2010/06/14 00:00
"まもなく本名をタイトルにしたサード・アルバム『MAYA』をリリースする34歳のスリランカ人シンガーM.I.A.(本名MAYA ARULPRAGASAM)に、先週BILLBOARDは単独電話インタビューを敢行。プロモーションのためにヨーロッパ滞在中の彼女をつかまえ、多忙の合間を縫ってベルギーのブリュッセルからロンドンへ移動する“ユーロスター”の中から、新作や話題となった記事についてなど多くを語ってもらった。
M.I.A.といえば、先月『NEW YORK TIMES MAGAZINE』にジャーナリストLYNN HIRSCHBERGが執筆した彼女の“カバー・プロフィール”の内容が大きな注目を集めたばかりだが、その記事にまつわる諸々のことについてはイヤというほど多くの質問を受けてきたに違いなく、BILLBOARDでは「(記事が)露出されたことに後悔しているか?」という質問をぶつけてみた。
「それはないわね。だってどんな展開になるか、予測はできていたもの」と語るM.I.A.だが、彼女は今年の初頭に『NEW YORK TIMES』が報道したスリランカ国内におけるシンハラ人とタミル人の摩擦に関する記事に対し、ツイッターで異を唱える書き込みをしている。M.I.A.がまだ幼い頃、彼女の母親は子供たちを連れてロンドンへと逃れた一方、アーティストだった父親は戦争状態のスリランカ国内に留まり、さまざまなタミル人組織に加わっているという家族背景があるのだ。
そんな政治に翻弄された過去を持つ彼女に対し、『LOS ANGELES TIMES』のポップ批評家であるANN POWERSは、「M.I.A.は政治とアート、両方をやろうとしている。彼女は決して妥協はしないだろうし、おとなしく沈黙を守るタイプでもない。そういう姿勢はCLASHにも見られ、彼らは成功を収めたけれど、あの時とは時代も場所も違う。それに彼らはバンドだったから成功したということもあるだろうし、何よりも彼らは男だった。対決姿勢を見せる男たちというのは、誰もが見慣れているものよ。だからM.I.A.の姿勢が受け入れられたとしたら、彼女はきっとみんなが思っている以上の重要人物に成り得ると思う」とコメントしている。"
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