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Special

ママズ・ガン スペシャル・インタビュー&セルフライナーノーツ

Andy Platts

 2009年にリリースしたアルバム『ルーツ・トゥ・リッチーズ』とリード・ナンバー「ハウス・オン・ア・ヒル」が各FM局でパワープレイを獲得。ファンク、ソウル、ポップを縦横無尽に行き来するずば抜けた音楽センスで日本でも一気に知名度を上げたUK発新世代バンド、ママズ・ガンが今年8月に5年ぶりとなる待望の新作『チープ・ホテル』をリリースし、10月に日本に再びやってくる。さらに進化した彼らの来日公演を前に、フロントマンのアンディー・AP・プラッツにインタビューを敢行。新作やライブについてたっぷりと語ってもらった。さらに、バンドからのビデオ・メッセージ、『チープ・ホテル』の楽曲についてアンディ―によるセルフ・ライナー・ノーツも公開!

僕らの一番の強みが多くの曲に反映されていると思う

RobertGlasper
MAMAS GUN『チープ・ホテル』

??8月にリリースした最新作『チープ・ホテル』をリリースされましたが、このアルバムを一言で表現すると?

Andy Platts Platts: 「協同的(Collaborative)」かな。今回のアルバムは、特に作曲の部分で、できるだけ色んな人と共同で作業をして作ろうとはっきり決めていたんだ。リフ、メロディ、コード進行もすべてメンバー全員で話し合っていろいろトライしようってね。A&R的な業務に関しては、一貫して多数決とかで決めていたよ。スタジオに入る前にアレンジや音作りに多くの時間を割いて、どの曲にも自分たちの個性やアイデンティティをできる限り詰め込もうとしたね。

??アルバムタイトルの『チープ・ホテル』にはどんな意味が込められているのですか?

Andy Platts: これはアルバムの中の曲のタイトルなんだけど、このアルバムを聴いてくれる人たちに「どんなアルバムなんだろう?」と想像してもらいたいと思ってこのタイトルを採用したんだ。ホテルの中ではあらゆる物事が起きるし、ある意味カラフルと言えるよね。そんな意味も込めてるよ。

??前作よりもよりポップな音になった印象がありますが、意図してこのような音作りをしたんですか?

Andy Platts: そうだね。僕らは常に良いポップ・ソングを作ろうとしているんだ。だからこのアルバムも、僕らの一番の強みが多くの曲に反映されていると思う。

??今回から新メンバー、キャメロン・ドーソンが加わりましたが、それによってバンドはどう変わりましたか?

Andy Platts: レックス(前のベース)が脱退して時僕らは彼の代わりを探すのではなく、僕らが一緒に成長して、曲作りをしていけるようなメンバーを探そうと決めたんだ。キャメロンは、本当にスリリングなプレイヤーだし、年齢以上にフレッシュなエネルギーをバンドに与えてくれてるよ。今回のアルバム制作を通して僕らは良い意味で一つになれた。

??アルバム制作で一番難しかった部分はどこですか?

Andy Platts: アルバムに入れる曲を選ぶのが一番難しかった。20曲近くレコーディングしたからね。アルバムに入らなかった曲はボーナストラックやEPにして発表するかな。

??前回のアルバムリリース以降、音楽に対する考えや、思いは変わりましたか?

Andy Platts: そうだね…。きっと、ミュージシャンとして、ソングライターとして「音楽でお金を稼ぐ」ということをよりシビアに考えるようになったと思う。最近は特に、アーティスト自身が何でもできるようにならないといけないと感じているよ。常に前に進んでいかなきゃダメなんだ。ただ、最近チャートインしているようなメインストリームの曲と自分の感覚を合わせるのが難しいなとも感じているよ。ざっくりいうと、それらの楽曲は何かが失われている気がしている。技術だったり、インテリジェンスだったり…おそらく作曲の部分だと思うけど。そういう感情も含めて、自分のためになる音楽をもっと掘っていかなきゃと思ってるよ。

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みんなが感じたままに思いっきり跳ねたり歌ったりしてほしいのさ。

??これまでの活動のハイライトは?また自身のキャリアにとって一番重要なターニング・ポイントとなった出来事は?

