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モーニング娘。 『恋愛ハンター』インタビュー
歌やダンスに自信があった訳ではないけれど、モーニング娘。への愛情だけは誰にも負けない。そんな想いでオーディションを受けたかつての少女は、人生の半分をモーニング娘。に費やし(史上最長在籍記録を樹立)、当時は想像もしなかったであろうリーダーに就任するほどの存在となった。
そんなモーニング娘。新垣里沙のラストインタビューを掲載。ドリーム モーニング娘。への素直な見解、高橋愛卒業後のリーダーとしての日々、卒業シングル『恋愛ハンター』、彼女にとっての娘。などについて語ってもらいつつ、道重さゆみと生田衣梨奈には、2人から見たガキさん、これからの強豪ひしめくアイドルシーンでの戦い方についても言及してもらった。
最後はリーダーから後輩たちへのメッセージとも受け取れる言葉で締め括ってもらっているので、来る2012年5月18日に向け、ぜひともご覧頂きたい。
ドリーム モーニング娘。への素直な見解
--先日、日本武道館で【ドリーム モーニング娘。スペシャルLIVE 2012 日本武道館 ~ 第一章 終幕「勇者タチ、集合セョ」 ~】が開催されました。モーニング娘。もゲスト出演しましたが、先輩たちのステージにどんなことを感じましたか?
新垣里沙:すごく熱かったですね。武道館に向けての「やってやるぞ!」という先輩たちの感情がステージでは爆発していて。それを私たちはアリーナ席の一番後ろの方で観させてもらったんですけど、さすがだなと思いました。あと、モーニング娘。もこの12人で武道館に立たせてもらったので、改めて「これが今のモーニング娘。です」というものをしっかり見せることが出来たかなって。
道重さゆみ:自分が想像していたドリーム モーニング娘。のライブより、武道館で実際に観たライブは遥かに凄かった。歴史を築いてきてくれた先輩たちの力は分かっていたはずなんですけど、改めて凄いなと思ったし、感謝しなくちゃいけないなって気持ちになりましたね。こんなに長年続いている女性アイドルグループって他にいないし、今は私たち現役もいて、ドリーム モーニング娘。もいて、相乗効果が生まれているじゃないですか。それはつんく♂さんやファンの皆さんの力によって辿り着いた状況だとも思うし、あの日はとにかく感動しました!
生田衣梨奈:私はドリーム モーニング娘。さんには一人も一緒に活動した方がいないんですよ。だからリハーサルとかもすごく緊張していたんですけど、アリーナ席でステージを観てたらすごく楽しくて、ペンライト持ちたくなっちゃって! あと、今年のお正月のハロー!プロジェクトのコンサートでは9期4人で『BABY!恋にKNOCK OUT!』をやらせて頂いたんですけど、武道館で本物のプッチモニを観たら「やっぱり違うな」と思って、すごく魅了されて。ああいう先輩になりたいという気持ちが更に高まりました。
--ドリーム モーニング娘。&モーニング娘。による『ザ☆ピ~ス』の共演、ガキさんの心底嬉しそうな表情が印象的でした。
新垣里沙:(笑)。楽しかったですね~! 後藤(真希)さんとかのんちゃん(辻希美)は本当に久しぶりでしたし、最後の何回かはけるフリして戻ってくるところあるじゃないですか。あれをあのメンバーでまたやれると思っていなかったんで、楽しかったです。『ザ☆ピ~ス』は私が入る直前のシングルだったんで、思い入れが強かったんですよ。だから本当に嬉しかった。飯田(圭織)さんとパッと目が合ったときとか「あ! 今、みんなでモーニング娘。やってるんだ!」って思って。みんな、モーニング娘。じゃないですか。凄いなと思いながら、あの一瞬を噛み締めていました。
--先輩たちがいて今のモーニング娘。はあると敬意を払い、それに対して中澤裕子さんがモーニング娘。が頑張ってくれているからドリーム モーニング娘。はあると感謝する場面もありました。
新垣里沙:私たちからしてみれば、先輩たちがいたからモーニング娘。はあるんですよね。ドリーム モーニング娘。とモーニング娘。が一緒になるということはなかなかなかったんですけど、武道館ではどっちもモーニング娘。としてステージに立てていたことが嬉しかったし、熱い気持ちをすごく感じましたね。
--ただ、正直なところ、ドリーム モーニング娘。が結成されたときはどんな気持ちだったの?
