Special
Do As Infinity 『For the future』インタビュー
“怒濤の一年”。本人達からすれば毎年そうなのかもしれないが、Do As Infinityにとっての2004年は、初の日本武道館公演、初のアメリカ公演、雨のa-nation、初の5周年記念“野音”ライヴ、年末には来年2月16日にリリースされる6枚目のアルバムも完成させて、それ以外にも学祭、韓国公演、「Do The B-side」のリリースと、もうとにかくイベント満載の一年だったと誰の目から見ても言える。そんな“怒濤の一年”について、Do As Infinityのお二人、伴都美子と大渡亮に語っていただきました。1月19日にリリースされるニューシングル「For the future」、そして、アルバム「NEED YOUR LOVE」のリリースについても、もちろん語っていただいておりますので、ご堪能下さい♪
PAGE1
--今回初登場ということで、色々と聞かせていただきたいんですが、まず2004年はDo As Infinityにとってどんな1年でした?かなりライヴ尽くしだった印象があるんですけど。
大渡 亮:チャレンジの1年でしたね。初めてのことも結構やったというか、異国でライヴをやるとか、5周年を祝うイベントを野音でやったりとか、Do As Infinityにとって初めてやることが多かった。そういう1年でしたね。
--2004年は最初から全国ツアー(『Do As Infinity LIVE TOUR 2004~GATES OF HEAVEN~』)でスタートして、日本武道館でも演りましたよね。念願の武道館でのライヴはどうでした?
伴 都美子:「やっていいんですか?」って思って(笑)。すごい嬉しかったですね。
大渡 亮:最高でした。「え!俺、ここでやっていいの!?」みたいなね。中学時代の憧れの聖地だったので、話が決まった時の方がショックでしたね。『GATES OF HEAVEN』のツアー日程が出た時に、武道館が2日あるっていうのがね。実は、風呂入りながら1人で泣きました。
--本当ですか(笑)。
大渡 亮:はい。何故か昔の、14歳の時のイメージに戻って、「俺があそこに立つのか・・・」「俺が観た数々の外タレの人たちと同じステージに立つのか」みたいな感じで、グワーッと泣いて喜んだのを覚えてます。
伴 都美子:意外とステージに立つとお客さんが近く感じられて、「本当に気持ちいい場所だ」と思いましたね。
大渡 亮:武道館は「歓声が降ってくる」ってよく言われていて、それを体験できましたね。上から「わぁーっ!」みたいな。本当に音が降ってくる感じで感動でしたね。感無量っすよ。
--武道館で「科学の夜」を演奏された時は自分の中でかなり涙モノでした。この間の野音のライヴでもそうでしたけど、あの曲はやってる側としても感動的だったりしますか?
大渡 亮:「科学の夜」は歌詞が乗って初めてあの雰囲気と言うか、あのパワーを生み出したんですよね。それまでは「まぁ良い曲だね」っていうような印象だったのが、ああいう奇抜なアレンジになって、そのアレンジに触発されて歌詞ができて、ようやく出来上がったというかね。未だにライヴでやっててもグッと来る瞬間がありますよね。5周年ライヴの時もちょっとアレンジを変えてやったんですけど、ピアノメインでAメロが進行するような、変わった切り口でちょっとやってみようと。それがまた僕的には大成功と言うか、この曲は衣を変えても全然OKだなと。普遍的なメッセージと歌声とメロディがあれば「全然OKだね!」みたいなことを確認した1年でしたね。
--歌ってる側からすると、「科学の夜」はどうですか?
伴 都美子:いつもいつも本当に願いながら歌ってますね。
--武道館の話に戻りますが、武道館と言えばKISSと言うことで、Do As Infinityのライヴでまさか「ロックンロール・オールナイト」を聴くとは思わなかったんですけど(笑)、あれはどういった経緯でやることになったんですか?
