Special
『CHEERZ HOUSE』新ユウユ(Stand-Up! Hearts)沢辺りおん(東京CLEAR'S)一ノ瀬みか(神宿)共同インタビュー
グループもキャラも全く違うアイドル3人の共同インタビューハウス『CHEERZ HOUSE』。記。今回集まってくれた3人は、中川翔子などアイドルとの出会いから人生を180度変えてみせた女の子、グラビアや恵比寿マスカッツでの活動も経験しながら全国展開するお掃除ユニットの総班長を務めている女の子、学校が嫌いで人に心を開くこともできなかった自分をアイドルになることで覚醒させた女の子と、いずれもドラマティックな人生を歩んできた女の子。
ひとつ屋根の下でアイドルとしての喜びや苦しみ、そして未来への希望を語り合い、自分の生き方や歩む道を再認識していく、台本なしのアイドルドキュメンタリー。ぜひ覗いてみてください。
参加メンバー:
新ユウユ(Stand-Up! Hearts)
沢辺りおん(東京CLEAR'S)
一ノ瀬みか(神宿)
Episode 01.Story until the idle(アイドルになるまでの物語)
--今からここ『CHEERZ HOUSE』で共同インタビューを受けるということで、まずはそれぞれ自己紹介をお願いします。
新ユウユ:Stand-Up! Heartsの“ゆゆしむ”こと新ユウユです。特技は中国語で、ツイッターでは中国語や英語を使ってグルーバルアイドルを目指しています。 沢辺りおん:お掃除ユニット東京CLEAR'Sの沢辺りおんです! 声は結構カスカスなんですけど……酒焼けで(笑)。でも写真だと声は伝わらないので、写真だけ見て下さい! ハハハハ!--前回の『CHEERZ HOUSE』 に参加した夏奈子さん(東京CLEAR'S)も何でもぶっちゃけるタイプでしたが、東京CLEAR'Sはそういうメンバーが多いんでしょうか?
沢辺りおん:全国に10チームのCLEAR'Sがあるんですけど、その中で東京CLEAR'Sは平均年齢が25.5歳と若干高めなので、そういうタイプが多いんだと思います。--続いて、一ノ瀬さん。
一ノ瀬みか:はい。神宿の赤担当、最年少の一ノ瀬みかです。神宿は原宿発の5人組アイドルグループです。私の特技はベースと絵を描くことで、趣味は音楽です。--以前、バンドを組んだりしてたんですか?
一ノ瀬みか:いえ。--では、なぜベースを?
一ノ瀬みか:お姉ちゃんが買ってくれて。元々ロックは好きで聴いていたんで、自分でもやり始めました。--みんなそれぞれなんでアイドルになろうと思ったんですか?
新ユウユ:私は中川翔子さんが元々すごく好きで、最初は「可愛いな」と思ってブログから入ったんですけど、そのうちライブに足を運んでステージを観るようになって。オタクで好きな事を惜しみなく楽しみつつも、アイドルもやっているところがすごく魅力的に見えて、自分もそんな風になりたいなって思ったんです。それからアフィリアというお店に入りまして、そこで人気が出てるとアフィリア・サーガというアイドルグループに入れるんですね。ただ、私、そこで5年間お仕事をしていても中々入れなくて、「アイドルになるのはやっぱりムリかな」って挫折しそうにもなったりして。そんなときに新しくStand-Up! Heartsを作るオーディションがあって、そこに受かって念願のアイドルになれました。 沢辺りおん:母がずっと私に芸能人になってもらいたくて、小さい頃から事務所に入れてくれてたんですよ。ただ、母はフィリピン人で日本の事務所のこととかあんまりよく分からなくて、事務所に入ったはいいが、なかなか仕事が入ってこなくて……。養成所でもあったので、毎月12000円の月謝を払ってたんですけど。そしたら母が「渋谷行ってスカウトされてこい。そしたらタダだから」と言い出し、人生2度目の渋谷でスカウトされたのが17才のとき、10年前ですね。今も忘れない109前。それからずっと制服コレクションとかグラビアアイドルをやっていたんですけど、ずっとバラエティ番組に出たくて恵比寿マスカッツにも入り。--一気にメジャーな存在になって。
沢辺りおん:解散しちゃったんですけどね。で、今、なぜお掃除ユニットをやっているかと言うと、18才ぐらいのときにすごく仕事がなくて。グラビアアイドルのDVDが売れない時代になって、社長と「どうやって仕事増やそうか?」って話し合っていたときに「りおんは何が出来るの?」って言われて。私、掃除がすごく好きなんですよ。絶対に掃除してからじゃないと家から出れないぐらい。それで「お掃除アイドルユニット作ったらさ、街もキレイになるし、良いんじゃない?」みたいな。--え? じゃあ、今でこそ全国規模のCLEAR'Sって、元々は沢辺りおんの救済プロジェクトなんですか?
