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SWEET LOVE SHOWER 2015 特集レポート
今年で20回目を迎えたスペースシャワーTVが主催する野外ライブイベント【SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2015 -20th ANNIVERSARY-】が、8月28日、29日、30日の3日間にわたって山梨・山中湖交流プラザ きららにて開催された。
初日、最大規模を誇るステージ<LAKESIDE STAGE>のトップバッターは、キュウソネコカミ。10時30分スタートにも関わらず、人気バンドを一目見ようと会場には多くの人が集まった。そんな観客を歓迎するかのように1曲目からアッパーチューン「MEGA SHAKE IT ! 」をドロップ。ヤマサキ セイヤ(Vo,Gt)はシャウトを連発し、観客エリアに飛び込むなど午前中とは思えないほどのハイテンションなパフォーマンス。「ファントムヴァイブレーション」、「DQNなりたい、40代で死にたい」、「ハッピーポンコツ」など代表曲目白押しのセットリストで<LAKESIDE STAGE>の幕開けを飾った。
<FOREST STAGE>では、永遠のパンク・ヒーロー、難波章浩(Vo,Ba)率いるNAMBA69がオン・ステージ。1曲目「TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS」から、オーディエンスのハートをがっちりキャッチすれば、難波の「晴れたねー!晴れたねー!踊るぜー!」という声と共に、9月2日リリースのミニアルバム『LET IT ROCK』から、表題曲であり、レコーディングにはJESSE(RIZE、The BONEZ)も参加した新曲「LET IT ROCK」を演奏。代表曲「MY WAY」では、オーディエンスの1人をステージに招き、共に歌い上げる、彼ららしいパフォーマンスをみせてくれた。
午後に入ると、<LAKESIDE STAGE>には、3年ぶりの【SWEET LOVE SHOWER】出場となったチャットモンチーが、サポートメンバーの世武裕子(Key)、北野愛子(Dr)とともに“乙女団”編成で登場。今年デビュー10周年を迎える彼女たちは、いつまで経ってもキュートな橋本絵莉子(Vo,Gt)の歌声と、福岡晃子(Ba,Cho)の安定感抜群のベースライン、そして“乙女団”が加わり織りなすアンサンブルで、新曲の「ときめき」や、懐かしのナンバー「女子たちに明日はない」「青春の一番札所」も披露。女性の柔らかさと強さを魅せつけるパフォーマンスで、最後までオーディエンスを魅了した。
続いて登場したBRAHMANはスタートの「THE ONLY WAY」から、終盤の「鼎の問」まで、ノンストップで曲を投下する白熱したライブを繰り広げる。ラストはTOSHI-LOW(Vo)が客席へと突入し、オーディエンスに担がれながら「ANSWER FOR…」を絶唱。鬼気迫る大迫力のライブパフォーマンスで、フィールドを熱く盛り上げた。
1日目<Mt.FUJI STAGE>のトリとして登場したKANA-BOON。フィールドは見渡す限り人で埋め尽くされ、谷口鮪(Vo,Gt)の「いくぞ!」という掛け声と共に「タイムアウト」を投下。オーディエンスは両手を上げてその音に酔いしれた。そして、MCで「Mt.FUJI STAGEのトリだから、いつもより欲張っていいですか?! なんでもねだっちゃっていいですか?」と呼びかけ、「なんでもねだり」を披露。その場にいる全員がハンドクラップや合唱でそれに答える。谷口は「みんなが楽しんでくれているのが伝わってきて、おれたちも本当に楽しい」とバンド自身もこのステージを大いに満喫していた様子が伝わってくるステージだった。
