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a brand new concert issue "minima" - ミニマ - Salyu × 小林武史 - session 1 - @ 下北沢GARDEN ライブレポート(1月29日・再掲)
a brand new concert issue "minima" - ミニマ - Salyu × 小林武史 - session 1 - | 2015.12.10(土)at 下北沢GARDEN
“minima”シリーズの発展=無限に広がる Salyu の音楽宇宙があらわになった一夜
Salyuと小林武史が濃密なセッションを重ねるライブシリーズ「“minima”-ミニマ-」の1年半ぶりの公演となる「a brand new concert issue "minima" - ミニマ - Salyu × 小林武史 - session 1 -」が、下北沢GARDENにて、12月7日と10日の2日間にわたって開催された。この稿では10日の模様をレポートする。
Salyu自身も「ワンマンでスタンディングなんて何年ぶりだろう?」とオーディエンスとの距離の近さに喜びを隠せない様子だった。ライブのタイトルからもわかるように、この公演は“minima”シリーズの新局面の始まりを告げるものであり、“session”がキーワードになっている。Salyuと小林武史に加えて、今回はドラマーのあらきゆうこが招かれた。Salyuという天賦の才を持ったボーカリストが追求する、比類なきポップミュージックの極意。そこに無限の音楽的な可能性が広がっていく瞬間を、ミニマムな編成によってオーディエンスとともに体感する“minima”のあらたなる妙趣は、1曲目の「emergency sign」を皮切りに、鮮明な輪郭をもってあきらかになった。
軽重や剛柔を自在に操るドラミングでグルーヴの根底を支える、あらき。キーボードで音像をコントロールする小林は、ピアノやシンセのフレーズのみならず左手でベースラインも弾いてみせる。そして、万能感とすごみに富んだSalyuのボーカル力である。広い音域と多彩な旋律を天衣無縫に紡いでいくSalyuのボーカルは、シリアスなムードが流れる楽曲ではフロアを心地いい緊張感で満たし、光量の高い楽曲では解放のカタルシスを生むように躍動した。またSalyuは「エロティック」ではサンプラーとパッドを駆使しサウンドにスパイスをまぶし、「landmark」ではルーパーを使用し自らの声をその場で重ね、神秘的なコーラスを構築した。こういったアプローチはsalyu × salyuの経験と方法論を昇華したものとも言えるだろう。
ポストロックやエレクトロニカ、あるいはミニマルミュージックや現代音楽にも通じるサウンドスケープを展開しながら、最新アルバム『Android & Human Being』からLily Chou-Chou名義の楽曲まで幅広くかつレアなセットリストを染め上げた全16曲。 「これは、前から密かにやりたかった試みなんです。フルバンドのアンサンブルも楽しいんだけど、ここまでシンプルな編成で、ときに暴力的なまでに自由自在のライブをやる。これは、なかなか楽しいですよ」
MCで小林はこのように語っていたが、“minima” の“session”シリーズは、今回を機にさまざまなトライアルを実施していくだろう。そして、そこで浮き彫りになるのは、Salyuと小林が切り拓くポップミュージックの革新的な地平に違いない。日本のポピュラーミュージックシーンにおける至宝とも言うべきボーカリストは、2016年もその進化を止めない。
text:三宅正一
◎今後の公演情報
a brand new concert issue " m i n i m a " - ミニマ -
Salyu × 小林武史 - session 2 -
ビルボードライブ東京
2016年2月9日(火)・10日(水)
1stステージ 開場17:30 開演19:00
2ndステージ 開場20:45 開演21:30
Android & Human Being
2015/04/22 RELEASE
TFCC-86513 ¥ 3,520(税込)
Disc01
- 01.先回りして 1
- 02.非常階段の下
- 03.リスク
- 04.心の種
- 05.有刺鉄線
- 06.先回りして 2
- 07.フェスタリア
- 08.カナタ
- 09.THE RAIN
- 10.希望という名の灯り
- 11.先回りして 3
- 12.アイニユケル
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