沢辺りおん:仕事が無くて出来たユニットです(笑)。なので、私はCLEAR'S全体の総班長(リーダー)でもあるんです。おかげさまで忙しくさせてもらってます。--一ノ瀬さんさんがアイドルになったきっかけは何だったんでしょう?
一ノ瀬みか:私は元々ずっと家に引き篭もりがちで、学校にもあんまり行ってなくて、そんなときにお姉ちゃんに「原宿行こうぜ」って引きずり出されたんですよ。そのとき、お姉ちゃんは彼氏と別れちゃって「お金をどっかで消費したい!」って言ってて、私も何着かお洋服買ってもらったんですけど、その帰り際にスカウトされたんです。元々モデルや女優さんに興味が少しだけあったので、「ワンチャンあるかな?」と思って(笑)話を聞いてたんですよ。そしたらアイドルになることをゴリ押しされて、「いや、アイドルなんて無理だし……」って思っていたんですけど、アイドルになってました。--仕方なくアイドルになったの(笑)?
一ノ瀬みか:最初はそうでした。--先ほどユウユさんは中川翔子さんに憧れてたと仰ってましたけど、2人は尊敬する芸能人とかいたんですか?
沢辺りおん:磯野貴理子さんみたいになりたいと思ってました。--若干影響は感じます(笑)。
一ノ瀬みか:私は真木よう子さんとか堀北真希さん。女優さんに憧れがあったので、見た目からマネしたりしてました。--皆さん、アイドルになるまではどんな女の子だったんですか?
新ユウユ:アイドルになるまではアイドルオタクですね。中川翔子さんはもちろん、中野腐女子シスターズさんのライブにも友達と行ったりして。あと、しょこたんがコスプレをしてライブに来る人に反応するので、自分もコスプレをやったりとか、中野腐女子シスターズさんの甲冑衣装を自分で作って着たりとかして、追っかけやってました。--では、コスプレイヤーでもあったんですね。
新ユウユ:コスプレは最初にしょこたんのライブに行ったときにハマって、コスプレイベントにも普通に行くようになりました。最近は出来てないんですけど……--アイドルオタクになる前はどんな女の子だったの?
新ユウユ:その前はただの根暗ですね(笑)。例えば誰かと3人ぐらいで一緒にいたとしても、一言も発さないで1日が終わるみたいな。挨拶をするってことも出来なくて、学校に行ったら何も言わず席に座って、休み時間は自分の机で寝てるだけ。だから「髪切ったんだね」みたいなことを言うんだ?みたいなことも知らなくて。--どういうこと(笑)?
新ユウユ:コミュニケーションが取れなかったんです。「髪切ったんだね」みたいなことすら言えなかったっていう。「おはよう」も言えない。だからアイドルに出逢うまではずっと自分の中に引き篭もっていたので、話すとしても放課後の吹奏楽部ぐらい。部活が唯一の楽しみでした。--沢辺さんは?
沢辺りおん:すっごい元気な子でしたね。自転車乗り回したり、男の子とドッジボールとかやってる感じの。活発でした。あと、足が速かったです。小学校とか中学校って足が速い子がモテるじゃないですか。だからモテてました(笑)。--一ノ瀬さんは?
一ノ瀬みか:私は新さんと似た感じなんですけど、あんまり学校にも行かないで、音楽聴いたり、ベース弾いたりしてる感じでした。友達は強いて言えば2,3人いるぐらいで、基本的には家でひとりで過ごしてることが多かったです。--一ノ瀬さんは学生さんですけど、学校ではどんな存在だったりするの?
一ノ瀬みか:学校では空気です。元々学校には行きたくなかったし、だから友達もほとんどいなかったんですけど、今は学校に行くと、私がアイドル活動を始めたから寄ってくる人たちがいて、それがあんまり好きじゃないんですよ。うざったいし、喋りたくないなって思うんで、なおさら行かなくなりました。--一ノ瀬さんは誰に心を開くんですか? 学校で友達に会うこともないってなると。
一ノ瀬みか:人に心を開くのは珍しいと思います(笑)。--(笑)
一ノ瀬みか:モノとか出来事とか何か抽象的なものに対しては没頭できるんですけど、人に心を開くのは小さい頃から「難しいな」って思ってます。--それでアイドルグループの中では上手くやれてるんですか?
一ノ瀬みか:グループの中ではわりと。私、元々「ヘン」って言われて孤立していたんですけど、神宿はメンバーが全員揃ってそれぞれヘンなんで馴染みやすいんですよ。だからラクです。--沢辺さんは学生時代は学校でどんな存在だったんですか?