道重さゆみ:正直に言えば「これから私たちはどうすればいいんだろう?」とは思いましたね。寂しいけれど、モーニング娘。は世間からすれば“なっち”とか“ゴマキ”といったイメージが強いと思うので、安倍さんとかがドリーム モーニング娘。を結成しちゃったら、やっぱり世間の目はそっちに行っちゃうだろうし、「モーニング娘。って言えばこっちだよね」って比べられるだろうし……。現役からすれば、ぶっちゃけて言うと少し不安になる話だったんです。でも武道館でドリーム モーニング娘。のライブを観て、本当に心から感動して。ドリーム モーニング娘。の結成された意味みたいなものがすごく伝わってきた。中澤さんが現役のことを認めてくれていたのもすごく嬉しかったし、それがすごく胸に響いて。「私はなんて失礼なことを思っていたんだろう!」って恥ずかしくなって!
--(笑)
道重さゆみ:ライブのパフォーマンス力だったり、MCのちょっとした一言がすごく胸に響くんですよね。あと、矢口(真里)さんはバラエティにもたくさん出ているので、「さすがだな」っていうMCをしていて。今、現役だと誰一人あのMCはできないんですよ。勉強できるところがたくさんあって、ドリーム モーニング娘。が結成されて良かったなって、今は思いますね。
--今の道重さんと同じ心の動きがあったファンは多いと思います。ただ、ドリーム モーニング娘。『シャイニング バタフライ』 のミュージックビデオに高橋愛ちゃんが登場しており、意味深な演出がファンの間で物議を醸しています。
道重さゆみ:ビックリしましたよ! 普通にネットで知って。
新垣里沙:ウケる(笑)。
道重さゆみ:『シャイニング バタフライ』のMVが上がったって書いてあったから、YouTubeで観てみたら愛ちゃんが出てて「えぇ? もしかして……ドリーム モーニング娘。加入!?」みたいな! 本当にファンですよね! 皆さんと同じ反応。あの意味深な感じ、凄かったですよね。
Interviewer:平賀哲雄
新垣里沙リーダー就任「愛ちゃん以上に凄い人」
--良いところ持っていっちゃってね。
新垣里沙:ハハハ! 私は愛ちゃんがそのMVを撮っていることは知っていたんですけど、たしかに初めて観たときは「いいところ、持っていってるね」って思いました(笑)。
生田衣梨奈:高橋さんに聞いたら、あのバーに憧れる女の子の役って言っていましたよ。まぁでも『シャイニング バタフライ』は何より歌が良いんですよ! 本当にもう好きすぎて!
道重さゆみ:そこは聞いてないですよね? 愛ちゃんの話だから!
--(笑)。その愛ちゃんがモーニング娘。を卒業し、ガキさんがリーダーに就任してから半年が経ちました。愛ちゃんが卒業する前はリーダーになることに不安もあると仰っていましたが、実際になってみていかがでした?
新垣里沙:愛ちゃんに限らず、誰かが卒業したり、加入するときって、毎回「どうなるんだろう」って不安にはなるんですよ。ただ、私にとっては最後の同期が卒業するということと、9期メンバーのこともよく分かっていないのに10期メンバーが入ってくる状況だったので、いつも以上に不安で。でも実際にリーダーになってみて、どんどん新メンバーのことも分かっていく中で「そんな不安は全然いらなかったな」って思うぐらいになって。逆に今は後輩たちに支えてもらっている感じです。
道重さゆみ:愛ちゃんが卒業するときってガキさんにインタビューしたんですか?
--愛ちゃんとガキさんの2人にしました。
道重さゆみ:そうなんですね。今、ガキさんが「不安」って言っていたと知ってビックリしました。あんまりメンバーに不安であることは言わないし、見せないんですよ。だから今の話を聞いて少し安心しました。すべて自分の中に隠していると思っていたんで。インタビューとかでちゃんと言えていたんだなぁ~と思って!