Andy Platts: ママズ・ガンはバンドだし、他のメンバーもいるからなんとも言えないけど、日本に行ったことは一つのハイライトだよ。イギリスから来た全くのインディーズバンドがチャートインしたことはものすごくエキサイティングな出来事だったよ。そして、また日本に行けるのもね!

??これまでのキャリアで一番のチャレンジは?バンドを長続きさせるのに欠かせないものは?

Andy Platts: 妥協点を見つけることと、メンバーに対して寛容であることだね。これがバンドを長続きさせることにもなるんだ。でも、自分たちに湧きあがってくる様々な欲望もすごく大事なポイントだと思うよ。自分の殻を破ってどんどんチャレンジしていくモチベーションになるからね。

??最近お気に入りのアーティストはいますか?

Andy Platts: 沢山いるけど…Frank Ocean、Gregory Porter、Little Dragon、Laura Marling、James Blake、The Staves、Connan Mockassinあたりかな。日本のバンドで好きなのはオーサカ=モノレールだね。スイスでライブを観たときは、ずっと踊っていたよ。

??ライブ・パフォーマンスの醍醐味は?常にエキサイティングで新鮮味のあるパフォーマンスをする為に心掛けていることはありますか?

Andy Platts: ライブをすることは、常に相互関係が大事なんだ。つまり、アーティストとオーディエンスはお互いを必要としている。僕は人種とか関係なく、オーディエンスを一つにすることが好きなんだ。みんな日常でジャンプしたり大声で歌ったりしないだろ?だから僕らのライブに来たときは、みんなが感じたままに思いっきり跳ねたり歌ったりしてほしいのさ。僕らは最大限エキサイティングなライブができるよう常に自分たちのパフォーマンスを進化させているよ。それはオーディエンスのためでもあり、僕ら自身のためでもあるんだ。

??前回の来日はいつでしたか?そして今回の来日で楽しみにしていることは何ですか?

Andy Platts: 前に日本に行ったのはたしか2011年だから、今回久しぶりだね。ファンのみんなに会って、ライブをやるのが一番楽しみだけど、おいしいものも食べたいね!すき焼きとか寿司とか鉄板焼きとか…。あとは、いろんな人と話をして、日本の文化をもう少し知りたいなと思ってるよ。

「Pots Of Gold」
▲Mamas Gun「Pots Of Gold」

??今回の来日公演はどんな内容にしようと考えていますか?

Andy Platts: 正直に言うとまだ決めてないんだ。膨大な曲があるからね。『チープ・ホテル』に入っている「Red Cassette」、「Hello Goodnight」もやるだろうし、みんなが知ってる「House on a Hill」とか「Pots of Gold」もやると思うよ。

??最後に、ファンにメッセージをお願いします。

Andy Platts: 曲もライブ用に少しアレンジするし、笑えて、楽しくて、踊れて、真面目で、ソウルフルで、カラフルで、みんなと一緒になれるようなライブにするよ!とてもハッピーでエキサイティングなライブを楽しみにしてて!

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Andy Platts

Track.1 Red Cassette

この曲の歌詞は実話なんだ。子供のころ、はじめて曲を作った時のノスタルジックな曲だね。夜更かししてラジオ番組のマネをして、曲を作って、カセットに録音してたんだ。シンプルなコード進行をループするアップテンポな曲が好きなんだよ。デモの曲をプリンスやアイズレー・ブラザーズっぽく落とし込んだ感じかな。

Track.2 Cheap Hotel

この曲も一つの実話なんだ。ちょっとおかしい話だけど、アムステルダムにある、めちゃくちゃ臭くて最悪のホテルに泊まった時の話だよ。317号室だったんだけど、全然寝れなくて、夜通し曲作りをしてたよ。

