2020/04/03
坂本龍一が、ライブ『Ryuichi Sakamoto: PTP04022020 with Hidejiro Honjoh』を、2020年4月2日に無料生配信した。
外出自粛が続く世の中に「少しでもエールを送りたい」という坂本龍一の想いから実現したライブ。坂本龍一は2月下旬にも中国向けに2つのプログラムで無料配信を行っており、UCCA+Kuaishouが企画した『Sonic Cure(良楽)』では300万ビューのアクセスを記録。そして今回、dTVが坂本龍一のこの取組みに懸ける想いに共感し、同サービスとしては初となる無料での生配信が行われた。
当日の会場では、医師によるアドバイスのもと、新型コロナウイルス感染防止対策として「密閉」「密集」「密接」の3つの密を避け、スタッフも必要最低限の人数に絞り、メディカルチェック、アルコール消毒、マスク着用を徹底。控室などの除菌作業も行った上でライブを実施。静かな緊張感が漂う中、2017年に発売された坂本龍一オリジナルアルバム『async』から、1曲目に収録されている「andata」のピアノソロでライブがスタートした。
演奏が終わると、「マスクをとるの忘れちゃった」とお茶目な一言で挨拶をし、無料配信によるプレミアムライブ開催について、「本来、通常の公演であれば、たくさんのスタッフが関わっているが今は働けない状態の人もいる。ポジティブにこの時間を使ってほしい」と述べた。
今回のライブは三部構成となっており、オープニングに続き、坂本龍一のオファーにより出演を快諾した、三味線奏者の本條秀慈郎がゲストとして迎え入れられた。2019年に坂本龍一が書き下ろした楽曲「honj II-2019」を演奏し、さらに「improvisation -20200402」と題し、坂本龍一がピアノの中の弦を石やコインなどで擦る内部奏法や、40年振りに復元されたバシェの音響彫刻、エレキギターなどを用いて三味線の音に加わり、即興ディオを披露した。
ライブは一度中断し、新型コロナウイルス感染防止対策のため、5分間の換気休憩へ。休憩中は「3学会合同日本 COVID-19対策 ECMOnet」からの新型コロナウイルスに関するメッセージが映し出され、会場に医師を招き、坂本龍一と新型コロナウイルスについて対談の時間が設けられた。
そして、坂本龍一のピアノソロによるエンニオ・モリコーネのカバー曲「1900」でライブが再開。映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯』のテーマ曲「Gui」や、ファンの中でも不動の人気を誇る「水の中のバガテル」に続き、大反響を呼んだ「美貌の青空」、それから1999年に発売され、ミリオンセールスを記録した「energy flow」、英国アカデミー賞の映画作品『戦場のメリークリスマス』より「Merry Christmas Mr. Lawrence」など、心に染みわたる名曲の数々が存分に届けられた。
最後は、改めて「コロナに負けず、頑張ってほしい」と強いメッセージを残し、エンドロールとして「Perspective」でライブを締めくった。
ライブの模様は、近日dTVにて配信されることが決定している。
◎配信情報
「playing the piano europe 2009_Limited Edition」
2020年3月27日(金)21時~
「Ryuichi Sakamoto | Trio Tour 2011 in Europe」
2020年4月3日(金)21時~
「UTAU LIVE IN TOKYO 2010 A PROJECT OF TAEKO ONUKI & RYUICHI SAKAMOTO_Limited Edition」
2020年4月10日(金)21時~
「GLENN GOULD GATHERING_Limited Edition」
2020年4月17日(金)21時~
※配信期間:各作品の配信開始日から4週間
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