2021/05/09
5月5日公開のHot 100では、星野源の新曲「不思議」が一気に2位まで上昇してきた(【表1】)。この曲は、TBS系のドラマ『着飾る恋には理由があって』の主題歌として書き下された一曲。彼の配信シングルとしては2月リリースの「創造」に続くものだが、ドラマ主題歌としては2018年放送のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』の「アイデア」以来3年ぶりとなる。主題歌を担当することが発表されたのは3月30日だが、4月20日に放送されたドラマの初回においてタイトルを発表。4月27日にリリースされた。
このように、一週間程度のスパンで告知解禁からリリースに至るのはもはや珍しくもないが、星野源くらいのバリューであれば一気に話題作りを行えるので、短期で勝負するのは非常に有効だ。実際、リリース発表直後のツイッターで大いに話題となり、つぶやき数は4/28付で28位になっている。そしてリリースとなった今週5/5公開のチャートでは、同じくツイッターのつぶやき数は8位とさらに上昇しているのだ。当然メディアの反応もよく、ラジオのオンエア回数では今週3位を記録。ネームバリューとタイアップの強みを最大限に生かして結果を出したと言える。
では、今後はどうなるのだろうか。「恋」が何週も首位をキープしていた実績があるので、おそらくロングヒットを狙うはずだ。ダウンロードはある程度したら落ち着くだろうが、楽曲の浸透が進むとストリーミングは今後徐々に上昇していくことだろう。また、カラオケのポイントも同じように上昇するのは間違いない。あとはいかにドラマが盛り上がり、それと連動しての施策がポイントだ。おそらくテレビ出演はこれからだろうし、動画の公開もあることだろう。フィジカルのCDリリースは未定のようだが、こちらも決まるとチャートアップの要素としては非常に大きい。
いずれにせよ新曲「不思議」は、様々な仕掛けでロングヒットを狙える楽曲であることは確かだ。この曲が「恋」以上の大ヒットになるかどうかはまだわからないが、その可能性を大いに秘めていることは間違いない。Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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