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2020/04/06

【米ビルボード・アルバム・チャート】ザ・ウィークエンド首位キープ、5SOS/デュア・リパ/パール・ジャムらがTOP5入り

 ザ・ウィークエンドの『アフター・アワーズ』が2週目の1位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 先週、2020年度としては最高の444,000ユニットを記録してNo.1デビューを飾った『アフター・アワーズ』。初週からは69%も減少したが、2週目となる今週も138,000ユニットと高水準を維持している。138,000のうち、アルバム・ストリーミングによるユニット数(SEA)が86,000、楽曲単体によるユニット数(TEA)が4,000、アルバム・セールスが47,000だった。

 『アフター・アワーズ』は、リリースの72時間後に5曲を追加したデラックス・エディションが、3月30日には新曲3曲が追加されたアップデート・バージョンがサプライズ・リリースされている。それら新曲のストリーミングが上昇したこと、それから公式ウェブサイトでのグッズによる売り上げや、ライブ・チケットの交換特典等もユニット数に大きく貢献した。今週3位にランクインしているリル・ウージー・ヴァートの『エターナル・アテイク』も、同様の手法で2週連続の1位を獲得したばかり。今後は、発売翌週にリミックスをリリースするという戦略が増えるかもしれない。

 アルバムからの2ndシングル「ブラインディング・ライツ」が先週のソング・チャート“Hot 100”で1位を獲得し、ストリーミング上昇に大きく貢献した。『アフター・アワーズ』からは、1stシングル「ハートレス」も2019年12月14日チャートで1位にデビューしている。

 先週の62位から2位にジャンプアップしたのは、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーの新作『カーム』。週間ユニット数は133,000で、そのうちアルバム・セールスが113,000、アルバム・ストリーミングによるユニット数が19,000、楽曲によるユニット数が1,000だった。トップ・アルバム・セールス・チャートでは1位をマークしている。

 先週62位にデビューしたのは、実際の発売日である3月27日より前にコンサート・チケットによるバンドル11,000枚分が反映してしまったため。その11,000枚が今週のチャートに追加されていれば、No.1デビューしていたことになる。ケースは異なるが、2016年にリリースしたリアーナの『アンチ』は、初日のみTidal限定での販売、2日間限定でストリーミングが行われたため、初登場は27位だったが、解禁後セールス、ストリーミングが急上昇し、翌週1位に跳ね上がった。過去には、一部のCDショップで発売日より前に店頭に並べてしまったアルバムが、同様のチャート・アクションを起こしている。

 2014年の1stアルバム『ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー』、2015年の2ndアルバム『サウンズ・グッド・フィールズ・グッド』、2018年の3rdアルバム『ヤングブラッド』がいずれも同チャート1位を獲得していただけに、こういった理由で首位を逃がしたことが悔やまれる。なお、UKチャートでは『サウンズ・グッド・フィールズ・グッド』に続く2作目のNo.1をマークし、本国オーストラリアでは4作連続の首位獲得を果たしている。

 4位に初登場したのは、デュア・リパの『フューチャー・ノスタルジア』。初動ユニット数は66,000で、アルバム・ストリーミングによるユニットが44,000、楽曲単体によるユニットが3,000、アルバム・セールスは18,000だった。デビュー・アルバム『デュア・リパ』(2017年)の最高位は27位で、全米では本作が初のTOP10入りとなる。UKチャートでは2位にデビューしていて、前作の3位に続く2作目のTOP3入りを果たした。

 デュア・リパの所属する<ワーナー・レコード>では、2018年10月にシェールの『ダンシング・クイーン』、同年12月にマイケル・ブーブレの『ラヴ』がそれぞれ3位を記録しているが、ポップ・アルバムとしてはそれ以来の好成績。今年2月には、グリーン・デイの『ファザー・オブ・オール…』が同4位を獲得している。また、今週8位に初登場したパーティーネクストドアの『バーティーモバイル』も、同ワーナー系列からリリースされたアルバムで、2作がTOP10入りするのは2019年3月9日付チャート以来、約1年ぶりとなる。

   『フューチャー・ノスタルジア』からは、先行シングル「ドント・スタート・ナウ」がソング・チャート“Hot 100”で最高2位を記録し、アルバムのプロモーションに繋げた。同曲は、エアプレイ・チャートで3週連続の1位をキープし、ポップ・ソング・チャートでは6週目のトップを維持している。

 続いて5位にはパール・ジャムの新作『ギガトン』がデビュー。No.1デビューした前作『ライトニング・ボルト』(2013年)以来約6年半ぶり、通算11作目のスタジオ・アルバムで、1991年のデビュー・アルバム『Ten』(最高2位)以降、11作全てのアルバムがTOP5入りを果たしている。TOP10入りは、2011年リリースのコンピレーション・アルバム『パール・ジャム トゥウェンティ』(最高10位)含む、通算12作目。

 『ギガトン』の初動ユニットは63,000で、そのうちアルバムの実売が57,000とセールスが大半を占めた。57,000のうち14,000枚がLPによる売上で、2020年度ではハリー・スタイルズの『ファイン・ライン』が記録した28,000枚に続く、2番目に高いLPの週間セールスを打ち出した。

 8位は先述のパーティーネクストドアの『バーティーモバイル』で、初動ユニットは50,000を獲得している。TOP10入りは、最高3位を記録した前作『パーティーネクストドア3』(2016年)に続く2作目。アルバムからは、ドレイクをフィーチャーした「ロイヤル」がR&Bチャート7位を記録。アルバムの発売同日にはリアーナがゲスト参加した「ビリーヴ・イット」がリリースされ、話題を呼んだ。

 10位に初登場したのは、ジョイナー・ルーカスの『ADHD』。エミネムやロジックの作品で知名度を上げた米マサチューセッツ州出身のラッパーで、これまで4作のEPをリリースしているが、正式なスタジオ・アルバムは本作が初となる。初動ユニットは39,000で、アルバム・ストリーミングによるユニットが28,000、楽曲単体によるユニットが1,000、アルバム・セールスは10,000だった。アルバムには、クリス・ブラウンやティンバランド等人気アーティストが参加している。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、4月10日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『アフター・アワーズ』ザ・ウィークエンド
2位『カーム』ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー
3位『エターナル・アテイク』リル・ウージー・ヴァート
4位『フューチャー・ノスタルジア』デュア・リパ
5位『ギガトン』パール・ジャム
6位『マイ・ターン』リル・ベイビー
7位『YHLQMDLG』バッド・バニー
8位『バーティーモバイル』パーティーネクストドア
9位『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』ロディ・リッチ
10位『ADHD』ジョイナー・ルーカス

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