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Women's Liberation 鳥山雄司スペシャル・インタビュー
2015年1月にリリースされたコンピレーション作品『Women's Liberation』。ソロ・アーティストとして活躍し、プロデューサーとしても松田聖子、吉田拓郎、葉加瀬太郎など幅広いアーティストを手掛ける一方、アニメやゲーム、映画のサウンドトラックも担当する鳥山雄司が自身の新レーベル<Super Paw>から第1弾としてリリースした作品だ。直訳すると「女性解放」の意味となるタイトルや加賀まりこをフィーチャーしたジャケットのアートワーク通り、同作は、60年代~70年代の“かっこいい”女性像に注目し、当時の世間を彩っていた歌謡曲を、現代の女性アーティストとのコラボでカヴァーする好企画となった。
そんな『Women's Liberation』のリリースを記念し、今回Billboard Liveにて一夜限りのスペシャル・ライブが開催される。鳥山自身がギターで参加するのはもちろんのこと、MiKa Beyond Jazz、土岐麻子、国府弘子というアルバムにも参加したスペシャル・ゲストも出演する。その公演を前に、今回は鳥山にアルバムに込めた思いやライブへの意気込みなど話を聞いた。新作を“大人のためのアルバム”と呼ぶ彼の言葉にぜひ注目して欲しい。
鳥山雄司、MiKa Beyond Jazzからの動画コメントも公開!
昭和歌謡に思い入れがあったわけではなく
その時代の文化を掘り下げていったらこういう音楽に当たった
--『Women's Liberation』はご自身のレーベル<Super Paw>からの第一弾リリースとなりました。『女性解放』と掲げられたアルバムがレーベルの第一弾というのはとても象徴的なことように思いますが、リリースに至った経緯を教えて下さい。
鳥山雄司:2013年ころから興味があったものの一つに、現代の女性のファッションやつけまつげなどのアイメークが1960~70年代に共通しているように感じていて、加賀まりこさんなど特に凛とした女性のかっこよさのルーツを探っていった結果、Women's Liberation前後の時代に行き着きました。昭和歌謡に思い入れがあったわけではなく 、その時代の文化を掘り下げていったらこういう音楽に当たったという感じです。他にもTOYATA2000 GT、新幹線などMade in Japanのデザインや性能が突出していた頃ですね。
やりたい音楽を妥協することなく作れる環境が必要だと思って、インディーズではないメジャーの流通を持つレーベルを立ち上げたので、第一弾は自分のソロアルバムという選択肢もあったのですが…。
今回のアルバムでテーマとなった60年代、70年代という時代は鳥山さんにとって少年期?青年期にあたると思います。当時、鳥山さんご自身はどのような少年でしたか?また、どんな音楽を聴いていらっしゃいましたか?
鳥山雄司:僕の両親は、 かなりのアメリカかぶれだったと思います。家の中では歌謡曲(当時は流行歌)は聞かずハワイアンとジャズのレコードが絶えずかかっていました。その影響で2~3才でウクレレ、6才からピアノとギターを始めて当時流行ったボサノバに夢中になっていました。本当にませた子供ですよね。特にセルジオ・メンデス&ブラジル66とバーデン・パウェルが小学生時代のアイドルでした。
--先日公開されたオフィシャルインタビューの中で、鳥山さんが作品を「大人のための音楽」と表現されていたのがとても興味深かったです。もし、これを読んでいる読者で「大人になり切れていない」と感じている人に『Women's Liberation』以外の作品を薦めるとしたら、どの作品を薦めますか?
鳥山雄司:セルジオ・メンデス&ブラジル66とバーデン・パウェル・・・というのはさておき、JAZZとClassic全般をお勧めします。
--音楽以外に、鳥山さんにとって「これができたら大人!」と思えるような行為や行動があったらぜひ教えて下さい。
鳥山雄司:きれいに身銭を切って遊ぶことかな?。他人のことを思いやる気持ちも大切ですよね。
--今回のアルバムは海外でのリリースも見越して全編英詞になっているとのことですが、海外ではどのように受け入れられると思いますか?
鳥山雄司:今回アルバムに収録されている曲は、日本が高度成長期でアメリカやヨーロッパのポップカルチャーを貪欲に吸収している時代の作品です。メロディーだけを取り出すと洗練された外国の作品と言っても良いようなものが多くあります。そのあたりを海外でノスタルジックまたは、エキゾチックな新しいものに感じてくれるのかということに興味があります。
--前述のオフィシャルインタビューの中で、鳥山さんが「洋楽」という言葉を度々強調されていて、とても興味深かったです。鳥山さんにとって、洋楽とはどのようなイメージを喚起する言葉なのでしょうか?
鳥山雄司:僕たちの世代は洋楽の影響なしではミュージシャンになっていなかったでしょうね。
今はJ-Popというジャンルがあって、それにインスパイアされた人たちが音楽を作るようになっていますが、われわれの世代はまさしくアメリカやヨーロッパのポップカルチャーに憧れて育って、最終的には海外でも仕事をしたいと思ってやってきました。
--同じインタビューでは「夜明けのスキャット」のアレンジについて<ヒップポップのアーティストがジャズの名曲の一部をサンプリングして使うようなもの>と説明されています。最近、ファレル・ウィリアムズの一件をはじめ、ヒップホップ系のミュージシャンが参照やサンプリングをした音楽家やその遺族から訴訟されるというニュースが相次いでいますが、それについてどのような意見をお持ちですか?