大渡 亮:せっかくそういう素晴らしきステージに立てると言うことで、「アンコールで亮君も何か歌おうよ」と、ウチの金子と言うボスの提案があって。そこで例えば「徒然なるままに」(「Week!」カップリング曲)を歌うのもどうかな?って。で、「Do Asと関係ない曲ってアリ?」って言ったら、「全然アリだよ!」って。「じゃあコピーやっていい?コピー!」みたいな(笑)。「カバーじゃなくてコピーしていい?」みたいな話でどんどん話が進んでいって。KISSが大好きだったんで、「じゃあKISSだ!」。なんかヒゲがKISS歌うのも不思議な話なんですけど(笑)。で、「ロックンロール・オールナイト」と「デトロイト・ロック・シティ」を日替わりで。
--今年の6月にはアメリカでライヴを行いましたよね。あのアメリカ公演はどういった流れで実現に至ったんですか?
伴 都美子:ちょうどアニメの『犬夜叉』がケーブルテレビで流れていて、私たち2回ほど主題歌をやらせて頂いていて。で、アニメのイベント(『A-KON 15』)があって行ったんですけど、それでライヴをやらせてもらいました。それでずっと前に計画していた、悲願だったニューヨークライヴもくっつけて、ようやく実現しました。
--それぞれ実際にやってみてどうでした?
伴 都美子:ね。アメリカ人って良いですね!分かりやすくて。嬉しかったですね。
--亮さんはどうでした?
大渡 亮:単純に行けるだけで楽しかったですね。なんかやっぱり洋楽を聴いていたせいか、アメリカに対する憧れって強いですよね。しかも僕、ニューヨークに初めて行ったので、もちろんダラスもなんですけど。そういうミーハー根性丸出しでアメリカ旅行に行ったついでに、ライヴのおかわりも出来るみたいな感じでしたよね。で、実際ラッキーなことに、僕らがフリーの時にクラプトンのギター・イベントも同じ場所であったり、ジョン・メイヤーのライヴが観れたりとかで、エキサイティングしましたね。
Interviewer:平賀哲雄
PAGE2
--そのアメリカ公演の後、韓国(『日韓国交正常化40周年記念イベント』)でもライヴを行ったみたいですが、これはどんなライヴになったんでしょうか?
大渡 亮:ラッキーなことに、6月下旬のスケジュールが空いてて、そこに話が来たんだよね。“jtL”という3人組の男性アイドルグループって言ったら失礼かもしれないけど、そういったニュアンスのグループと共演で、お客さんはみんなjtLさんを観に来ていたんだけど、僕らもかなりウェルカムな姿勢で迎えられた印象ありますね。知らないのにみんな吸収しようとしてるなっていう、すごいポジティブな感じを受けました。楽しかったっすね。まぁ意外と異国でやることなので、機材的な問題とかセッティングとか、そういうトラブルはちょっとあったんですけど。モニターが小さいとかね。まぁ蓋を開けてみたら、そういうネガティブな要素も覆い隠すような、お客さんのポジティブな感じっていうのが印象に残りましたね。
--2004年は3ヶ国でライヴを行ったみたいな感じになるんですかね?
大渡 亮:日本、韓国、アメリカですね。
--やっぱり土地土地で雰囲気やノリは全然違いますか?
大渡 亮:違いましたね。アメリカの人たちは良い人だったし。良い意味で予想を裏切られた感じで楽しかったですね。「そう来るか!?」「良いじゃねぇか!」みたいな、リアクションが過剰だったね。楽しかった。
--続いて、夏には『a-nation avex SUMMER FESTA 2004』がありましたけど、2004年のa-nationはどうでした?
大渡 亮:いつもは夕方で暗くなり始めにやるんですよ、何故か。ラッキーなことにそういうナイス・シチュエーションでやらせてもらってたんだけど、去年は出番が早くて4時とかで。夏の4時なんて言ったら昼みたいなもんで、また一風変わったa-nationを感じられたかな。東京公演は雨降っちゃってね、どろんこ遊びしてるガキの気分になったような瞬間もありましたね。「もう濡れてもいいや!」みたいな(笑)。
--最終日に僕も行かせてもらったんですけど、けっこう雨多くて、みんなカッパ着て楽しんでましたよね。
大渡 亮:だから逆に僕らって言うよりは、お客さんが可哀想でしたね。野外で開放的な気分になりたくてペイしてきてるのに。
--でも、あのシチュエーションで「本日ハ晴天ナリ」を聴けたのが、僕の中では雨降ってても開放的になれたキッカケになりましたよ。
大渡 亮:そういう強い開放的なメッセージを持った歌ですよね。a-nationに限らず、やっぱりあれをやる時、なんか心がすごい開放的になって、不思議な良い曲だと思います。まぁ自画自賛ですけど(笑)。
--そして、9月に野音でのライヴがあったわけですけども、野音もかなり気持ち良いライヴになったんじゃないですか?