「Pots Of Gold」
▲Old Man In Nursing Home Reacts To Hearing Music From His Era

Track.3 Burn And Fade

ジャック(ドラム)がメインのコード進行とリズムを考えたんだ。変拍子がユニークだよね。ある時、ジャックがあるビデオを見せてくれたんだ。すごくパワフルで、とても悲しい映像だったけど、同時に音楽のエモーショナルな部分というか、音楽の力を感じたんだ。その後、一晩で一気に歌詞を書き上げたよ。テリー(ギター)が素晴らしいメロディアスなリフを書いてくれて、すぐに完成したんだ。

「Don't Bring Me Down」
▲Electric Light Orchestra「Don't Bring Me Down」

Track.4 Hello Goodnight

この曲はジェフ・リンの影響をもろに受けて作った曲なんだ。エレクトリック・ライト・オーケストラは、ビートルズ的なソング・ライティングとアメリカのソウル、R&B、そしてクイーンの壮大さを合わせ持っていると思うんだ。めちゃくちゃインスパイアされたよ。

Track.5 Jessie

まさしくみんなで協力して作った曲だね。ジャックがかっこいいビートを叩いてくれて、その場でジャムって作ったんだ。G Loveやベック風なテイストも取り入れたつもりだよ。

Track.6 Love Logic

この曲はここ何年も眠っていてね…デモ自体は2008年にできてたんだよ!テクノロジーが進化したおかげで、ミドル・テンポとバラードのちょうどいい間を取った音を作ることができたのさ。

Track.7 Midas Touch

レゲエをベースにしているがきっとわかると思う。アスワドとかボブ・マーリーとかいろんなダブを聴いていた時期があって、その時期はレゲエっぽい曲ばっか作ってたよ。歌詞はすごく皮肉なギタリストについて語っているんだ。元々はネオ・ソウルだったんだけど、スタジオに入った時にエンジニアのジョン・ケリーがドラムの音をめちゃめちゃ太くしたもんだから、僕らもそれに乗っかって太くてハードなグルーヴを出していったんだよ。みんなエフェクトをかけたり、音色を変える実験をすごく楽しんでたよ。

Track.8 People on the Run

これはちょうど、2011年にロンドンで暴動があった後に書いた曲なんだ。僕らはちょうど韓国にいて、テレビで見てびっくりしたよ。歌が跳ねる感じなんだけど、実は歌詞がとても冷たくて、わびしい感じなんだ。そこが気に入ってる。疎外された人々とこの暴動が与えた影響について歌ってるよ。

「Don't Bring Me Down」
▲Fleetwood Mac「Albatross」

Track.9 On And On

テリーがコーラスで入ってる曲だね。フリートウッド・マックやデヴィッド・ボウイあたりを意識した音作りになってるよ。あんまり使わないアコギも使ってる。

Track.10 Siamese Jackson

前のベーシスト、レックスが2012年に僕らに残していった曲だよ。サビのベースラインがつく前のものだったけど。ママズ・ガンのこれまでの歴史の中でこの曲が全員で作った唯一の曲だね。楽しくて、ファンキーで、ちょっと荒い昔のママズ・ガンのようなサウンドだよね。この曲もまさしく全員の共同作業の賜物と言えるよ。

Track.11 Joy rides

何か道を外した、違うことをやりたいと思って作った曲だよ。トーキング・ヘッズやプリンスっぽさもあるし、ジャックはピーター・ガブリエルっぽいとも言ってたね。シンプルで、感情むき出しで、活き活きとしていて、エクストリームスポーツを彷彿とさせる曲だと思うよ。アルバムの中でも一番早く簡単にミックス作業はできたけど、ライブでやるには一番難しい曲だね。

ママズ・ガン「チープ・ホテル」

チープ・ホテル

2014/08/20 RELEASE
PCD-93823 ¥ 2,530(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Red Cassette
  2. 02.Cheap Hotel
  3. 03.Burn And Fade
  4. 04.Hello Goodnight
  5. 05.Jessie
  6. 06.Love Logic
  7. 07.Midas Touch
  8. 08.People On The Run
  9. 09.On And On
  10. 10.Music Is My Thing (ボーナス・トラック)
  11. 11.Where I Belong (ボーナス・トラック)
  12. 12.Siamese Jackson
  13. 13.Joy Rides

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