新垣里沙:心配してくれてたんだ?
道重さゆみ:でも安心した。やっぱりそういう気持ちはあったんだっていう。どんな感じなのかなと思っていたんで、あったんだなぁ~って思うと……今になって切なくなってます(笑)。あと、高橋愛リーダーのモーニング娘。って出来上がっていたじゃないですか。みんなが愛ちゃんのことを慕っていたし、愛ちゃんバンザイ!みたいな。愛ちゃん、国王なのかな?みたいな!
一同:(爆笑)
道重さゆみ:愛ちゃん帝国みたいな! 卒業ライブの演出とかも凄かったし、スタッフさんも愛ちゃんのことを讃えていたから。このあとにリーダーって、さゆみだったら嫌だなと思ったんですよ。ファンもメンバーもスタッフもみんな「愛ちゃん! 愛ちゃん!」ってなっていたリーダーの後にリーダーをやるプレッシャーは相当あると思うし。でも大変そうな顔とか、本当に見せないんですよ。だからもしかしたら愛ちゃん以上に凄い人なのかなと思って。リーダーになってからそれは思いますね。
--なるほど。
道重さゆみ:リーダーになるとその人って本当にリーダーになっていくんです。愛ちゃんがリーダーになったときも、最初は愛ちゃん自身も周りも仕切れるのかなって思っていたんですよ。でも愛ちゃんらしいリーダーを貫いて卒業していった。で、ガキさんもリーダーになったらガキさんがリーダーのグループになっているので、凄いなって。後輩がこんなこと言うのもおかしいんですけど(笑)。しかも、愛ちゃんは感情を表に出す人だから卒業するときも「悲しい」とか「寂しい」って泣いていたんですけど、ガキさんは出さない人だから。本当は戦っているんだろうなって思いました。テヘ。
新垣里沙:今、カワイコぶったよね!?
--良い話だったのに!
道重さゆみ:恥ずかしくて!
新垣里沙:(笑)。さゆみんはいつも心配してくれている。一番近い後輩でもあるし、一番頼りになる後輩なんですよ。たしかに愛ちゃんは普通の人以上に感情を表に出す人だったんだよね。泣いたり、笑ったり、感情の赴くままに動いていた人なんで! それに比べたら私は出さない方なんですけど、それでも人間だから少し出ちゃうときがあるじゃないですか。そういうときに一番に気付いてくれるのがさゆみんです。テヘ。
一同:(笑)
新垣里沙:私のこともそうですけど、後輩のことも客観的に見れてる人なんじゃないかな。
--新垣里沙リーダー時代のモーニング娘。もあらゆる面での完成度を高めている訳ですが、ガキさんは今年の1月に卒業を発表されました。
新垣里沙:卒業については1年ぐらい前から考え始めていて、愛ちゃんより先に卒業することも考えたり、同期のまこっちん(小川麻琴)とこんこん(紺野あさ美)が2人で卒業したから、リーダーとサブリーダーを務めてきた同士、私と愛ちゃんも2人で卒業することも考えたりしていたんですよ。でも、10期メンバー(飯窪春菜、石田亜佑美、佐藤優樹、工藤遥)が加入することを聞いて、愛ちゃんと時期をズラすことにしたんです。
--そもそも卒業しようと思った理由は何だったの?
新垣里沙:10年間も大好きなモーニング娘。で活動させてもらったんですけど、私も今年で24歳になるということで、そろそろ自分の足でしっかり歩いていかなくちゃいけない時期なのかなって。10年という節目も終えたことですし。それで、自分が1人になって何をやりたいかと言ったら、本格的に演技をやっていくことで。今までは歌で伝えることをしてきたんですけど、これからは演じることで何かを伝える人になりたいなって思って、それをつんく♂さんに話したんです。
--道重さんはガキさんの卒業を知ってどんなことを思いました?