伴 都美子:野音は初めてだったんですけど、5周年記念のライヴで、ファーストから最近のアルバムまで、それに「Do The B-side」の収録曲を織り交ぜつつだったので、今までの歴史を振り返りながら、1曲1曲味わいながら歌えたライヴだったなという印象ですね。あとは、やっぱり皆さんのおかげでの5周年だと思ったので、ファンの人たちの気持ちにも応えたいと思って挑んだライヴでしたね。
--またあの日って蜩(ひぐらし)が良い感じで。
伴 都美子:鳴いてましたね。バッタは鳴かないですよね(笑)。
--そういえば“バッタが鳴いてる”って言ってましたね(笑)。亮さんにとって野音はどうでしたか?
大渡 亮:野音良かったなぁ。本当ね、Do As Infinityをまた客観的に再確認できたライヴでした。アメリカのライヴからメンバーの人数をちょっと減らしたりしまして。その理由は自分的にやっぱりお客さんにパフォーマンスで還元したい表現したいっていう気持ちはあるんですけど、パフォーマンスに集中するから、こっちは「お願いします」ってサポートの方に演奏をお願いしたりっていうのは、「自分のスキルアップにあんまりならねぇな」って思ってて。で、アメリカのライヴでちょっと手応えを感じて、「これだったら俺が勝手に出来ないと思っていた曲も出来るかもしれない」っていうチャレンジ精神が生まれまして。で、例えばそれがマスターベーションになってしまってはいけないと思うんだけど、客観的にそれは評価に値するっていう意見を聞いたので、「それだったらこの機会に、歌をサポートする自分の感覚をもっとスキルアップさせなきゃいけないな」と思って、それで挑んだ初ライヴだったんですね。22曲くらいやったんで、俺のギター1本で。もちろん他の楽器もあるんですけど、ギターというセクションでは僕1人っていう。背水の陣じゃないですけど、そういう環境を作ってみて曲の良さを改めて再確認したり、自分の許容量をまた増やすことも出来たりとか。
Interviewer:平賀哲雄
PAGE3
大渡 亮:あと、自分対音楽みたいな、そういう精神性も洗われるような瞬間がいっぱいありました。そういう意味で、先ほど言ったようにチャレンジな1年というか、それに尽きるという感じですね。結果、あれはすごい試練でもあり、めちゃくちゃ楽しいライヴだったと思ってますね。
--その野音のライヴ後、9月29日にデビューからちょうど5周年を迎えたわけですけど、この5年を振り返るとどんな5年だったと言えますか?
伴 都美子:早かったですね。とは言いつつ、5年ですよね。感慨深いですね。
--またDo As Infinityって、5年の中でドラマみたいな展開が結構あったじゃないですか。
大渡 亮:そうですね。やっぱりすごい露出を余儀なくされる時もあったり、クリエイティブとしては全く真逆なことを同時進行させなきゃいけなかったりとか、葛藤の日々もあったんですけど。しかし、その種まきの時があって、その素晴らしい5周年ライヴを迎えられたなってやっぱり思いますよね。今それがポツポツ、精神的にも実りを持ってきてる。要はすごい健康的な状態だなって今思えるんで、グループの存在自体がね。この健全な感じというのは、やはりあの種まきあってのことかって。無理にそこを畑地にした感もあったので、今ようやく充実した日々という意味でね。
--デビュー当時の自分たちと今の自分たちを比べると、やっぱり全然違うと感じます?
