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【再掲】japan(finds) Vol.10 「日本のファンに聴かせたい曲」プレイリスト公開&「シャカタクに聴かせたい日本の楽曲」のコメント
7月下旬から来日公演を控えるジャズ・フュージョン界の伝説のバンド、シャカタク。長年に渡り活躍し、多くのファンに愛されている彼らのショーが今年もまたビルボードライブで行われる。今回、来日を控えるバンドのドラマー、ロジャー・オデルにインタビューし、シャカタクがお薦めする“日本人に聴かせたいジャズ・フュージョンソング”のプレイリストを作成。音楽ファンも唸らせる、ジャズを知り尽くした彼らならではの選曲になっている。
また、「シャカタクに聴かせたい日本の名曲」12曲を聴いた、ロジャーからコメントも到着。
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01. Chameleon - Herbie Hancock
この曲はジャズとファンクのリズムを見事に融合させた最初の作品のうちの一つで、私達シャカタクに大きな影響を与えた曲だよ。ハービーのアルバム『ヘッド・ハンターズ』に収録されているこの曲は、今聴いても当時の衝撃が全く色あせていないくらい新鮮に聞こえるよ。
02. All Blues - Miles Davis
この曲は、現代で最も知られている“ジャズ”アルバムのうちの1枚に選ばれる『カインド・オブ・ブルー』からの曲だ。マイルスは自身の音楽を“スムースジャズ”と呼ばれることに嫌悪感を持っていたんだけど、即興演奏やマイルス独特のリラックスしたムードを醸し出す演奏技法が、後のスムースジャズ作品に多大な影響を与えたんだ。
03. The Girl From Ipanema - Stan Getz / João Gilberto
この曲がきっかけで、ラテンリズム(この曲で言うと、ブラジルのボサノバ音楽)を取り入れたジャズミュージックの独奏が世界的に知られるようになった。この曲はまさに、真のフュージョンが表現されている例の一つで、今ではボサノバのテンポがジャズ音楽作品で多く使われている。女性ボーカルのアストラッド・ジルベルトの歌声と、そのビートに合わせて歌われる言葉の表現がとても美しくて、いつまでも耳に残って離れないね。
04. Birdland - Weather Report
真のフュージョンミュージックがここにもう一つ! ウェザー・リポートは世界屈指のプレイヤーが各国から集まって結成されたバンドで、とてつもなく素晴らしいベーシスト、ジャコ・パストリアスを迎えたセルフ・タイトル・アルバムは、彼らのベスト作品の一つと言える。この曲で、彼らが美しいメロディーの曲も書けるということを世に証明したね。
05. ミッドナイト・ランデブー - カシオペア
私達シャカタクはみんな、日本のバンド、カシオペアの大ファンなんだ。これまでの来日で何度か彼らと話をする機会にも恵まれたよ。あれはラッキーだったね。この曲が入った『Mint Jams』と『MAKE UP CITY』はおススメだから、フュージョン・ファンは、ぜひ一度聴いてみてほしい。
06. Miles Runs The Voodoo Down - Miles Davis
マイルスの出番はこれで2度目だけれど、外さないわけにはいかなくてね。しょうがなかったんだ。この曲が入った『ビッチェズ・ブリュー』は、電子機器と当時では当たり前だったテープ編集のような録音技術を用いて制作された初期のジャズ作品だよ。“フュージョン”であるのは間違いないが、 “スムースジャズ”ではないことは明らかだね!
07. Emergency - Tony Williams
『エマージェンシー!』からのこの曲は、多くの人達からフュージョン・ジャズとロックをミックスして生まれた初めての曲として知られている。パンチが効いているから、小心者には不向きの曲だが、天才ドラマー、トニー・ウィリアムスとイギリス人ギタリストのジョン・マクラフリン、そして激しく渦巻く、別世界もののサウンドを奏でるオルガン奏者のラリー・ヤングのセッションが、好奇心をくすぐるモダンミュージックを生み出している。
