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チームしゃちほこ とりあえず武道館まで完走~ビルボードジャパン編集部が追った1か月~
名古屋発スターダスト芸能3部所属のアイドル6人組、チームしゃちほこ。2012年4月7日に名古屋城で路上デビューしてから2年と4か月。“破竹”で“怒涛”で“飛ぶ鳥を落とす”勢いで地元名古屋から勢力を全国に拡大し、遂に日本武道館の地に立った。
ビルボードジャパンでは武道館公演を前に夏フェスやイベントに続々と登場するチームしゃちほこを追いかけてみた。彼女たちはどこでもひたすらゆるく、全身全霊を尽くす。満を持してリリースされた1stアルバム『ひまつぶし』は鉄板曲は置いといて、新曲を多数収録する“攻め”の姿勢を見せる内容だった。追い風を背に全国制覇へと突き進んだ彼女たちの8月をちょっとだけプレイバックしてみよう。
2014年8月9日<武道館まで追っかけよう!Vol.1>
【RIJF】で狂乱を生み出すの巻
8月9日に茨城・国営ひたち海浜公園で開催された【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014】に初出演。彼女たちは同日に出演する矢沢永吉のタオルを掲げて登場。この日『ひまつぶし』に収録されたBase Ball Bearの小出祐介よる新曲「colors」を初披露。ラストは矢沢永吉ご本人よりも早く“A-Ha”とタオル投げをやってみせた。
2014年8月10日<武道館まで追っかけよう!Vol.2>
台風で騒然の秋葉原イベントに登場“何となく”熱狂の巻
その翌日、8月10日には東京・ベルサール秋葉原でイベントはヒャダインがパーソナリティを務めるNHK-FMの番組『ヒャダインの“ガルポプ!”』の特別企画【ヒャダイン presents “ガルポプ!”夏の大感謝祭】に出演。大熱狂だったにも関わらず「何となく盛り上がってくれてありがとうございました!」と言い放ってしまう“ゆるさ”は彼女たちの大きな魅力のひとつだ。残念ながら、同日に予定されていた東京・六本木ヒルズアリーナでの【テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り SUMMER STATION】は台風の影響で中止となってしまった。
2014年8月17日<武道館まで追っかけよう!Vol.3>
【めざましライブ】でがっつりパフォーマンスの巻
8月17日に東京・お台場で開催された【お台場新大陸2014 めざましライブ】に出演。ステージを降り、フロアを走り回ってオーディエンスを熱狂させるパフォーマンスは1時間を超えた。昨年に続き各メンバーが「今」「年」「も」「三」「宅」「推」とTシャツにプリントし、フジテレビ・三宅正治アナウンサーへアピール。そしていよいよ近づく武道館への向けて意気込みを熱く語っていたのが印象的だ。
2014年8月20日<武道館まで追っかけよう!Vol.4>
船をジャック!炎天下の船上ライブで全力を発揮の巻
1stアルバム『ひまつぶし』のリリース日となった8月20日には船をジャックし、船上ライブと記者会見を敢行。知名度急上昇中のだけに多数の取材陣が会場に駆け付けた。沢山のカメラを向けられた彼女たちは「人気者になったみたい!この様子を撮影して欲しい!」と興奮気味。地元愛知県体育館を埋め尽くし、数日後に開催する武道館も完売させていながらこのセリフだ。船上ライブでは伊藤千由李が喉の不調の為、自身のパートをフリップに書いてパフォーマンスする場面も。
初登場3位!『ひまつぶし』が好成績を記録
▲『ひまつぶし』
武道館公演直前にリリースとなった1stアルバム『ひまつぶし』はBillboard JAPANのアルバムチャートで初登場3位を記録した。因みに同チャートで、ももいろクローバーZは『バトルアンドロマンス』でリリース時に最高7位(2013年に再発され2位を記録)、私立恵比寿中学『中人』も最高7位。メジャー1stアルバムのリリースタイミングでお姉さま方を超える記録を叩き出しているのだ。「2011年と2014年のアイドルシーンを同列で語るな!」などとお叱りを受けそうだが、シングルほどアルバムのセールスが伸びにくいシーンでここまでの好結果は流石だ。
2014年9月1日付 Billboard JAPAN Top Albums
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2014年8月28日<武道館まで追っかけよう!Vol.5 >
