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2021/02/15

<ライブレポート>鈴木愛奈、自身初となるツアー開幕 「人それぞれ違う悩みに寄り添えるようなアニソンシンガーになりたい」

 鈴木愛奈の自身初となるツアー【Aina Suzuki 1st Live Tour ring A ring - Prologue to Light -】の初日が、2月11日にパシフィコ横浜 国立大ホールで開催された。

 声優としても活躍し、2020年の1月にアーティストデビューを果たした鈴木愛奈。今回のツアーは本来、2020年の6月から開催される予定だったが、COVID-19の影響により中止に。本公演は、そんな鈴木にとっても、ファンにとっても待ちに待ったライブとなった。

 開演時間の18時に暗転すると、オーケストラによる壮大なオープニング「The Start of Phoenix」が流れ始めた。黒いドレスを纏ってステージ中央に登場した鈴木にスポットライトが当たり、伸びのある歌声を会場に響かせた「ヒカリイロの歌」でライブがスタート。オーディエンスは声を上げるのをグッと堪え、拍手やカラフルなペンライトをかざし、ライブに彩りを添えている。そして、今ステージに立っている喜びを噛み締めている鈴木の表情が時々見受けられた。続いて、ロックなサウンドが特徴的なミディアムナンバー「Butterfly Effect」が演奏されると、オーディエンスは鈴木の芯のあるハイトーンボイスに圧倒されていった。

 「【Aina Suzuki 1st Live Tour ring A ring - Prologue to Light -】横浜公演、ようこそいらっしゃいました!」と元気にタイトルコールを告げた鈴木。満を持してスタートさせたツアーに、高揚感が抑えられない様子だ。その後は、軽快なリズムが心地よいポップチューン「Happiness」や、「アイナンテ」と続く。オーディエンス一人一人に語り掛けるように歌う場面もあり、会場は自然と暖かい雰囲気に包まれていった。

 中盤MCでは、ツアーグッズ「にゃすこっと」やライブ当日から配信開始となったLINEスタンプ、そしてライブを支える愛奈バンドのメンバーを紹介。一息ついたところで、ライブはアコースティックコーナーへ。ここでは、哀愁を帯びたアコーディオンの音色が、しんみりとしたムードを作り出した「antique memory」、ファンに「おめでとう」という気持ちを込めて制作された「繋がる縁-ring-」が届けられた。

 三味線や琴などの和楽器の旋律が聴こえてくると、愛奈バンドによるヘビーなアンサンブルが始まった。巧みな迫真の演奏が繰り広げられる中、衣装を朱色の着物に変えた鈴木が再登場。連続で「玉響」や「祭リズム」といったアップテンポナンバーがパフォーマンスされ、一気に会場を沸かしていく。すると、ここでアニソンカバーのコーナーがスタート。「アニソンが大好きな気持ちをここでぶつけていきたいと思います」と意気込みを語ると、倉木麻衣のカバー「渡月橋 ~君 想ふ~」が披露された。倉木の楽曲を、繊細な透き通った歌声で見事に歌い上げる姿には驚かされる。その歌声に惚れ惚れとしたところで一転し、和田光司の「Butter-Fly」をカバーして再び会場を盛り上げ、鈴木は「やっぱアニソン最高だよな!」とアニソンの良さに改めて実感していた。

 いよいよ終盤戦に入ると、ラストスパートで「もっと高く」や「遙かなる時空-そら-を翔ける 不死鳥-とり-のように」と、一気に畳み掛けていく。そして、アルバム『ring A ring』に収録されているインスト「Eternal Place 第一楽章」が奏でられると、鈴木は白いドレスに身を包み、続けて「Eternal Place 第二楽章」を披露。荘厳で幻想的なメロディと鈴木の美声が心に響く。「本日はどうもありがとうございました」と感謝を伝え、鈴木はステージを後にする。最後は、「Eternal Place」の最終章である「Eternal Place 第三楽章」で本編の幕が下りた。

 鳴り止まぬ拍手に応えたアンコール。本編のスタートを飾った「ヒカリイロの歌」が再びパフォーマンスされると、そこには緊張の糸が切れ、始終笑顔を見せる鈴木の姿が。「アンコールありがとうございます!」と深々と礼をすると、最後のMCで自身のエピソードを告白。「アニソンが好きだから」、「人それぞれ違う悩みに寄り添えるようなアニソンシンガーになりたいと思ったから」と、今まで知らされていなかった、鈴木がアニソンシンガーを志した理由が明かされると、オーディエンスから本日一番大きな拍手が送られる。「これから先のアニソンシンガー、そして声優もやらせていただいているので、声と歌をしっかり届けていきたいと思います」と決意表明した後は、そんな鈴木を後押しする楽曲「今日のわたしをこえて」でライブは大団円を迎えた。

 今後、ツアーは大阪、愛知、北海道で公演を控えている。アーティストとして新たな一歩を踏み方だした鈴木愛奈。この後の公演では、どんなパフォーマンスを届けてくれるのか楽しみだ。

Text by Tatsuya Tanami
Photo by 中原 幸


◎ツアー情報
【Aina Suzuki 1st Live Tour ring A ring - Prologue to Light -】
2021年2月11日(木)
神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール

2021年3月6日(土)OPEN 17:30/START 18:30
大阪・オリックス劇場

2021年3月13日(土)OPEN 17:30/START 18:30
愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

2021年4月3日(土)OPEN 17:30/START 18:30
北海道・千歳市民文化センター 北ガス文化ホール

チケット:全席指定 7,700円(税込)

配信チケット販売期間
<横浜公演>
2021年2月4日(木)10:00~2021年2月14日(日)20:59
<千歳公演>
2021年2月4日(木)10:00~2021年4月11日(日)20:59

URL:https://eplus.jp/suzukiaina_1st_st/

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