大渡 亮:もっとギスギスしてましたよ。スタッフもね。僕らもそうだけど、今思うとスタッフがギスギスしてましたね。やっぱりひとつのこと決める時間も短いし、したことを噛み締められない。「ドラマの主題歌スゴくね?」みたいなことを振り返られないんですよ。もう違うタイアップのことをやっていたり、歌詞を書いたりとか。だから楽しんでスケジュールをこなせないっていうストレスが強かったかな。あと最初は“Do As Infinityをやる”ってなってから知り合った2人だっただから、伴ちゃんにしても大君にしても。だからそういう意味で気を使うっていうことがすごくありましたよね。まぁ今でも気は使いますけど(笑)。もっと嫌な気を使っていたっていうことがありましたね。
--伴さんはその辺はどうですか?
伴 都美子:変わっていかないといけないこともあるし、変わらないものもあるし。「5年続いた!嬉しい!」っていうのと、「まだまだ5才だ」っていうのと、両方ですね。やっと言葉喋れるくらいの、読み書きできるくらいなんじゃないですか、Do As Infinityは。これからですね。気持ちはやっぱり常に前へ。
--なるほど。そして、ちょうど5周年を迎えた日に、『Do As Infinity 5周年だよ全員集合!!』というイベントを行ったみたいですが、これはどんなイベントだったんですか?
大渡 亮:ファンクラブから発信して、おかげさまでいっぱい来てくれたんですけど。要はやっぱり2日じゃ足りなかったということですね、5周年ライヴは。もうちょっとやらせてよって。で、タイトルはまぁ適当に、ラフな感じになるようにっていう。やっぱり渋谷 Duo Music Exchange でやって、僕的には完結したなって感じがしましたね。デビュー日にライヴをやるっていうのはね、感慨深い感じがありましたよね。「そういえばデビューシングルのデビュー日は、ハチ公の交番に“すいませんでした”って挨拶しに行ったな」とか(笑)。「売れる売れないは別として、デビューは出来ました」みたいな感じで、おまわりさんの所にCDを持って行ったんですよね。
--その5周年があって、10月には学園祭ライヴがあったわけですが。
大渡 亮:学祭は2~3年ぶりだったんですよ。今回はやっぱり雰囲気が砕けて良いなって思いましたね。学生のパワーもそうだし、あとちょっと先に行けば屋台とかあったりして、食いたい物買って食えるみたいなシチュエーションもあって、学園祭っていうムードのままステージを創ることが出来るっていうか。僕はね、すごい楽しかったっす。
--伴さんは学祭はどうでした?
伴 都美子:3年前に学園祭やってた頃の気持ちが久々に味わえて楽しかったですね。なんか若いっていうか・・・良いですね!「熱い!」っていう感じでしたね。
--学祭ライヴもあって、最近では『Act Against AIDS 2004 LIVE IN NAGOYA』のイベントにも出演しましたが、こちらは出てみてどうでしたか?
大渡 亮:正直、ライヴは楽しかったんですけど、真剣に考えなきゃいけないことだなっていう風に、このイベントの主催、そしてそのイベント側に立ったわけですけど、個人個人がもうちょっとしっかり考えていかなきゃいけないことなんだなっていう風にイベントを通じて実感しましたね。
--そんな感じで2004年はとにかくライヴ尽くしだったわけですけど、もう僕の中ではDo As Infinityはライヴバンドなんですよね。そういった意識は自分たちの中にもあります?
大渡 亮:やっぱり生のものを生の時間で発信したいって僕は思いますね。ロックってやっぱり醍醐味はライヴにあったり。スタジオはね、ギミックや構築感っていうのも、もちろん芸術として評価に値するものですけど、等身大の個人として、やっぱりライヴで「俺は今こうしている!」っていう、その場その場、一瞬一瞬のね、それを表現できる素晴らしき場所だと思うんですよね。なのでそのスタイルをどんどん進化させて、ライヴバンドというイメージ通り行きたいと思いますね。
Interviewer:平賀哲雄
PAGE4
--是非これからも良いライヴを観させていただければと思います。そろそろDo Asの作品についてもお話を聞かせていただきたいんですが、まず18枚目となったシングル「楽園」。この曲はどういった流れで作っていった曲なんですか?
