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2020/10/06

Hilcrhyme、全国ツアー初日に名曲群で自らを表現「心はそばにいる」

 Hilcrhymeが開催したツアーのオフィシャル・ライブレポートが到着した。

 Hilcrhymeが10月4日、大阪・なんばHatchより全国ツアー【Hilcrhyme TOUR 2020「THE MC」】をスタートさせた。

 ニューアルバム『THE MC』のリリースを記念したツアーの初日の大阪公演は、ソーシャルディスタンスが十分に確保された客席レイアウトで、昼夜2回に分けて開催。昨年のメジャーデビュー10周年を経て、最新にして最高到達点と自負する自信作を手に挑んだ1st stageは、ステージに掲げられた巨大なバックドロップを前に、開演を待つオーディエンスの静かなる熱気に徐々に満たされていく。定刻を過ぎた頃、暗転と共にサーチライトが場内を駆け巡り、いつの間にかステージに現れたTOCに、どよめきにも似た歓声が上がる。躍動感のあるエレクトロビートに乗せ力強い歌声を聴かせ、「久しぶりのライブだからさ、止まりたくないよな? 声を出せなくても心が踊ってるのは分かってるよ!」とTOCがブチ上げれば、オーディエンスもハンズアップと大きな拍手で応える。

 MCでは、「ツアー初日を迎えることができて本当に嬉しいです。皆さんのおかげです、ありがとうございます! 今日はいつもと違って、基本的に声を出したりコール&レスポンスができない、一緒に歌ったりできない公演です。でも、これはきっと今だけだと思ってるので、だからこそ、今しかないスペシャルな時間にしたいと思ってます。皆さんどうぞついてきてください!」と、自身にとっても待ち望んだツアーの開幕を喜び、共に歩んでいこうと宣言。

 レーザー演出が夜空を彩るMV同様、幻想的な空間を目の前に生み出した、現在好評放送中のMBSドラマ特区『俺たちはあぶなくない~クールにさぼる刑事たち』エンディング主題歌の「グランシャリオ」をはじめ、ステージセットの各所に設置され、楽曲の内容にシンクロするように次々と表情を変える照明もかなり刺激的で、TOCが事前にTwitterで「音と光と言葉を究極に突き詰めた」と告げていたのも大いに頷ける。オーディエンスの持つサイリウムと共に、ライブを総合演出するような光のマジックは、今回のツアーの見どころの1つと言えるだろう。

 「ハンドクラップもいいね。声を出さなくても1つになれるって発見。離れてる間、寂しかった? 俺は寂しかった。だって当たり前にいる存在に会えないってことだから。でも今の時代、SNSでも俺からの呼びかけにみんなが応えてくれたり、それが支えになってたよ」と、楽曲を披露する合間に長い自粛期間を振り返りながらも、久しぶりのステージが心底楽しいという表情のTOC。TBS系『CDTVサタデー』10月度エンディングテーマの「Jealous」は失恋歌でありながら踊れる新境地で、ステージを舞うように軽やかに横断し、その歌声を届けていく。

 「ここからもっと深いところに連れていくよ。陽気もいい。でもさ、人間それだけじゃない、痛みも哀しみもあって人だよ」と導いた切ないラブソングの数々もこれぞHilcrhymeな真骨頂で、昨年、ドラマ『わたし旦那をシェアしてた』の主題歌としてシングルリリースされた「事実愛 feat. 仲宗根泉(HY)」をはじめ、胸を締め付けるような珠玉のミドルバラードも数多く聴かせてくれた。

 「非常に楽しいです。声には出さなくても伝わってきてます、ありがとう!」と、ステージを見つめる笑顔を存分に受け取り、「今回のアルバムを作っていく上で大事にしていたのは“ルーツ”です。2006年にHilcrhymeができて、来年は結成15周年。いろいろあったけどとても幸せな人生です。だから今日のセットリストは、ルーツと一緒に新曲をお届けしています。つなげて、対にして、歌っているパートがいくつかあって」と、アルバム制作の起点となった心情を直接オーディエンスに伝えていく。ド派手な照明とシームレスにビートをつなげ非日常に没頭させるようなセットリストの流れも見事で、まさにアルバムタイトルさながら、“MC TOC=マイクを持った指揮者”として世界観を提示してきたHilcrhymeが、今改めて新旧の名曲群をリンクさせ、アルバムとライブで自らを表現するかのようだ。

 「ラップを始めて20年経ちますが、今が一番曲を作りたいと思ってるし、楽しくて仕方がない。だからどうか皆さんの心に1曲でも多く刺さりますように。そんな曲をこれからも作っていきたいなと思ってます」

 最後は、「心の中で歌ってくれ! 俺と一緒に丘を登ろう」と呼びかけるTOCの声に、オーディエンスのサイリウムがウェーブで虹を描くような絶景を生み出し本編は終了。さらに、この日は奇遇にもTOCのバースデーということもあって、会場からは祝福の拍手が止まらない。

 「俺と君の距離は今はちょっと空いてるかもしれないけど、心はそばにいる。来てくれてありがとう、感謝が尽きないよ。また普通の日々が戻ったら一緒に歌おうな」

 Hilcrhymeのフルコースとも言えるニューアルバム『THE MC』の収録曲を中心に、新旧のヒット曲からライブ必須のナンバーまで20曲以上を網羅したこの日。ツアーの初日からオーディエンスの期待をしっかりと受け止め、それを超えていくような充実のライブとなった。

 今後は、【TOC生誕祭2020】を、10月9日東京・渋谷TSUTAYA O-EASTにて二部構成で開催。【Hilcrhyme TOUR 2020「THE MC」】は、10月24日新潟・新潟テルサ、11月15日東京・中野サンプラザと続く。なお、生誕祭の第二部、全国ツアーファイナルとなる東京公演は有料生配信も実施される。

TEXT:奥“ボウイ”昌史 
PHOTO:河上良(bit Direction lab.)

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