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マライアを超えるのは、マライアだけ。マライア・キャリー究極のベスト『#1インフィニティ』特集
先日米・ソニー・ミュージックエンタテインメント傘下のエピック・レコードと契約、数々の輝かしい記録を共に打ち立てた古巣ソニーへの電撃復帰を果たし、ラスベガスでのロングラン公演をスタートさせたマライア・キャリー。1990年のデビューから25年を迎えた歌姫が、全米1位に輝いた楽曲と新曲「インフィニティ」を収録したベスト盤『#1 インフィニティ』を6/24にリリースする。1998年にリリースし国内の洋楽アルバム歴代売上ランキング1位となったベスト・アルバム『#1's』を上回る18曲のナンバーワン・ヒットを収録した究極のオールタイム・ベストは、現役で活躍するアーティストの中でもマライアにしか成しえない作品と言える。今回は、ソニー・ミュージックの特設サイトで開催された「日本のファンが選ぶマライア#1ソング」の結果とともに、彼女の名曲の数々を紹介していこう。
6月17日に行われた『#1 インフィニティ』リリース・パーティーの模様はコチラ>
歌姫、完全復活
Billboard Hot 100で1位を獲得した楽曲は18曲でビートルズに次ぐ2位、国内の洋楽アルバム歴代売上ランキング1位(The Ones)、11年間連続シングル1位獲得など、音楽史に数々の記録を残し続け、アルバム・セールスはなんと2億枚に上る。近年はプライベートなニュースも多く耳にしてきたが、今回、90年代から約10年余りに渡って爆発的なヒットを飛ばし続けたソニーと再びタッグを組むというニュースは各方面から好意的に受け止められ、豊潤な歌声と共に再び世界の歌姫として歩み始める期待感を大いに抱かせるものである。
復帰の目玉のひとつとして発表されたのは、ラスベガスにあるシーザーズ・パレスの劇場「ザ・コロッセオ」でロングラン公演「#1 to Infinity」。5月6日の公演初日にはすべての全米ナンバーワン・ヒット曲が年代順に歌いあげ、スタンディング・オベーションを巻き起こし完全復活を印象付けた。ラスベガス公演は週3回のペースで2017年まで行われる予定となっている。
満を持して発表された新曲「インフィニティ」では、壮大でドラマチックなオケをバックにマライアの最大の特徴でもあるホイッスル・ボイスを披露。現エピック・レコードCEOで2005年に「ウィ・ビロング・トゥゲザー」でマライアの復活を導いたL.A.リードは「マライアがこれからもう一度大きな記録を成し遂げることを確信している」と語っている。ミュージック・ビデオも「ウィ・ビロング・トゥゲザー」を手掛けたブレット・ラトナーが監督を務めている。
日本のファンが選ぶマライア#1ソング
1995年にリリースされた6作目のスタジオ・アルバム『デイドリーム』のセカンド・シングルとして収録。前年にアルバム『II』で全米1位に輝いたボーイズIIメンとマライアが一緒に作り上げ、絶妙なハーモニーを聴かせるバラード曲。お互いのスケジュールの関係で、曲作りからレコーディング、ビデオ撮影までを1日で行ったという。Billboard Hot 100に初登場から16週連続で1位を獲得し、ビルボード史上最長記録としてギネスにも登録されたモンスター・ソングとして語り継がれている。
1990年にリリースされたデビュー・アルバム『マライア・キャリー』のセカンド・シングル。制作当時「ポップ・バラードがない」と言われ、スタジオに籠って1時間で書き上げた名バラードで、プロデュースはマライアを語る上で外すことのできない名匠ウォルター・アファナシェフが手掛けている。このデビュー・アルバムは11週連続全米1位というロング・ヒットとなり、全世界で1500万枚以上のセールスを記録した。
1993年にリリースされた3rdアルバム『ミュージック・ボックス』に収録。イギリスのロックグループ、バッドフィンガーのカバーだが、オリジナルよりもマライアのカバーの方が印象強いという人も多いだろう。イギリスのアーティストのカバーというせいもあって、アメリカ以外の反響が大きく、ヨーロッパ各国で1位を獲得している。ハイトーンな歌声が印象深いマライアだが、本曲ではハスキーな歌声も披露している。
※『#1 インフィニティ』未収録
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7オクターヴの歌声をして音楽シーンに衝撃を与えたマライアのデビュー曲。Billboard Hot 100では4週連続1位を記録。一見ラブソングのようではあるが、人種的な差別によりコンプレックスを感じていた彼女の心の叫びを表している。本作をはじめデビュー・アルバム『マライア』からカットされたシングルが全て全米1位を獲得。グラミー賞では最優秀新人賞と最優秀女性ポップ・ヴォーカルに輝いた。
過労による入院や父の死を乗り越えたマライアが新たな環境を整えるべく、90年代を謳歌したソニーを離れ、アイランド/デフジャムに移籍。その第一弾となったアルバム『チャームブレスレット』の先行シングルで、ミュージック・ビデオも当時の心境を表しているような作品になっている。この曲がランクインしたのは意外ではなかろうか。
※『#1 インフィニティ』未収録