大渡 亮:2004年の春からレコーディングを再開させて、亀田(誠治)さんの世界観で曲を作っていってるんですけど、「楽園」はそれの2曲目に録った曲なんですよね。で、なかなか今まで無かったような、直接的ではないような感じだけど直接的、直接的なようで直接的じゃないメロディだなって。ナイスアレンジもさることながら。で、「この曲はみんなが思うような普遍的なテーマが合いそうだな」と思っていて、曲だけで眠らせていたんですけど、「年末映画の『犬夜叉 紅蓮の蓬莱島』の主題歌でまた是非お願いします」というお話を頂いて、それから歌詞を書き始めたんですよね。で、歌入れが終わったのがリリースタイミングのひと月くらい前で、10月くらいにやっと仕上がったって感じなんですけどね。
--じゃあ歌詞は映画ありきで?
大渡 亮:映画ありきです。映画のあらすじをもらって、僕が思ったことと、あと最近戦争とか多いじゃないですか、その「嫌だな・・・」っていう気持ちと、一緒にしたかったわけじゃないですけど一緒になったというか、「犬夜叉、頑張れ!」みたいな想いに、現代の社会の想いを投影させたというか。僕的にはリンクした内容にしたかったんですよね。犬夜叉だけではなく、もうちょっと人それぞれの今の情勢を考えると言うか。まぁ直接的に言うと、「俺は何様なんだ!?」って思えちゃって、すごい俯瞰でそれを描きたいと常に思っていて、このタイミングでそれが出来たって感じですね。
--実際にその歌詞を歌ってみてどうでした?
伴 都美子:曲もすごい強いし、詞の言葉も強かったし。昔の曲で何かありましたよね。
大渡 亮:眠りなさいー♪
伴 都美子:そう。「聖母達のララバイ」。ああいう母性愛すら感じる曲。まぁライヴでいつも言ってるんですけど、陶酔しますよね。
--この「楽園」のリリースの1ヶ月後、「For the future」がリリースされるわけですが、この曲に関してはまたライヴを盛り上げるために生まれてきたような曲という印象が僕の中であったんですけど、この曲を最初聴いた時はそれぞれどんな印象を持たれました?
大渡 亮:まさにそんな感じで、またライヴで楽しくなれる新しいアイテムが増えたなっていう。これは来年のツアーで楽しめそうだなって言うのがオケを録ってる時の印象で。で、やっぱりかなりポジティブなメッセージが合いそうだっていう風なイメージをレコーディングの時から持っていて、お客さんにライヴで、さらに楽しんでもらえるようなメッセージを書きたいなと思った歌なんですよね。だから早くライヴでやってみたいなって思いますね。
--やっぱり曲的に勢いがあるから、それに合わせて詞も疾走感のある感じを出そうっていうのはあったんですか?
大渡 亮:ありましたね。リズムをこういう言葉と共に感じられるような詞にしたいと思いましたね。古典的なリズムですけど、その高揚感っていうのをやっぱり言葉で代弁するというか、そういう感じに仕上がりましたね。
--実際に歌ってみてどうでした?
伴 都美子:やっぱり曲の疾走感が気持ち良い曲ですね。ノリっていうか突き抜けた感じ。高校サッカーな感じ(笑)。
--この突き抜けていく感じって、最近ではDo As Infinityの新しい味になったなっていう印象があるんですけど。
大渡 亮:ラッキーっすね。
--本人達的にもそういうのは感じたりしますか?
大渡 亮:やっぱりね、ライヴでやる時に絶対楽しいんですよ、そういう曲が入ってると。で、反動かもしれないですけど、最初のアルバムの時のツアーって、なかなか難しかったんですよ。盛り上がりたいんだけど、共に盛り上がって還元したいんだけど、この曲全て素晴らしい曲なんだけど、「どうやって盛り上がれば良いんだ!?」みたいな。難しかったですよね。それの反動か、あとやっぱり大君が、僕と伴ちゃんを見て、チーム・Do As Infinityみたいなムードを客観視できる場所にいるので、それでやっぱりこの曲が欲しいなっていう彼のファースト・インスピレーションになって、客観的にこういう曲が足りないからって作ってると思うんですよ。まさにそういう曲かなという感じですよね。
Interviewer:平賀哲雄
PAGE5
--ちなみにDo As Infinity自体の未来というのはどんな感じになっていくと予想されますか?
