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ピエール中野 『Chaotic Vibes Drumming』インタビュー
祝・ピエール中野が初の教則本&DVD発売!
凛として時雨のドラマー ピエール中野が、ドラム教則本&DVD企画『Chaotic Vibes Drumming』[入門編]と[実践編]を、2タイトル同時リリース! 時雨ファン必見の本作を記念して単独取材を敢行し、ネット上で閲覧可能な人気動画を観てもらいながら、シーン随一の腕前を持つ強烈なドラミングについて(?)、語ってもらいました!
まずはPerfume、ももクロから
<解説 Perfume>
上記『ポリリズム』がディズニー / ピクサー最新映画「カーズ2」の本編挿入歌に。名実共に、日本を代表するテクノポップユニットに成長した彼女たち。11月にはシングル&アルバムリリースも決定している。
ピエール中野といえば、まずはコレ?
Perfume 「ポリリズム」 from LIVE DVD “Perfume LIVE @東京ドーム”
ピエール中野:打ち込みでかっこいい音楽を作っている人って、大体ドラムがかっこいいんですよ。ドラマーにはない感覚でパターンを構築していくし、中田ヤスタカさんもそのセンスがズバ抜けている一人ですよね。練習の時、Perfumeの音源に合わせて好きなように叩いたりするんですけど、心地良いリズムで展開されていくし、テンポもちょうど良いんですよ。
こないだ時雨のホールツアーがあったんですけど、ライブハウスでやっていた時の音だと、遠くまで届かないことが多いんですよ。ぼやけてしまうというか。それを解消するための音作りやタイトなプレイを心がけたんですけど、Perfumeも会場によって衣装とかダンスとか、演出を意識していますよね。
いや、もうPerfumeは本当に凄い売れ方をしましたよ。有志の方が制作された「道捺大陸」とかを観ても分かりますけど、愛されていますよね。ファンが全然離れない。昔から程よい熱さがあるし、とはいえ冷静に客観視して応援できる方が多いですよね。
合コン? ……昔やりましたね~。ネット番組の企画で合コンを生中継したんですけど、僕は何故かハマケンと結ばれました(笑)。
<解説 ももいろクローバーZ>
隆盛を極めるアイドルムーブメントの急先鋒として、縦横無尽の活躍を見せる大人気アイドルユニット。メンバー 早見あかりの脱退を受け、現在は“ももいろクローバーZ”として活躍している。
アイドル戦国時代をピ様が解析!?
ももいろクローバー「ピンキージョーンズ」Music Video(Web ver.)
ピエール中野:ももクロが出始めたくらいから“アイドル戦国時代”って言われるようになってきましたよね。アイドルだと、ダンス☆マン時代のモーニング娘。とかも、ファンク系のリズムでかっこよかったですよね。ドラムとして参加? オファーがあればやってみたいですけどね。
僕はけっこうアイドル好きだと思われているんですけど、実はそんなに詳しくなくて、逆に教えてもらえるのが楽しいんですよ。可憐Girl'sとか凄かったんですけど、もう解散しちゃったんですよね。あ、でもメンバーのふたりは、今もやってますよね?(※可憐Girl'sのAYAMI(武藤彩未)とSUZUKA(中元すず香)は、現在さくら学院で活躍中だ。) 前に曲を聴いて良かった印象が残ってます。
ももクロは動向とかよく耳にするし、面白い活動してるなーって思います。毎週末に握手会を開催して、そこに集まったお客さんの意見をスタッフが聞いて、即実行するとか。そういうやり方は新しい形ですよね。
Interviewer:杉岡祐樹
世界の超絶プレイヤーが続々!
