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YUI 『I remember you』 インタビュー
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--インタビュー自体は『Good-bye days』以来、約3ヶ月ぶりになるんですが、実はこの夏、YUIさんのライブレポートを書くべく、【ROCK IN JAPAN FES 2006】の三日目、ひたちなかまで追っかけさせていただいたんですが、昨年以上に前半はロックフェス仕様になってましたね?
YUI:有り難いことに二回目の【ROCK IN JAPAN FES】への出演ということで、一回目のときはアコースティックバージョンで、アコースティックギターとカホンとベースだったんですけど、今回は「ロックでいきたいな」と思って。で、ギター以外は【YUI First Live Tour 2006「7 street」~LIVE LIFE LOVE~】のときとメンバーが一緒だったんで、ツアーの勢いに任せて、あんな感じでやってみました。
--ステージは“SOUND OF FOREST”だったので、正に一年ぶり!って感じだったと思うんですが、去年以上に森の中で聴くYUIの歌が感動的に聞こえました。これは正しく「成長した」ということだと思うんですが、自分では歌っててどうでした?
YUI:単純に「楽しもう!」と思って来ていたんで、確かにテンションは高かったですね。しかも去年以上にたくさんの方が観に来てくれたので、すごくビックリして。気持ち良く歌わせてもらいました。
--日本中のコアなロックファンが集まってくるフェスティバルにおいて、あれだけの数の人たちがYUIさんに大きな声援や拍手を送っているのも感動的でしたよね?
YUI:そうですね!「すごいな」って単純に思った。圧巻っていうか。なので「ロックなライブをやりたいな」って最後まで思ってましたね。
--その「ロックなライブを」というところで、一番印象的だったのが『Rolling Star』でした。
YUI:『Rolling Star』は、結構前から作っていた曲だったんですよ。リリースには至っていなかったんですけど、ライブでは絶対映えると思っていたので、あの場でやることにしました。実は今後リリースすることも決まっていて、その前に初お披露目した感じですね。やっぱり初めての曲ってワクワクするじゃないですか。だから今回やるのがすごく楽しみだった曲ですね。
--ファーストアルバム『FROM ME TO YOU』に収録されていたいくつかのロックナンバー以上にエモーショナルなロックをあの曲から感じたんですが、それを【ROCK IN JAPAN FES 2006】という場で初披露するっていうのは、カッコイイなと思いましたよ。
YUI:おぉ!嬉しいですね!
--そしてYUIさんにとっての二度目の【ROCK IN JAPAN FES 2006】、クライマックスは『Good-bye days』と『TOKYO』で締めてくれましたが、まずタイヨウの下で歌うタイヨウのうた、もとい『Good-bye days』はいかがでした?
YUI:やっぱり太陽を浴びながらあの曲を歌ったときは、映画(『タイヨウのうた』)の世界がフラッシュバックする感じがありましたね。そんなことばかりに拘っているわけじゃないですけど、映画を見て、あの日あの曲を聴くのを楽しみにしていた人もいたかもしれないし、そう考えたら、やっぱりあの曲は「大事に歌わなきゃ」と思いました。いろんな意味であの曲を太陽の下で歌うことはなかったので、今回それが実現できて良かったです。ただ私はもう映画の雨音薫ではなくて、今はYUIというミュージシャンとしてステージに立っているので、そういった意味で「次へ進んでいく」「これからはYUIとしてこの歌をうたっていく」という意志があの日はあったかもしれないですね。
Interviewer:平賀哲雄|Photo:齋藤卓侑
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--で、ラストに歌ってくれた『TOKYO』なんですが、この曲もあの野外というシチュエーションに驚くぐらいハマっている印象を受けたんですが、自分でも歌いながらそれは感じましたか?
YUI:「最後に『TOKYO』を聴くと、ジーンとする」って言ってくれる方が多くて、あの日もツアー同様、最後にあの曲を歌うことにしたんですけど、あの曲は私にとっての原点、初心が歌われている曲なので、やっぱりああいう大きなステージで歌っていると「これは、すごく幸せなことだな」って思います。
--ちなみにあの日、他のアーティストのライブは観たりしたんですか?
YUI:全部で4アーティストぐらい観ました。まずは朝にスネオヘアーさん。スネオヘアーさんのベースの方は、私のライブでも弾いてくれている人だったので、観に行って。あとCharaさんとチャットモンチーさんと、あとはトリですよ!
--矢沢永吉さん?
YUI:はい!すごかったですね。あと、すごく自然の中じゃないですか、あの会場って。松ぼっくりが落ちていたんで、すごくはしゃいじゃって(笑)。で、アーティストさんがいる広場では、サッカーとか、フリスビーとか、水鉄砲とか、しゃぼん玉とか、バドミントンとか、縄跳びがあったので、それ全部使って遊びました(笑)。それでライブ前から汗びっしょりになっちゃって(笑)。すごく楽しかったです。
--そんな大切な夏の思い出になるであろう【ROCK IN JAPAN FES 2006】を経て、9月20日、6枚目となるニューシングル『I remember you』がリリースされるわけですが、まずこの曲がどんな内容になっているのか、YUIさんの口から紹介してもらってもいいですか?
