2020/11/30
BTSの新作『BE』が首位にデビューした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作『BE』は、3月7日付チャートで初登場1位を記録した前作『MAP OF THE SOUL : 7』から約9か月ぶり、5作目のスタジオ・アルバムで、Billboard 200での首位獲得は『LOVE YOURSELF 轉 'Tear'』(2018年)、『LOVE YOURSELF 結 'Answer'』(2018年)、『MAP OF THE SOUL : PERSONA』(2019年)含む通算5作目となる。
今年はラッパーのヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲインも『38 Baby 2』(5月9日)と『Top』(9月26日)の2枚を1位に送り込んでいるが、グループとしてはBTSが、今年初の快挙を達成した。
初の首位獲得作品『Love Yourself:Tear』(2018年6月2日)から本作『BE』まで、5枚のアルバムが1位を獲得した期間は約2年6か月で、グループとしてはビートルズが『ミート・ザ・ビートルズ』(1964年)~『ビートルズ VI』(1965年)で達成した1年5か月に次ぐ2番目の最速記録。なお、ビートルズは『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』(1966年)~『ホワイト・アルバム』(1968年)で2年5か月という記録も打ち立てている。ソロ・アーティストとしての最速記録は、ラッパーのフューチャーが『DS2』(2015年)~『HNDRXX』(2017年)で達成した約1年7か月。
先行シングル「Dynamite」は、ソング・チャート“Hot 100”でグループ初の首位を獲得し、2021年1月に開催予定の【第63回グラミー賞】でも初の<最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞>にノミネートされた。その「Dynamite」は英詞だが、本作『BE』に収録されたその他の楽曲は主に韓国語で構成されていて、英語以外で構成されたアルバムが首位を獲得するのは歴代11作目、そのうち5作がBTSのアルバムということになる。
『BE』の初動ユニットは242,000で、そのうち177,000がアルバム・セールス、30,000がアルバム・ストリーミング(SEA)、35,000がトラックごとのユニット数(TEA)だった。初週の再生数は4,856万回を記録している。 前作『MAP OF THE SOUL : 7』は初動422,000ユニットを記録し、セールスも347,000という高記録を打ち立てたが、『MAP OF THE SOUL : 7』は5種類のパッケージによる売り上げがあったのに対し、本作『BE』はスタンダード・デジタル・アルバムとデラックス盤の2種のみで、収録曲数も前作が20曲だったのに対し、本作『BE』は8曲のみで構成されている。セールス、ストリーミングいずれも数字に差が生じたのは、そういった理由がある。
続いて2位にデビューしたのは、今年「サヴェージ」で大ブレイクしたミーガン・ジー・スタリオンの『グッド・ニュース』。初動ユニットは100,500で、そのうちアルバム・セールスが16,000、アルバム・ストリーミングは82,500、トラックによるユニットは2,000だった。週間再生数は1億1,585万回で、今週最大のアルバム・ストリーミングを記録している。TOP10入りは2019年6月1日付チャートで10位を記録したミックステープ『Fever』、今年の5月16日付チャートで7位まで上昇したEP『Suga』に続く3作目で、アルバム・チャートでの順位としては自己最高位となる。ソング・チャート“Hot 100”では、前述の「サヴェージ」が自身初のNo.1を獲得しアルバムのプロモーションに繋げた。なお、本作に収録されたのはビヨンセをフィーチャーしたリミックス・バージョンで、オリジナルは前述の『Suga』に収録されている。
先週4位にダウンしたアリアナ・グランデの『ポジションズ』は3位にTOP3復帰し、ポップ・スモークの『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』も4位にランクアップした。一方、先週2位にデビューしたフューチャーとリル・ウージー・ヴァートのコラボレーション・アルバム『Pluto x Baby Pluto』は56%減少の46,000ユニットまで数字を落とし、5位に下降。3位に初登場したクリス・ステイプルトンの『スターティング・オーヴァー』も、8位まで大きく順位を下げている(37,000ユニット)。先週1位にデビューしたAC/DCの『パワーアップ』は、TOP10圏外までランクダウンした。
6位には、先週の29位から急浮上したテイラー・スウィフトの『フォークロア』が再ランクインしている。今週息を吹き返したのは、11月25日にデラックス・エディション『フォークロア:ザ・ロング・ポンド・スタジオ・セッション』がリリースされたため。本作の売り上げが好調で、週間セールス23,000のうちデジタル・ダウンロードは425%増加の4,000、LPのセールスは16,476%増の15,000枚まで上昇した。本作には、オリジナル17曲に加え、ディズニーの動画配信サービスのDisney+で配信された同名タイトルのライブ音源17曲が追加されている。『フォークロア』は、前述の【第63回グラミー賞】で<最優秀アルバム賞>、<最優秀楽曲賞>など計6部門でノミネートされていて、今後も上位に再浮上する可能性が高い。
テイラーに続きTOP10復帰したのは、先週の25位から10位にジャンプアップした キャリー・アンダーウッドの『マイ・ギフト』。週間ユニットは63%増加の35,000まで上昇している。本作は、10月10日付チャートで8位にデビューし、翌週はTOP50圏外まで一気に落ち込んだが、ホリデー・シーズンの到来により11月14日チャートで150位から39位まで跳ね上がり、21日付チャートで29位、28日付チャートで25位、そして今週10位まで順位を上げた。本作の他にもクリスマス・アルバムが続々とランクアップしており、次週以降TOP10にリエントリーすることが予想される。
今週は本作『マイ・ギフト』の他、前述の『スターティング・オーヴァー』と、7位にランクインしているルーク・コムズの『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』の3作がカントリー・アルバムとしてランクインした。TOP10に3枚のカントリー・アルバムがランクインするのは、2018年1月3日付チャート以来約2年11か月ぶりとなる。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、12月4日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『BE』BTS
2位『グッド・ニュース』ミーガン・ジー・スタリオン
3位『ポジションズ』アリアナ・グランデ
4位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
5位『Pluto x Baby Pluto』フューチャー&リル・ウージー・ヴァート
6位『フォークロア』テイラー・スウィフト
7位『ホワット・ユー・シー・イズ・ホワット・ユー・ゲット』ルーク・コムズ
8位『スターティング・オーヴァー』クリス・ステイプルトン
9位『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』ジュース・ワールド
10位『マイ・ギフト』キャリー・アンダーウッド
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