこへ行ったんですか?
上間綾乃:イタリアです。ベネチアに行ったんですけど、いつもの慣れている場所から離れると、その場に行かないと感じなかったこととか、動かなかった気持ちが動かされる。それは沖縄から東京へ来たときもそうだったし、ハワイに行ったときもそうだし、だから旅って良いなと思いました。今回のアルバムは「これはどこで書いたもの」とか「これは何を感じて書いたもの」とか、聴き進めるうちに、自分の中で旅をなぞることが出来るんです。聴く人にとっては、思い浮かぶ場所は私と同じじゃないかもしれないけど、それぞれイメージできる場所や想いがあって、同じように旅してもらえるといいなって思ってます。--沖縄で生まれた者として、日本と海外の架け橋になろうとしている身として、今、上間綾乃が歌や音楽を通してやっていきたいことは何なのか。教えてもらえますか?
上間綾乃:旅に出ると、ひとりになる時間が多かったぶん、「歌をうたって人と繋がっていたい」という想いが改めて強くなりました。歌がなかったらみんなと出逢えてなかったし、私はここにいないだろうし、人と歌で繋がっていきたい想いが強くなって。人と私を繋いでいるものは音楽なんだなって改めて思いました。だから音楽を通してもっとみんなと出逢いたい。ずっと前に「歌がなかったら何が残るか」っていう質問をされたことがあって、そのときは「そんなこと有り得ない」って答えたと思うんですけど、そのあと「私は歌がなかったら人じゃないのか。あの人はなんて質問をするんだ?」って数日悶々として(笑)。面白いですね、質問って。人を通して自分を見るのが面白いなって。--気付けば2012年のメジャーデビューから約4年。自分ではどんな歌い手、アーティストになっているなと感じていますか?
上間綾乃:「自分はこういう歌手になった」という実感は正直まだありません。でも、「こうありたい」というイメージはあります。優しい歌、あったかい歌を歌う人でありたい。怒りの感情が込められた歌にも愛はどこかにありますし、「好き」「大切に想っている」と歌う歌ももちろん愛はある。そこに生まれるあったかい気持ち、それを歌にして表現していきたい。でも最近思うんですが、優しい歌を歌うには、人の優しさに触れることももちろんだけど、なにより自分が人に優しくないといけないなと。- 歌っていうのは生物なんだよっていうことも感じてほしい
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Interviewer&Photo:平賀哲雄
歌っていうのは生物なんだよっていうことも感じてほしい
--東京で暮らすようになったり、いろんな出逢いや別れがあったり、その中には愛する人の死もあったり、でもそれによって強くなったり、歌の深さや優しさが増したり。そのすべてが今の上間綾乃の歌になってると思うんですが、自分ではどんなアーティスト人生を歩んでいるなと思いますか?
上間綾乃:すごく環境や人に恵まれてきたと思います。それなりに山あり谷あり、まだ頂上は見えないし、ここまで来るのにツラいこともたくさんあったけど、でももっと深い谷がこれからあるかもしれない。そこに落ちたくはないけど、でもそれを体験することでステップアップしたり、強くなれたりすると思うから「それも良し」として受け入れていきたい。--実際にこれまでもそれを歌にしてきましたもんね。
上間綾乃:うん。あんまりネガティヴな言葉は使わないけど、そういう想いも入っていたりはします。--初めてインタビューしたとき「今後の目標を教えてください」と聞いたら、上間さんは「ずっと歌い続けていくことです」と仰っていたんですけど、それは今も変わらない?
上間綾乃:変わらない。「ずっと歌っていく」という決意もあるし、責任や信念もあるし、形がどんなに変わっていったとしてもずっと歌っていきたいと思ってます。--歌とずっと対峙していると苦しくなることもあると思うんですけど、「歌から逃げ出したい」とか思うことはない?
上間綾乃:思ってても言わんよ(笑)。--なんで?
上間綾乃:言葉は怖いよ。願い事も言ったら叶うと思っているので、「ハワイに行きたい」「海外旅行したい」「あの人と仕事がしたい」全部言ったら叶ってきた。今日も叶ったからこうしてインタビューしてもらえてるし。そう考えると、逆に怖いものも言葉にすると叶ってしまう。怖いものは思うだけでもそれを引き寄せてしまうと思っているので、だから歌でもあんまりマイナスな……「寂しい」とか「悲しい」は出てくるけど、本当に後ろ向きな言葉は使いたくなくて。日常の会話でもそう。そう思ってるので、「嫌い」って言葉も言わないようにしてる。これから好きになるかもしれないから「苦手」って言うようにしたり、食べ物に対してもそうしてる(笑)。--そんな自分流の音楽人生を歩んでいる上間綾乃から見て、今の日本の音楽シーンってどんな風に映っていたりしますか?
上間綾乃:忙しい(笑)--(笑)
上間綾乃:忙しい! 無理に追っていこうとは思わないんですけど、本当に忙しいなって。私、思うんですけど、本当に良い歌というのは流行りすたりではなく、いつまでも残りますよね。そして、良い歌として世の中に認められるには、瞬間瞬間ではなくて、じっくり時間がかかるものだと思うんです。なのに、なんでこんなにめまぐるしいんだろうって。--具体的にはどんなところを見て「忙しい」と思います?