沢辺りおん:結構、中心人物的な子でしたね。合唱コンクールでリーダーっぽいことやったり、その頃から出たがりだったんでしょうね(笑)。--なんでそんな風に育ったんですかね?
沢辺りおん:なんでですかね? 親の血ですかね? 私、弟がいるんですけど、弟は相撲をやっててすごく体が大きいんですけど、ケンカはすごく弱いんですよ。すぐ泣いちゃう感じの子で。その弟が泣いて帰ってくると「誰だ!? 弟、泣かしたのは!」って相手のところに乗り込んだりしてました(笑)。だからワンパク。イラズラ大好きだし、今でもイラズラ大好き。メンバーが一口しか食べてないドーナツを全部食べたりします。--地味にイラっとされるやつですね(笑)。今、自分がアイドルをやっていることをクラスメイトとか周囲はどう思ってるんでしょうね?
一ノ瀬みか:アイドルになって寄ってくる人もいるんですけど、逆にハジかれたりもします。「なんだよ、アイドルって。キモくない?」みたいな感じで。あと、お母さんもそういう人と違った道を進むのをあんまり認めたくない人なので、最初の頃はなかなか認めてくれなくて。なんですけど、お姉ちゃんが俄然やる気になってくれて、私の代わりにお母さんをめちゃくちゃ説得したんです。そういう意味では、わりと恵まれた環境なのかなって思いますね。--お姉ちゃんはなんでそんなに妹をアイドルデビューさせたかったんですかね?
一ノ瀬みか:元々お姉ちゃんも芸能活動がしたかった人なんですけど、彼氏が……(笑)。お姉ちゃん、すごくキレイで可愛いからスカウトもされるんですけど、彼氏が「そういうのはダメ」って止めてて。それで「みかは絶対にやりなよ!」って応援してくれてるんだと思います。--新さんは、アイドルになってから周囲の反応はどんな感じなんでしょう?
新ユウユ:私は両親ともすごく応援してくれてて、特に母は「テレビに出た!」とか「ここに載ってた!」とかすごく喜んでくれて。アフィリアのお店でお仕事している時もそうで、お客さんとツーショットを撮ったりするじゃないですか。その写真を見て「あなた、もうちょっと可愛く映る顔とかしなよ」「ちょっとクマがひどいよ」みたいな(笑)ダメ出しとかもしてくれたり、ずっと応援してくれています。--ただの根暗だったという学生時代のクラスメイトは、アイドルになった新さんに対してどんな反応だったりするんでしょう?
新ユウユ:当時のクラスメイトとはほとんど連絡取ってないんで、私がアイドルになったことは知らないと思うんですけど、知ったらビックリするでしょうね。アイドルになるまでほとんど化粧もしてなかったので、もはや気付かないかもしれない。高校時代の同級生が他のアイドルさんのスタッフをやってて、最初声かけても気付かれなかったんで(笑)。それぐらいアイドルになって人生が180度変わった感じです。--沢辺さんの周囲はアイドルやってる沢辺さんにどんな反応なんでしょう?
沢辺りおん:ウチの家族は「早く売れてね」「今日、いくら稼いだの?」って感じです。--(笑)
沢辺りおん:でもすごく協力的と言いますか、夢を邪魔されたことはないです。「もう辞めろよ!」とか言ってきますけど、それは本心じゃない。気合いを入れてくれてる感じなので、親の愛情は常に感じてます。関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:石津大助
Episode 02.Become a longing of idle(憧れのアイドルになってみて)
--実際にアイドルになってみてどう?