鳥山雄司:これらの訴訟問題はサンプリングでなくてもフレーズを故意に盗用したなどの、昔からある盗作問題と同じだと思います。あるアーティストへのリスペクトがあって、そのフレーズをどうしても使う必然性が自分の作品にあれば堂々と許諾申請すればいいのではないでしょうか。
公演情報
Women's Liberation
feat. MiKa Beyond Jazz, 土岐麻子, 国府弘子
2015年6月15日(月)
1st 開場17:30 開演19:00
2nd 開場20:45 開演21:30
歌謡曲英語カヴァーアルバムのリリース記念ライブ
1960~70年代のジャパニーズ・ポップカルチャーにオマージュを捧げた話題の作品のリリースを記念したスペシャル・ライブが決定!今年 1月にリリースされたこのアルバムには、ケイコ・リー、Chara、土岐麻子、野宮真貴、Fried Prideなど、[ビルボードライブ]でもおなじみの豪華ヴォーカリストがフィーチャリングアーティストとして参加。今回は、MiKa Beyond Jazz、土岐麻子、国府弘子をフィーチャーしてのHOTでHIPなステージが実現。「恋のバカンス」「四つのお願い」「ブルーライト・ヨコハマ」などの名曲を酒脱に聴かせてくれる、まさに大人のための一夜限りのライヴステージは必見。
関連リンク
曲へのこだわりよりもオリジナルを歌っていた人たちの
かっこよさをもういちどフィーチャーしたい
--アルバムでは様々なヴォーカルをフィーチャーしていた『Women's Liberation』ですが、ライブではヴォーカルは土岐麻子さん、有坂美香(Mika Beyond Jazz)さんのみとなります。セットリストはどのようになりますか?
鳥山雄司:オムニバス形式で沢山のアーティストが順に出てくるステージはBillboardには似合わないと思いました。1セットでアーティストと楽曲の魅力を表現するにはこの人数がMAXではないかと思います。土岐さんはもちろん、Mika beyond jazzの有坂美香さんもすばらしいボーカリストです。
--今回ライブに参加する土岐さん、Mikaさん、国府さんという3名のゲストについて、そのヴォーカルや演奏への印象を教えて下さい。
鳥山雄司:このアルバムはとにかくコンサバティブではない個性的なアーティストとゲストミュージシャンの方々に参加してもらっています。僕の主観より実際見て聞いていただいて皆さんに色々と感じて欲しいと思います。
--アルバムでは、筒美京平さんの作曲が2曲、川口真さんの作曲が3曲でフィーチャーされてますが、特にこの二人にこだわりたかったということはあるのでしょうか?
鳥山雄司:冒頭にも書きましたが、今回のアルバムはたまたま1960~70年代のポップカルチャーが現代と似ていると感じたところが出発点で、単なる歌謡曲のカバーアルバムではありません。曲へのこだわりよりもオリジナルを歌っていた人たちのかっこよさをもういちどフィーチャーしたいですね。ただし当時の最先端の洋楽をうまく取り入れてMade in Japanにしている両巨匠の仕事は偉業ですし、その後の我々に大きな影響を与えてくれています。
--気が早いですが、この先コラボレーションしてみたいシンガーやミュージシャンは居ますか?
鳥山雄司:現在30~40代のアメリカの新主流派Jazzのミュージシャンはエキサイティングですね。とても興味があります。
--最後にビルボードライブでの公演を楽しみにしているファンにひと言メッセージをお願いします。
鳥山雄司:Billboard Live TokyoでWomen’s Liberationライブが出来る事に感謝!!このアルバムの音楽を表現するにはこれ以上の場所は無いと思います。僕たちの音楽と一緒にロマンティックな大人の「東京の一夜」を過ごしていただければこんな嬉しいことはありません。
鳥山雄司、MiKa Beyond Jazz動画コメント
公演情報
Women's Liberation
feat. MiKa Beyond Jazz, 土岐麻子, 国府弘子
2015年6月15日(月)
1st 開場17:30 開演19:00
2nd 開場20:45 開演21:30
歌謡曲英語カヴァーアルバムのリリース記念ライブ
1960~70年代のジャパニーズ・ポップカルチャーにオマージュを捧げた話題の作品のリリースを記念したスペシャル・ライブが決定!今年 1月にリリースされたこのアルバムには、ケイコ・リー、Chara、土岐麻子、野宮真貴、Fried Prideなど、[ビルボードライブ]でもおなじみの豪華ヴォーカリストがフィーチャリングアーティストとして参加。今回は、MiKa Beyond Jazz、土岐麻子、国府弘子をフィーチャーしてのHOTでHIPなステージが実現。「恋のバカンス」「四つのお願い」「ブルーライト・ヨコハマ」などの名曲を酒脱に聴かせてくれる、まさに大人のための一夜限りのライヴステージは必見。
関連リンク
Women’s Liberation
2015/01/07 RELEASE
HUCD-10174 ¥ 3,300(税込)
Disc01
- 01.Overture~夜明けのスキャット~
- 02.恋のバカンス
- 03.別れの朝
- 04.あなた
- 05.ブルーライト・ヨコハマ
- 06.真夏の出来事
- 07.夜明けのスキャット
- 08.四つのお願い
- 09.夜間飛行
- 10.ケンとメリー ~愛と風のように~
- 11.手紙
- 12.片想い
- 13.人形の家
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