上間綾乃:しょっちゅう変わるさ。一同:(笑)
上間綾乃:テレビ観てると、出てくる人も流れる歌もしょっちゅう変わる。でも新しい歌がどんどん出てくるのは良いことだと思う。私にも良い刺激になるし。でもテレビ観てると、音楽もそうだけど、いろんなものが次から次へと入れ替わっていく。だから「忙しいな」って。1回しか聴かない曲があったりとか、「どこ行っちゃったの?」って思うことも多いし。--ヒットチャートや音楽番組を見てもアイドルだらけの状況にはどんな印象を?
上間綾乃:元気だよね!--(笑)
上間綾乃:今の世の人たちに元気を与えてると思う。アイドルの方たちは歌手というか、もうブランドじゃないですか。いちタレントというか、マルチプレイヤー。歌もできて、ダンスもできて、舞台もやって、バラエティも出て、全部出来ないとアイドルとして成立しない。あと、あの一生懸命な目ね。競争社会でしょ? その頑張っている姿が疲れた世の人たちを元気付けてるんだろうなって思う。私にはそういうやり方はできないから……--スタイルが違いますからね。上間綾乃が急に……
上間綾乃:ミニスカート穿き出して。--驚きますよ(笑)。
上間綾乃:多分、全力で止められると思う(笑)。--音楽シーンに対して「もっとこんな風に変わっていけばいいのにな」って思ったりする事はないですか?
上間綾乃:歌が短すぎるからなのか、何が原因か分からないんですけど、最近は「音楽はタダ」みたいな感覚がどこかにあるじゃないですか。ダウンロードが出来たりとか、動画サイトで聴けたりとか、そういう身近さ、手軽さ、入口が広くなったのは良いことだと思うんですけど、みんなそこからもっと中まで入っていけばいいのになって思います。そうならないのが寂しい。昔……昔と言っても大昔だけど、その場に行かないと観れないもの、聴けないものがたくさんあって。だから足を運ぶんだけど、今はコンサートにまで足を運んでもらうのもなかなか難しいじゃないですか。その辺までもっと身近に感じてもらえるようになったら良いなって思います。今は身近なんだけど遠い。--上間綾乃はまさに生で聴きにきてもらいたい音楽をやってますよね。
上間綾乃:だからすごく「聴きにきてもらいたい」って思う。CDも手にとって楽しんでほしいんですけど、ライブでしかお話できないこととかもあるし、歌っていうのは生物なんだよっていうことも感じてほしいし。--ちなみに、上間さん自身はどんな音楽を好んで聴いているんですか? 1年半前はディープ・パープルにハマってましたよね。想定外でしたけど。
上間綾乃:(笑)。今はアバを聴いてます。『マンマ・ミーア!』のサントラバージョンが凄いツボで。今日も朝から聴いてきた。空がどんよりしていたから「楽しい気分になろう」と思って。あとはコールドプレイも好き。なんだろう? あの世界は。DVDも持ってるんですけど、あの世界はコールドプレイにしか表現できないと思うから凄い。最近は旅番組とかのBGMを聴いて「あ、あの曲だ」って気付けることがちょっとずつ増えてきていて、それが嬉しくて。「あ、ここであの人の曲流す?」とか、そういうのが面白い。--音楽は知れば知るほど全部面白くなってくるから、いろいろ聴いていったほうが絶対楽しめるようになるんですよね。
上間綾乃:私もそう思う。リリース情報
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Interviewer&Photo:平賀哲雄
誰が作っても歌はみんなのものだから
--日本のアーティストで気になる人はいますか?
上間綾乃:さだまさしさんのアルバムとか、Coccoさんとか……Coccoとさだまさしってなんか凄いですよね(笑)。--どちらも振り切れたアーティストではありますけどね(笑)。
上間綾乃:さだまさしさんのコンサート良いですよ。人間味が溢れてる。--では、音楽に限らず、映画や本やアニメなどエンターテインメントや創作物の中でハマったものってあったりしますか?
上間綾乃:宇宙の本とか読んでます。宇宙は詳しくないんですけど、好きなんですよ。この前もテレビで「UFOはいるのか?」ってやってましたけど、そういう取り留めのない世界が好きなんですよ。未知すぎて、結局「分からない」で終わるんですけど、だからこそ楽しい。全部見えたら全部知った気になって興味を無くしてしまうから「だから私も全部見せない」って思ったり(笑)。分からないから面白い。全部知るのは無理だけど、ちょっと分かっただけで嬉しくなる。--そういういろんな表現者や創作物が在る中で、上間綾乃の在り方もまた唯一無二になっていると思うんですが、自分ではどう思います?
上間綾乃:他に居ないなとは自分でも思いますね。もし長い髪の三線を持った女の子が沖縄から出てきたとしても、多分被りはしない。他にはいない……って自分で言うのも恥ずかしいけれど、だからこそ自分にしか出来ないものをやりたいっていう想いは強いです。--そんな上間綾乃の最新アルバム『魂(まぶい)うた』、自身ではどんな作品になったなと感じていますか?