1日目、イベントのトリを務めたのは、今や国民的バンドまで成長したゲスの極み乙女。が<LAKESIDE STAGE>にオン・ステージ。リハーサルから「猟奇的なキスを私にして」「サイデンティティ」を披露し、本番宛らにフィールドを盛り上げる。本編は「キラーボールで踊りませんか?」と、川谷絵音(Vo,Gt)の問いかけから「キラーボール」でスタートし、3曲目の「デジタルモグラ」を皮切りに、「私以外私じゃないの」「ロマンスがありあまる」など、タイアップ曲を次々とフィールドに叩き込みオーディエンスを大きく揺らしていく。MCでは、昨年の<Mt.FUJI STAGE>で誓った「次はLAKESIDE STAGEでトリを務めたい!」という言葉を有言実行できたと喜びを語った彼らは、ゲスの極み乙女。としては初の夏をテーマにした新曲「無垢な季節」も披露してくれた。アンコールでは、代表曲「キラーボール」の新バージョン、「キラーボール(last dance ver.)」をプレイ。ほないこか(Dr)の刻むビートに合わせて川谷、ちゃんMARI(Key)、休日課長(Ba)が、3人で一緒にシンセイザーを弾く場面もみせるなど、オーディエンスに驚きと興奮を届け、1日目は大団円の中幕を閉じたのであった。
きゃりーぱみゅぱみゅ / シナリオアート / スチャダラパー / KICK THE CAN CREW
/ RADWIMPS / [Alexandros]
小雨が降る正午過ぎ、きゃりーぱみゅぱみゅがカラフルな衣装を身にまとい6人のダンサーを引き連れて<LAKESIDE STAGE>に登場。1曲目「CANDY CANDY」では「一緒に歌ってー!」と呼びかけ、「もんだいガール」や新曲「Crazy Party Night~ぱんぷきんの逆襲~」では、振り付けをオーディエンスにレクチャーし会場と一体にライブを展開していった。
<FOREST STAGE>では、【SWEET LOVE SHOWER】初登場となった男女ボーカルを擁するシナリオアートが、小雨が降りしきる本イベント日にはうってつけの代表曲「ホワイトレインコートマン」披露。ハヤシコウスケ(Gt,Vo,Pro)とハットリクミコ(Dr,Vo)のシンクロするボーカルが天候までも演出に変えてみせる幻想的なアクトとなった。
スチャダラパーは、バンド編成でのステージ。Boseが「スチャダラパー・イン・ザ・ハウス!」と叫び「ライツカメラアクション」からライブがスタートした。オーディエンスは3人の息の合ったマイクリレーに聞き入り、ビートに合わせ体を揺らしていた。途中、レキシが直前のライブでカバーしたことに触れて、「本家本元の心のベスト10やります!」という言葉から「今夜はブギー・バック」へ。観客は待っていましたと言わんばかりに大合唱。最後は、サマーソング「サマージャム'95」で締めくくった。
続いて、スチャダラパーからバトンを受けたのはKICK THE CAN CREW。こちらの3MCは、3人揃って白を基調にした衣装で登場。1曲目からアッパーチューン「マルシェ」を披露し、一糸乱れぬ掛け合いでオーディエンスを熱狂させた。MCでは、以前に【SWEET LOVE SHOWER】に出演したときの思い出話や「全部10年前の曲なのに盛り上がってくれてありがとう!」と感謝を述べた。「地球ブルース ~337~」、「イツナロウバ」、「アンバランス」など代表曲を次々に投下し、“キャラ立ち3本マイク”の卓越したスキルを十分に発揮したアクトを見せた。
2日目の<Mt.FUJI STAGE>ラストアーティストは、【SWEET LOVE SHOWER】初出演のRADWIMPS。青い照明に照らされたステージにメンバーが登場すると、フィールドを埋め尽くしたオーディエンスから大歓声が沸き起こった。野田洋次郎(Vo,Gt)が「はっちゃけるかい、山中湖?」という一言から「ギミギミック」をプレイすると会場が大きく揺れた。ライブ中盤の「いいんですか?」では、会場からサビの大合唱とハンドクラップが起こり、温かな雰囲気に会場が包まれた。そして、終盤では「まだまだ踊れるだろ!?」と言わんばかりにキラーチューン「君と羊と青」と「会心の一撃」を続けてドロップ。これで終了の予定だったが、野田は照明を落とすように指示を出し「トレモロ」の出だしをアカペラで歌うサプライズをオーディエンスに届け、2日目の<Mt.FUJI STAGE>の幕を下ろした。
2日目のイベントのトリを務めた[Alexandros]は、メジャー1stシングル「ワタリドリ」で勢い良くスタートを切り、「Kick & Spin」「starrrrrrr」など、ライブ鉄板チューンを次々と投下し、寒気を吹き飛ばす白熱のライブを展開。アンコールでは、川上洋平(Vo, G)が、先に登場したthe telephonesの石毛輝の声真似して、「俺と石毛どっちがキー高いんだろうね?笑」と、勝手に勝負を始めたりしながらも、本編MC中に川上が「普段愛を語らない我々も今日は語っちゃうよ!」と公言していた通り、彼ら流のラブソング2曲をSPACE SHOWER TVとオーディエンスに届け、彼らの【SWEET LOVE SHOWER】への深い愛に包まれながら2日目は終幕した。