<解説 KJ Sawka>
アメリカはシアトルで活躍しているドラマーで、数多の音楽性を取り込んだプレイでリスナーを魅了。日本でも動画サイトで高い人気を博している。また、現在は豪州のバンド ペンデュラムに加入。
ニコ動でも人気! 人力ドラムンベースその①
KJ Sawka in his Basement
ピエール中野:元BEAT CRUSADERSのマシータさんが昔、NATSUMENってバンドに加入していたんですけど、正にこんな感じでしたね(笑)。実はバカテクなドラマーなんだよな、ってことを今思い出しました。
ドラムンベースには独特のグルーヴがあるので、僕もサラッと取り入れてたりするんですけど、難しいリズムパターンを人力で表現したいかって問われると、あんまりそういう意識はないですね。できないことはやらない(笑)。何となく近づけたリズムを叩いたりはしますけど、そういうチャレンジ精神はないです。エレクトロニカとかは聴く専用ですね。
こうやって動画をパッと撮って配信できるならやってみたいですけど……。あ、昔HMVさんの企画で『Telecastic fake show』のドラム講座をウェブで展開したんですけど、あの動画の評価が思いのほか高かったんです。ホームカメラを使ってぶっつけ本番で撮影したんですけど、だったら「もっとちゃんと作ったら……」っていう想いが、今回の作品に繋がったところはありますね。
<解説 ジョジョ・メイヤー>
前節のKJ Sawkaと同じく、ニコ動でも人気のスゴ腕ドラマー。2歳の頃からドラムを始め、10代よりジャズフェスティバルなどで活躍。近年では、自身初のソロプロジェクト NERVEでも作品を発表している。
ニコ動でも人気! 人力ドラムンベースその②
Jojo Mayer - Drumsolo Modern Drummer Festival 1998
ピエール中野:お、ジョジョ・メイヤー! 彼は教則ビデオも超かっこいいんですよね。教則モノってプロミュージシャンでも見る人と見ない人がくっきり分かれますけど、ネット環境でこういう映像を簡単に見られるんだから、使わない手はないですよね。その辺についても[入門編]で書いてます。
初心者向けの教則本ですか?「ドラマーのための全知識」は、まず読んでおいた方が良いですね。基本的な機材の名前からパーツまで細かく書いてありますし、リズムパターンとかストロークとか最低限必要な知識は全て網羅されてます。基礎知識として読んでおくと、あんまり困らない。
(彼のようなプレイを目指しますか?) 全然思わないです。僕はこんな凄いプレイ出来ないし、ジョジョ・メイヤーもきっと時雨は叩けないと思う(笑)。やってみたいドラムアクションですか? どうだろうなー……、でも、全方向から見られる状態でのドラムソロはやってみたいですね。お客さんの真ん中とか。
<解説 マイク・マンジーニ>
エクストリームやスティーヴ・ヴァイにも加入した経緯を持つ、米国随一の実力派。音楽大学でドラムの講師をしていた時期も。現在はマイク・ポートノイの後を受け、ドリーム・シアターでもドラムを担当している。
ポートノイの後任! ドリームシアターの現ドラマー
Jesus Diaz and Mike Mangini Live Improv
ピエール中野:ポートノイはもちろんですけど、この方も強烈ですよね。彼はシングルストロークの連打数でギネス記録を持ってるんですよ。名うてのスゴ腕ギタリストとも多数共演してるんですけど、ドラマーってリフ好きな人が多いんですよ。リフに合わせてドラムを叩くのって気持ち良いですし。やってみたいギタリストですか? ん~……、やっぱりHIDEさんですね。一緒に音を出してみたかったです。
この動画みたいに、遊びでパーカッションと一緒に叩いたりしたことはありますけど、面白いですよ。見てみたい? じゃあ、今度やります(笑)。
ギネス記録に挑戦は、全然無理です(笑)。その楽曲の魅力をどこまで引き出せるか、自分のかっこよさを出せるかとかをやってる方が楽しいですし、アスリート的なのはシンドイですよ(笑)。もちろん、それでも日々の鍛錬は必要だし、辛いし苦しいし嫌な想いをいっぱいするけど、そこを超えたところに楽しさや快感がある、っていうのは言っておきたいところですね。
Interviewer:杉岡祐樹
異色のドラマーコレクション?
