2020/12/13
2020年12月14日付のBillboard JAPAN週間“Top Singles Sales”で、NiziUの 『Step and a step』が318,562枚を売り上げ、1位を獲得した(集計期間:2020年11月30日~12月6日)。
『Step and a step』はNiziUの正式デビューとなる作品であり、プレデビュー曲「Make you happy」がソングチャート上位をキープし続ける中で12月2日にリリースされた、グループ初のシングルCDである。
ここではSoundScanJapanのセールスデータを使って『Step and a step』と全シングルの地域別売上を比較してみる。グラフ1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/95169/2 )に『Step and a step』と、今年の全シングルの地域別販売比率を示す。
グラフからは関東38.8%(全シングル49.3%)、近畿12%(全シングル15.4%)の2地域で全シングルの比率よりも小さく、それ以外の地域では全シングルよりも大きくなっていることがわかる。ここから読み取れることは比較的小規模な店舗にも行き渡り、売れている作品だということであり、デビュー作にして既に全国的に知名度、人気があるということだ。一般に店舗の規模が小さい場合、店舗に置ける商品数も限られるため確実に売れる商品を厳選する傾向がある。そのため、売上が大規模店舗の多い大都市圏に偏るアーティストよりも全国で売れているアーティストの方が、人気があると考えられていると推測できる。NiziUの場合もこれに該当する。
会いに行けるアイドルに限らず、握手会やハイタッチ会などのイベントを実施してCDを売る手法が近年広く行われてきたが、新型コロナウイルスの蔓延で大勢が一か所に集まったり接触を伴うイベントは当面実施できなくなり、そのような手法で売ってきたアーティストの多くは売上を減少させている。その状況下でNiziUの場合はテレビや動画配信サービス、SNSなどを舞台とするプロモーションが外出を控える人との接触を避ける生活様式にマッチし、一躍人気者の地位を獲得している。これらはどれも居住地を問わずアクセスできるものばかりであり、地域差が発生しにくい状況であると考えられる。コロナ禍でなければ彼女らも握手会などのイベントを行ったのかどうかはわからないが、今後しばらくはNiziUのようなプロモーション手段が注目されるだろう。CDデビューを果たし、多くの人がNiziUに惹きつけられたデビューまでのストーリーはひとまず完結した。これからどんな物語を見せてくれるのか、今後の活躍を見守りたい。
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