2013/02/06
シーン屈指の個性派ロックバンドとして活躍するフジファブリックが、読売テレビ、日本テレビ系全国ネットTVアニメ『宇宙兄弟』オープニングテーマに起用されているニューシングル『Small World』を2月6日にリリースした。
第56回小学館漫画賞一般向け部門と第35回講談社漫画賞一般部門をそれぞれ受賞し、累計発行部数は1000万部を突破。2012年5月には小栗旬と岡田将生が主演で映画化も実現するなど、『宇宙兄弟』は宇宙飛行士の今をリアルに感動的に描写した作風で話題の人気コミックだ。
昨年春からはアニメ放送がスタートしたが、オープニングテーマはこれまでユニコーン、スキマスイッチ、DOESとシーンの重鎮から気鋭の実力派まで、錚々たる顔ぶれが手掛けてきた。そして2013年1月放送の39話より新OPを担当することになったフジファブリックだが、かねてより愛読していたという加藤慎一(b)をはじめ、ツアーでは1巻から最終巻まで楽屋に常備していたというほどの『宇宙兄弟』ファンなのだ。
このたび起用された新曲「Small World」は、以前から存在していた原型を基にアニメの世界観にフィットするよう細部をアレンジ。一聴してドキドキ、ワクワクするようなサウンドを目指した。アニメの放送が日曜朝7時からということもあり、子どもと共に観るかもしれない両親の年代にも、味わったことのない感覚を届けられる演奏を心がけたそうだ。
フジファブリックは昨年、アニメ『つり球』のOPにも「徒然モノクローム」という楽曲を提供したが、同曲ではサビの歌詞に同アニメの主人公たちの名前を忍ばせるギミックでアニメファンから高評価を得た。
山内総一郎(g)は「Small World」を作曲する上で、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズで知られる庵野秀明監督が90年代初頭に手掛けたアニメ『ふしぎの海のナディア』をイメージ。OP曲「ブルーウォーター」(歌:森川美穂)で感じた“このアニメにはこの歌がなければ成立しない”という想いを意識して制作にあたったという。
一方、歌詞はオケが本格的にできあがった頃、メンバー3人が1コーラス分の歌詞を作り合い、3案をミックスしたものを基に加藤がもう一度練り上げる形が取られた。しかしサウンドから想起された歌詞の方向性は3人ともまったく同じで、“こんなに一緒でいいの?”と苦笑いするほどだったそうだ。
茨城出身の金澤ダイスケ(key)は星が綺麗に見える地域で幼少期を過ごし、流星群を見るために実家の駐車場に布団を敷いて寝ていたことや、月や星を天体望遠鏡で眺めていたこともあるという。「Small World」はスペーシーなシンセサイザーの音色が大きな特徴だが、金澤の原風景を思わせるサウンドから想起された言葉の数々は、確かに『宇宙兄弟』の世界観にピッタリだ。
「バンド自体がどれだけ(作品に)寄れるかは考えましたし、かなり練りましたね」。そうした苦心の末に完成した「Small World」は、原作やアニメファンも納得の仕上がりとして過言ではないだろう。アニメOPでは月面から始まる独創的な映像とのマッチングも一つの見所になっているので、未見の人はシングル共々チェックしてみよう。
◎フジファブリック 『Small World (short version)』
http://youtu.be/TQADd_JL-EU
◎シングル『Small World』
2013/02/06 RELEASE
[初回生産限定盤(CD+DVD)]
AICL-2502/3 1575円(tax in.)
※スリーブ仕様
[通常盤(CD)]
AICL-2504 1050円(tax in.)
[期間生産限定盤(CD)]
AICL-2505 1260円(tax in.)
※『宇宙兄弟』描きおろしイラスト スペシャルデジパック仕様
取材、文:杉岡祐樹
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