NICO Touches the Walls / androp / Perfume / BEGIN / 電気グルーヴ
/ エレファントカシマシ
大粒の雨が降り注ぐ<LAKESIDE STAGE>に登場したNICO Touches the Wallsは、リハーサルで「ニワカ雨ニモ負ケズ」のワンフレーズを演奏し、客席を沸かせ本編がスタート。2曲目「手をたたけ」では、フィールド中からハンドクラップが鳴り響き、ステージ上と客席が一体となってライブは進行。終盤には新曲「渦と渦」も披露するなど、痛烈な雨と突風を撥ね除けるほどの、熱量たっぷりのパフォーマンスでオーディエンスを最後まで引っ張ってくれた。
初出場となったandropが<FOREST STAGE>に登場。彼らは序盤から「Voice」「MirrorDance」など、ハンドクラップ、ジャンプ、合唱と、オーディエンスと一体となってライブを展開。MCではバンドを結成した最初の年に観客として参加していたと語り、想い馳せていたそのステージに立てた喜びを共有するかのように内澤崇仁(Vo,Gt)は「ここににる全員で楽しめる曲を新しいアルバムから持ってきました!」と話し「Run」を披露。そこからライブ鉄板ナンバー「One」へと続き、ラストは、CMソングに起用され、一躍注目を集めた爽快サマーチューン「Yeah! Yeah! Yeah!」を届け、フィールドを幸福感でいっぱいに満たしてくれた。
大観衆が待ち構える<LAKESIDE STAGE>に上がったPerfume。1曲目「Pick Me Up」のイントロが流れると大歓声が山中湖に響き渡りライブがスタート。間髪入れず「ワンルーム・ディスコ」を投下しアッパーチューン連発でライブは進行していった。PTAのコーナーで会場を楽しませた後は、3人のキレのあるダンスが光る「Party Maker」へ。最後の「チョコレイト・ディスコ」では、オーディエンスも「ディスコ!」と叫び、会場が一体となるPerfumeのライブを十分に味わうことができた。
<Mt.FUJI STAGE>の終盤には、【SWEET LOVE SHOWER】初出演のBEGINが登場。比嘉栄昇(Vo)が「よろしくお願いします。楽しくいきましょう!」と挨拶をして「島人ぬ宝」がスタート。少し晴れ間の出てきた天気に美しい三線の音色が気持ちよく響いた。そして、短いMCをはさみながらどんどんライブは進んでいき、後半の「かりゆしの夜」では、上地等(Key)のレクチャーのもと、観客がカチャーシーを踊り大盛り上がりとなった。最後には「涙そうそう」を披露。曲がじんわり心に染みわたる感動的なラストとなった。
辺りが暗くなる頃、最終日の<Mt.FUJI STAGE>のトリは電気グルーヴ。石野卓球が「イェーイ! めっちゃホリデー!」と叫び、「ポケット カウボーイ」をプレイし出すと、白いハットをかぶったピエール瀧が登場しライブがスタート。「Fallin' Down」では、2人揃ってステージ前方で熱唱し、「SHAMEFUL」や「FLASHBACK DISCO」など次々とドロップし観客に休む暇を与えず踊らす。ライブも終わりに近づいてきた時、ピエール瀧が「今日はあいにくの天気で富士山は見えませんでしたが、富士山は見たいですかー!?」と問いかけると、富士山と同じ青と白にカラーリングされたカラーコーンをかぶりだし、ラス曲「富士山」が始まった。オーディエンスは「富・士・山!富・士・山!」と大絶叫。最後まで盛り上げて<Mt.FUJI STAGE>の全アーティストの出演が終わった。
最終日の大トリとして登場したのはエレファントカシマシ。最後の最後で降り始めた雨にも、余裕綽々の表情で宮本浩次(Vo)は、「こんばんはエブリバデ!SWEET LOVE SHOWERにようこそ!」と言い放ち、「地元のダンナ」でライブの口火を切る。さらに「今宵の月のように」「悲しみの果て」などの代表曲から、「デーデ」「星の砂」など、普遍的なロックンロールアンセムをプレイ。まさに全身全霊、力の限り絶唱する宮本の姿を目の当たりにしたオーディエンスは魅了されたに違いないだろう。アンコールを熱望され再登場した彼らは「風に吹かれて」を最後に届け、3日間にわたった【SWEET LOVE SHOWER 2015】はフィナーレを迎えたのであった。
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