道重さゆみ:愛ちゃんの卒業から3ヶ月後ぐらいに聞いたので、本当にビックリ。もう1年は絶対にいると思っていたので、実感が湧かなかったですね。愛ちゃんは分かり易いから「そろそろなのかな?」ってなんとなく分かったり、えり(亀井絵里)は事前に聞いていて分かっていたんですけど、ガキさんは本当に分からなくて。だから「ビックリした」しか言えなくて。感情が追いつかないというか。
Interviewer:平賀哲雄
“好き”から“愛”に変わった場所です
--ガキさんの大ファンでもある生田さんは?
生田衣梨奈:私にとっては、呼び出されて「メンバーが卒業します」って発表されること自体が初めてだったんですよ。だからその場面では泣くことしかできなくて。で、それは去年末の出来事だったんですね。そこで「来年の春ツアーで卒業」って聞いたんですけど、私はなぜか年を越している気分だったんで、2012年じゃなく2013年の春ツアーで卒業すると思い込んでいたんですよ。
新垣里沙:私、だいぶ先に発表したね。
道重さゆみ:1年半ぐらいある(笑)。
生田衣梨奈:だから「まだ余裕あるじゃん。なんでこんな先に卒業を発表するんだろう?」って思っていたんです。そしたら、1月2日ぐらいにそうじゃないって気付いて(※1月2日は新垣里沙が【Hello! Project 2012 WINTER ハロ☆プロ天国】にて卒業を発表した日)。それで戸惑ったんですけど、不安にさせたまま卒業させちゃいけないと思ったし、卒業するまでに新垣さんの生写真を私のファイルいっぱいにしたいと思ったり……でもまだ半分なんですよ。だからあと半分を卒業するまでに集めて、記念品にしたいんですよ!
道重さゆみ:……そんなこと聞いてないですよね(笑)?
新垣里沙:それ、私の話じゃなくてあなたの話よね!
一同:(爆笑)
--そのガキさんにとっては、モーニング娘。卒業シングルとなる『恋愛ハンター』が完成しました。今作の仕上がりにはどんな印象を?
新垣里沙:前作が『ピョコピョコ ウルトラ』だったんで、そうした元気系で私は卒業するのかなって覚悟はしていたんですよ。ニワトリにもなったし、もう何が来ても受け止めようと。そう思っていたらこれだったから嬉しくて。私が格好良いモーニング娘。を好きなのもあるし、今の12人でも格好良いモーニング娘。が出来るんだと分かってもらえたらいいなと思えたし。やっぱり良い意味でつんく♂さんは裏切ってきますね。
--「今 光れ! 真剣に生きろ」とか「燃え尽きる程 本気になれないなら 明日はない」といったフレーズをエモーショナルに歌い上げる。かなり熱いです。
新垣里沙:本当にメッセージ性が強いんで、自分たちで歌っていながら自分たちが言われているみたいな感覚になる。「抜け駆けしてでものし上がる気が無いなら 明日は無い」とか、歌いながら「あ、はい!」みたいな(笑)。
--また、今作の初回盤には、新垣里沙ソロによる『笑顔に涙~THANK YOU! DEAR MY FRIENDS~』が収録されます。
新垣里沙:卒業ソングを歌うってなったときに、今のモーニング娘。って明るくて元気で、みんなで笑っているのが印象的だから、そのモードで10年間を振り返りながら歌える曲がよかったんですよね。それで「松浦亜弥さんのこの曲が歌いたいです」って言ったら、新しいオケで作ってくれて。ちょっとホロってしちゃう部分もあるけど、やっぱり笑顔でいたいし、明るい卒業式にしたいので、ライブでもそういう想いで、いろんなことを振り返りながら歌っています。
--このシングルと今回のツアーをもって卒業する訳ですが、今はどんな心境ですか?
新垣里沙:楽屋の雰囲気とかも明るくて、常にわちゃわちゃしてるんですよ。なので、しんみり考える時間も、浸る時間もないので、それが私的には良いなと思って。だから今のこの雰囲気で歌えている1曲1曲、ライブ1本1本を楽しんで卒業していきたいなと思います。
--道重さんにとって、モーニング娘。で共に突っ走ってきた新垣里沙という先輩はどんな存在でしたか?
