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ダニエル・ラノワ 幻想的でスピリチュアルな音世界
U2、ネヴィル・ブラザーズ、ボブ・ディランなど数多くのアーティストを手掛けた名プロデューサー、ダニエル・ラノワの初来日公演が実現し、幻想的でスピリチュアルな音世界を繰り広げた。
2012.01.16(月)at Billboard Live TOKYO|ライブ写真&セットリスト
今ここでしか出来ない「ライブ」
ダニエル・ラノワによるエレクトリックマンドリンによる名曲の再演から静かに公演が始まった。 ステージ上はビルボードライブでは見たことが無いくらい3人のプレイヤーがステージ中央に 寄った形で演奏が進行する。それでも音が精妙に組み合わさって聞こえることから、 ドラム、ギターアンプ、ベースアンプの方向と音量が完全にコントロールされていることが分かる。
2曲目からはレスポールに持ち替えてフィンガーピッキングによる演奏となった。 低音をブライアン・ブレイドのキックと、ロリンズバンドのジム・ウィルソンのベースとmoogの ベースシンセで支え、その上をダニエル・ラノワのギターとブライアン・ブレイドのタムを多用した フレーズが音像を形作っていく。それはダニエル・ラノワの自身の作品や、プロデュースしてきた 数ある名作に印象深い、湿度感有る音響空間を彷彿とさせるアプローチだ。
ダニエル自身とジム・ウィルソンの二声ハーモニーでほぼ全曲のメロディが構成されている。 予想を裏切るのはそのボーカルにリバーブはただ馴染ませる程度で最小限に抑えられていることだ。 リバーブは演出上必要なギターにのみ曲ごとにかかるくらいで、他はボーカル含め殆どかかっておらず、 それが静謐な楽曲が多いなかでライブ感を強めている。 名手と名高いペダルスティールによるインスト曲を挟み、エレクトリック・ギターの演奏は熱を 増していく。曲ごとにアンプに歩み寄り歪み成分や音色を決め、フィンガーピッキングの強弱で 細かな歪みを加減する。 ブラックダブの演奏よりもボーカルのメロディーに寄り添うドラムは、1曲のなかでも多様な パターンアイディアが盛り込まれ、タムのミュートバランスも細かく変更することで、楽曲の 表情が刻一刻と変化する。 ベースフレーズ、moogのペダリングがそれらの細かなフレーズの変化をどっしりと受け止める。 そこにあるのは、今ここでしか出来ない正に「ライブ」。
ニール・ヤングばりの歪んだギターで終演を迎え、客電が点灯。 熱心なファンの多い観客のざわめきが、今日のライブの満足度の高さを物語る夜となった。
アカディ: ゴールドトップ・エディション
2009/02/25 RELEASE
MSIG-555 ¥ 3,080(税込)
Disc01
- 01.スティル・ウォーター
- 02.ザ・メイカー
- 03.オ・マリー
- 04.ジョリー・ルイーズ
- 05.漁夫の娘
- 06.ホワイト・ムスタング2
- 07.ストーミー・スカイ
- 08.ホークウィンド・キルズ
- 09.シリウムの丘
- 10.アイス
- 11.聖アンの黄金
- 12.アメイジング・グレイス
- 13.ザ・メイカー
- 14.ザ・メイカー
- 15.スティル・ウォーター
- 16.ジョリー・ルイーズ
- 17.アーリー・ドゥラード・スケッチ
- 18.ザ・ソース・オブ・フィッシャーマンズ・ドーター
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