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COUNTDOWN JAPAN 15/16 特集レポート:ロック・ファン年末の風物詩を独自写真で振り返る!
様々な音楽フェスが台頭している中、言わずもがな年末の風物詩となっている【COUNTDOWN JAPAN 15/16】。大人気バンドから、今年公開の映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』のキャストが集結したトークショー、2015年12月28日から2016年へと変わる年越しの瞬間まで、のべ180組のアーティスト達による熱いライブの模様を、独自の写真と共にお届け!
DAY1. 12月28日
miwa / 04 limited sazabys / サンフジンズ / TEMPURA KIDZ / ASIAN KUNG-FU GENERATION メインステージであるEARTH STAGEでは、ゴールデン・ボンバーの後も、パワフルなバンド編成のmiwaや、「中田ヤスタカさんに頼んでチャラいリミックスを作ってもらった」という"クラブ/パリピ仕様"きゃりーぱみゅぱみゅ、BABYMETALなどバラエティ豊かなポップ・アクトが活躍した。
そんなEARTH STAGEのラスト2組をつとめたのがくるり、そしてASIAN KUNG-FU GENERATIONという、最早ベテランの域に入りつつあるロック・バンドたち。トリ前となったくるりは名曲「ワールズエンド・スーパーノヴァ」からライブをスタート。演奏力には定評の高い彼らだが、ドラムスの福田洋子らをサポートに迎えたこの日の演奏では、そこはかとなくブラック・フィーリングが増大。高音を抑えたまろやかな出音と相まって、温かいダンス・フィールが場内を満たした。さらにそこからは「ワンダーフォーゲル」、「Liberty & Gravity」、「ばらの花」、「ロックンロール」、「虹」とまさにベスト・ヒット的な内容で選曲でも会場を盛り上げる。そんな中、披露された「everybody feel the same」は、それが2011年のあの震災を受けて作られたアルバム『坩堝の電圧』の一曲であるだけに、この2015年の年の瀬にも風化されるべきでない記憶や感情を呼び起こすようで印象的だった。
andropや04 Limited Sazabysなど、ロック系のアクトが多く出場したGALAXY STAGEで序盤に登場したのが、川谷絵音率いるindigo la End。女性コーラスも迎えた編成で、「夜汽車は走る」や「瞳に映らない」などを披露。メロウで切ないロック・サウンドに乗せて、低音から高音まで伸びやかな川谷の歌声を存分に聴かせる。MCも少なめで、その抑制的な様子が演奏中に噴出するエモーションを一層引き立てる。来年2月にリリースするというシングル「心雨」の演奏も挟みつつ、ラストはR&B調の「夏夜のマジック」を川谷のハンドマイクで披露。その演奏前、「31日、家にいる人はNHKを見てください。ふふっ」と笑った川谷の姿が印象的だった(31日『紅白歌合戦』に川谷の別バンド、ゲスの極み乙女。が出演)。
個性的なロック・アクトが顔を揃えたCOSMO STAGEには、オルタナ音楽の要素を強調したポップ・ソングの数々で魅せた赤い公園や、ロックンロールの滋味深さを感じさせたサンフジンズなどが出演。この日、このステージで久しぶりのライブ復帰となったモノブライトは、前半、ホーン隊を招いた熱いモッズ風サウンドで「アナタMAGIC」や「躍る脳」を披露、ソウルフルなバンドの魅力を存分に発揮。さらに、本日MVを公開したばかりの新曲「冬、今日、タワー」(読み:とうきょうたわー)と、同じく新曲の「ビューティフルモーニング」を演奏し、来年以降の更なる活躍に期待を膨らませるようなパフォーマンスを披露した。また、MOON STAGEでは、じんや黒猫チェルシーが、ASTRO ARENAでは、tofubeatsやCAPSULEがそれぞれ熱演を繰り広げた。