上間綾乃:いろんな垣根を越えた作品。「歴史も命も人もみんな繋がってるよ」っていうことが表現できたんじゃないかなって。7曲ですけど、すごく濃い1枚になったかな。--『魂(まぶい)うた』というタイトルにはどんな想いが込められているんでしょう?
上間綾乃:そのまんま。ツアータイトルを考えていて「これがいい」「あれがいい」って案を出し合っていたんですけど、その中で「魂(まぶい)うた」が出てきたときにすごくしっくり来て。心からの歌、命そのものを歌にして、だから「魂(まぶい)うた」。素敵なタイトル過ぎて「ちょっとどうかな?」とも思ったんですけど、今までの歌の道を振り返って見つめなおしたきに「やっぱり今、心からの歌をうたいたい」と思って、そしたらしっくり来たんです。--そのリード曲となっている「命結-ぬちゆい」は、加藤登紀子さんのカバーですけれども、どうして今回この曲を上間綾乃の歌で届けたいと思ったんでしょう?
上間綾乃:登紀子さんが「歌ったら?」とすすめてくれたんです。それはすごく嬉しかった。メジャーデビュー前から仲良くさせて頂いていて、すごく気にかけてくれて、登紀子さんのコンサートや事務所にも遊びに行ったり。そんな中で「命結-ぬちゆい」を私に歌わせてもらえることになって。登紀子さんは、なにも相談しなくても、もう全部分かってくれてるんですよ。「なんで私が今思っていたことを分かってくれるんだろう?」って思うんですけど、もう東京の母のような存在なんです。その尊敬している登紀子さんから「合うと思うよ」って……それが素直に嬉しくて。歌の内容もとても共鳴したので歌わせてもらいました。--実際に歌ってみていかがでした?
上間綾乃:レコーディングは「もうちょっとこういう風に歌ってみたいな」って試行錯誤しながら歌っていたんですけど、最終的に素直に想いを乗せることが出来ましたね。早くみんなに聴いてほしいし、登紀子さんにも聴いてほしいって思いました。新しい「命結-ぬちゆい」が出来たというより「新しい自分が出来たよ」っていう感覚。私はカバーっていう言葉があんまり好きじゃないんですけど……良い歌は歌い継がれていくべきだし、それが自然なことだと思っているので。--民謡や島唄を誰かが歌う度に「カバー」とは言わないですからね。
上間綾乃:そう、それと同じ感覚なんです。だから「カバー」って言われると「え?」って思うんですけど、この曲もすごく自然な感じで歌い継がせてもらいました。……そうですよね、民謡をカバーするって言わないですもんね。--“民のうた”“みんなのうた”って書いて民謡ですからね。
上間綾乃:そうなんですよね! だから「命結-ぬちゆい」もみんなのうたなんですよ。いつしか自分の歌は自分だけの歌になって「あの人には歌わせたくない」みたいなことも出てくるようになったと思うんですけど、誰が作っても歌はみんなのものだから。誰かが歌いたいと思ったら歌い継いていくことが自然の姿だと思う。でも「命結-ぬちゆい」は生半可な気持ちでは歌ってないですよ。--そういう歌い手だと分かってるから加藤登紀子さんも「歌ったら?」「合うと思うよ」と仰ってくれたんだと思いますよ。今作『魂(まぶい)うた』を携えたツアーではどんなライブをお届けしたいですか?
上間綾乃:さっき私のありたい姿、という話がありましたが、まさにあったかい、やさしいライブになればいいなと思います。でも、そのときにならないと、そのときの気持ちは分からないから何を話すか分からないですけどね(笑)。--今後の上間綾乃はどうなっていきそう?
上間綾乃:いまは目の前のことに集中して、とにかく良い歌を歌おうと思っています。今後についてはまだまだわからないですが、でもいろんな可能性があると思うから、ワクワクしています。--以前「紅白は……うん、出ると思ってる。」とさり気なく仰っていましたが、今もその感覚に変わりはなく?
上間綾乃:今はあんまり思ってないかな(笑)一同:(笑)
上間綾乃:出られるのなら「ありがとうございます。願ったり叶ったりです。みんな喜びます。田舎の父母も喜びます」ってなるけど、今は目の前のことで精一杯かも。でもいっぱいいっぱいの精一杯じゃなくて、一生懸命という意味で。その一生懸命が繋がっていつか出られたら有り難いなとは思ってます。なので、丁寧に今あるものと対峙していきたい。--今回のアルバムも丁寧に届けていきたいでしょうし。
上間綾乃:最後のマスタリングのときに全曲を通してスタッフみんなと一緒に聴いたんですけど、思わず泣いちゃいました。今まで苦しかったことや、頑張ったこと、みんなでやり取りしたこととか、自分だけじゃなくみんなも一生懸命になってくれるから出来る訳で、それがまたみんなのもとへ届くんだなと思ったりとか、いろんな想いが込み上げてじわっと涙が出るんですよ。それぐらい思い入れがある、1曲1曲が大事な曲なので、大切に歌っていきたいです。Interviewer&Photo:平賀哲雄
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