大渡 亮:ポジティブに色々なことを噛み砕いてやってれば、そんな悪いことはないっていう風に思ってます。例えばそれが後ろ向きでやっていた時に、結果自分の未来に向けるプロセスを振り返って楽しいか?と思った時に、やっぱりビターで苦いなっていう味しか今まで残ってこなかったんですよ。なので、その過程をもこうね、「あの飯はウマかった」とか「箸をつける瞬間から、俺はおいしかったんだ。しかも匂いから目から」みたいなね。そういう風にありたいと思います。難しかったな、今(笑)。
--伴さん的にはDo As Infinityとして「どうありたい」とかありますか?
伴 都美子:まさに名のとおり“無限大”ですね。
--なるほど、分かりました。続いて、少し近い未来の話なんですが、2月16日に6枚目のアルバムがリリースされるということで、どんな内容のアルバムになりそうですか?
大渡 亮:かなり客観的に考えると、異色なナンバーもあります。「えー!?これ変わってるね」みたいな。良い意味ですけど。メロディの感じは不思議な感じの曲が何曲かあって、なかなかそのアルバムを構築するのに一役買ってくれてるような異色なナンバーあり、そしてみんなが望むところの「For the future」のようなポジティブなメッセージの歌だったり、あとは「あーこれがDo Asだよね!」って思ってくれるようなナンバーも入ってて、かなりバランスの良いバラエティに富んだ内容になってるかな。でも、「おや!?今までとちょっと違うぞ」って感じですね。僕が思うのはそういうところかな。
--今回のアルバムの収録曲を一通り歌ってみてどういう印象を持ちました?
伴 都美子:毎回そうですけど、チャレンジした曲もあったり、いかにもDo Asっぽい曲もあったり。そういう意味ではすごいいろんな曲を歌ったという印象ですね。
--レコーディングを毎回重ねる度に、自分の中の歌い方の変化を感じる時ってありますか?
伴 都美子:自分のクセとか分かりましたね。クセだったり、なかなか自分で分からない・・・意識というよりかは、曲が引き出してくれる感じがしますね。常にチャレンジは繰り返していきたいです。
--その待望のニューーアルバムの限定盤には、Tシャツが付いてくるそうですが。
大渡 亮:そうなんですよ。“TRANS CONTINENTS”というブランドで、もちろんデザイナーさんが「こんなのどうですか?」っていう感じで出してくれたアイデアの中から選んだんですけど、Do As Infinityっていうのが匂わないほうが良いんじゃないかっていう意見が満場一致でありまして。確かに外タレならアリなんですけど、邦楽のアーティストのTシャツを普段着るっていうのはなかなか難しいと思うんですよ、よっぽど好きじゃないと。なのでそういう着れない感を廃した方がやっぱり良いと思うんで。それを着ていて看板にならないようなデザインが格好良いっていう方が着たいと思うんじゃない?みたいな、そんな内容ですね。「伴ちゃんセレクト」「亮さんセレクト」みたいな感じになってるんですよ。
--3月にはそのアルバムを引っさげた全国ツアーが早くも予定されているみたいですが、今からどんなツアーにしたいとかっていう構想はあるんですか?
大渡 亮:言いたいんですけどね、まだ無いですね。「For the future」とか早くやりたいなっていう衝動の方が先で、年内、そして来年の頭くらいにそういうイメージが出てくればなと。まぁ絶対何かを作らなきゃっていう感じですね。
--分かりました。では、最後になりますが、読者の皆さんにそれぞれメッセージをお願いします。
大渡 亮:時代は進化したよね。僕の言葉が今ネットで見られるなんて。しかし、この素晴らしき産業発展、ナイスかと思います。これからもこんな形でベラベラ喋りたいなーなんて思います。今後ともよろしゅう。
伴 都美子:2005年もよろしくお願いします。
Interviewer:平賀哲雄
For the future
2005/01/19 RELEASE
AVCD-30674 ¥ 1,362(税込)
Disc01
- 01.For the future
- 02.For the future (Instrumental)
関連商品