新ユウユ:毎日楽しいです。去年の9月にライブデビューしたので、今ちょうど1年経ったんですけど、本当に「こんなにも濃い1年になるとは思わなかった」って思うぐらい、短期間でいろんな経験をさせてもらった怒涛の1年で。今はインターネットのいろんな媒体から発信ができるので、そこで香港やタイ、フランス、シンガポールと海外のファンの方ができたり、実際にフランスまで行ってライブをさせてもらったり、思ったよりも早くグローバルに活動できてるんです。私は中国語と英語を習ってるので、それを大好きなアイドルのお仕事で活かせることが嬉しくて仕方ないんですよね。本当に毎日楽しいです。 沢辺りおん:今の歌って踊るアイドルは、応援してくれてる人の大切さがすごく身に沁みるなって思います。CLEAR'Sは人気投票でCDジャケットに載ったり載らなかったりするので、載れてないメンバーも全国にいるし、私は皆さんのおかげで載れたり、このインタビューもファンの皆さんがいたから実現している訳で、アイドルになってから「応援してくれてるってあたりまえじゃないんだな」って思うようになりました。前は全然気にしたことがなかったんです。子供の頃から芸能活動はしてて、自ら発信しなくても勝手に来てくれる時代も知っていたので。でも今は自分で発信しないと来てくれないし、私は自分のファンを「ウチの人」って呼んでるんですけど、ウチの人のおかげで今こうして喋れてますし、しんどいときも楽しいときも悔しいときもいつもそばに居てくれるので、ウチの人には本当に感謝したいです。 一ノ瀬みか:元々演じることが好きだったんですけど、アイドルはいろんな自分を演じれると思うようになって。普通の一ノ瀬みかは普通の一ノ瀬みかで居るけど、アイドルの一ノ瀬みかも居て良いんだなって思って、それで去年の9月にデビューワンマンライブに臨んだんですけど、120人のお客さんが来て下さって、みんなが自分のことを見てるっていうのが不思議でしょうがなくて。今まで全然見向きもされなかった私がいろんな人に見られてるし、しかも褒めてもらえたりもする。自分の存在価値をそこに感じて「アイドルって意外と面白いかもしれない」と思えたんです。--そう捉える事が出来たんですね。
一ノ瀬みか:最近はこういうインタビューとか撮影とかいろんな仕事に携わらせて頂いてるんですけど、今までの引き篭もっていた自分とか、ベースを弾いていた事とか、全部プラスになるし、自分の中でマイナスだと思っていた点が今になって全部プラスに換えられているので、アイドルはいろんな可能性を秘めてるなって。なので、今はアイドルを最後までやり続けたいなって思ってます。--では、アイドルになって「大変だな」って思うのはどんなところですか?
一ノ瀬みか:私はメンバーとの接し方がまず大変でした。人と接するのが元々なかなか苦手なんで、接しなくてもいいと思ってたんですけど、メンバー同士は心と心で繋がり合ってないと、パフォーマンスで合うところも合わないし、本当の楽しさとか嬉しさを伝えることなんて出来ないと思って。それでまず一番苦手なメンバーがいて、青担当の羽島めいちゃんって子なんですけど。--それは言っちゃって大丈夫なの(笑)?
一ノ瀬みか:大丈夫です(笑)。本当にその子が苦手で「私、この子にきっとイジメられるんだろうなぁ~」って勝手に思ってたんです。その子は思ったことを何でもバシバシ口にするタイプだったので。それで最初は何を言われても「何も考えたくない」って思う感じだったんですけど、ある日「今の私だったら同じ立場なんだから言い返せるんじゃないか? 言い返そう」と思って言い返すようになったんです。それでめちゃめちゃケンカして、口も利かなくなったりしたんですけど、素直にそうやって人と接していくと最終的に「本当はおまえ、良い奴じゃん」みたいな感じで、やっぱり絆が生まれていくんですよ。そうなると何でも本音で話し合えるし、「私はあんたのこと思って言ってやってんだよ」「あぁ、そうかい!」みたいな(笑)。そうやってまず一番苦手だっためいちゃんから仲良くなって、今は「人のことを想う」っていうのは良いものだなって思うようになりました。 沢辺りおん:私は対バンライブとかして、その場は他のアイドルのファンも盛り上がってくれても、最終的に自分のところに来てくれない。最近、それが大変だなって思ってます。で、ちょっと気付いたのが、喋んないほうがいい。--(笑)
沢辺りおん:私、声が低くてアイドルらしくないんで。ホームのときだけ喋って、対バンでは一切喋らない(笑)。それで特典会で喋ったらバレるんですけど、まずそこに来てもらわないことにはワンチャンもないですから。今の私のお客さん、ウチの人は、私のこういうキャラが好きで長く追い掛けてくれてる人が多いんですよ。なので、今は誰でも大好きな人をターゲットにして、まずは自分のところに来てもらうところから始めようと。その為にもステージでは喋らない。あと、大変なことは……体がキツい。 一同:(笑) 沢辺りおん:普通に。結構動きが激しくてなかなかしんどい。「腰、痛いな」って。ライブ終わった後、みんな死んでますもん。私以外のメンバーも年齢は結構高めで、一番上は29歳なんで。29、27、26、24、21と……ほとんどおばさん。--おばさんとは思いませんけど……一ノ瀬さんはいくつでしたっけ?