道重さゆみ:ガキさんは居てあたりまえの存在なんですよ。6期からしたら一番近い先輩で、年齢も5期の先輩の中では一番近かったし。私と一番仲良かった亀井絵里ちゃんとは同じ年齢だったから、3人で常に一緒にいたんです。おなかがよじれるんじゃないかと思うぐらい笑いながら。ガキさん、すごく話しやすいんですよね。お母さんみたいな感じなんです! だから「ガキさん、聞いてください! 今日こんなことがあって!」ってすごく喋りたくなっちゃうし、頼りたくなっちゃうんですよね。常に隣にいてくれて、安心させてくれる。だから9期、10期もすごく慕っていて。
--生田さんにとっては?
生田衣梨奈:新垣さんの卒業はメンバーにとっては悲しいことかもしれないけど、新垣さんにとっては次の夢を掴む為の嬉しいことでもあるから、私も嬉しいことって考えるようにしているんですよ。だから元気に送り出したいですし、安心して卒業していってもらいたいです。
--では、ガキさんにとってモーニング娘。はどんな場所でした?
新垣里沙:“好き”から“愛”に変わった場所です。本当にモーニング娘。が大好きで、その想いだけで入れたんじゃないかと思うぐらいなんです。歌もダンスもできなかったけど、ただただ「モーニング娘。が好きです!」っていう気持ちだけでオーディションを受けたので。実際にメンバーになってからはもっともっと好きになっていったし、大変なこともあったけど、そのうちにだんだん私が先輩になっていって、最後の先輩の吉澤(ひとみ)さんが卒業したときに愛ちゃんと「2人で引っ張っていかなきゃいけないね」って話したりして。気付いたらこうしてリーダーまでやらせてもらっている。その中でモーニング娘。は“好き”よりもっと大きな存在になっていたんですよね。だから今は“愛”かなって。
--モーニング娘。ってこれまでのガキさんにとって全てと言っても過言ではないですもんね。
新垣里沙:そうですね。だから卒業した次の日とか「はぁ~」ってなると思うんですけど。でも、話戻りますけど、ドリーム モーニング娘。のメンバーもずっとモーニング娘。を愛して活動しているので、私も気持ち的には卒業したから終わりじゃなく、変わらないと思うんです。その上で、私も私としてモーニング娘。に負けないように頑張っていかなきゃいけないなって思っています。
Interviewer:平賀哲雄
アイドルシーンでの戦い方~新垣里沙卒業後の娘。
--5月18日 日本武道館で開催される【モーニング娘。コンサートツアー2012春 ~ ウルトラスマート ~ 新垣里沙卒業スペシャル】まで、残りのモーニング娘。における日々をどんな風に過ごしたいと思っていますか?
新垣里沙:10年以上やってきたモーニング娘。における日々があと少しで終わると思うと、不思議な気持ちなんですけど、あと少ししかないからこそ1日1日のモーニング娘。人生をただただ楽しみたいなと思います。人生の半分がモーニング娘。なので、そんなモーニング娘。でいられる時間を噛み締めて、今この12人でいられる時間を楽しみたい。
--今年1月、鞘師さんにインタビューした際、彼女はこんなことを言っていました。「【Hello! Project 2012 WINTER ハロ☆プロ天国】で、新垣さんに「9期が成長した」って言ってもらえたんですよ。「すごくよくなってる。涙が出そうになった」って。でも今度の春ツアーでは、9期と10期の成長ぶりを見て涙を流してもらいたいんです。それぐらい成長できるようにみんなで努力したい」。これを聞いて、ガキさんが後輩たちにとってどれだけ特別な存在であるかを知りました。
新垣里沙:うわぁ~……嬉しいですね。そのライブは本当に成長が見られたんですよ。それこそ親心みたいな感じで、涙が出そうなぐらい嬉しかったんです。今までは必死にやることしかできなかったメンバーたちが成長して、「新垣さんが卒業するまでもっと成長してみせたいんです!」って言ってくれるその気持ちが嬉しいです、私は。
--その特別な存在であるガキさんが卒業した後も、モーニング娘。は続いていきます。先日、モーニング娘。のリーダーになりたいと意思表示していた道重さん。今後のモーニング娘。をどうしていきたいと思っていますか?