08. Winelight - Grover Washington Jr.
この曲はスムースジャズ・サウンドの典型的な例で、この曲とビル・ウィザースが歌う「クリスタルの恋人たち(Just The Two Of Us)」が入ったアルバムは発売当時、爆発的に大ヒットしたんだ。ファンキーなリズムにグローバーの感情がこもったサックスプレイがカッコいいよね。
09. Mountain Dance - Dave Grusin
80年初期、シャカタクのツアー中に訪れたクラブでDJがこの曲を流していたのを覚えている。誰の曲か彼に聞いたら、アルバム・ジャケットを見せてくれたんだ(もちろん、当時はレコードだよ!)。ドラマーの、ハーヴィー・メイソンがこの曲が収録されているアルバム『Mountain Dance』全体を通して、素晴らしいプレイをしているね。
10. Rio Funk - Lee Ritenour
シャカタクに大きな衝撃を与えたもう一作品がこの曲。真のフュージョンが詰まった作品でもあるけど、これはさらに、ジャズにロックに、ラテン、そしてファンクが融合した作品だ! 『リー・リトナー・イン・リオ』というアルバムに入っていて、リーのギターテクが見事だし、バンドもうまく一つにまとまっているところが良いね。
11. A Night In Tunisia - Chaka Khan
『WHAT CHA’ GONNA DO FOR ME/ 恋のハプニング』に収録され、作曲をディジー・ガレスピー、作詞をチャカ自身が手掛けたこの曲には度肝を抜かれるよ! チャーリー・パーカーが原曲を手掛けたんだけど、そのブレイク4小節に注目してほしい。ジャズ音楽に影響を受けたチャカの、ソウルとジャズの融合は今でも世界一だと思う。
12. Got A Match? - Chick Corea
ジャズラテン・バンド、リターン・トゥ・フォーエヴァーの解散後、ジャズロックに転身したチックが発表した作品の一つが、この曲が収録されている『ザ・チック・コリア・エレクトリック・バンド』だよ。リターン・トゥ・フォーエヴァーの代表作の一つ『ライト・アズ・ア・フェザー』の収録曲に関して言うと、彼の音楽のセンスが素晴らしく発揮されている「スペイン」は一聴の価値ありだよ。
13. Street Life - Randy Crawford
元々は、ザ・クルセイダーズの同名アルバムからの曲で、ビルボードのポップチャートのトップ40にも入った曲なんだ。ザ・クルセイダーズもジャズとファンクを結びつけたバンドを語るのに不可欠なグループで、彼ら音楽の才能と、ボーカルのランディ・クロフォードのソフトで美しく、かつ魂がこもった歌声のコンビネーションを聴いていると、まるで催眠術にかかってしまうかのようだ。
14. 急がば廻れ - 渡辺香津美
古くからの友人である香津美は類い稀なギタリストで、私達が初来日を果たした時に初めて出会ったんだ。実は、その飛行機の中で彼のアルバム『MOBO』を聴いていたから、彼が弾くフュージョンギタープレイには馴染みがあったんだ。彼には、シャカタクの『ワンス・アポン・ア・タイム』に参加してもらっているよ。
15. Mornin’ - Al Jarreau
アル・ジャロウは、ジャズ界にどっぷりと浸かったグラミー受賞経歴を持つシンガー。シンプルに自分の名前をタイトルにした、この曲も収録されている『ジャロウ』は、今でも最高傑作だね。彼はスキャットを得意とした卓越したシンガーで、彼をフィーチャーした私達の曲「デイ・バイ・デイ」でもそれがはっきりと分かるよ。彼と共演が出来たことをとても誇りに思っている。
公演情報
ShakatakBillboard Live Japan Tour 2017
ビルボードライブ東京:2017/7/24(月)~25(火)&27(木)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2017/7/28(金)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
BAND MEMBERS
ビル・シャープ / Bill Sharpe (Piano, Keyboards)
ジル・セイワード / Jill Saward (Vocals, Percussions, Flute)
ジョージ・アンダーソン / George Anderson (Bass)
ロジャー・オデル / Roger Odell (Drums)
デビー・ブラックネル / Debby Bracknell (BGV)
アラン・ウォーマルド / Alan Wormald (Guitar)
関連リンク
japan(finds) Vol.10:Shakatak
「シャカタクに聴かせたい日本の楽曲」12曲を聴いたシャカタクからコメントが到着!