一ノ瀬みか:15です。--一ノ瀬さんと沢辺さんで計算しても9コ違う訳じゃないですか。そんな若い女の子たちがゴロゴロいる環境で戦っていくというのはラクではないですよね。
沢辺りおん:ウチも名古屋CLEAR'Sには9才のメンバーがいたりして、めちゃくちゃ若いんですよ。リーダーのこと「ママ~」って呼んでますもん。でも、一番上と下で普通に親子ぐらいの年齢差があったり、東京はアダルトな感じで、名古屋や千葉はチャイルドな感じとか、全国各地カラーの違うユニットがあるのがCLEAR'Sの面白さだと思うし、絶対誰かしら好きなメンバーを見つけられると思うんですよね。その中で、必死に頑張ってる大人たちを応援したい方には、東京CLEAR'Sをオススメしてます。--新さんはアイドルのどんなところが大変だと思いますか?
新ユウユ:私もりおんさんと一緒で、お客さんにどうファンになってもらうか。それはメンバー同士でよく話し合ってます。ライブを楽しんでもらって、好きになってもらって、それで自分のところにまで来てもらうって、すごく大変なことなんだなって。で、ウチのグループも下は中学生14歳からお姉さんまでいるので、りおんさんの話を「よく分かるなぁ」と思って聞いてました。 沢辺りおん:まず対バンイベントに出た時点で10組ぐらいグループがいて、その中で自分たち、そして自分を見せなきゃいけない訳じゃないですか。その中で自分のところまで来てもらうって凄いことですよ。--一ノ瀬さんもそういう悩みってあります?
一ノ瀬みか:あぁー……私、元々ダンスとかやってなかったんで、デビュー当時は本当にダンスが下手で「パフォーマンスのレベルをどうやって上げるか?」っていうのはすごく考えました。で、パフォーマンスのレベルを上げることによって、お客さんをどう楽しませるか。そこにどう繋げるか。っていうのは今も常に考えてますね。パフォーマンスも大事、お客さんを楽しませるのも大事、そこをどうリンクさせるかがポイントなんだろうなって。--最年少の一ノ瀬みかさんが一番立派な意見でした。
一同:(笑) 新ユウユ:素晴らしい! 沢辺りおん:私ももっと格好良いこと言いたかった!--今までアイドルとして活動してきて一番イヤだったこと。もしくはキツかったことって何ですか?
沢辺りおん:私がウチの人の誕生日を言えなくて、ウチの人に「あー、憶えてないんだ。ハイハイ、じゃあね」って去っていかれたことですね。めっちゃムカついてマジックペン投げました。--(笑)
沢辺りおん:マジックペン投げたんですけど、それが相手に当たらなくてペンケースに見事に入ったんですよ(笑)。--ミラクルショット。
沢辺りおん:それでもうムカついちゃって泣きました。その時期、そういうことが立て続けにあって、キツかったですねー。「友達の誕生日だって覚えてないのに、みんなの誕生日覚えておくなんてムリ!」って、もう辞めようと思ったぐらい。今はもうその人と仲直りはしたんですけど、当時は顔見るのもイヤでしたね。ステージで笑えなくなっちゃうんですよ。 一ノ瀬みか:私はあんまりキツいと思ったことってないんですよね。アイドルになる前に過ごしていた場所のほうがツラかったんで、例えば特典会で「ブス」とか「ブサイクだなー」とか「おまえ、変顔しかしてないじゃん」とか言われても気にならない。人に何か言われて傷付くっていうことが、昔からずっとありすぎちゃって、今は何を言われても全然傷付かない(笑)。でもメンバーが「ツラい」って言ってるときは自分もツラくなります。誰かメンバーが「振り付けでどうしても出来ない部分がある。悔しい」って泣いてたり、「今日はライブが上手くいかなかった。話が面白くなかった。本当に悔しい」ってなってると、自分も悔しくなりますね。 新ユウユ:私も正直「ツラいなー」って思ったことがなくて……ただ、ひとつだけ最近あったんですけど。言えないヤツです。でも私の動向をチェックして頂ければ分かると思います(笑)。--では、アイドルになって一番良かったこと、嬉しかったことは?
沢辺りおん:若くいられる。例えば、24歳でもアイドルだとツインテールが出来るじゃないですか。可愛い衣装を着れたりとか、「可愛い、可愛い」って言ってもらえるし、その言葉って普通に生きてたらあんまり言ってもらえないじゃないですか。夏奈子も29ですけど全然29には見えないし、可愛いし、ずっとみんなに可愛くいさせてもらえるのが嬉しいです。--先日も『CHEERZ』に制服姿の写真を公開してましたよね。
沢辺りおん:そうですね。あれも「可愛い」って言ってもらえて。この年齢で制服着て「可愛い」って言ってもらえるのもアイドルだからだなって。ただ、今日、リアル女子校生の一ノ瀬みかちゃんと仕事させてもらって、さっきツーショット写真撮ったんですけど、私、めちゃめちゃ老けてました(笑)。9コ差って凄いですね。なんか上手く笑えなかったですもん!--あれ? 今、嬉しかったこと聞いてたんですよね?