夢の大舞台で全22曲を全力披露したらサプライズも待ってた!の巻
そして、遂に8月28日(木)に東京・日本武道館で初の単独公演【しゃちサマ2014~神々の祭り~】を開催。古代ギリシャのパルテノン神殿をバックに彼女たちは全22曲を全力披露。可能な限り追ってきた1か月だったが、最終回とあって文字数制限無しのウェブ媒体を味方にレポートは結構なボリュームに…。折角なので、ライブ写真を追加して再掲載。
この日は朝からUstreamのオフィシャルチャンネルで「武道館TV」として開演までの1日を生配信。彼女たちの妹分となるたこやきレインボーらも出演。物販ブースなど会場の様子が伝えられ、ソーシャルストリームには「名古屋から応援してます!」「頑張って下さい」と激励のコメントが寄せられた。また会場にはファンクラブ会員向けのブースが用意され、抽選会も実施。『推しメンの声入り!めざまし時計』、『咲良菜緒直筆「ひまつぶし」の書』など様々な景品が用意。残念な天気にも関わらず、多くのファンが参加し、開演前から“祭り”は盛り上がりを見せていた。
待望の武道館のステージ上には古代ギリシャのパルテノン神殿を模したセットが組まれ、神殿の上部には当然、金のしゃちほこが鎮座する。パルテノン神殿といえば女神アテーナーを祀る場所だけあって彼女たちの大舞台にはぴったりなのかもしれない。また、カメラマンからセキュリティまで会場のスタッフ全員が古代ギリシャ人的な衣装を着用しているのも抜かりない。
開演予定を少し過ぎた頃に客電が落ちると、スクリーンには“雲の上の神様”として竹内力が神1、神2、神3と3役で登場。“神々”と言う理由で、しゃちほこメンバーを古代ギリシャにタイムスリップ召喚。おなじみの「人間50年 アイドル5年、尾張名古屋にしゃちほこあり」の口上と共にメンバーがステージ下から飛び出して登場。会場中が大歓声で迎えると花火の演出で応え、「エンジョイ人生」でスタート。スペシャルゲストとしてROLLYがギターで加わり、待ちに待ったファンたちを煽る。怒号のうりゃおい!コールが響く中、ギターでカラフルなサイリウムがうねる。「全員整列!」の掛け声で「OEOEO」へ。伊藤千由李が「やっと来れたよ、武道館!」と喜びを叫び、続けて「よろしく人類」を披露、熱気は早くもピークに。
「武道館の上の玉ねぎが吹っ飛ぶくらいの自己紹介します!」とメンバーの自己紹介がスタートし、ファンたちと共に進行するも安藤ゆずは早くも涙。「ずっとこの景色が見たかった。」と語る彼女の姿に会場中から温かい拍手が贈られる。今回の古代ギリシャにタイムスリップして“神々”を楽しませるという設定を再確認し、「楽しんで盛り上がってくれますかー?」と更なる熱狂を求める。
シングル曲である「いいくらし」「首都移転計画」からBase Ball Bear 小出祐介の提供「colors」と武道館の広いステージを目いっぱいに使用したフォーメーションで披露。続く「大好き!!」では上手と下手のステージ端部分がリフトアップ。大黒柚姫と安藤ゆずの2人を乗せて上昇し、2階席のファンにもアピール。スクリーンにミラーボールを映し出した「でらディスコ」では咲良菜緒のリフトで上昇し、ディスコ状態の武道館を更に盛り上げる。
一旦、全員がステージから去り、安藤ゆずが1人で登場。「おーい、みんなー、ゆずゆずしてますかー?ソロコンサートにお越しいただきありがとうございます!」とゆるいMCから伊藤千由李と坂本遥奈も参加し、「私がセンター」へ。リフトを使って過去最大であろう高低差の掛け合いが繰り広げられる。続いて秋本帆華がソロで「おっとりガールの憂鬱」をタイトル通りおっとりと披露。神殿セットの背後には星空の照明が輝き、メンバーがステージに戻ると“星屑の雨が降り注ぐ”と言った歌詞とシンクロするように「もーちょっと走れ!!!」を届ける。アルバム『ひまつぶし』から初披露となった「カントリーガール」を歌い終え、咲良菜緒は「口ずさんでくれるの見えました。アルバム聴いてくれてる証拠!」と喜びを語る。秋本帆華も「盛り上がっていけますかー?」とファンに呼びかけるも「足りなーい。」と更に煽る。安藤ゆずが「ブラジルの皆さん聞こえますかー?聞こえないってー!」と爆笑を生み出しテンションをあげる。
そして「乙女受験戦争」「ザ・スターダスト・ボウリング」「ピザです!」とライブ鉄板曲を連続投下。ファンも全力でステージ同期し、サイリウムをシンクロさせる。カラフルで圧倒的な景色は彼女たちがこの大舞台に立てた理由を再認識させる。更にROLLYが再び登場し、「そこそこプレミアム」へ。トリッキーなギターを響かせる中、秋本帆華がワイヤーで宙に舞う。リフトだけかと思いきや、様々な仕掛けに会場は大興奮。シンクロサイリウムがさく裂する「トリプルセブン」から「抱きしめてアンセム」で本編は終了。
