2020/12/28
テイラー・スウィフトの『エヴァーモア』が2週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
先週、初動329,000ユニットを記録して1位に初登場した『エヴァーモア』は、今週169,000ユニットを記録して同位をキープ。いずれも前週から減少してはいるが、週間セールスは102,000、週間ストリーミングも66,000と各ポイント高水準を維持している。週間視聴回数は8,615万再生で、今週最大のアルバム・ストリーミングを記録した。
2週目のセールスが好調だった理由として、12月18日にリリースしたCDの売り上げが加算されたことが挙げられる。発売日の12月11日時点では、ダウンロードでのみ購入可能だった。LPとカセットテープの販売は、2021年に予定している。
本作からのシングル「willow」は、先週のソング・チャート“Hot 100”で1位に初登場し、自身7曲目の快挙を達成。なお、前作『フォークロア』からのシングル「cardigan」も8月8日付チャートで1位に初登場していて、Billboard 200とHot 100で同時に初登場1位を2回獲得した初のアーティストという記録も達成した。その『フォークロア』は、61%減少の53,000ユニットまで数字を落とし、先週の3位から8位にランクダウンしている。
『エヴァーモア』には及ばなかったが、初動105,000ユニットを記録してポール・マッカートニーの新作『マッカートニーIII』は2位に初登場。そのうち102,000がアルバム・セールスで、『エヴァーモア』を上回り、セールス・チャートでは1位にデビューした。セールス・チャートでの首位獲得は、ウイングス名義の作品を含む通算21作目となる。
10万を超えるセールスには、デジタル・ダウンロード、CD、LPの売上が含まれていて、CDとLPのパッケージには、色違いのカバー・アートなど限定でリリースされた様々なバージョンがある。LPのセールスが特に高く、初週32,000枚を記録して今週、そして2020年最大の週間売上枚数を更新した。ニールセンが集計をスタートした1991年以降の週間LPセールスとしては、ジャック・ホワイトの『ラザレット』が記録した40,000枚(2014年6月14日付)、34,000枚を売り上げたパール・ジャムの『バイタロジー』(1994年11月27日付)に次ぐ、歴代3番目の記録。
ポール・マッカートニーは、これで1970年代、80年代、90年代、2000年代、10年代、そして20年代の6年代でTOP10にランクインし、ブルース・スプリングスティーン、ジェームス・テイラーに続く3番目の記録を達成した。同時に、6年代でTOP5にランクインしたアーティスとしても、ブルース・スプリングスティーンに次ぐ2番目の快挙を達成している。
3位には、先週の199位からジャンプアップしたエミネムの『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ』がTOP3復帰した。1月17日にリリースされ、翌2月1日付チャートで1位に初登場した本作は、12月18日に新曲16曲を追加したデラックス・エディションをサプライズ・リリースしたことで、各ポイントが上昇し、今週息を吹き返した。オリジナル盤(サイド A)の20曲とデラックス盤(サイド B)の16曲を含む週間ユニットは、前週から1,125%増加の94,000で、そのうちアルバム・ストリーミング(SEA)が57,000、アルバム・セールスが33,000、トラックごとのユニット数は4,000を記録している。
今週の集計期間はクリスマス・ウィークということもあり、ホリデー・アルバムがTOP10に6作もランクインした。TOP10に6作のホリデー・アルバムがランクインしたのは、1959年1月5日付チャート以来約61年ぶりとなる。
いずれの作品もユニット数は上昇していて、マイケル・ブーブレの『クリスマス』は33%増の77,000ユニットを記録して4位をキープ。マライア・キャリーの『メリー・クリスマス』は、36%増加の60,000ユニットを記録して10位から5位に上昇し、ナット・キング・コールの『ザ・クリスマス・ソング』は、33%増加の60,000ユニットを記録して8位から6位に最高位を更新。キャリー・アンダーウッドの『マイ・ギフト』は7位にダウンしたが、ユニット数は21%増加の57,000を獲得していて、ペンタトニックスの『ベスト・オブ・ペンタトニックス・クリスマス 』は、24%増加の51,000ユニットを記録して13から9位にTOP10復帰した。
もう1作は、先週の12位から10位にTOP10入りしたヴィンス・ガラルディ・トリオの『スヌーピーのメリークリスマス』。1965年にリリースされた本作は、1987年に初めてBillboard 200にランクインし、2007年1月27日付ホリデー・アルバム・チャートでは2位を記録したが、Billboard 200でのTOP10入りは初で、今週の10位が歴代最高位となる。
次週はホリデー・アルバムが一掃され、ランクダウンしたアルバムがTOP10復帰する可能性が高い。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、1月4日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『エヴァーモア』テイラー・スウィフト
2位『マッカートニーIII』ポール・マッカートニー
3位『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ』エミネム
4位『クリスマス』マイケル・ブーブレ
5位『メリー・クリスマス』マライア・キャリー
6位『ザ・クリスマス・ソング』ナット・キング・コール
7位『マイ・ギフト』キャリー・アンダーウッド
8位『フォークロア』テイラー・スウィフト
9位『ベスト・オブ・ペンタトニックス・クリスマス』ペンタトニックス
10位『スヌーピーのメリークリスマス』ヴィンス・ガラルディ・トリオ
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