来日アーティストに日本の様々なものを探求、発見してもらう企画『japan(finds)』。現在Apple Musicで好評配信中の「シャカタクに聴かせたい日本の名曲」を聴いたシャカタクのドラマー、ロジャー・オデルからコメントが到着した。
01. 雲路(Passage Of Clouds) - THE SQUARE
私達シャカタクはこのバンドをよく知っているよ。ナイスなソロにインストゥルメンタル・メロディーが上手く効いている。ドラムに関して言えば、もう少し抑えた方が、個人的には好きなんだが、しっかりと曲調に合ったアレンジメントになっていると思う。まさに80年代のサウンドだね。
02. LOVE THEME~ルパン三世愛のテーマ - 大野雄二
マイルス・デイビスを彷彿とさせるようなサックスとトランペットが見事な、美しいバラードソングだね。コードチェンジが気に入っている。それに、サックスソロに合わせてダブルテンポに切り替わる技はナイスアイデアだと思うよ。最高のプレイヤー達が集まったこの曲は、12曲の中で今回1番気に入ったよ。
03. Butterfly - Mondo Grosso
彼らのことも知っているよ。個人的には、リズムを少し崩し過ぎた感じがあるのとキックがちょっと大きい気がするけど、ボーカルの歌声がとてもいいね。ボーカルの声とインストゥルメンタルの組み合わせも抜群だ。
04. ONLY A LOVE AFFAIR - 佐藤博
シンセベースのサウンドが最高だね。まさに、ポップソングって感じの曲だね。僕はあまりポップを聴かないんだが、この曲の素晴らしい出来に「お見事!」って言いたいね。
05. Saturday - paris match
イントロ、中盤、終盤に流れるボーカルとインストゥルメンタルのリフが好きだな。エレクトロ・ピアノとトランペットのソロも好きだね。ホーンがボーカルの声に覆いかぶさってしまっているのが少し残念だ。
06. 伊豆甘夏納豆売り - 高中正義
ギターのバースを引き立てる前奏が何とも興味深い。ときおり聞こえる奇妙なサウンドはコーラスなのかな?想像力に富んだ一癖あるボーカルとインストゥルメンタルの使い方だね。最後の長いフェードアウトもいいね。
07. JET COAST - Suchmos
いろんなリズムが混ざり合った“忙しい”曲だね。もう少し滑らかな曲調の方が僕は好きだな。この曲も典型的なポップソングと言えるね。スクラッチを用いることで、モダン感を出そうとしたのかな。
08. The Great Escape - SING LIKE TALKING
色んなサウンドが混ざり合ったアレンジメントがまるでタワー・オブ・パワーみたいだ!中盤のブレイクダウンで奏でられるドラムがいいね。もう少しアレンジをシンプルにした方が個人的には好きなんだけど、この曲を聴いていて、楽しそうなレコーディング風景が目に浮かぶよ。
09. 潮の香り - オフコース
出だしはブラジリアン・テイストなのに、オールド・スタイルのポップに変化する様がとてもいい。あまり耳にしない珍しいサウンドとシンセソロが見事にマッチングしているね。
10. マチルダ - 大橋トリオ
ほら見て、インディアン達のお出ましだよ!なんてね。とっても変わったサウンドだね!ギターリックがカッコいい。
11. Crush!- SOIL&“PIMP”SESSIONS
スリップノットmeetsタワー・オブ・パワー! イントロが何ともクレイジー! すさまじい勢いのブラスチューンだね。途中ピアノ演奏で落ち着きを取り戻すけど、サックスソロによって狂気の世界に引き戻されるんだ!すごく気に入ったよ!
12. 銀河鉄道999 - ゴダイゴ
世の中には今聴くと、ものすごく古くて懐かしく聞こえる曲がいっぱいあるけど、この曲もそういう曲の内の一つだね。
公演情報
ビルボードライブ東京:2017/7/24(月)~25(火)&27(木)>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2017/7/28(金)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
BAND MEMBERS
ビル・シャープ / Bill Sharpe (Piano, Keyboards)
ジル・セイワード / Jill Saward (Vocals, Percussions, Flute)
ジョージ・アンダーソン / George Anderson (Bass)
ロジャー・オデル / Roger Odell (Drums)
デビー・ブラックネル / Debby Bracknell (BGV)
アラン・ウォーマルド / Alan Wormald (Guitar)
関連リンク
タイムス・アンド・プレイセス
2016/07/20 RELEASE
VICP-75159 ¥ 2,970(税込)
Disc01
- 01.アイ・ウィル・ビー・ゼア
- 02.タイム・アンド・プレイス
- 03.チェック・イン
- 04.ヘッズ・トゥ・ザ・スカイ
- 05.ホーンティング
- 06.キャリー・オン
- 07.コラリー
- 08.ケープ・タウン
- 09.グッバイ・トゥ・ザ・シティ
- 10.ワンダフル
- 11.サンド・アンド・ザ・シー
- 12.オープン・スカイズ
- 13.ハウ・ドゥ・ユー・スリープ・アット・ナイト (ボーナス・トラック)
- 14.ミスター・ファナティカル (ボーナス・トラック)
- 15.ムーヴィン・オン (ボーナス・トラック)
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