一同:(笑) 新ユウユ:私は憧れのアイドルさんとツイッターで相互フォローさせてもらったり、今までは別の世界だったアイドルさんと同じ現場でお仕事が出来てるってことが、なんか夢のような気分で。そんな世界で活動できてるってことが、すごく刺激的ですし、嬉しいです。 一ノ瀬みか:私は元々音楽が好きで、いろんなアーティストさんが好きなんですけど、アイドルの活動をしていく中で「そのアーティストさん、私の友達だよ」みたいなことがよくあって。そのアーティストさんがプライベートで話していたこととかを知れたり、「あ、意外と近い世界で活動してるんだな」って思えるのがすごく嬉しいです。--自分が所属してるアイドルグループはどんなグループだなと思いますか?
新ユウユ:Stand-Up! Heartsは、元々アフィリア・サーガさんの妹分のアイドル研究生として活動していたので、正式なユニットではなくて、そこから選抜されていく立ち位置だったんです。でも今年の9月に一周年を迎えたときにStand-Up! Heartsとしてメジャーデビューすることが発表されて、来年早々に初のオリジナル曲でメジャーデビューするんです。決まったときはメンバーみんなで「やっと叶った!」って喜んで、最初は大所帯で卒業していくメンバーもいた中で、ここまで辿り着けたことは本当に嬉しかったですね。ただ、まだまだ実力は伴っていないので、メジャーデビューに向けて恥ずかしくないステージが出来るように練習していけたらと思ってます。 沢辺りおん:CLEAR'Sは、北は札幌から南は熊本まで全国10ヶ所にユニットがいまして、定期的にお掃除ボランティアに参加してるんです。ファンの方も一緒に参加して毎月ゴミ拾いをしてるんですけど、毎週火曜日をCLEAR'S DAYとして全国のCLEAR'Sが「今日は周りのものを掃除しましょう」って、そのお掃除の様子をツイッターとかで報告していくんです。そうするとファンのみんなもお掃除の報告をしてくれて、それがすごく嬉しくて。もし私たちがもっと有名になれたら日本中の街がキレイになるのかなと思ったり、将来的には海外進出もして、そこで掃除の歌をうたって、ゴミ拾いも出来たらなって。 一ノ瀬みか:私たち神宿は原宿発のアイドルグループで、全メンバー原宿でスカウトされていて、神宮と原宿を合わせて「神宿」っていう名前なんですね。で、神宿の頭文字を並べるとKMYDになるんですけど、一文字ずつに意味を込めてて、K=KAWAII(可愛い!)、M= MAX(全力!)、Y=YELL(応援!)、D=DREAM(夢!)を届ける為に活動してて。メンバーも全員原宿が好きで、原宿に好きなブランドとかが結構あるんですけど、そのブランドとコラボしたグッズを販売させて頂いたりして、原宿の魅力を発信してるんです。なので、ライブには原宿が好きな人とか、外国からのお客さんも来て下さっていて。--その神宿で叶えたい夢があったら教えてください。
一ノ瀬みか:「原宿と言えば、神宿だよね」って言われるようになりたいです。原宿=神宿。そのイメージを作りたいんですよね。で、原宿発のアイドルグループってあんまりいないので、私たちがアイドルとして原宿のKAWAIIを発信していって、原宿=神宿=KAWAIIって全部イコールにしたいです。--メジャーデビューを決めた今のStand-Up! Heartsの夢は?
新ユウユ:今の夢は、Stand-Up! Heartsって中川翔子さんの「空色デイズ」だったり、アニソンやゲームの曲をカヴァーして歌わせてもらっているので、そういう二次元とアイドルの融合を目指したいです。だからアニソンのタイアップが欲しいなって思います。それで、そのアニソンを世界中に広めていくのが夢。--沢辺さんがCLEAR'Sで実現したい事も教えてください。
沢辺りおん:NHKの教育番組に出たいです。お掃除ユニットなので、子供たちに私たちのお掃除の歌を覚えてもらいたい。それこそ『みんなのうた』で起用されたりして、学校の掃除の時間にその曲が流れるようになったら夢があるなって思いますね。あとは『紅白歌合戦』に出たいです。--今語ってもらった夢を叶える為に足りないものって何だと思いますか?
