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エディ・リーダー 来日直前インタビュー
7月に来日公演が迫る、元フェアーグラウンド・アトラクションのボーカリスト、エディ・リーダーにインタビューを敢行。来日公演についてはもちろん、今年3月にリリースしたベストアルバム『The Best Of Eddi Reader』から、家族や故郷についてなど、パーソナルな部分も存分に語ってくれた。彼女の愛の溢れるインタビューを是非ご覧いただきたい。
>『エディ・リーダー 来日記念特集~スコットランド屈指の癒しの歌声』はこちらエディ・リーダー 来日直前インタビュー
――2年ぶりの来日公演ですが、どのようなステージになりますか?また、日本で楽しみにしていることはありますか?
エディ・リーダー:日本という国にいれること、そして日本独特の趣や創造性から得る刺激を楽しみにしているわ。音楽については、昔のフェアーグラウンド・アトラクション時代の曲から今まで作ってきた私自身のアルバムの曲を、ライブ用にミックスして披露するつもりよ。
▲Eddi Reader『The Best Of Eddi Reader』
――今年の3月に『The Best Of Eddi Reader』というアルバムをリリースしましたが、なぜこのタイミングだったのでしょうか?また、このアルバムに収録されている30曲はどのように選びましたか?
エディ・リーダー:今、本を執筆しているところなんだけど、マネージャーのトム・ローズに、今までの私が歩んできた音楽の旅路を振り返るには今が良いタイミングだと言われたのよ。でも私は今まで作曲してきた曲すべてが私にとって凄く意味のあるもので、どの曲がベストで、どの曲がベストではないかなんて、絶対選べないと思ったわ。だから彼に、“あなたがそのアルバムを作りたいとインスパイアされたなら、あなたが曲を選んで”と言って、収録する曲を送ってもらったの。
そして、そのアルバムを聴くために、そのとき家にいた人には出て行ってもらって、静かな環境で、あたかも初めて聴く音楽かのようにひとりきりで聴いたのよ。そしたら、今までの過ぎ去った美しい時間を思い出して、少し涙が出てきたわ。どの曲も愛に満ちているの。
▲Eddi Reader「Willie Stewart」Live(『The Best Of Eddi Reader』収録曲)
――『The Best Of Eddi Reader』の中から特にお気に入りの曲を3曲教えてください。
エディ・リーダー:それはどうしても出来ないわ。私には“お気に入り”がないんだもの。もし何かを選ばないといけなかったら、その他の曲に対する見地を下げなければならないからよ。ひとつひとつの曲は、子供の頃に面倒を見てもらったときに感じる感情のようなものなの。愛情がこもった思い出は、どれかが他のものより“良い”なんてことはないからね。すべてが愛という面において素晴らしいものなの。
――今後の音楽活動の目標や夢はありますか?また、共演してみたいアーティストはいますか?
エディ・リーダー:今は、Adam Holmesというスコットランド人の素晴らしいミュージシャンと音楽を作っているわ。あとは、最近ロディ・ハートと彼のバンドLonesome Fireとも仕事をしたのよ。他のアーティストと一緒に仕事をすることはとても楽しいわ。これからどんな音楽の冒険が私の道を導いてくれるかはまだわからないけどね。
▲Aaron Neville「Tell It Like It Is」Audio
――普段はどんな音楽を聴いていますか?また現在、注目しているアーティストはいますか?
エディ・リーダー:いつも聴いている音楽もあるし、新しい音楽を見つけては食い入るように何週間も聞くこともあるわ。でも私の音楽の好みは私自身の感情と繋がりがあると思うの。私の夫のジョン・ダグラスがアメリカツアーに出発してから、アーロン・ネヴィルの「Tell It Like It Is」をずっと繰り返し聴いているのよ。この曲は私たちふたりとも恋に落ちたかのように大好きな曲のひとつだからね。この曲を聴くと彼を思い出すわ。
――フェアーグラウンド・アトラクション時代からソロ活動をしている現在まで、アーティストとして大きな変化や挑戦はありましたか?
エディ・リーダー:特にはないわ。私はステージに立っているとき、その音楽の中にあるものを出し切るように歌うからよ。ただ、歌うことがいつか出来なくなるのかと思うと怖くなるわ。でも、今のところはアーティストとしても良い感じで、家族も食事も旅行も安らぎも与えられている。アーティスト活動は私が何かに迷っているときに幸せを与えてくれるのよ。
私が一番好きな時間は、感情的でそして催眠的な音楽の中で迷子になったように夢中になっているとき。だから私にとっての挑戦は音の機材があまり良くなくて、その音楽の中で夢中になっている私を止めてしまうときなの!でも、こうゆうことが日本で起こったとこは一度もないわ。日本のエンジニアと音響の人たちは驚くくらい優秀だからね。だから、日本にはエンジニアを連れていかなくて済むわ!(笑)
――作曲するにあたり、気を付けていることはありますか?
エディ・リーダー:私が感じたままに作曲しているわ。
――名曲「Moon River」など、これまでカバー曲も歌われていますが、今後カバーしてみたい曲などはありますか?
エディ・リーダー:「Your My World」という60年代の曲と、「In The Wee Small Hours Of The Morning」という曲を2日前の夜に歌ったわ。そんな感じで自分が歌いたいと思う曲を歌っているのよ。
――スコットランドのグラスゴー出身ということですが、あなたにとって故郷はどのような存在ですか?また、幼少期はどのような音楽を聴いていましたか?
エディ・リーダー:私は故郷が大好きなの。私の音楽教育の始まりは、年上の家族や親戚が集まったときに聞いていた彼らの歌声だと思うの。伴奏なしでも、まるでオーケストラがいるかのような力強い歌声を聞くことが大好きだったのよ。私は音楽が持っている力が、その場の雰囲気を変えることが出来るということを学んだわ。
――シンガー・ソングライターになろうと思ってきっかけを教えてください。
エディ・リーダー:今まで聞いてきた音や私の考えのすべてが作曲の励みになっていると思うの。私が工場で働いているときや階段を掃除しているとき、それから近所の子供や兄弟、姉妹、いとこ、そして自分自身の子供たちの面倒を見ているとき。そんな時に聞こえてくる音からいつも作曲していたわ。
▲Eddi Reader & John Douglas@Billboard Live TOKYO 2013
――今回の来日公演でも共に出演するバンドメンバー(夫であるジョン・ダグラスを含め)との忘れられない思い出をひとつ教えてください。
エディ・リーダー:彼らを忘れたことは一度たりともないわ!毎回、忘れられないコンサートになっているの。
――現在も変わらない心に響く優しい歌声ですが、この歌声を保つために心がけていることはありますか?
エディ・リーダー:よく寝て、水を飲んで、少しウォームアップして、それからあまりストレス溜めないようにしているわ。
――作曲や音楽活動をするにあたりモチベーションとなっているものはなんですか?
エディ・リーダー:愛。
――最後に、日本のファンのみなさんに一言お願いします。
エディ・リーダー:日本に行く機会を与えてくれてありがとう。日本のファンがいなければ、こうして世界の反対側に行って歌うなんてことは出来なかったもの。だから本当にありがとう、kiss kiss アリガトウ、アリガトウ、ドウモアリガトウ!kiss kiss!
公演情報
エディ・リーダー
ビルボードライブ大阪:2016年7月4日(月)
⇒公演詳細はこちら
ビルボードライブ東京:2016年7月5日(火)-6日(水)
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INFO: www.billboard-live.com
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