2020/09/02
BTSの新曲「Dynamite」が2020年9月5日付けの米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で初登場1位を獲得したことを記念したオンライン記者会見「BTS 'Dynamite' ONLINE GLOBAL MEDIA DAY」が開催された。
アジア人アーティストによる全米No.1獲得は、坂本九の「SUKIYAKI(邦題:上を向いて歩こう)」(1963年)以来、実に57年ぶりの快挙であり、この朗報に多くの著名人そして韓国の文在寅大統領も祝辞を送った。お祝いモード真っ只中のところ、メンバーが心境を語った会見の模様をお伝えしよう。
初登場1位が発表された9月1日がちょうど誕生日だったジョングクは「みんなより少し遅れてこの報告を耳にしたけど、本当に信じられなかったんだ。何よりもこのような大きな成果を出せたのはARMYの皆さんのおかげなので本当に感謝してます。そしてメンバー、会社のスタッフ、関わってくれたすべての方に感謝しています。人生においてこのような記録を出せたのは本当に光栄なことだし、最高の誕生日プレゼントとなりました。生まれてきて本当に良かったです。父と母に『産んでくれてありがとう!』とお礼を言いたいです。そして改めてARMYの皆さんありがとう。愛しています」とコメントした。
1位を知った瞬間のことを聞かれたメンバーは、 「RMが先にメンバーのチャットルームで、チャート画面をアップしたので合成だと思ったんだ。だけど、その20分後に同じ画面を見て、これって本当なんだと実感した」(ジン)、「幼いころからHot 100と隣り合わせで育ってきたからこそ、このチャートで1位を取るのはもちろん目標であり、夢でもあったから、この報告を聞いた時は鼻をひねって本当か確かめたんだ」(シュガ)と答え、改めてこのチャート結果が彼らにとってどれほど権威的なものかを語った。
Vは「こんな世界的に有名になれるなんて、7年前に手ぶらで地方から集まった僕らは思いもしなかった。深夜の地下室で練習したことや、上京した時に父と一緒に乗ったタクシーでぼったくられたことを生々しく覚えている。今の成功を昔の記憶と比べると面白いね」と振り返り、「今日は一番良い賞をもらったから、今日だけは心配事は忘れて喜びたいし、みんなで一緒に笑いたい」と笑いを誘った。
メンバーからの昔話が出たところで、ここからBTSのビルボードの功績が振り返られた。BTSがビルボードに初めてチャートインしたのは2015年12月(アルバム『The Most Beautiful Moment in Life, Pt. 2』、初登場171位)で、これに対し、ジョングクは「今回もそうだけど、夢か現実か本当にわからなかった。でもこの結果があったから、さらに頑張りたいと思ったし今後のモチベーションになった」とコメント。
「シュガの夢は現実になると有名ですが、次の目標は?」と司会からの質問に対し、シュガは「僕が言った目標が一つずつ達成されていくことは胸いっぱいでありながら、『また目標を言っちゃっていいかな?目標が負担にならないかな?』という感情です。『Dynamite』はHot 100で1位になるために作った曲ではなく、このコロナの厳しい状況で一人でも元気を出してほしいという気持ちで作った曲だから、多くの方に楽しんでもらえてうれしい限り」と返答した。とはいえ、「目標は言わないといけないよね……?」と様子を伺い、「グラミーでコラボとして舞台にあがる経験ができたから、次はBTS単独でグラミーのステージに上がることかな。もちろん受賞もしたいけど、それは僕たちの意志だけで叶うものではないし、みんなの応援あってのものだと思ってるから、まずはアワードで舞台に立ちたい」と、世界を股にかけ活躍しているにもかかわらず、謙虚な姿勢を見せた。