沢辺りおん:全国10ヶ所でそれぞれに活動してて、距離が遠いので意思の疎通が難しいところ。だから本当はもう私は裏方に回るべきなんだろうなって思ってます。全国各地を飛び回って、全ユニット、全メンバーに指導していきたくて。まだまだ卒業するつもりはないですけど(笑)、メジャーデビューもしましたし、いろんな人が関わってくれるようになったので、やっぱりもっと良い方向へ改善していかなきゃいけないし、私はどんな形であれ、夢を叶えるまではCLEAR'Sに携わり続けたいなと思ってます。 一ノ瀬みか:私が神宿に足りないと思うのは、原宿発なんですけど、原宿でのライブがあんまりないんです(笑)。だから原宿でのライブを増やせたらなって思います。 新ユウユ:ウチがアニソンのタイアップが獲れるようになるには、もっと多くの人に知ってもらわなきゃいけないなって思ってます。なので、ライブの本数をもっと増やしていきたいし、定期公演もやっていきたい。あとは、秋葉原でアニソン好きな人たちにアピールしたりとか、行く行くはアニサマに出れるぐらいのグループにすることが重要なんだろうなと思ってます。--ちなみに、ライバル視しているアイドルグループっていますか?
沢辺りおん:ライバル視している訳じゃないんですけど、『CHEERZ』でいつも上位にいる人たちに対して「どこでライブしてるの?」って気になっちゃったりはします。「どういう客層がいるんだろう?」「どういう活動してるんだろ?」「なんでそんなに課金してもらえるんだろう?」とか……--(笑)
沢辺りおん:興味があります!「なんでこんなにCHEER数が違うの?」っていつも気にしてます(笑)。 新ユウユ:私はアニソンを歌っているアイドルユニットとしてi☆Risさんが気になりますね。あとはやっぱり先輩のアフィリア・サーガさんと「追い越せ、追い抜け」みたいな存在になれるように頑張っていきたいなって思います。 一ノ瀬みか:神宿というより、個人的に気になるアイドルグループさんなんですけど、最近、妄想キャリブレーションさんにハマってて。妄想キャリブレーションさんのライブってミュージカルチックなんですよ。演技が半分入ってて、その上で全力パフォーマンスなんですけど、それが好きで。神宿も結構ミュージカルっぽい部分が多いので、そういった面でライバル視というより、憧れてます。関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:石津大助
Episode 03.Closing~Go back to the members(メンバーのもとへ)
--では、クロージングの時間も近づいて参りましたので、御三方それぞれから隣のアイドルに聞いてみたいこと。何かありましたら質問してみてください。
沢辺りおん:自分のところのチームに自信ありますか? 新ユウユ&一ノ瀬みか:………… 沢辺りおん:私、めちゃくちゃあるんです! どこのチームより仲良いし、その分すごくケンカもするし、ライブもどこよりも面白い自信がすごくあって。結構ネタが多いんですけど……だから東京CLEAR'Sはアイドルと言うよりお笑い。 一同:(笑) 沢辺りおん:笑わせたいんですよ! テレビ観てる感覚で笑ってほしいし、楽しんでほしい。……ってひとりで喋っちゃったので質問変えますね(笑)。持ち時間10分とか20分の対バンライブのとき、MCってどうしてます? 新ユウユ:Stand-Up! HeartsはMCに毎回悩んでいて、MCがとにかく出来ないんですよ。15分ぐらいのライブだと1分しか喋れないので、そこで何を話すか毎回困って、結果的に告知だけになったり、お決まりのことしか言えなくて、スタッフさんに怒られるという。なので、「MCで自分たちらしさってどうやったら出せるのかな?」って悩んでます。 一ノ瀬みか:神宿のMCは、羽島めいちゃんがわりと中心になってやってくれてるんですけど、そのめいちゃんに「なんでおまえらは喋らないんだよ!」ってよく言われてます(笑)。なんですけど、MCってみんなが一斉に喋り出しちゃうと止まらなくなっちゃうし、聞きづらいものになっちゃうんですよね。だから誰かが自信を持って喋ってるときは、自分は引き下がってその人に喋ってもらおうと思って。で、私たちはみんな個性があって、私は不思議ちゃん、でも王道。青はクールビューティーでMC担当。緑はおとぼけ、アホ。黄色は最年長でリーダーだけど、抜けてる感がある。ピンクはぽっちゃりだけど、めちゃくちゃダンス頑張る豚キャラ。それをパフォーマンスで活かしていく感じなんで、MCよりパフォーマンスでキャラを見せていければなと思ってますね。 新ユウユ:東京CLEAR'SさんはMCはどうされてるんですか? 沢辺りおん:私、結構すごくMCを考えるんですけど、例えば10分しかなかったら2曲しか歌えないじゃないですか。MCはやれて2分。「じゃあ、めちゃくちゃ上手い曲フリをやろう」と。例えば新曲の「答えしか知らないツライ」だったら「あー、なんかツラいなぁ~、最近」みたいにストーリーを持たせて、即興でそれをやらせちゃう。だから各メンバー、面白い曲フリを考えてるんですよ。いつ自分が振られるか分かんないから。あとは歌はうたわないで、ひたすらMCやっちゃったりします。曲をカットしてゲームしたり(笑)。 新ユウユ:勉強になります。ウチは逆に「MC短くして、曲増やそう!」みたいな。--苦手だからでしょ(笑)?