YUI:『I remember you』って直訳すると「私はあなたを憶えています」という意味なわけですけど、誰にでも忘れられない人との時間ってあると思うんですよ。そういう大切な時間を思い出せる曲になればいいなと思って作った曲ですね。あと映画『タイヨウのうた』の世界観も少し含まれていて、藤代孝治っていう男の子が雨音薫っていう女の子を思い返すような場面をイメージできる内容でもあって。ただ藤代孝治くんに関わらず、この曲を聴いて、そういう大切な時間を思い出してもらいたいなって思います。あとこの曲で一番伝えたいのは「だけど思うんだ 誰かのためにきっと僕らは生きてる」というところで、やっぱり映画を通してたくさんの人と出会ったり関わったりしたことで、「自分はたくさんの人と繋がっていたり支え合ってるんだな」っていうことを実感したんですよ。また映画の設定の中でも一人の人間として、いろんな人に支えられながら生きたので、そういうことを伝えたいと思って。どんなにさえない日々を過ごしていたとしても、自分を待ってくれている人とか、頼りにしてくれている人がいるんだってことに気付いてほしい。
--これは先程の『Good-bye days』の話とリンクするんですが、資料によると、この曲は“雨音薫”という一人の少女を本気で生きた、その気持ちに一度区切りを付けるために作られた曲でもあるそうですね?
YUI:そうですね。これからまた私はYUIというミュージシャンとして、レコーディングしたり、ライブをしたりしていくと思うんですね。で、やっぱり映画『タイヨウのうた』には長い期間、一年間ぐらいずっと関わらさせてもらって、そこでたくさんの人に感想を頂いたりとかして、そういう方に対しての感謝の気持ちを届けたいという想いと同時に、自分が音楽活動にまた専念するっていうところで“一区切り”した気持ちもありましたね。「後ろを向かずに前を向いて生きていってもいいですか」っていう。これからも音楽を通して新しいことをもっといろいろやっていきたいので。
Interviewer:平賀哲雄|Photo:齋藤卓侑
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--そういう意味では、“雨音薫”へ“YUI”が送った歌でもあるんじゃないですか?この曲は。
YUI:そういうところもあります。藤代孝治が雨音薫のことを思い返しているのを、逆に後ろからまた見てる感じが。あと私自身とリンクするのがブリッジの「あれからの僕は相変わらずだけど、でも少し自信が付いたんだ」っていうところで。
--それだけ“雨音薫”との出会い、そして“雨音薫”になるという出来事は、自分の中で大きすぎるぐらい大きかったってことなんでしょうね?
YUI:そうですね、大きかったですね。全然経験がないところから始めたモノでしたからね。全く知識も感覚もないから、本当に手探りでしたし。でもその結果、もらったモノはすごく大きかった。
--YUIさんが“雨音薫”にもらったモノってどんなモノだったと思いますか?
YUI:「生きる」っていうことの大切さ、「生きる」っていうことへの想いの強さ、前向きさを学びましたね。
--また今作『I remember you』のMUSIC VIDEOは、映画『タイヨウのうた』同様、小泉監督が手掛けているようですが、これは今お話を聞かせていただいたYUIさんの想いを小泉監督が受けて実現された感じなんでしょうか?
YUI:そうですね。この曲を監督が聴いてくださって、それで実現に至った感じなので。
--そのMUSIC VIDEOは、どんな内容になっているんですか?
YUI:薫と孝治くんが暮らしていた街に行って、その街の景色を見たりとか、孝治くんの面影を探したり。なので今回のMUSIC VIDEOは、『タイヨウのうた』と同じ現場、鎌倉で撮影してるんですよ。
--ちなみに小泉監督ってYUIさんから見てどんな人だったりするんですか?
YUI:撮影の現場のときと試写会ツアーのときの監督は全く違う印象があるんですよ。試写会ツアーのときは、監督だけれどもすごく気さくな感じで。でも撮影の現場のときには、ピリピリしてるというか、真剣というか、本当に集中している感じだったので、そのギャップには驚かされました(笑)。
--そんな小泉監督の協力も得て、より世界観が鮮明になったであろう『I remember you』ですが、歌入れの方は実際にやってみていかがでしたか?
YUI:やっぱりサーフボードとか、駅のホームから見れる海とか、映画のシーンを思い出しながら歌ってましたね。
--この曲もまたYUIさんにとって大切な曲になっていきそう?
YUI:そうですね。やっぱり映画に出逢わなかったらこの曲も出来なかったので。この曲も出逢いから生まれた大切な曲だなって思いますね。
--で、今作『I remember you』リリース後、もうその頃はすっかり秋になってると思うんですけど、学園祭でのライブがいくつも決定してるんですよね。去年も学園祭でのライブは行われていましたけど、今年はどんなYUIを各校の生徒さんたちに見せたいなと思っていますか?
YUI:今年はやっぱりロックでいきたいです。盛り上げていけたらいいな。学園祭って、自分を呼んでくれた生徒さんが一緒にライブを盛り上げてくれたり、手作りのステージを用意してくれていたりして、すごく感動するんですよね。あとは学園祭と言えば、屋台。すごく楽しみです(笑)。
--で、学園祭シーズンが終われば、今年も早いもので年末モードへ突入していくわけですが、そこに向けて何か予定していたり、考えていたりすることってあります?
YUI:アルバムの制作に入っていきたいんで、結構レコーディングに集中する感じになるんじゃないかな。
--では、最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
YUI:応援お願いします!学園祭にも遊びに来てください!
Interviewer:平賀哲雄|Photo:齋藤卓侑
I remember you
2006/09/20 RELEASE
SRCL-6421/2 ¥ 1,650(税込)
Disc01
- 01.I remember you
- 02.Cloudy
- 03.Good-bye days ~YUI Acoustic Version~
- 04.I remember you ~Instrumental~
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