2012/12/05
生演奏/歌唱では表現不可能と言われているボーカロイド曲を、生演奏/歌唱で再現/表現してしまうバンド 有形ランペイジ。12月2日、六本木Orange Ladyにて超絶技巧アクトを繰り広げ、観客やニコニコ生放送視聴者の度肝を抜いた。
<人間が演奏すると想定せずに作られた楽曲群、攻略>
年内ラストライブとして行われたワンマン公演【有形ランペイジ~師走の陣~】は、今井義頼(dr)→佐々木秀尚(g)→二家本亮介(b)→白井アキト(key)とひとりひとり登場しながら徐々に音を重ね、冒頭からセッションを加速させていくことで観客を扇情。3曲目、Mitchie M原曲の「FREELY TOMORROW」よりmarina(vo)も登場し、安定感抜群の歌唱力と肩を出したセクシー衣装でもって魅了していく。そこに有形ランペイジ発起人であるsasakure.UK(syn,sampler)が現れれば、誰もが全力でヘドバンするほどのグルーヴが完成。
なお、同公演は2部制となっており、2ndアクトでは各々の超絶技巧プレイが爆裂する「万有ヱレキテル」(http://bit.ly/RkRB90)「世界五分前仮説」(http://bit.ly/T2QiWD)といったキラーチューンを連発し、そこにいる誰もが驚嘆の表情を見せる。人間が演奏すると想定せずに作られた楽曲群を必死に表現してきた彼らだが、この日はそれらをほぼ完全攻略。あり得ないBPMであっても、常識離れしたフレーズであっても、圧倒的な演奏スキルで乗りこなしてみせた。
<jubeat plusにて有形ランペイジパック発売>
ライブの最後には、来年1月、KONAMIの音楽ゲームアプリ jubeat plus、REFLEC BEAT plusにて有形ランペイジパックが発売されることを発表。そして6人で肩を組み、全力で駆け抜けた2012年最後の宴に幕を閉じた。
◎有形ランペイジ(sasakure.UK&marina)終演後インタビュー
--今年最後のライブを終えた今の感想を。
sasakure.UK:いろいろ難解な技巧を通して、それぞれのメンバーの技術も成長してきてるんですけど、今回はバンドとしても成長してきたなと、実感できた1日でした。
marina:ようやく1年経って、以前は分散していた音がちゃんとまとまってきて、有形ランペイジの色が出てきたなって思いました。
--そもそも有形ランペイジって何を目指して結成したバンドなんでしょう?
sasakure.UK:僕は打ち込みで完結してしまう音楽を基本要素として制作しているんですけど、それをすべて生にコンバートしたらどうなるのか。ということを思い付いたんです。ただ、生で再現するのはすごく難しいので、フュージョンのライブ会場に行ったりして。それで「この人なら」と思った人をどんどんスカウトしていって出来たのが有形ランペイジ。marinaは昔から面識があって、歌に対してすごく真面目なところが良いなと思って、参加してもらいました。
--超絶技巧派集団相手に歌うことになり、最初はどんなことを思いました?
marina:最初は「負けないぞ」から入りました。人間がやれるはずのない音楽をやるというコンセプトだから、それを「やっぱり出来なかったか」って言われるのはすごく悔しいので、とりあえず「やってやる!」みたいな。
--有形ランペイジって最終的にはどこに辿り着こうとしているんでしょう?
sasakure.UK:やっぱり技巧的なところはとことんまで追求しつつ、それでもポップさを失わない。自分としての音楽を追究していきたいなと思ってます。
--有形ランペイジってあらゆるジャンルやフィールドをクロスオーバーしていける可能性が高いと思うんです。本来、フュージョンとボカロの世界って交わらないものですが、実は音楽的に密接であることを体現していると思いますし。
sasakure.UK:僕は普段からそういう異文化の人たちと共存したい気持ちがすごく強いんです。僕はジャンルなんて気にせず音楽を聴くし、アニメソングも聴きますし、プログレも聴きますし、ゲームミュージックも聴く。なので、分け隔てなく音楽をやっていたいなって。
marina:ウチはひとりひとりが曲を書けるので、そこの個性も生かしつつ、みんなでひとつひとつの楽曲に対して取り組んでいければいいなと思うんです。融合というか、それこそ垣根を超えた共存を大切にしたい。そういう人たちが他にいないというのも、やり応えがあるので。来年は実りたいです!
取材&テキスト:平賀哲雄
◎ライブ【有形ランペイジ~師走の陣~】
12月02日(日)六本木Orange Lady SET LIST:
1st
01.The De’but
02.Jack-the-Ripper
03.FREELY TOMORROW
04.マリィの世界
05.二息歩行
06.タイガーランペイジ
07.おやすみ
2nd
08.HOME
09.TOBIUO
10.万有ヱレキテル
11.世界五分前仮説
12.ウタカタ永焔鳥
13.*ハロー、プラネット。
En1.ストロボラスト
En2.ぼくらの16bit戦争
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