新ユウユ:苦手なところは極力隠そうと思って(笑)。 一ノ瀬みか:神宿って単体なんですけど、先輩グループがいたり、各地に姉妹ユニットがいたりするのってどんな感じなんですか? 沢辺りおん:私は各地の班長と話すことが多いですね。班長と話して「メンバーにこう指示してください」みたいな。 一ノ瀬みか:格好良い。 沢辺りおん:全然格好良くない! イタズラ大好きなんで(笑)! 一ノ瀬みか:先輩には敬語ですか? 新ユウユ:アフィリア・サーガさんにはみんな敬語なんですけど、私だけ特殊で5年間アフィリアのお店にいたので、その時代の後輩がアフィリア・サーガさんに入っていたりするんですよ。その子とは同期みたいな感じで話してたりして。私がStand-Up! Heartsに入ったときに敬語で話したら「なんで敬語になったの?」ってツッコんでくれたんですよね。あと、最年少の14歳のメンバーがいるんですけど、もう本当に可愛すぎて娘みたいに思ってて、一緒にディズニーランドに行ったりしてます(笑)。--新さんから2人にも何か質問ありますか?
新ユウユ:質問…………は思いつかないんですけど、風男塾の浦えりか(青明寺浦正)さんのお誕生日イベントに行ったときに、ちゃんかな(夏奈子/東京CLEAR'S)さんがいて、「あ、りおんさんと一緒のグループの方だ」って。 沢辺りおん:……感想(笑)?--ただの報告ですね。
一同:(笑)--そろそろ『CHEERZ HOUSE』から退出して頂かなければいけないのですが、今日こうして自分と別々のグループのアイドルと話してみていかがでした?
沢辺りおん:全然タイプが違うので、逆に格好良いなって思いました。私もストレートなタイプだけど、一ノ瀬さんはクールな感じで「ベース弾いてて……」格好良くね?って思いました。まだ若いのに人生観がロックな感じで。 一ノ瀬みか:初めて言われました! 沢辺りおん:その一方で「アイドルがすごく好きで、しょこたんが好きで……」みたいな、すごくアイドルが好きでアイドルになった王道な感じの新さんがいて。すごく刺激的な時間でした。 一ノ瀬みか:私は『CHEERZ』で「上位にいるなぁ」ってずっと思っていた人たちと今日お会いすることができて、実際に話してみたら声がハスキーだったり、意外と身長が私と変わらなかったり、イメージとまた全然違ってて。私、女の子が結構好きなんで、興味が湧いちゃいました(笑)。 新ユウユ:私もアイドルが好きなので、今日お話できるのを楽しみにしていたんですけど、りおんさんは喋りの持っていき方が凄いなと思って! 沢辺りおん:いえいえいえ! 新ユウユ:一ノ瀬さんもこんなに若いのに自分の意見をしっかり持ってて凄いと思いましたし、もう2人の凄さに押されちゃって「自分ももっと喋んなきゃ!」って(笑)。なので、今日はすごく勉強になりました。 沢辺りおん:最後、質問じゃなく報告してましたもんね。 一同:(笑) 新ユウユ:「どうしよう!?」と思って!--では、最後に、これから先も夢を叶える為に共に戦っていく、自身が所属するアイドルグループのメンバーたちへメッセージをお願いします。
一ノ瀬みか:私は最年少だけど、ガキだと思わずに、みんな対当に付き合ってくれてるから大好きでーす。 沢辺りおん:じゃあ、私は東京CLEAR'Sに。メンバーの皆さん、結構年齢はいってますが、諦めず、年上のアイドルの鏡になってほしいです。後輩たちが「あの先輩がいるから私たちも頑張ろう」って思われるような存在に。だから諦めないでほしい。ずっと一緒に続けていきましょう。愛してる! 新ユウユ:私は年上なのにポンコツで足りてない部分もたくさんあるんですけど、いつもメンバーがLINEしてくれたりとか、頼ってくれて「ありがとう」って思ってます。これからはもっと気を引き締めて、私がStand-Up! Heartsを引っ張っていけるように頑張るので、一緒に走り抜けましょう。Interviewer:平賀哲雄
Photo:石津大助
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:石津大助
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