2021/05/09 14:00
2021年5月5日発表のBillboard JAPAN週間“Top Singles Sales”で、JO1『CHALLENGER』が289,433枚を売り上げ首位を獲得した(集計期間2021年4月26日~2021年5月2日)。
『CHALLENGER』は、前作『STARGAZER』から8か月ぶりにリリースされた3作目のシングル。表題曲の「Born To Be Wild」はABCテレビ「芸能界常識チェック!~トリニクって何の肉!?」5~6月エンディングテーマに、「伝えられるなら」はキットカットのCMに起用されている。
ここでは販路に着目して過去2作との差異を調べてみる。SoundScanJapanのセールスデータを用いて調査した結果をグラフ1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/99722/2 )に示す。一般的な例として2021年年間(2021年第1週から第17週まで)の全シングルの販路別売上比率も追記している。
グラフからも明らかな通り、デビュー作『PROTOSTAR』ではECは47.5%、実店舗が52.5%と、実店舗による売上がECを上回っていた。それが前作『STARGAZER』ではECが68.2%、実店舗が31.8%と逆転し、今作『CHALLENGER』ではECが79%まで伸びている。
この変化には発売時期が大きく影響していると考えられる。『PROTOSTAR』が発売された2020年3月4日、北海道で新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が出ていたが、その他の地域ではまだ通常通り外出できる状態だった頃だ。デビュー前から注目されていたJO1は多くの店舗で大きく取り上げられ、店舗に足を運んだファンも多かっただろう。半数以上が実店舗による売上という結果からもその状況が裏付けられる。
ところが2ndシングルが発売された2020年8月26日は感染拡大の第2波の時期に当たり、第1波を経て買い物やイベントのオンラインへのシフトが進んだ頃だ。『STARGAZER』の7割近くがECでの売上となっているのも行動変容の結果と言えるだろう。さらに今作、ECの比率は8割弱となっているが、こちらは額面通りに捉えられない。『CHALLENGER』の発売日である2021年4月28日の直前、4月25日に発令された3回目の緊急事態宣言により急遽店舗が休業となり、予約分を受け取れていないケースがあるためだ。本来であれば実店舗分となったはずの売上が現在宙に浮いていると考えらえる。3回目の緊急事態宣言が発令されたのは東京、大阪、兵庫、京都の4都府県であり、大型店の多い地域であることからその影響は大きい。地域別販売比率からも明らかで、グラフ2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/99722/3 )に示す通り、前作に比べて関東と近畿の比率が大きく下がっている。ここでの減少分の多くは未受領のためと考えられ、受け取りが進めば遅れて反映されることになる。前作と同程度の比率に落ち着くことが予想されるが、後日改めて検証したい。
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