トリをつとめたアジカンは「センスレス」から演奏をスタート。様々な展開を繰り広げる一曲で、まずはサラリと現在のバンドの充実ぶりを見せ付ける。そこから2曲目は「リライト」、さらに現時点の最新シングルである「Easter」へとつなげ、一気にギアを踏み込むように会場のボルテージを上げる。「みんなが知ってそうなやつやります」という後藤の“らしい”MCに続き演奏された「ソラニン」や「Re:Re:」、「アフターダーク」という、こちらもベスト・ヒット的な選曲もインパクト大。曲のイントロが鳴るたびに会場がどよめいた。また「君という花」では後藤がハンドマイクで歌唱、そのノリの良い様子に会場も朗らかな笑いに包まれた。終盤は「踵で愛を打ち鳴らそう」、「君の街まで」、(バンドのお気に入りの一曲である)「迷子犬と雨のビート」、「Wonder Future」と希望的で祝祭感のある選曲で、フェスのトリ、そして年の瀬らしいムードを演出。アンコールでは、インディーズ時代からの人気曲「遥か彼方」を披露し、来年、結成20周年を迎えるバンドの原点を確認するように、そのステージを締めくくった。
DAY2. 12月29日
キュウソネコカ / THE ORAL CIGARETTES / フレデリック / ストレイテナー / TOO YOUNG TO DIE! / MY FIRST STORY / チームしゃちほこ / [Alexandros]<GALAXY STAGE>では、BIGMAMA、ストレイテナーなど人気ロックバンド達が次々とライブを繰り広げる。序盤で登場したキュウソネコカミは、本人達曰く“本気のリハ”と題されたリハーサルで「DQNなりたい、40代で死にたい」を披露。「ヤンキー怖い」というコール&レスポンスを入場規制がかかるほどに満員の会場に響かせていた。本編では、「GALAXY」からスタートを切り、今年リリースした初のシングル「MEGA SHAKE IT!」、大人気の楽曲「ファントムヴァイブレーション」、「ハッピーポンコツ」など全8曲を披露し「ビビった」で、最後まで大いに盛り上げそのステージを締めくくった。後半では裏でMAN WITH A MISSION等が熱いステージを繰り広げている中、THE ORAL CIGARETTES、KEYTALKなど若手ロックバンド達が、負けずと熱いライブを披露。超満員の会場を盛り上げていた。
後半戦に登場したのは3年連続の出演を果たしたチームしゃちほこ。体調不良のため療養中の安藤ゆず以外の5人で登場し、1曲目の「トリプルセブン」から熱気全開のステージを展開。咲良菜緒が「大先輩と時間がかぶってしまいました……でもオオカミさんに許可を頂いて! 」と言いながらにやっと笑うと「シャチは何でもアリだからかかってこいってことだよー! 」と叫ぶとMAN WITH A MISSIONの「FLY AGAIN」と「Get Off of My Way」を披露する一幕も。「ええじゃないか!」と特大コールが起こった「J.A.N.A.I.C.A」から「抱きしめてアンセム」まで一気に突っ走り、ファンも全力のエールを送る会場はまさに一体となっていた。
2日目の大トリを飾ったのは、先日単独ツアーのファイナルを同場所幕張メッセで行い、大成功を収めた[Alexandros]。普段ジャケット姿が印象的だが、珍しく半袖姿で現れた川上洋平(Vo)を筆頭にメンバーが大歓声の中登場し、「Adventure」からライブがスタート。続けて「Waitress,Waitress」「Girl A」とアップテンポな楽曲を披露すると、川上が「あと2日あるけど……今日最後のつもりでやりますんで、よろしく! 」と、意気込んだ。その後も、フェスではおなじみの「Kick&Spin」や「Starrrrrrr」、最後の「ワタリドリ」を含めた8曲を披露し、観客を踊らせ、大合唱の渦に巻き込んだ。アンコールでは、この日、誕生日を迎えた磯辺寛之(Ba)を祝いつつ、この時期にぴったりの楽曲「12/26以降の年末ソング」のワンコーラスを弾き語り、再び「city」で会場を盛り上げると、「Dracula La」でポップに幕を閉じた。
DAY3. 12月30日