道重さゆみ:自分のイベントで「モーニング娘。のリーダーになりたい」って言ったんですけど、そしたらもうリーダーになることが決まったぐらいの感じで受け止めた人もいたみたいで、いろんな人から「リーダー、おめでとう」みたいな。亀井絵里ちゃんからも「リーダーになるんだね。おめでとう! えり、嬉しい!」みたいなメールが届いて!
一同:(笑)
道重さゆみ:それで、私がリーダーになれるかどうかはともかく、亀井絵里ちゃんに「私は不安!」って返したんですよ。そしたら「さゆはさゆでいいんだよ」みたいなことを書いてくれて。それで「ガキさんはガキさんだし、リーダーぶったりはしないし。なるほどな」って思っていたら、また彼女から1時間後ぐらいにメールが届いて。「さっきのメール間違えた。さゆはさゆでいいじゃなく、さゆはさゆがいい!」みたいな。最初は意味分かんなかったんですけど、その“で”と“が”の違いって大きいじゃないですか。だから「こうしたいんです!」って本当は決め込まなきゃいけないのかもしれないけど、歴代メンバーがそうであったようにみんなが自分らしくあれば、きっと大丈夫なんだろうなって。自信を持ってやっていければいいと思ってます。
--「世界一のアイドル」を目指している生田さんは?
生田衣梨奈:私がいつも言っている「世界一のアイドル」というのは、世界にひとりも知らない人がいないアイドルのことなんですよ。だからいろんな国へ行ったりして、まだ知らない人にモーニング娘。の良さを知ってもらったり、メンバー個人個人の良さも知ってもらったり、モーニング娘。の曲を1曲でも覚えてもらって、それで笑顔になってくれる人を1人でも多く増やしていきたいんですよね。で、私が一番行きたいのは、バチカンなんですよ!
新垣里沙:ん?ん?
道重さゆみ:なんで?
生田衣梨奈:世界で一番(面積が)小さいじゃないですか。そんな小さい国にもモーニング娘。を好きな人がいるんだぞ!ってなったらいいなって。そうやって世界にモーニング娘。を知らない人はひとりもいないんだぞ!っていうところまで行きたいんです。
--ただ、その為には、AKB48やK-POP勢をはじめ、様々な勢いのあるアイドルグループたちの存在は無視できません。そうした状況についてはどんなことを思いますか?
道重さゆみ:今はアイドル戦国時代って言われてますけど、天下を獲っている方はいらっしゃる訳で。そこに私たちは立ち向かわなきゃいけないんだろうけど、やっぱり時代の流れはあるし、どんなにすごく必死に頑張っても……と言っちゃうと負けを認めるみたいで嫌なんですけど、そこらへんはわきまえなきゃいけない部分はあるなって。でもモーニング娘。はみんな努力を怠らない。誰もが熱い気持ちを持ってガムシャラに上を目指している。それってすごく大事だなって思っているし、誰にも負けないところだと思うんです。でも、他のグループもすごくガムシャラだから伝わってくるし、応援したくなるじゃないですか。だからモーニング娘。も余裕ぶってる場合じゃない。もっとガムシャラに頑張って、ファンの方たちを他のところに行かせない。ずっとついてきてほしいし、新しいファンの方にも来て頂きたいので、今は気持ちをひとつにして、必死になってやることが大事だなって思います。
--心強いです。では、最後に。ガキさんはモーニング娘。にどんな風になってほしいなと思いますか?
新垣里沙:今までは「モーニング娘。を引っ張っていこう」「みんなで頑張っていこう!」って言う立場でしたけど、卒業後は私もモーニング娘。の活動、頑張っている姿を外から観る側になる。でもそれがすごく楽しみで。卒業した先輩たちが私とかに「モーニング娘。頑張ってるね」って言ってくれたように、私も「頑張ってんじゃん!」って言えるようなグループであってくれると信じているので、本当に楽しみなんですよ! これからもきっといろんなことが変化していくと思うけど、そのひとつひとつを楽しみながら応援したいってすごく思います。
Interviewer:平賀哲雄
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