<解説 アンドレア・ヴァドルッチ>
ヴァドラムの愛称でも知られる異色ドラマー。マイク・ポートノイにちょっと似てるということで、日本では“チョットノイ”なる愛称でも知られている。クラシック音楽にドラムを掛け合わせた動画も人気だ。
スーパーマリオのBGMをドラムで完全再現!?
Vadrum Meets Super Mario Bros(Drum Video)
ピエール中野:この動画は有名ですよね。凄い好きですよ、お茶目だし。そういえば、ニコ動に和室でX JAPANのコピーをするドラマーがいますよね、WASHIKIって名前の(笑)。あと、Marco Minnemannって人は、モンティ・パイソンのセリフを全てドラムで表現するっていうプレイをしてて、それも最高! 口調とかまで完璧に再現するんです。
僕はテクニックを持っている方ではないので、こういうのは向いてないですね。神保彰さんというドラマーは、パッドを使って色んな音色を設定して、全てをひとりで演奏するワンマンオーケストラっていうのをやっているんですけど、自分はそこじゃないって感じますね。
ドラムメーカー TAMAと一緒にシグネイチャーモデルを制作したんですけど、僕が作ったのはそれまでの同社の印象にはないドラムなんです。「日本の企業、日本の職人がこういうモノを作れるんだ」ってところを紹介したいし、「こっちにもこんな凄い人がいるよ」ってことを伝えていく役割ができればって思っています。
<解説 川口千里>
世界的ドラムサイト ドラマーワールドに専用ページが開設されるなど、世界が注目する新たな才能。日本でも度々テレビで紹介されており、09年にはFRAGILEとのコラボでDVDデビューを果たした。オフィシャルサイト
弱冠14歳で世界を唸らす! 脅威の女性ドラマー
YAMAHA Stage Custom Bop Kit Demo by Senri - NAMM 2011
ピエール中野:彼女も[入門編]で名前を挙げていますけど、凄く良いドラマーですよ。お会いしたことはないんですけど、菅沼孝三さんのお弟子さんなんですよね。若い頃からやっていると感性は違ってくると思うんですけど、いくつから始めても関係ないっちゃ関係ないですよね。やる気だと思いますよ、そこは。
遅く始めた人でももの凄く巧い人とか、心に響く演奏をする人はたくさんいますし、全然楽しんでいる人もいます。テクニックだけでもないと思いますし。([入門編]で挙げられていた村井守さんのドラムなど、正にですよね?) この手の話になると、よく銀杏BOYZの村井さんが話題になりますね(笑)。本当にグッとくるドラムを叩きますよね、大好きです。
「こういうドラムがあるから、こういう音楽にしよう」って、クリエイターがドラムに影響される部分っていうのは大きくあると思うんですよ。時雨も絶対、そういう部分があると思うので……。っていう意味でも、ドラムの存在は大きいですよね。
<解説 すわん>
ニコ動の人気ケツタネッター。同シリーズで人気を博し、2010年には「ニコニコ動画2010ノミネート作品」にも選出された。同年にはテレビ出演も果たしたそう。【ケツタネットの人】Swan.Com【一発屋】コミュニティ
“打楽器”が見せる魅惑のエンターテイメント!
ケツでカスタネットを叩いてみたPart2
ピエール中野:ブッハッハ! めちゃめちゃ良い身体してるじゃないですか(笑)。アッハッハッハッハ! ……天才ですね。これ、おもっしろいなー。選曲も良いし、撮影場所も良いし、全部良いですね。動きが速すぎて残像が残っちゃってるのも面白いなー。
ネットは表現がしやすいし、評価がすぐに得られるところは素晴らしいと思います。ニコニコ動画とかは、特に思いますね。もし、自分が今、こうやってバンドでやれていなかったら、投稿する側の人間だったと思うんですよ。“叩いてみた”とかも、間違いなくやってる、X JAPANとかSIAM SHADEとか。ケツタネットも、「みんなでやろうぜ」って言われたらやってますね(笑)。(スタッフ「企画に呼べば?」) DJやる時にゲストで呼びます(笑)。これ、みんなも超好きだと思いますよ。マジで面白い!
Interviewer:杉岡祐樹
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