2020/08/28
米最大級の音楽フェスティバル【ニューポート・ジャズ・フェスティバル】の模様を中心に捉えた音楽ドキュメンタリーの名作『真夏の夜のジャズ』が、公開60周年を記念して映像・音源ともにデジタルリマスターを施した『真夏の夜のジャズ 4K』として上映中。同作最大の見所である音楽界のレジェンド達によるステージから、ゴスペル&ブルース界のディーヴァ達の夢の競演を紹介する。
まずは、日本版ポスターでもフィーチャーされているアニタ・オデイ。ビブラートをほとんど用いない個性的な歌唱スタイルとそのハスキーボイスが特徴で、本作で見られる黒のドレスに白の手袋、羽の付いた大きな帽子姿といったアイコニックなファッションも相まって、最も印象的なパフォーマンスの一つとなった。有名な「二人でお茶を(Tea For Two)」や「スウィート・ジョージア・ブラウン」を披露している。
ハンカチを片手に笑顔で熱唱するのは、【グラミー賞】シンガーのジル・スコット主演で伝記映画『Mahalia!』の製作が発表されたばかりのマヘリア・ジャクソンだ。世界最高のゴスペルシンガーと名高く、ケネディ大統領の就任式やマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの告別式などで歌声を披露しているレジェンドで、本作でトリを飾ったパフォーマンスがその知名度を押し上げる一因となった。「神の国を歩もう(Shout All Over)」「雨が降ったよ(Didn't It Rain)」「主の祈り(Lord's Prayer)」を披露している。
劇中ではこの他、大ヒット曲「Candy」で後にグラミー殿堂賞を受賞するビッグ・メイベル・スミスや、数々のジャズミュージシャンと共演し、力強い歌唱で音楽界に幅広い影響を与えた“ブルースの女王”ダイナ・ワシントンらが続々登場する。
1958年夏、4日間に渡って行われた【ニューポート・ジャズ・フェスティバル】を83分に凝縮した映画『真夏の夜のジャズ』は、1959年に【ヴェネチア国際映画祭】で初披露。翌年に劇場公開されると、新進気鋭の写真家である監督バート・スターンのスタイリッシュな映像センスや、登場するミュージシャン、そしてジャズを楽しむ観客たちのオシャレな姿が観客を魅了し、音楽ドキュメンタリーの傑作として高く評価されてきた。映画『真夏の夜のジャズ 4K』は角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかで上映中。
◎公開情報
映画『真夏の夜のジャズ 4K』
2020年8月21日 公開
製作・監督:バート・スターン
出演:ルイ・アームストロング、セロニアス・モンク、チャック・ベリー、アニタ・オデイ 他
原題:JAZZ ON A SUMMER’S DAY
製作年:1959年(旧作の日本公開:1960年/4K版上映は日本初)
(c)1960-2019 The Bert Stern Trust All Rights Reserved.
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像