この曲も「復活」という意味ではマライアを象徴する1曲で、2001年にリリースした『グリッター』、2002年にリリースした『チャームブレスレット』が商業的に大成功とはいかなかった(それでも『グリッター』はオリコン1位を獲得している)マライアの久々の大ヒット曲。プロデューサーにジャーメイン・デュプリを迎えたアーバンなR&Bソングで、後発となったセカンド・シングル「シェイク・イット・オフ」すらを抑えてBillboard Hot 100で計14週1位を獲得、ワン・スウィート・デイに次ぐ記録を残した。マライア自身も「私を再浮上させてくれた曲」と認めている。
1994年に放映された山口智子主演のTVドラマ『29歳のクリスマス』の主題歌として起用され、シングルがミリオン・セラーを達成、アルバム『メリー・クリスマス』は日本でも280万枚のセールスを記録した。毎年クリスマスの時期になると街頭、TV、ラジオでかかりまくり、ワム「ラスト・クリスマス」、山下達郎の「クリスマス・イブ 」と並ぶ超定番曲。
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1996年にリリースされた5枚目のアルバム『デイドリーム』に収録され、のちのマライアの活躍を支えるジャーメイン・デュプリとの記念すべき1作目。ジャーメイン・デュプリが手掛けたクリス・クロスの「ジャンプ」をマライアが聴き、依頼したのがタッグ結成のきっかけとなった。ライブでも人気が高く、マライア自身は「時代を超える魅力的な曲」と評している。また、『デイドリーム』からはこの曲の他、前述した「ワン・スウィート・デイ」、「ファンタジー」が全米1位に輝いており、アルバムのセールスも世界で2500枚以上、国内でも260万枚を売り上げた。
1991年にリリースされたセカンド・アルバム『エモーションズ』のタイトル・ナンバー。「Everybody Dance Now」でおなじみのC+Cミュージック・ファクトリーとコラボして完成したダンス・クラシック。曲終盤に披露するマライアの真骨頂の「ホイッスル・ボイス」に鳥肌が立ったリスナーも少なくなかろう。6月17日に行われた「#1 インフィニティ」リリース・パーティでは、Doubleがカバーし会場を沸かせた。デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」からこの「エモーションズ」まで、シングル5曲連続で全米1位となり、史上初の快挙を達成した。
「日本のファンが選ぶマライア#1ソング」栄えある第一位は、ウォルター・アファナシェフとの黄金コンビによるバラード「ヒーロー」に決定!切なく哀しいピアノと、情感たっぷりに歌い上げるマライアの歌声に世界中が心を打たれた名曲中の名曲で、誰もが納得する結果と言えよう。先日のリリース・パーティでは、「この曲はもともとダスティン・ホフマン主演の映画『靴をなくした天使』のテーマ曲ように書き下ろされたもので、実はマライアが歌う予定ではなく、グロリア・エステファンが歌う予定だった」というエピソードが紹介された。サード・アルバム『ミュージック・ボックス』はマライアの中でも特に傑作とされ、日本で240万枚、全世界で3000万枚以上のセールスを記録した。
マライアを超えるのはマライアだけ。
ここまで紹介した楽曲の他にも「ドリーム・ラヴァー」や「ファンタジー」、「ハニー」、「タッチ・マイ・ボディ」などファンそれぞれの胸に刻まれた思い出の一曲があるだろう。今日まで色褪せることのない17曲のナンバーワン・ヒットに新曲「インフィニティ」とボーナストラックとして「恋人たちのクリスマス」を収録した究極のオールタイム・ベスト『#1 インフィニティ』は、近年何かとプライベートなゴシップネタが話題に上がっていたマライアが、偉大なシンガーであり、スターであることを証明し、新たな未来を感じさせてくれる一枚と言える。後世に語り継がれる名曲を聴いたあとに新曲「インフィニティ」を聴くと、より一層「インフィニティ」に込めたポジティヴなメッセージが伝わってくる。新たな伝説の幕開けを告げた歌姫に今後も注目したい。
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#1 インフィニティ
2015/06/24 RELEASE
SICP-4463 ¥ 2,420(税込)
Disc01
- 01.ヴィジョン・オブ・ラヴ
- 02.ラヴ・テイクス・タイム
- 03.サムデイ (MTVアンプラグド)
- 04.アイ・ドント・ウォナ・クライ
- 05.エモーションズ
- 06.アイル・ビー・ゼア FEAT.トレイ・ロレンツ
- 07.ドリームラヴァー
- 08.ヒーロー
- 09.ファンタジー
- 10.ワン・スウィート・デイ
- 11.オールウェイズ・ビー・マイ・ベイビー
- 12.ハニー
- 13.マイ・オール
- 14.ハートブレイカー FEAT.JAY-Z
- 15.ウィ・ビロング・トゥゲザー
- 16.ドント・フォゲット・アバウト・アス
- 17.タッチ・マイ・ボディ
- 18.恋人たちのクリスマス <日本盤ボーナス・トラック>
- 19.インフィニティ
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