ステージからメンバーのイメージカラーである6色のライトがフロアを照らし、アンコールの声が飛び交う。スクリーンには“神々”が再登場し、今日の盛り上がりを喜ぶ。「これは世界に残さねば」とメンバーや、しゃちほこロゴをモアイ像やナスカの地上絵といった世界中の遺跡に置き換える。そして「祭りはこれからじゃ!」と6人がステージに戻り「勝手にハイブリッド」「明け星」を披露。ROLLYがギリシャ人コスプレで再々登場し「夢は大きく、次はマディソン・スクエア・ガーデンでやってね!」とメンバーに激励コメントを贈った。
そして、MCではこの日のライブについて6人がそれぞれ思いを語った。
坂本遥奈:「武道館にはこれまで2年連続でアイドルを見に来ましたが、ステージからの景色を見れると思ってなかった。想い出の場所に立てるのは会場にいるみんなのおかげです。」
咲良菜緒:「武道館に立っているのが不思議。夢みたいで変な感じです。昔からの人も、今日初めて来てくれた人もいると思います。武道館は通過点、私たちは変わり続けますので、ついてきて下さい」
伊藤千由李:「嬉しいけど、恥ずかしいです。会場のみんなが飛んでくれたり、うりゃおいしてくれたり優しいなと思います(笑)またやりたいし、“しゃちほこってチケット倍率高いよねぇ”と言われる人気者になりたい!」
安藤ゆず:「ここからの景色が凄くて時間が止まればいい。でも武道館は通過駅、まだまだ登らなければと思います。皆さんに恩返ししたい!」
大黒柚姫:「店長に怒られてばかりの夏…逃げ出したくなるくらい辛いこともあったけど、メンバーに、みんなに支えられました。でも店長はこの景色を見せたかったんだと思います。」
秋本帆華:「自己評価高いと思うんですけど、ステージから見えるみんなの顔が笑って見えるんです。未熟で不安だったけど、やるからにはと一生懸命練習してきました。今まで来てくれた人も、今日初めて来てくれた人も“そうだ名古屋に行こう!”って思ってくれたら嬉しいです。これからも宜しくお願いします。」
メンバーは語った言葉を込めるように「マジ感謝」を披露。曲終わりには客席から6色の風船が飛ばされ、ファンからのサプライズ“感謝”が贈られた。感動のシーンから次の曲に移ろうとしたところで、スクリーンにはまたまた“神々”が登場。今回は次の舞台として、再び愛知県体育館で360度ステージでのコンサート開催をサプライズ発表。日時は1月3日となり【鯱詣(しゃちもうで)】と題された。日程が1月とあって「正月だと姉さんたちの…」と所属するスターダスト3Bjuniorのイベントと開催と重なるのではと困惑。しかし「去年よりパワーアップして、姉さんたちよりしゃちほこだなぁと思わせるから愛知県来いよー!」とやる気満々でアピール。ラストは彼女たちの最初の楽曲である「ごぶれい!しゃちほこでらックス」で“祭り”のフィナーレを迎えた。
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Road To 笠寺~武道館は通過駅~
秋本帆華が「通過駅」と語るように彼女たちの目的地は笠寺こと日本ガイシホールだ。そして、正月には【鯱詣(しゃちもうで)】と題された360度ステージでのコンサートを再びの愛知県体育館で行う。武道館公演を大成功に終わらせても、まだまだ“破竹”で“怒涛”で“飛ぶ鳥を落とす”勢いは止まりそうもないようだ。<武道館まで追っかけよう!>と題してみたが、引き続き“可能な限り”追いかけたい。
おまけ
武道館にゲスト出演したROLLY
鯱さん武道館はギリシャ神殿に金の鯱が輝き!火花が上がる豪華絢爛な舞台で!ランデイの気分で弾きました!曲は恐ろしい速さで凝った編曲!更にサバスやバッハ風の旋律を加える特訓を密かに重ね指に豆が出来た程!
秘密故に辛かったが最高の褒美だね! pic.twitter.com/VYjdnfpDCH
— ROLLY(寺西一雄)本人 (@RollyBocchan) 2014, 8月 29
神様からの次なる指令。
【★速報★】
2015年1月3日!!
チームしゃちほこ「鯱詣」
愛知県体育館アゲイン!!
360度センターステージ!!
(桃太郎) #syachi pic.twitter.com/2zkn2OkqJq
— チームしゃちほこオフィシャル (@syachi_staff) 2014, 8月 28
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