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2020/07/06

【米ビルボード・アルバム・チャート】リル・ベイビー5週目のNo.1、リル・ダークが2位へ急上昇

 リル・ベイビーの『マイ・ターン』が5週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 先週とほぼ同数の70,000ユニットを獲得して、首位復帰の6月20日付チャートから4週連続、初登場した3月14日付チャート含む5週目の1位を死守した『マイ・ターン』。同アルバム・チャートで5週以上1位を記録したのは、今週4位に浮上したポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』(2019年9月21日~10月5日、11月2日、11月16日)以来で、2020年度ではロディ・リッチの『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』と、ザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』の各4週を上回る、首位獲得週最長記録。

 リル・ベイビーの所属するモータウン・レコードとしては、同5週をマークしたボーイズIIメンの『II』(1994年9月17日~24日、10月8日、10月29日、1995年3月11日)以来、約26年ぶりの記録更新で、モータウンがキャピトル・レコードの傘下になってからは、最長記録となる。過去の記録では、モータウン・レコードからダイアナ・ロス&シュープリームスの『グレイテスト・ヒッツ』(1967年10月28日~11月25日)が5週連続、キャピトル・レコードからはビートルズのベスト盤『ザ・ビートルズ1』(2000年12月2日、12月23日~2001年2月3日)が、通算8週の1位を獲得している。

 今週もTOP10に新しくランクインした作品はなく、『マイ・ターン』は6月20日、6月27日付チャートに続く、3週目の新作不在での首位獲得となった。週間ユニット数も、6月20日付チャートで本作が記録した65,000ユニットに次ぐ2番目に低い記録で、5週目の首位獲得は強豪不在ということが主な理由として挙げられる。

 先週の56位から2位にジャンプアップしたのは、リル・ダークの『Just Cause Y'all Waited 2』。前週から202%増加の43,000ユニットを獲得し、アルバム・ストリーミング(SEA)も200%増の41,000まで上昇させた。本作は、5月23日付チャートで5位にデビューしたが、その記録と最高4位をマークした前作『Love Songs 4 the Streets 2』(2019年)を上回る、自己最高位更新となる。

 『Just Cause Y'all Waited 2』が今週急上昇したのは、6月26日に7曲を追加したデラックス・エディションがリリースされたため。今年は、発売から数週間~数か月後に新曲を追加して再リリースするのがラップ・アルバムの主流になっていて、1位の『マイ・ターン』も、5月1日に6曲を追加したデラックス盤をリリースし、再ヒットに繋げた。先週は、エイ・ブギー・ウィット・ダ・フーディの『アーティスト2.0』が、6月19日に9曲を追加したデラックス・エディションの発売を受け、前週の80位から3位に、再TOP3入りを果たしたばかり。その他、各1位を獲得したリル・ウージー・ヴァートの『エターナル・アテイク』や、ザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』、NAVの『グッド・インテンションズ』も、同様の手法でユニット数を増加させ、上位をキープした。

 週間40,000ユニットを獲得し、ダベイビーの『ブレイム・イット・オン・ベイビー』が3位に、前述の『ハリウッズ・ブリーディング』(39,000ユニット)が4位と続き、ザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』は前週の11位から5位に、TOP5復帰を果たした。『アフター・アワーズ』が今週獲得したユニット数は32,000で、前週からわずか1%しか上昇していないが、『マイ・ターン』が5週目の1位をキープしたことと同様に、新作がランクインしていないことと、他のアルバムのユニット数が低いことが、ランクアップした理由とされる。

 ハリー・スタイルズの『ファイン・ライン』も、週間ユニット数は前週比4%増の32,000に留まっているが、同様の理由で先週の13位から6位に再TOP10入りしている。本作は、初登場の2019年12月28日~2020年1月4日の2週1位をキープし、2月8日付チャート以降TOP10にはランクインしていなかったが、安定したユニット数をキープして、約5か月ぶりにTOP10復帰を果たした。アルバムからは、新曲「ウォーターメロン・シュガー」が、ソング・チャート“Hot 100”で16位まで上昇中。最高6位をマークした「アドア・ユー」に続き、2曲連続のTOP20入りを果たした。

 以下、ポロ・Gの『ザ・ゴート』(31,000ユニット)が10位から7位、リル・ウージー・ヴァートの『エターナル・アテイク』(31,000ユニット)が9位から8位にそれぞれ上昇し、先週7位にランクインしていたドレイクの『ダーク・レーン・デモ・テープス』(30,000ユニット)は9位にダウン。フューチャーの『ハイ・オフ・ライフ』(29,000ユニット)は、前週から8%も減少しているものの、12位から10位にTOP10復帰を果たしている。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、7月10日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『マイ・ターン』リル・ベイビー
2位『Just Cause Y'all Waited 2』リル・ダーク
3位『ブレイム・イット・オン・ベイビー』ダベイビー
4位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
5位『アフター・アワーズ』ザ・ウィークエンド
6位『ファイン・ライン』ハリー・スタイルズ
7位『ザ・ゴート』ポロ・G
8位『エターナル・アテイク』リル・ウージー・ヴァート
9位『ダーク・レーン・デモ・テープス』ドレイク
10位『ハイ・オフ・ライフ』フューチャー

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