彼らの活躍を常日頃から見守る記者からも多くの祝辞や質問が寄せられ、メンバーの口から全て読み上げられた。その中で「ビルボード1位のニュースが伝えられた後、ジミンさんがSNSに『涙が止まりません』という書き込みをされていましたが、その涙の意味、そして一緒にいたメンバーとのエピソードを教えてください」という質問に対して、ジミンは「自分でもなぜそんなにも涙があふれたのか正直わかりません。午前4時くらいにその便りを聞いて、朝の7時までずっと泣きっぱなしで、泣き疲れて寝てしまいました。その朗報を聞いたときはジョングクも一緒にいたので一緒に喜んだんですが、ずっとチャートの画面を見つめて、仕舞には撫でるようになったんです。その時もずっと涙が出ていて、その後はメンバーに感謝の気持ちを伝えました。一番話したことは、僕たちもやれば出来るんだな、ということ。今まで守ってきたこと、やってきたことが報われたんだと思い、このような時期にみんなで手を繋いで立ち上がったことが認められた気もするし、色々な感情が相まって涙しました」と言葉を選びながらコメントした。
続いて「『Dynamite』のB-sideのミュージックビデオで(タレントの)ノ・ホンチョルのジェスチャーを真似したと「ノ・ホンチョルパロディ説」がSNS上で話題になっているが、このシーンの裏側は?」という質問が。これに対し、ジョングクは「実はこれは監督からジェスチャーについて色々と要求される中で、YouTubeで観たものを、リハーサルの時にノリでやっただけなんです。だから僕たちも出来上がったB-sideを見て大笑いしたし、こんなに話題になるなんて思いませんでした」と撮影秘話を暴露。「僕たちは昔から『無限挑戦』という番組が大好きだったから、銃を撃つ真似がグループ内で流行ってて、面白半分でやったものがこんな形で皆さんに喜んでもらえてよかったです」と続け、実際にジミンが記者に向けて、このジェスチャーを披露するシーンも見られた。
「7年前のデビュー・ショーケースで『新人アイドルは生き残れないという言葉もあるが、最後まで生き残って大衆に愛されるグループになる』という抱負を語っていた記憶があります。新人賞と大賞はもちろん、ビルボードの2つのメインチャートで1位に輝き、世界的な歌手に成長しました。7年前の自分たちに、そして現在のBTSメンバーに伝えたいことは?」という質問に対して、J-HOPEは「7年前は多くの新人グループがデビューしていて、BTSという名前を一人でも多くの人に知ってもらうために、死にもの狂いでやれることは全てやってきました。想像以上にたくさんの方から愛をもらっていること、多くの人にBTSの“真心”が通じたことが非常に嬉しいです」、そして「7年前の僕には、『J-HOPE、よく頑張ったね。その努力は裏切らないよ。』と伝えたいし、メンバーは本当に、本当に大切な存在で、何度言っても足りないくらいだが、僕にとって大切な存在であり、僕の生きる理由の一つとなっているので、『7年間一緒に頑張ってくれてありがとう。これからも生涯よろしく。愛してるよ。』と伝えたい」とラブレターを送った。これに対し、苦楽を共にしたメンバーからも「愛してるよ。」と愛の言葉が飛び交い、「こんなに楽しい会のはずなのにどうして……」と言うVの目には光るものが見えた。
ポストコロナ期には、予定していたワールド・ツアーが中止になってしまった彼らだが、「どのように記憶されるか」ではなく「どのように記憶したいか」ということを大切にしたいと話す。「のちに振り返った際に『ツアーが中止になって世界中のファンの皆さんには会えなかったけど、Hot 100 1位を通じて、みんなで喜びを分かち合えたよね』と言えるように、これからも励んでいきたい。今、僕たちは何をすべきなのか、何をしているのかを忘れずにBTSらしく邁進していきます。僕たちの流行語では『チェケラ』と言うんですけど。下半期にはアルバムのリリースも予定しているので!」(RM)と前向きな姿を見せた。
BTSといえばARMYなしには語れない。「良いことは一番に伝えたいし、悲しいことは隠したい。ARMYあってこその僕たちがいる。だからこそ、ARMYの幸せのためにこれからも努力したい。Love you」と、再度ARMYへ愛と感謝を伝え、1時間ほどの会見を締めくくった。
写真提供:Big Hit Entertainment
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