2020/08/17
テイラー・スウィフトの『フォークロア』が3週目の1位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
前週からわずかではあるがユニット数を上昇させ、3週目の首位を死守した『フォークロア』。週間ユニットは136,000で、そのうちアルバム・ストリーミング(SEA)が68,000、楽曲によるユニット数(TEA)が1,000、アルバム・セールスは先週から119%も増加させ67,000を売り上げた。
今週セールスが急増したのは、8月7日から店舗、通販サイトで販売されたパッケージ・セールスが加わったため。これまでは公式ウェブサイトのみの販売で、店舗やAmazon等のECサイトでは買うことができなかった。なお、デジタル・ダウンロードは発売日の7月24日より可能となっている。
2020年度のチャートで3週以上首位をキープしたアルバムは、今週9位にランクインしているリル・ベイビーの『マイ・ターン』(5週)、ザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』(4週)、ロディ・リッチの『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』(4週)に続く4作目で、女性アーティストのアルバムとしては最長となる。
女性アーティストの作品が3週以上首位を獲得したのは、昨年の年間チャートを制したビリー・アイリッシュの『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』以来、約1年ぶりの快挙。なお、本作は非連続での計3週であり、初登場から3週連続で1位をキープしたのは、レディー・ガガとブラッドリー・クーパーによる『アリー/スター誕生』のサウンドトラック(2018年10月20日~11月3日)以来、1年半ぶり。女性ソロのアルバムとしては、自身の『レピュテーション』(2017年12月2日~16日)以来の快挙達成。
前週から33%増加の117,000ユニットを獲得して、故ジュース・ワールド『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』は3位から2位に再浮上。今週ユニット数が上昇したのは、8月7日に本作からの6thシングル「スマイル」がリリースされたことと、公式ウェブサイトで新しいグッズが販売され、それらのバンドルが加わったため。 「スマイル」はザ・ウィークエンドとのコラボレーション・ソングで、同日に公開されたミュージック・ビデオも好評を得ている。
先週2位に上昇した故ポップ・スモークの『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』は3位にダウンしたが、今週も92,000と高ユニットを維持している。2位、3位と今週もTOP3に故人のアルバムが2作同時ランクインした。
先週の23位から4位にジャンプアップしたのは、米フロリダ州出身の新人ラッパー=ロッド・ウェーブの『Pray 4 Love』。今年の4月18日付チャートで2位にデビューし、以降TOP10以下で長らくランクインしていたが、8月7日に11曲を追加したデラックス・エディションがリリースされ、それら新曲のストリーミングが増加し、前週比258%増加の75,000までユニット数を伸ばした。前述の『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』や『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』もそうだが、今年はこの手法で再浮上するヒップホップ・アルバムが急増している。
続いて5位にデビューしたのは、米ジョージア州出身のカントリー・シンガー=ルーク・ブライアンの『ボーン・ヒア・ライヴ・ヒア・ダイ・ヒア』。初動ユニットは65,000で、そのうち48,000がアルバム・セールス、アルバム・ストリーミングが14,000、楽曲によるユニット数は2,000程度だった。セールスには、コンサート・チケットのバンドルが含まれる。
本作は、同チャート1位を記録した前作『ホワット・メイクス・ユー・カントリー』(2017年)から約3年ぶり、7枚目のスタジオ・アルバムで、最高6位をマークした2ndアルバム『ドゥイン・マイ・シング』(2009年)からすべてのスタジオ・アルバムがTOP5入りしている。コンピレーション・アルバムとEPを含めると、通算11作目のTOP10入り。
2009年『ドゥイン・マイ・シング』(6位)
2011年『テイルゲーツ&タンラインズ』(2位)
2012年『スプリング・ブレイク4...サンタン・シティ 』(9位)
2013年『クラッシュ・マイ・パーティ』(1位)
2013年『スプリング・ブレイク... ヒア・トゥ・パーティー』(1位)
2014年『スプリング・ブレイク6...ライク・ウィ・エイント・エヴァー』(2位)
2015年『キル・ザ・ライツ』(1位)
2015年『スプリング・ブレイク...チェックイン・アウト 』(3位)
2016年『ファーム・ツアー...ヒアズ・トゥ・ザ・ファーマー』(4位)
2017年『ホワット・メイクス・ユー・カントリー』(1位)
2020年『ボーン・ヒア・ライヴ・ヒア・ダイ・ヒア』(5位)
7位に初登場したのは、英オックスフォード出身のロック・バンド=グラス・アニマルズの新作『ドリームランド』。初動ユニットは60,000で、アルバム・セールスが43,000、アルバム・ストリーミングは17,000だった。売上には、公式ウェブサイトで販売されたグッズ、ライブ・チケットのバンドルが含まれる。本作は、2016年リリースの2ndアルバム『ハウ・トゥ・ビー・ア・ヒューマン・ビーイング』(20位)から4年ぶり、3作目となるスタジオ・アルバムで、自身初のTOP10入りとなる。本作は、本国イギリス(2位)やアイルランド(8位)、オーストラリア(6位)でも初のTOP10入りを果たした。
10位には米テネシー州メンフィス出身の新人ラッパー=NLE・チョッパーのデビュー・アルバム『Top Shotta』が初登場。初動ユニットは36,000で、そのうちアルバム・ストリーミングが27,000、アルバム・セールスは9,000だった。週間視聴回数は4,459万再生と好記録を打ち出している。昨年12月にリリースしたミックステープ『Cottonwood』の最高位は57位で、それを大きく上回る自己最高位更新にして初のTOP10入りとなる。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、8月21日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『フォークロア』テイラー・スウィフト
2位『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』ジュース・ワールド
3位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
4位『Pray 4 Love』ロッド・ウェーヴ
5位『ボーン・ヒア・ライヴ・ヒア・ダイ・ヒア』ルーク・ブライアン
6位『ハミルトン:アン・アメリカン・ミュージカル』サウンドトラック
7位『ドリームランド』グラス・アニマルズ
8位『ブレイム・イット・オン・ベイビー』ダベイビー
9位『マイ・ターン』リル・ベイビー
10位『Top Shotta』NLE・チョッパー
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