WANIMA / cero / NOISEMAKER / Mrs. GREEN APPLE / GOOD4NOTHING / Locofrank本イベント初登場にして〈GALAXY STAGE〉のトップバッターという異例の出演を果たしたWANIMAのステージ。途中、KENTA(Vo,Ba)の合図でオーディエンスがカウントダウンを始め、0を数えた瞬間「THANX」の演奏で会場を沸かせたりと、終始満面の笑みを見せる彼らとファンが共に喜びを分かち合えた“ワンチャン”大成功のステージとなった。その後は、今年、武道館初出演を果たしたパスピエ、熱いロックンロールで会場を盛り上げたTHE BAWDIESなどが出演した。
4人組のガールズバンド、ねごとからスタートした〈COSMO STAGE〉には、2番手でOKAMOTO'Sが登場。「アップサイドダウン」や「まじないの唄」を披露し、楽器隊が演奏している手元がビジョンに映し出されるたび大きな歓声が上がり、オカモトショウ(Vox)がライブを引っ張るそのステージングは貫禄を見せ付けられるようだった。同ステージでは、本イベント初出演となったMrs. GREEN APPLE、大阪のメロディックパンクバンドGOOD4NOTHINGなど、個性的なバンドが顔を揃えた。
DAY3. 12月31日
Charisma.com / Shiggy Jr. / Suchmos / GLIM SPANKY / ドレスコーズ / ハルカトミユキ / ウルフルズ / SPECIAL OTHERS / 10-FEET / SCANDALスタンド席からも観覧が可能な<ASTRO ARENA>では、各アーティストがアリーナをダンスフロアに変えていった。Charisma.comやSuchmos、Shiggy Jr.、水曜日のカンパネラといった、バラエティあふれる計14組が自分たちのカラーに会場を染め上げた。
〈EARTH STAGE〉に登場したのはウルフルズ。歓声沸く中「いい女」のハーモニカのイントロが響き渡り、会場のボルテージは一気にはね上がった。「今年も一年ありがとう。来年も盛り上がっていこう!」と「ガッツだぜ!!」「バンザイ ~好きでよかった~」「ええねん」「てんてこまい my mind」「バカサバイバー」とオーディエンスとのコール&レスポンスの応酬は続き、更に「ロッキン50肩ブギウギックリ腰」では、曲中に出てくる様々な病状をソウルフルに繰り広げた。シャウトしすぎたせい(?)か、ステージ上で突然倒れこんだトータス松本(Vo)はタンカーで運ばれ、ウルフルケイスケ(Gt)の「もう一回トータスに会いたいかー!?」の声にトータスコールが始まり、コールに呼び戻される形で無事にステージに戻ったトータス松本は歌声を響かせ、「どうもありがとうウルフルズでした!」と締めくくった。
2015年もあとわずかになる中、お馴染みの「そして伝説へ」のSEとともに盛大に迎えられた10-FEET。「VIBES BY VIBES」「focus」「2%」といった盛り上がるしかない楽曲にスカダンスが巻き起こる中、いつの間にかメンバーはスタッフに取り囲まれ、3人はサル(の着ぐるみ)に姿を変えた。突然の生着替えに観客はざわつくも、2016年への10カウントを「男女交互にスタンドアップをするように!」とのレクチャーが始まる。会場が戸惑いに揺れながらも、ステージ上も客席も笑顔が弾けるカウントダウンが行われ2016年を大歓喜で迎えた。そして、熱が冷める間もなくはじまった「RIVER」ではMAN WITH A MISSIONのメンバーをゲストに迎えるなど、迎春にふさわしいCOUNTDOWN JAPANでしか体験できないライブとなった。
2016年を迎えた幕張メッセでは、盛大にイベントを締めくくるべく各ステージで多彩なアクトが展開。NICO Touches the Wallsの出演キャンセルによりピンチヒッターとして登場したBLUE ENCOUNTや、SCANDAL、BRADIOらが熱演を繰り広げ、大団円の中【COUNTDOWN JAPAN 15/16】はフィナーレを迎えたのであった。
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